折坂悠太の新曲「春」MVが公開 映画『泣く子はいねぇが』スタッフが制作

シンガー・ソングライターの折坂悠太が、11月18日に配信リリースした新曲「春」のMVを公開した。

「春」は11月20日公開の映画『泣く子はいねぇが』の主題歌で、MVは映画と同じく佐藤快磨(さとう・たくま)が監督を、月永雄太が撮影を担当。映画のロケ地である秋田県・男鹿半島で、主人公の実家として使用した、かつて製鉄所だった場所を借りて撮影された。さらに佐藤監督による「男鹿に吹く風のように歌が始まり、巡ってきた季節とつないできた小さな幸せを描きたい」という思いから、MV内のテレビと中盤から大きく映し出される映像には、約40年前に撮影された男鹿のホームビデオを使用している。

折坂は「春」を制作するにあたり、「この仕事をお受けする前に太賀(主演の仲野太賀)さんから『ラストシーンのその先を観客の皆さんに委ねる部分が多いので、何か一歩踏み出せるものを導いてもらいたい』というメッセージをもらい、そういうポジティブでもネガティブでもない感情を持っているのは母親なのかなと感じた。唯一物語の中で状況を俯瞰して観ている主人公の母親の気持ちで作ろうと思いました」と振り返る。

タイトルおよびテーマについては、「この曲を書いている時の世の中も、確かなことが何も言えない状況だったんです。確かじゃないことばかりだけど、もしかしたら春が待っているかもしれない、今の自分のありさまが春なのかもしれない、ということを映画を観た時に感じてあの一節(確かじゃないけど/春かもしれない)が生まれました」とコメントした。

MVと合わせて、映画の主演・仲野太賀と折坂による対談映像も公開された。かねて折坂のファンだったという仲野が「春」を聴いての感想を、折坂が楽曲制作に対する思いなどを語っている。

映画『泣く子はいねぇが』は佐藤が監督、脚本、編集を務め、企画として是枝裕和が、エグゼクティブプロデューサーとして河村光庸が参加している。佐藤監督が男鹿半島周辺の伝統行事「なまはげ」から「父親としての責任」「人としての道徳」というテーマを見出し、親になることからも、大人になることからも逃げてしまった主人公が、過去の過ちと向き合い、不器用ながらも⻘年から大人へ成⻑する姿を描いたオリジナル作品。9月にスペインで行われた「サン・セバスティアン国際映画祭」のオフィシャルコンペティション部門で最優秀撮影賞を受賞した。折坂は主題歌の他、劇伴も担当している。

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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