デザインやイメージのリアリティを問う 2016年から欧米を巡回してきた「Which Mirror Do You Want To Lick?」日本版が開催

2016年、チェコで開催されたブルノ・ビエンナーレを皮切りに、欧米諸国を巡回してきたプロジェクト「Which Mirror Do You Want to Lick?(どの鏡を舐めたい? 略称 WMDYWTL?)」日本版が10月18日から11月7日に東京藝術大学で開催する。

同展はフェイクニュースや偏った編集で正しさの定義が揺らぐ今、デザインやイメージ、物体のリアリティがテーマ。実現しなかったデザイン案や実在しないアーティストの作品などを集めた展示で、近年のビジネスやテクノロジー指向の議論からは生まれない、デザインの意味や問いかけを促す。開催場所や時期にあわせて内容を発展させてきて、今回は日本および“教育”にフォーカス。東京藝術大学の学生がキュレーターとともにこれまでの展示内容を日本流に解釈する。テンプル大学ジャパン日本グラフィックデザイン史クラスも特別冊子で展示に参加。

キュレーションを手掛けるのは、クリティカルなデザインの最前線で活動するデザイナー集団のアバケやユニークな書体デザイン知られるラディム・ペスコ、グラフィックアートのキュレーターとして活躍するソフィ・デデレンの他、日本巡回展のゲストキュレーターには東京藝術大学デザイン科教授の松下計、「アイデア」前編集長の室賀清徳、グラフィックデザイナーの鈴木哲生が参加する。全42作品の対話とワークショップを通じて“翻訳”する過程で、さまざまな変化を遂げていった同展が、思想と文化としての「デザイン」に向き合う重要な機会を創出する。

■Which Mirror Do You Want to Lick?(どの鏡を舐めたい?) −デザインにおける虚構と現実の狭間−
会期:10月18日〜11月7日
会場:東京藝術大学陳列館
住所:東京都台東区上野公園12-8
時間:10:00 〜17:00
休日:無休
入場料:無料
Webサイト:whichmirror-tokyo.geidai.ac.jp

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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