写真家・川田喜久治の「地図」のマケット版が発表 制作にまつわるインタビューも収録

写真家、川田喜久治の作品集「地図(マケット版)」が発売した。同作は杉浦康平がデザインを手掛け、全ページ観音開きの独創的な装丁の写真集として1965年に刊行され、日本写真史の金字塔と評されている。2005年と2014年に復刻版が出版され、2001年に、ニューヨーク公共図書館が同作の構想模型を収蔵した。

マケットは川田の手製であり、写真集とほぼ同じ作品が収録されているが、イメージのトリミングや階調、向きなどにバリエーションをもたせている。大きな違いは、二分冊の装丁で、サイズはこれまでの出版本の約2倍。写真のページには、ごく薄い、複写用の印画紙が使われ、写真同士が貼り合わされている。出版本の観音開きの形式とは異なり、どれも断ち切りの激しいイメージが連続して現れる。同作は、2 冊本のマケットを精緻に復元しており、ニューヨーク公共図書館ウォラック記念アート部門のアソシエート・ディレクター、ジョシュア・チュアンとアート・リサーチャーのヒントン実結枝による研究論文に加え、初版本の「地図」の制作にまつわる川田のインタビューも収録している。

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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