「エリミネイター」がピーター・デ・ポッターら3人のアーティストとコラボ 「アンブロ」のTシャツを使用

東京・代官山のセレクトショップ「エリミネイター」は、アーティストのピーター・デ・ポッター、ファッションデザイナーのティグラン・アベティスヤン、ステンシルアーティストの守矢努の3人を迎え、「アンブロ」とのコラボTシャツ3型を2月26日に発売する。価格は各¥19,800。

今回は、同コラボ限定の「アンブロ」のTシャツをキャンバスに見立てて、「エリミネイター」とつながりのある3人の作品を落とし込み、各アーティストのメッセージを通して自分自身を証明できるようなアイテムを目指した。

ピーター・デ・ポッターは、アントワープ王立芸術アカデミー出身で、抽象芸術やパンク、ポップ、抗議運動の精神などからインスパイアされている。また、「ラフ・シモンズ」のメインヴィジュアルイメージやグラフィックデザインを2001〜2010年に手掛けており、シモンズが参画して以降の「プラダ」のコレクションでもアーティストとして活躍している。

コラボTシャツは、精神的にも肉体的にも強くなって自身を創造する必要性を表現した2016年のアートワーク『i’m building』を採用。5種類のサイズのタイポグラフィーを波打ったレイヤーで配した。前身頃には、地球を廃墟に見立てて人が次なるステージへ進化することをイメージした2020年の作品『LEAVE BEHIND THE RUINS』(廃墟を残して) をプリント。シンプルながらも未来に向けたポジティブなメッセージ性のある1枚に仕上げた。

ティグラン・アベティスヤンはモスクワ出身で、イギリス・ロンドンのセントラル・セント・マーチンズを2012年に卒業した時のコレクションでLVMHのスポンサー賞を獲得した。作品は自己反省的で、加速し続けるファッション業界のスピードと欲深さに対する皮肉やメッセージを込めたユーモアが特徴。

コラボTシャツは、消費主義社会へのアンチテーゼとして”Freedom of No-Choice”と描かれたアートワークをプリント。アヴェティスヤンは、「私達が購入するものによって自分のアイデンティティを選択するのだという前提の上で、選択するプロセスに関与しない事で、何か解放されるような気がします。無意味に変わらない事にこそ、パンクの精神があるのです」とアートワークに込めた思いを語った。前身頃のアートワークは、イデオロギーに捕われ過ぎて何の疑問も持たずに、日常を当たり前の様に受け入れて生活してしまう事への注意喚起としての“NO”と、平和の象徴である鳩を重ね合わせた。

守矢努は、桑沢デザイン研究所卒業後、アートディレクターやデザイナーを経て、近年ではステンシルワークを中心に作品制作を行なっている。また長野県諏訪市という自身のルーツの探究に端を発した、人類学や民俗学などの視点を取り入れたアブストラクトアートも発表している。

コラボTシャツは、今回のために制作された作品をプリントしており、“Chaos”というワードを中心にした螺旋モチーフが特徴。幾重にも塗り重ねられた層には、中央にはマザー・テレサの名言である「Let us always meet each other with smile for the smile is the beginning of love.(いつも笑顔で会おう。笑顔は愛のはじまりだから)」というメッセージを隠した。

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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