「ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで」が開催 代表作やオリジナルの家具や建築物約120点を展示

企画展「ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで」が、東京都現代美術館で開催される。会期は2022年7月16日〜10月16日。ジャン・プルーヴェ(Jean Prouvé)の代表作である《「セントラール」テーブル》や《ファサード・パネル》、《ライン照明》、工業生産化への移行における象徴の1つにもなった《引き出し付き折りたたみテーブル》等、オリジナルの家具や建築物約120点を、図面やスケッチ等の資料とともに展示する。20世紀の建築家の家具を扱う「ギャラリー パトリック・セガン(Galerie Patrick Seguin)」とアメリカを拠点に活動するグラフィック・デザイナーである八木保による共同企画展で、本展は主に両者の所蔵作品と前澤友作、プルーヴェ家の所蔵作品で構成される。

1930年代、プルーヴェは市場の拡大にともなう大量生産の要請に応えるように、公共機関や大学向けの家具を手掛けた。その中でも、椅子はプルーヴェにとって重要であり、美しい形を保ちつつ、剛性と人間工学に基づく合理性が交わるデザインを探求し続けた。《「シテ」チェア》から《「コンフェレンス」チェア No. 355》まで数々のモデルを展示することで、その変遷を辿る。

1950年代になると、プルーヴェは国外に販路を求め、アフリカで使われるための家具やアルミニウム製のファサードを手掛けるようになる。このような仕事の中から《「S.A.M.」テーブル No.506 アフリカ型》や《「トロピク」アームチェア No.351》に加えて、ギニアの UAT航空やカメルーンの学校用につくられた日除ルーバーを展示する。

同展の後半では、自身を“構築家(constructeur)”と位置づけた建築物へのアプローチにもフォーカスし、主要な建築プロジェクトの他に、現存する3つの建築作品を展示する。《「メトロポール」住宅(プロトタイプ)》は“ポルティーク”と呼ばれる構造体とファサードを別々に展開することで、構造の特徴を浮かび上がらせる。地下2階のアトリウムに建てられる《F 8×8 BCC組立式住宅》は、プルーヴェとピエール・ジャンヌレ(Pierre Jeanneret)が第二次世界大戦中に協働し設計・建設。また、アトリウムの壁面に展示する《6×6組立式住宅》は、東フランスの難民のための一時的な住居として1944年に設計されたもので、並外れた適応能力と近代化への探求を表している。

最後の展示室では貴重なプルーヴェのインタヴューを含む映像を上映する。《折りたたみ天板付き講義室用ベンチ》を設置し、来場者は作品に座りながら、映像を鑑賞することができる。

■企画展「ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで」
会期:7月16日〜10月16日
会場:東京都現代美術館 企画展示室1階・地下2階
住所:東京都江東区三好4-1-1
時間:10:00〜18:00(展示室入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜(7月18日、9月19日、10月10日は開館)、7月19日、9月20日、10月11日
入場料:一般 ¥2,000、大学生・専門学校生・65歳以上 ¥1,300、中高生 ¥800、小学生以下無料
※学生無料デー Supported by Bloombarg:8月30日〜9月2日の4日間、中高生・専門学校生・大学生は「ジャン・プルーヴェ展」を無料で観覧可(チケットカウンターにて学生証を提示)
※本展チケットで「MOTコレクション」も観覧可
※開催内容は変更となる場合あり

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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