フランス・アンジェを拠点とするアーティスト・森田幸子の作品集が「カイロ アパートメント」から発売

インディペンデントパブリッシングハウス「カイロ アパートメント(Cairo Apartment)」から、フランス・アンジェ在住の日本人アーティスト・森田幸子の作品1冊にまとめた作品集『Time in Air, Time in Paper』が12月16日に通常版、特装版共に「カイロ アパートメント」のウェブサイトにて予約受付を開始した。

また、同作の発売に合わせた展示会が、1月22日まで恵比寿のアートブックストア「POST」で開催される。2023年1月21日17:00からは、森田によるブックサイニングイベントも行われる。

『Time in Air, Time in Paper』は、コットンクロスに題箋貼りを施したハードカバーで登場。初版は1,000部限定で、その内の25部は特装版として、アーティストによるナンバリングとサインの入ったオリジナルプリント、貼り箱スリップケース付きで販売される。価格は初版が¥7,700で、特装版は¥58,300。表紙の題箋貼りは紙の耳を出すように手作業で1枚1枚リップオフし、テキストは全て活版印刷を用いるなど、森田の手仕事による作風との親和性考えたデザインとなっている。印刷・製本は、「カイロ アパートメント」設立者の2人にとって馴染みのある京都で行われている。

森田は自ら制作した印画紙を用いた独自の手法で、日々の生活の中で見つける喜びや好奇心からインスパイアされた作品を制作するアーティスト。作品に使われる印画紙はイタリア製水彩画紙に刷毛で感光剤を塗布したもの。印画紙に、35mmフィルムカメラを使い自然光の中で撮影された写真を、アンティークの引き伸ばし機を使用して焼き付ける。その後、水と絵筆で影を描くように感光剤を細心に取り除くことで、直感的なドローイングのような輪郭が生まれる。瞬間的な時を捉える写真的側面と、線や影を定義しながら時間を経て完成させる絵画的側面の2つの表情が垣間見えるような作品となっている。

同作では、その2つの側面を意識し、20年以上にわたる51作品を再編することで、水彩画紙に存在する彼女の素朴な時の流れを捉えることを試みている。森田の作品が持つ独特な時の流れに記憶を巡らせることで、視覚に加え、感覚によって鑑賞することの喜びを体験することができる。

■Sachiko Morita / Time in Air, Time in Paper展示会
会期 : 12月16日〜2023年1月22日
会場 : POST
住所 : 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
時間 : 11:00 – 19:00
休日 : 毎週月曜日
※2023年1月21日17:00よりブックサイニングイベントも開催

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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