川田十夢がヨネダ2000や鎮座DOPENESS、小林幸子らの身体を3D図鑑化 豪華ゲストを迎えた公開記念イベントも開催

開発ユニット「AR三兄弟」としても活動する川田十夢が総合演出を手掛け、パフォーミングアーツの制作会社「プリコグ(precog)」と共同で取り組んできた人体データのアーカイブ&発信プロジェクトの新作「VIRTUAL NIPPON BODIES 2023」が2月11日に特設アプリ「社会実験」で公開される。

芸能・音楽分野からは、小林幸子、ヨネダ2000、鎮座DOPENESS、元・たまの石川浩司の3D人体データが公開される。さらに伝統芸能・伝統行事にも着目し、いがみの権太+人形遣い(人形浄瑠璃、文楽)、音無史哉(笙)、富山市のおわら風の盆(唄と踊りの民謡)、五島列島五島市のチャンココ(念仏踊り)などもプロジェクトに参加した。アプリ「社会実験」では、総勢約20名のデータをバーチャル身体図鑑として閲覧することができる。

同プロジェクトでは、360度全方向から約200台のカメラで演者の身体を捉え、三次元表現を可能にする全身3Dスキャナー「3D GATEWAY」によってデータを収録し、フォトグラメトリの技術で3Dモデルを作成している。このように作られた3Dモデルは、ARやVR、そのほかメタバース空間でのアバター表現などにも活用することができる。また、関節などの人体の動作の特徴となる部位の位置と動きを記録することで、人間の「動作」を記録するモーションキャプチャという技術を用いた、3次元のモーションデータもFBX (Filmbox) 形式のデータとしてアーカイヴしている。このデータは、様々な3Dデータと組み合わせて活用することもできる。

文化庁委託事業「令和4年度戦略的芸術文化創造推進事業」の取り組みの1つである同プロジェクトは、3年に渡って取り組まれてきた。3Dデータ化された躍動感のある身体を世界中いつでもどこからでも鑑賞することができるプロジェクトは、身体表現の可能性を提示し、“経験を宿した身体の価値”を未来に伝える。

2月11日には1日限定の公開記念イベントも開催。体験コーナー(14:00〜18:00)の他、16:00〜17:30にはAR三兄弟、宮﨑雄(ゲームクリエイター)、オル太(アーティスト)を迎えた身体データワークショップ「ゲームか?公演か?何作る?」が行われる。ワークショップは定員10名の事前申込制で、身体表現のデジタルデータを活用して生み出すことができるゲームや公演アイデアを参加者とともに考える場となる。

また、18:00〜20:30には身体のデジタルデータをめぐる「川田十夢 総合司会 一大リレートーク」も実施される。上記のゲストに加え、相見 猛(ソニー 新規ビジネス・技術開発本部 通信技術開発部門 モーション事業推進室室長)、佐藤仙務(寝たきり社長)、島田真太郎(テクノツール代表)、畑中章宏(民俗学)、チャンココ(念仏踊り)、おわら風の盆(唄と踊りの民謡)呉宮百合香(ダンス評論)、音無史哉(雅楽)、石川浩司(シンガーソングライター/元・たま)、施井泰平(スタートバーン株式会社代表取締役)、古屋大貴(奇譚クラブ)が登壇し、有識者による身体のデジタルデータ化を巡るトークが繰り広げられる。リレートークも事前申込制で定員は40名となっている。

さらに、イベント予約者と来場者の先着100名に限定トレーディングカードをプレゼントするキャンペーンも実施される。

■図鑑公開・完成披露イベント
日時 : 2月11日
会場 : シビック・クリエイティブ・ベース東京
住所 : 東京都渋谷区宇田川町3-1 渋谷東武ホテル地下2階
時間 : 14:00~20:30

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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