アーティスト・Nell Shiinaの個展「Where now in our gaze?」が京都・光明院で開催

アーティスト・Nell Shiina(ネル シイナ)が個展「Where now in our gaze?」を3月10日〜4月9日に京都・光明院で開催する。同展では、高さ3mにも及ぶ日本初の建築用3Dプリンター製のコンクリートの彫刻と新作のドローイングが、作庭師・重森三玲による枯山水庭園「波心庭」に展示される。

彫刻作品はクリエイティヴディレクターのアラタ スズキが建築設計を、MAT一級建築士事務所が施工を担当した。同作品は、Nell Shiinaが粘土や石膏を用いて制作した鋳型から、アラタ スズキが柱の3Dデータを再設計し、建築用3Dプリンターを用いてコンクリートとして出力するという手法で作られている。かつてこの地に存在した巨大な大仏が火災によって焼失したものの左手だけが奇跡的に残り現在まで保管されているという歴史を踏まえ、複数のマテリアルによる転写によって制作された彫刻は、不在の大仏を想像させるように、光明院や波心庭に潜む幻影を捉える。

Nell Shiinaはイングランドと日本にアイデンティティを持つ芸術家で、16 歳からロンドンで彫刻家としてのキャリアを始め、ファインアートや美術解剖学、物理学、西洋哲学を学び、その後はパリを拠点に活動をする。これまでに、解剖学や哲学を軸にした物事の実存と不在の境界を表現するような彫刻や、それに付随するドローイングやペインティングを制作してきた。近年では “Legitimate、Inchoate、Antagonism”をモットーに石膏や鉄を使った表現を通して、コンテンポラリーアートにおいての彫刻自体の芸術的価値や立場についても言及している。現在は自身のルーツである京都に拠点を移し、自身のアトリエとカフェを併設したギャラリー「Flim Kyoto」のオーナーを務める。

■Nell Shiina「Where now in our gaze?」
会期 : 3月10日〜4月9日(会期中無休)
会場 : 光明院
住所 : 京都府京都市東山区本町15丁目809
時間 : 7:00~日没(季節により変動)
入場料 : 志納300円程度

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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