クリスチャン・マークレー Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/クリスチャン・マークレー-2/ Thu, 24 Mar 2022 12:26:22 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.3.2 https://image.tokion.jp/wp-content/uploads/2020/06/cropped-logo-square-nb-32x32.png クリスチャン・マークレー Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/クリスチャン・マークレー-2/ 32 32 クリスチャン・マークレーが江之浦測候所で見せた「Found in Odawara」 静寂と自然の音を紡ぐ https://tokion.jp/2022/02/03/christian-marclay-found-in-odawara/ Thu, 03 Feb 2022 09:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=93826 小田原文化財団 江之浦測候所で開催されたクリスチャン・マークレーによるサウンドパフォーマンス「Found in Odawara」をレポートする。

The post クリスチャン・マークレーが江之浦測候所で見せた「Found in Odawara」 静寂と自然の音を紡ぐ appeared first on TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報.

]]>

1980年代からパンクとコンセプチュアルアートの領域を横断し、一貫したテーマのもと活動を続けてきた、クリスチャン・マークレーの展覧会「クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]」が、東京都現代美術館で開催されている。そんな中、現代美術作家・杉本博司が手掛けた小田原文化財団 江之浦測候所でサウンドパフォーマンス「Found in Odawara」が昨年の11月27、28日に開催された。

参加アーティストは、これまでマークレーと何度も共演を果たしてきた音楽家の大友良英、巻上公一と今回初の共演となるサウンドアーティストの鈴木昭男、アーティストの山川冬樹、美術家の山崎阿弥の5名。これまで、コロナ禍を理由に2回ほど延期されたという「Found in Odawara」は、日本では2017年の札幌国際芸術祭で披露して以来のパフォーマンスとなった。初の屋外でのサウンドパフォーマンスをマークレーの言葉とともに振り返る。

江之浦測候所を巡礼する音響体験

「Found in Odawara」は3つの作品から成り、1部は声のアーティスト山崎阿弥による《Manga Scroll》、2部は、マークレーの他に、1980年代から交流を続ける大友良英、サウンド・アートの先駆者の鈴木昭男、自らの声や身体を用いて音楽と美術の境界を横断するパフォーマーの山川冬樹による《Found in Odawara》。江之浦測候所の光学硝子舞台や竹林などの敷地全体を利用したサウンドパフォーマンスで、最後は巻上公一による《No!》だ。

まずは「夏至光遥拝100メートルギャラリー」で《Manga Scroll》が行われた。全長100メートルのギャラリー棟で、その名の通り正面に夏至の日の出を見ることができる。真っ直ぐに光が差し込む空間の中央にはテーブルが置かれ、その上には、20メートルに及ぶ《Manga Scroll》が絵巻のように広げられている。声のアーティスト・山崎阿弥がスコアをもとに、パフォーマンスを披露した。吹き出しのみをコラージュした作品にはオノマトペの羅列もある。体の奥から絞り出すような叫びやかすれた口笛、深い溜息、咆哮、唸り声等、一体どこから声が出ているのか錯覚するほど、無音の空間に声が誕生し消滅、共鳴を繰り返しながら埋めていく。

続いて、来場者は室町時代に鎌倉の建長寺派明月院の正門として建てられた「明月門」の前に移動。2部が開演した。門の奥でかすかに聞こえる葉の揺れる音、石の叩音。マークレーが開門し、敷地の中ほどにある石舞台で大友良英と鈴木昭男、山川冬樹によるパフォーマンス《Found in Odawara》が始まった。舞台上には古い自転車や巨大な地球儀、煙突のようなステンレスの筒等、日常品や廃材が並べられ、各アーティストが次々と選び取り、音の鳴りを確かめながら、バイオリン弓で弾き、手で叩き、落下させたりすることで緊張感のあるパフォーマンスを実現した。

舞台を降りたメンバーは来場者とともに演奏しながら光学硝子舞台へと向かう。檜の土台の上に光学硝子を敷き詰め、杉本が「生まれて最初に記憶している風景」と語った原風景ともいえる場所だ。向こうに相模湾を眺める舞台の隅に置かれたガラクタが詰められた箱から、思い思いのものを取り出し、音を出す。硝子舞台の上に水を撒き、発泡スチロールをこすりつけキュッキュッと鳴る音、枯れ葉をばら撒きガサガサと揺れる音、ワインの空き瓶に息を吹きかけて出るボーッという音が共鳴する。錆びた鉄板でできた70mの冬至光遥拝隧道では、ボーリングボールを落とし、車輪を転がすことでゴロゴロと金属が擦れる音とともにゴーンという鈍い音がトンネル内を満たす。音が共鳴、増幅していき新たなリズムを作り出している。

その後、トンネルを抜けた先にある竹林の中に入る。舗装されていない傾斜のある山道を歩きながら、4人は木を打ち、枝葉を揺らし、ドラムを叩き、鈴を鳴らし、途中で動物のような声で叫び合うのだが、鳥の鳴き声や来場者の足音、飛行機のジェット音等、プロセスで発せられる音も混ざり合い、時に反発することで混沌としていく。豊富な音の増幅は、目を閉じると祭りのような日本の伝統音楽さえ想起させた。一行はみかん畑を登り、最初のパフォーマンスが行われた夏至光遥拝100メートルギャラリーに戻り、音の巡礼は終了する。

終点となった夏至光遥拝100メートルギャラリーで披露された、超歌唱家・巻上公一による《No!》で「Found in Odawara」の完結を迎える。《No!》は山崎阿弥が披露した《Manga Scroll》同様に、《グラフィック・スコア(図案楽譜)》としてイメージを音楽家が即興的に翻訳する試みだ。五線譜のような明確なルールがなく、声と表情の抑揚と明快なリズムが介在し、擬音が書かれた平面作品に新たな息吹を与えるエモーショナルなパフォーマンスだ。

鑑賞者に旅の案内をすること。「一緒に旅に出よう」というメッセージ

パフォーマンスを通し、マークレーは全てを小田原で完結させたという。「即興で演奏したものはゴミ捨て場やリサイクルショップなどを歩いて見つけたものです。パフォーマンスに登場したワインの空き瓶も小田原で購入したイタリアワインで鈴木さんと2人で美味しくいただきました」と語る。マークレーにとって初の屋外でのパフォーマンスについては「例えば、竹林の中でのパフォーマンスは、鈴木さんが幼い頃にわざと小石を竹にぶつけて、コンコンという音を楽しんでいたと聞き、実演してもらった時に素晴らしいと感じました。すべては音を出したいという欲求から生まれた自然な動きです。音を作りたいという意識で生まれた、小石をぶつけていく本能的な演奏でもあります」と江之浦測候所の特性を隅々まで生かしたパフォーマンスの意図を語る。途中で感じた日本の伝統音楽との交錯も、最終的にそこに行き着いたのは、必然だったのかもしれない。

一方で、ギターやドラムといった、いわゆる通常の楽器を用いた理由は「もう1つ、私達が話し合ったことがあります。一般的な楽器を持ち込むか否かということ。誰もが楽器と認識できるものを利用することで、鑑賞者は『聞く』というパフォーマンスであることを再確認します。例えば、飛行機の音、波の音、鳥の鳴き声全てに耳を傾けてほしいという意図を理解してもらうための装置でもあるんです」と説明した。

今回のパフォーマンスの編成についても聞いてみた。

「今回は《No!》のパフォーマンスを巻上さんにお願いしましたが、《Manga Scroll》のために(山崎)阿弥さんを紹介してもらい、記録音声を聞いたらパーフェクトでした。鈴木さんには、ガラクタを利用した演奏ができること以外にもう1つ、石が好きということも大きい。江之浦測候所の美しい景観に余計なものを付け足さず、自然の音を発見してほしかったので、これ以上ない嗜好です。(山川)冬樹さんにとって巻上さんは先生に当たります。大友さんは昔から一緒にやってきましたから、自然の流れで編成が決まっていきました」。

既存のイメージや音源をサンプリングしコラージュすることで新たな領域を生み出してきたマークレーの作品。今回のパフォーマンスも展覧会も「アーティストと鑑賞者の双方向のやり取りで美しい誤解だったり、誤訳、すれ違いが新しい解釈や発見につながる」と語り、「いつも考えていることは、鑑賞者を旅に案内すること。一緒に旅に出ようというメッセージです」と結んだ。

江之浦測候所を歩き回り、日用品や廃棄品を使った即興演奏や鳥の鳴き声、葉が揺れる音、電車が通過する音、自分の呼吸音、足音に加えて、アーティストの動きや竹林や木々の匂い、100人に及ぶ来場者の群れ、相模湾を望む風景にいたるすべてがマークレーによってコラージュされた世界の中に自分が存在しているような感覚さえ覚えた。視覚と聴覚の往還をコミュニケーションの手法としてきたマークレー独自の表現に、江之浦測候所の自然や環境が加味された壮大な音響体験となった。

この、即興的なパフォーマンスを収めた記録映像の特別上映会が2月5、6日に東京都現代美術館で開催される。チケットが即日完売となった希少なパフォーマンスを、臨場感あふれるサウンドと映像で振り返る貴重な体験になる。

クリスチャン・マークレー
1979年にレコードとターンテーブルを用いたパフォーマンスを開始し、1980年代からレコード盤や電話、楽器など、音に関連するものを素材とした造形作品や映像作品の制作を行う。代表的な録音作品に、レコードをジャケットなしで流通させ、その過程で盤面についた傷による音を作品に取り込んだ「Record without a Cover」(1985)、オペラ、ロックからジョン・ケージまで様々なレコードを貼りあわせてプレーした「More Encores」(1989)などがある。ジョン・ゾーン、リー・ラナルド、サーストン・ムーア、大友良英等のアーティストともコラボレーションしてきた。1995年のヴェネチア・ビエンナーレ等をきっかけとして、アートとサウンドの領域を横断する活動を続けている。

「クリスチャン・マークレー Found in Odawara」記録映像上映会
会期:2月5、6日
会場:東京都現代美術館 地下2階 講堂
住所:東京都江東区三好4-1-1
時間: 10:30、13:00、15:30(約90分)
入場料:無料
※各回、先着100名まで
Webサイト:「クリスチャン・マークレー Found in Odawara」記録映像上映会

The post クリスチャン・マークレーが江之浦測候所で見せた「Found in Odawara」 静寂と自然の音を紡ぐ appeared first on TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報.

]]>
今年は何をした? 「TOKION」スタッフによる2021年に買った・観た・読んだ・聴いた“ベストワン” https://tokion.jp/2021/12/30/tokion-the-best-one-2021/ Thu, 30 Dec 2021 11:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=87639 「TOKION」スタッフが2021年を振り返って、思い出に残る買い物、音楽、展覧会、イベント、本など、それぞれの“ベストワン”を紹介。

The post 今年は何をした? 「TOKION」スタッフによる2021年に買った・観た・読んだ・聴いた“ベストワン” appeared first on TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報.

]]>

2021年も残すところ、あと1日。思い返すと今年もコロナウイルスが完全に終息することはなく、誰にとっても苦しい年だったのではないだろうか。不確実かつ過酷な状況は、もう少し続くことになりそうだが、その一方で、年間を通して素晴らしい作品やイベントなどが数多く届けられたのも、また事実。そこで、年末特別企画として「TOKION」スタッフが2021年を振り返って、思い出に残る音楽、展覧会、イベント、本、ビューティなど、それぞれの“ベストワン”をお届けする。

クリスチャン・マークレー
「Found in Odawara」

11月27、28日に行われたクリスチャン・マークレーによるサウンドパフォーマンス「Found in Odawara」の初日に参加しました。パフォーマンスが披露された場所は、現代美術作家の杉本博司さんが手掛けた江之浦測候所というこれ以上ない舞台。以前、札幌国際芸術祭で観て以来のパフォーマンスは、マークレーにとって初となる屋外での開催となりました。江之浦測候所を歩き回り、日用品やガラクタを使った即興演奏に鳥の鳴き声や葉が揺れる音、電車が通過する音、自分の呼吸音、来場者の足音が重なり、加えて木々の匂いから相模湾を望む風景にいたるまで、すべてがマークレーによってコラージュされた世界の中に自分だけが存在しているような感覚さえ覚えた、崇高さに満ちた体験でした。2022年は今年以上に、自由な人の往来と屋外のイベントが開催されることを切に願います。
(エディトリアル ディレクター 芦澤純)

佐藤康気、ジョナサン・レンチュラーの写真集

写真集は手には取るけども、雑誌と違ってなかなか食指が動かずな自分でしたが、今年は思わず購入したのがこの3冊です。左から、ニューヨークを拠点に活動中の写真家、佐藤康気の『Nostalgia』、こちらもニュークヨークベースに活動中の写真家、ジョナサン・レンチュラーの『Remembering the Future』『Be There Soon』。佐藤さんの写真集は「今、この瞬間に隠された美学を探し求める旅」と、コロナ禍のニューヨークで撮影された写真が収められていて、なにげない風景なのですが、しばらく見つめていたくなる奥深さがあります。ジョナサンの写真集は、ZINEのフォーマットで、ニューヨークの「ラブパーク」で撮影された写真がシルバーとゴールドのメタリックペーパーに印刷されていて、それだけでも一見の価値はあります。そして収録されているスケーターのポートレートは、まるで映画のワンシーンのような雰囲気があって引き込まれました。2人ともに近々記事が公開されますので、ぜひとも読んでみてください。来年もいろんな写真集に手を伸ばしていこうと思います。
(エディター 相沢修一)

松本大洋
『東京ヒゴロ』

松本大洋さんの待望の新作『東京ヒゴロ』。松本さんが「漫画」の世界を描くという注目度の高い1冊。本作は漫画編集者の塩澤和夫が主人公で、物語は30年勤めた大手出版社を退職するところから始まります。物語も最初こそは中年の悲哀を感じさせるものの、新たに理想の漫画雑誌を作るために、好きな漫画家に声をかけていくという展開は、決して派手ではないですが、ある種の冒険もののようなおもしろさがあり、読んでいてワクワクします。登場人物も1人ひとり魅力的に描かれており、さすが松本大洋さんといった感じで、読後はあたたかい気持ちになります。まだ1巻が刊行されたばかりなので、今後の展開への期待を込めて。
(エディター 高山敦)

キング・クリムゾン
「MUSIC IS OUR FRIEND JAPAN 2021」

昨年に続きコロナが猛威を振るった2021年。この状況下で観覧したライヴには、1つひとつ思い入れがあるものの、中でもキング・クリムゾンは別格でした。今回はコロナ禍以降、初の海外ミュージシャンによる単独来日。そして、バンドにとっても最後の日本ツアーということで、2日分のチケットを購入。ツアー開始から数日後には海外からの入国者を規制する報道が出るなど、まさに奇跡的なスケジュールで開催されました。

ステージ前方に設置されたトリプルドラムという嘘みたいな編成では、3人がそれぞれ違ったビートを同時に刻んだり、1つのパートをかわるがわる演奏したりしますが、そのさまはまるでサーカス。少しでもタイミングがズレたら手やバーを握り損ねてしまう空中ブランコのような、バランスを崩したら落ちてしまう綱渡りのような緊張感が、曲全体に迫力とエンターテインメント性をもたらします。この緊張感は彼らのライヴでしか体験できないため、願わくばもう一度観たいものです。
(エディター 等々力稜)

英国RAF(ロイヤルエアフォース)MK4ジャケット

ファッションアイテムは、生来的にある種のあざとさを含み持つもの。「どう見えるか」を考え尽くされたデザインは、その高い自意識ゆえに美を体現するのではないでしょうか。その意味で、コロナ禍でSNSを見る時間が増え、ネット上に溢れる「あざとさ」や「自意識」に食傷気味だった時期に、ミリタリーウェアを手にしたのも必然かもしれません。機能性に振り切った合理的なデザインのリアルなミリタリーウェアは、あざとさとは無縁です。だからこそ、「用の美」にも通じる魅力が、幾多のデザイナーに影響を与えてきたのかもしれません。

そんな訳で、今年一番の買い物は、英国RAF(ロイヤルエアフォース)MK4ジャケット。多くのデザイナーにサンプリングされてきた名作MK3の後継であるMK4は、生地がゴアテックスにアップデートされ、より高い機能とクールさを備えています。来年はこれを着て安心して出かけられる日常が戻ることを願いつつ。
(翻訳 佐藤慎一郎)

岡﨑乾二郎
『感覚のエデン』

10月に亜紀書房より刊行された、造形作家・批評家である岡﨑乾二郎さんの批評選集第1弾。英詩人ジョン・キーツが提唱した「ネガティヴ・ケイパビリティ」の概念の基軸に芸術作品の時の隔たりを超える力について論じた「聴こえない旋律」、旧約聖書におけるアダムとイヴのエピソードを緒に無数の方向への運動=「星座」としての音楽、絵画の在りようを説く「感覚のエデン」、その思考や制作プロセスに深く分け入り異能の米ダンサー・コレオグラファーを紐解く「トリシャ・ブラウン――思考というモーション」など、さまざまな場所で発表された批評やインタヴューなど29編のテキストを収録しています。「意味」や「本質」、「今ここ」にとらわれてしまいがちな中、そこからの隔たり・断絶において開かれる可能性、新しい公共性の在りようなどを鮮やかかつ精緻に描き出す本書は、私達に新しい視座を、「星座」を認識する力を、もたらしてくれます。そして、そこで見出された「星座」が放つ輝きは、困難な時代の前途を照らす光となるのかもしれません。岡崎さんご自身のドローイングが配された色鮮やかで触感性あふれる表紙、見返しも素晴らしく、造形作品としても強い存在感を放つ1冊です。
(コントリビューティング エディター 藤川貴弘)

浅井万貴子の土器

野焼きで土器のオブジェをつくっている浅井万貴子さんの作品。元々は真っ黒でした。ピエール・スーラージュの作品を思わせるような黒の中のテクスチャー感、立体感に一目惚れして購入したのですが、さっそく飾ったその晩に震度5の地震がありまして、朝起きると倒れて2つに割れてしまっていました。展示会にご本人が在廊されていましたので、思い切って相談すると、なんと焼き直して修復してくださると。その後メールのやりとりでは、野焼きの様子の写真なども送ってくださり、少し姿は変わりましたが、製作に立ち会えたような、思い出深い作品になりました。禍転じて福と為す。
(デジタル ディレクター 櫻井雅弘)

MIHO MIYAKAWAデザインのネイルチップ

緊急事態宣言発令中、ネイリストのMIHO MIYAKAWAさんが、ミニバッグとオリジナルネイルチップのセットをリリース。「TOKION」でもインタビューを敢行したNOT WONKのカラフルなネイルが目を引く『dimen』のジャケットでもおなじみのMIHO MIYAKAWAさん。今回はライアン・マッギンレーのアシスタントも務めた気鋭の写真家、チャド・ムーアの作品のイメージでネイルチップをオーダーしました。被写体の女性の顔のパーツや、昼から夜に移りかわろうとしている曖昧な空の色をグラデーションで表現し、耳元で光るイヤリングはシルバーカラーでぷっくりとワンポイントに。そして、私のイニシャルがオールドイングリッシュフォントで中指のデザインに落とし込まれました。沈んだ気持ちの中でも大好きなアーティストの作品を指先にまとえ、元気をいただける素敵な企画でした。
(デジタル プロダクト マネージャー 稲葉礼子)

「国産家庭環境音楽2021」

2021年、推定600枚程度のレコードを購入した中で、マイベストなレコードをピックアップしました。さすがに1枚は難しいのでテーマを決めて複数枚を選出。題して「国産家庭環境音楽2021」。

年明けから緊急事態宣言、昨年以上に在宅時間も増えレコードを再生できる時間が大幅に増えたのはうれしかったものの、我が家はリビングの片隅に数千枚のレコード棚があり、受験を控えた娘と妻が同じリビングにあるテーブルで勉強をしています。必然的に音量は控えめに冷蔵庫や室外機、ペットである亀の水槽のモーター音等と良い塩梅で混じるドローンミュージックや家庭環境に配慮した、サティの家具の音楽等、耳触りの良い環境音楽的なレコードを多く再生しました。そして、今年はかつてなく多くの新譜のレコードを購入し、海外の作品でも素晴らしいものはたくさんあったのですが、深く印象に残り愛聴したのは日本の音楽。文字数の都合で個々の説明は割愛しますが、Phew、置大石、畠山地平は素晴らしいライヴも観ることができました。

旧譜では、惜しくも今年亡くなられたYOSHI WADAのオリジナル盤を2枚入手。先日山梨で行われたトリビュートライヴに参加できなかったのが、今年唯一の心残り。元来、上記のジャンルからは外れるかもしれない新生TORSO、瀧見憲司氏のCLUE-LWAVE、笹久保伸(&サム・ゲンデル)も自分にとって最高の環境音楽で何度も繰り返し聴きました。しかし、振り返ると決して我が家の家庭環境には配慮していないレコードが多くあることに気付きます。来年はもっと家庭環境に配慮した音楽生活を送ろうと思います。
(パブリッシング ディレクター 櫻井啓裕)

The post 今年は何をした? 「TOKION」スタッフによる2021年に買った・観た・読んだ・聴いた“ベストワン” appeared first on TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報.

]]>