スーパーナチュラルデラックス Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/スーパーナチュラルデラックス/ Fri, 12 Jan 2024 08:54:15 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.3.4 https://image.tokion.jp/wp-content/uploads/2020/06/cropped-logo-square-nb-32x32.png スーパーナチュラルデラックス Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/スーパーナチュラルデラックス/ 32 32 「スーパーナチュラルデラックス」Vol.8が開催  https://tokion.jp/2024/01/12/super-natural-deluxe-vol8/ Fri, 12 Jan 2024 11:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=221859 「スーパー・デラックス」が主催するライヴイベント「スーパーナチュラルデラックス」Vol.8が1月14日に開催する。

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「スーパー・デラックス」が主催するライヴイベント「スーパーナチュラルデラックス」Vol.8が1月14日に開催する。同イベントではストックホルムとLAからWILL LAUTCOHが来日し、国内からドン木村、マイケルフランク (生意気)、nobody、根紋、勝見淳平、クベックマサコ、GRGR family、Now Hear Machine等が出演する。

同イベントではPermaculture AWAやParadise Alley Bread & Co.、宇宙大使館、Mineoka Jibierのフードも提供される。

■SupernaturalDeluxe Vol.8
日程:1月14日
会場:鴨川SupernaturalDeluxe
住所:千葉県鴨川市西町1040
時間:14:00〜20:00
料金:¥1,000以上のドネーション制
※子どもは自由料金、未就学児童は無料
公式サイト:https://super-deluxe.com/events/20240114/

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「スーパーナチュラルデラックス」Vol.7が12月9、10日に開催 角銅真実と小暮香帆による「波2」で音楽とダンスのコラボレーション https://tokion.jp/2023/12/05/supernaturaldeluxe-vol-7/ Tue, 05 Dec 2023 09:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=218346 「スーパー・デラックス」が主催するライヴイベント「スーパーナチュラルデラックス」Vol.7が12月9、10日に開催する。

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「スーパー・デラックス」が主催するライヴイベント「スーパーナチュラルデラックス」Vol.7が12月9、10日に開催する。同イベントでは音楽とダンスのコラボレーションとして、角銅真実と小暮香帆による「波2」が披露される。

イベント期間中、大多喜麦酒と池袋エールハウスのクラフトビールと豚汁やグリルソーセージ等が提供される。

角銅真実は音楽家で打楽器奏者。マリンバをはじめとするさまざまな打楽器、自身の声、言葉、身の回りのものを用いて、楽曲制作やパフォーマンスなど自由な表現活動をしており、これまでに3枚のソロアルバムを発表。

小暮香帆はダンサー・振付家。自身の作品を発表しながらさまざまな領域で動きの美学を展開。近年は他ジャンルのアーティストとのコラボレーションや映画、映像作品への振付出演、パリコレ クション出演等、活動の幅を広げている。主なソロ作品には「ミモザ」(2015)「D ea r」 (2023)等がある。

■SupernaturalDeluxe Vol.7 
会期:12月9,10日
会場:鴨川SupernaturalDeluxe
住所:千葉県鴨川市西町1040
時間:15:00(開場)/ライブ16:00〜17:00(1セット)、19:00(クローズ)
料金:前売 ¥3,500(1日券)、¥2,500(学割)、¥4,000(当日)
※チケットは各日程50 枚限定(自由席)
※学割は高校生以下が対象。来場時に学生証を提示。
※保護者1名同伴につき、未就学児童 1 名まで入場可能。
※小学生以上はチケットが必要。
前売チケット:https://sdlx.peatix.com/
公式サイト:https://super-deluxe.com/events/2023/12/

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「スーパーナチュラルデラックス」Vol.6が開催 サウンド・アーティストのFUJI|||||||||||TAのソロ公演 https://tokion.jp/2023/08/22/fujita-live/ Tue, 22 Aug 2023 09:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=204518 サウンド・アーティストのFUJI|||||||||||TAが9月2日に鴨川Super Natural Deluxeでライヴを行う。

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「スーパー・デラックス」が主催するライヴイベント「スーパーナチュラルデラックス」Vol.6が9月2日に開催する。同イベントは1周年記念コンサートとして、サウンド・アーティストのフジタ(以下、FUJI|||||||||||TAが参加。

FUJI|||||||||||TAは、自作のパイプオルガンや声などを主軸とした音楽実験家。独自の楽器とミニマルなアプローチ、現象をよく観察することを大切にし音響的な探究を続けている。国内では美術館や地方芸術祭といった音楽と美術の間で活動しながらヨーロッパや北米で年に数本のツアーを行っている。

そして、音響と会場スケープを担当するWHITELIGHTは、「重力の束縛から魂を解放する」ことを目的として活動している。その活動は、マルチチャンネル音響設計、音源制作、オリジナルサウンドシステム開発を専門とし、商業施設からコンサート、ライブ、演劇など多岐に渡る。2019年からはKOMAKUS(コマクス)名義でも活動を開始し、脱中心的な音響空間の創造を各地に仕掛ける。

イベント当日には、天然酵母のピザ生地をアースオーブンで焼き上げたピザも提供する。

■SupernaturalDeluxe Vol.6 鴨川 SupernaturalDeluxe 一周年記念コンサート FUJI|||||||||||TA | ソロ公演
日程:2023年9月2日
会場:鴨川SupernaturalDeluxe 
住所:千葉県鴨川市西町1040
時間:開場16:30/ライブ18:00〜19:00
公式サイト:https://super-deluxe.com/events/20230902/

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「スーパーナチュラルデラックス」が目指すコミュニティの姿 マイク・クベック、フィル・キャッシュマン インタヴュー -後編- https://tokion.jp/2023/06/03/interview-super-natural-deluxe-part2/ Sat, 03 Jun 2023 06:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=187749 鴨川に拠点を移し、創造的ラボとして再スタートを切った「スーパーナチュラルデラックス」。その基本理念と目指す姿について、代表マイク・クベックと共同代表のフィル・キャッシュマンが語る。

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西麻布で毎夜実験的なイベントを繰り広げていた伝説的なライヴ・スペース、「スーパー・デラックス」。灰野敬二、大友良英、山本精一−−日本のアンダーグラウンドシーンを代表するアーティストの拠点となったばかりでなく、ジム・オルークやアルヴィン・ルシエといった国際的な音楽家のライヴも行われる国内有数のカルチャー発信地であったが、入居ビルの建て替えに伴い、2019年に惜しまれつつも17年の歴史に幕を下ろした。

それから3年。2022年、「スーパー・デラックス」は千葉県鴨川市に移転し、音楽・食・自然環境・循環型農業・ローカルコミュニティが渾然一体となったハイブリッドなラボ、「スーパーナチュラルデラックス」として新たなスタートを切った。

パーマカルチャーを基盤とした環境を作り、アーティストも観客も地域住民も参加し、「体験」を共有することで繋がっていく。音楽はその一部なのだ。プリミティヴでありながら創造性に富んだ「スーパーナチュラルデラックス」誕生経緯についてのインタヴューを実施。

後編は、鴨川に拠点を移した「スーパーナチュラルデラックス」の基本理念と目指す姿について、マイク・クベックとフィル・キャッシュマンに話を訊いた。

「スーパーナチュラルデラックス」
アンダーグラウンドシーンを牽引する唯一無二の文化拠点として機能していたスーパー・デラックスはビルの建て替えに伴い惜しまれながらも2019年に閉店。その後、2020年から南房総の鴨川市で密かに準備してきた「新しい実験を出来る場」として、スーパーナチュラルデラックスを2022年9月に初公開した。スーパー・デラックス代表のマイク・クベックとパーマカルチャーAWA代表の本間フィル・キャッシュマンがコラボレーションする長期計画として、鴨川市の中心地に存在する登録有形文化財とその膨大な敷地を表現、教育、体験、研究、観照を提供する場所として蘇らせる。完成は数年先となるワーク・イン・プログレスで、地域や生態系の健康を重視する持続可能な運用・運営を実現するためのプロセスをワークショップなどで公開する予定だ。記念すべき初コンサートは石橋英子とジム・オルークが登場した。

体験をトータルデザインする場所、「スーパーナチュラルデラックス」の設立

−−西麻布のスペースから移転を決めたのは、ビルの建て替え以外にも理由があったのでしょうか。

マイク・クベック(以下、マイク):実はビルの建て替え以前から西麻布と地方という2拠点態勢の運営を構想していたんです。「スーパー・デラックス」を閉じることになったタイミングで、再開するのであれば全く違う場所で方向性の異なるアプローチでやっていきたいと考えていました。収支や調整に追われず、もう少しスローペースで丁寧に企画を進めてイベントができる場所を作りたい。アーティスト側も、ツアーに来てショーをしてすぐに帰るというのではなく、しばらく滞在して、おいしいものを食べながら制作もできる……そんなイメージで、東京ではできないことを地方でやってみたいと思った。それで南房総や福島、山梨、九州などで場所探しを始めたんです。

−−移転先として鴨川を選んだ決め手は何だったのでしょうか?

マイク:昔からの友人フィルが鴨川近辺に住んでいたのが大きかったです。あとはたまたま2019年に鴨川でイベント企画の案件が来たので、鴨川の地域をよく観察したくて移住してみることにしました。結局そのイベントはコロナの影響で中止になってしまったけど、結果的にこの場所を見つけることができました。初めてこの広大な敷地を見た時、やってみたいことが全部できそうだと直感したんです。

所有者を紹介してもらい、2年程かけて何度もアプローチしました。交渉がなかなか進まなくて諦めかけたこともあったけど、フィルのサポートもあって、やっと利用許可をもらえたんです。

今ライヴ等のイベントを行っているスペースはもともと酒蔵でした。天井の高さや土壁の効果で音が濁らず反射して抜けていくので、ほとんど工事せず利用してます。敷地内にある登録有形文化財の建物はアーティストの宿泊施設として活用しています。

−−「スーパーナチュラルデラックス」の基盤であるパーマカルチャー。環境にも人にも配慮し、永続的な農的生活を始めたきっかけについて教えてください。

フィル・キャッシュマン(以下フィル):子どもが誕生したことがきっかけです。それまでは自分がどう生きるかに集中していて、他のことには意識が行き届いていなかった。廃材を集めた家や彫刻を作ったり、地球環境や反戦の運動もしてたけど、その熱意の中心にあるのは自分の感情だった。でも子どもが生まれてからは、この子達に幸せになってほしいという気持ちが一番になりました。この子が80歳まで生きるとして、どうやったら安全で健康で幸せに暮らせるのか。そしたら視点が変わって、来月、来年という短いスパンではなく、数十年先の未来や環境を良くするために何をすべきかを考え始めた。

その頃パーマカルチャーの創始者ビル・モリソンについて知る機会があり、現役で活動していた彼のもとで学ぶためオーストラリアへ渡ることにしたんです。ビルは人柄そのものが素晴らしく、存在感、話の内容や伝え方、すべてに圧倒されました。そして自然システムの構成要素を科学的な観点から理解した上で、体系的に環境デザインを組み立てるパーマカルチャーの内容に深く共鳴していったんです。

日本に戻ってからは葉山でパーマカルチャーの活動を実践していましたが、よりコミュニティを広げて大きな場所で展開したいと思い、鴨川にたどり着きました。この農場はすべてが循環するように環境デザインされています。雨水や生活排水は分解、ろ過をして池に貯まるようになっていて、水をきれいにする植物を池の周辺に植えている。季節ごとにカエルやトンボが集まってきて害虫を食べてくれます。発生するゴミはコンポスト化して土を作り、ケールやパクチー等の野菜を育てています。

あらゆる人が自由に参加し実験を楽しめるユートピアを目指して

−−「スーパーナチュラルデラックス」の未来について、どのような姿を目指していますか?

マイク:「食」や「環境」や「自然」のおもしろい体験をアーティストに提供して、音楽やアートシーンの表現にもたらす影響を探っていきたい。アーティスト同士の相乗効果によってポテンシャルが引き出される即興音楽のように、人と人との出会いから生じる相互作用によって表現が変化することも、パーマカルチャーを体験して新たな表現が生まれることもあると思います。

フィル:パーマカルチャーはパワフルなシステムの1つで、食も要素の1つ。総合的には、ここはある意味ユートピアのような場所を目指しています。ルールや金銭に縛られず、健康や環境のことを真剣に考え、おいしいものを食べる。お互いが個性を尊重し、感性を刺激し合い、自分らしくいられる場所。

マイク:今年はワークショップとしてパーマカルチャーデザインコースを開催しますが、今後は単発のイベントだけではなく、少し中長期的な視点でイベントを企画していく予定です。教育・表現・技術・スピリチュアルな視点など、1年を通していろいろな体験ができる場所にしたいですね。西麻布の頃は、年齢・職業関係なく、あらゆる人達が来てくれました。鴨川でもそうなってほしいです。

フィル:隣のお寺の人達と仲良くなったり、ここに来て1年、じわじわと周辺の人達が受け入れてくれるようになりました。もっとこの地の特性を観察してつかんでいきたい。パーマカルチャーにおいて大切なのは「ニーズ」、何が必要とされているのか観察することです。

今僕達は変化のポイントにいます。世界で起きていること、アートや科学の分野で起きていること、鴨川で、僕らの家庭で起きていること……全方向に目を向けながら、楽しい場所を創っていきたいです。

Photography Masashi Ura
Interview Akio Kunisawa
Edit Jun Ashizawa(TOKION)

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新しい実験ができる場「スーパーナチュラルデラックス」 マイク・クベック、フィル・キャッシュマン インタヴュー -前編- https://tokion.jp/2023/06/02/interview-super-natural-deluxe-part1/ Fri, 02 Jun 2023 06:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=187714 西麻布で毎夜実験的なイベントを繰り広げていた伝説的なライヴ・スペース「スーパー・デラックス」が独自の発展を遂げた背景について、代表マイク・クベックが語る。

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西麻布で毎夜実験的なイベントを繰り広げていた伝説的なライヴ・スペース、「スーパー・デラックス」。灰野敬二、大友良英、山本精一−−日本のアンダーグラウンドシーンを代表するアーティストの拠点となったばかりでなく、ジム・オルークやアルヴィン・ルシエといった国際的な音楽家のライヴも行われる国内有数のカルチャー発信地であったが、入居ビルの建て替えに伴い、2019年に惜しまれつつも17年の歴史に幕を下ろした。

それから3年。2022年、「スーパー・デラックス」は千葉県鴨川市に移転し、音楽・食・自然環境・循環型農業・ローカルコミュニティが渾然一体となったハイブリッドなラボ、「スーパーナチュラルデラックス」として新たなスタートを切った。パーマカルチャーを基盤とした環境を作り、アーティストも観客も地域住民も参加し、「体験」を共有することで繋がっていく。音楽はその一部なのだ。プリミティヴでありながら創造性に富んだ「スーパーナチュラルデラックス」誕生の経緯について、代表マイク・クベックと共同代表のフィル・キャッシュマンにインタヴューを実施した。

前編は「スーパー・デラックス」が独自の発展を遂げていった背景についてマイク・クベックに話を訊いた。

「スーパーナチュラルデラックス」
アンダーグラウンドシーンを牽引する唯一無二の文化拠点として機能していた「スーパー・デラックス」はビルの建て替えに伴い惜しまれながらも2019年に閉店。その後、2020年から南房総の鴨川市で密かに準備してきた「新しい実験を出来る場」として、「スーパーナチュラルデラックス」を2022年9月に初公開した。「スーパー・デラックス」代表のマイク・クベックとパーマカルチャーAWA代表の本間フィル・キャッシュマンがコラボレーションする長期計画として、鴨川市の中心地に存在する登録有形文化財とその膨大な敷地を表現、教育、体験、研究、観照を提供する場所として蘇らせる。完成は数年先となるワーク・イン・プログレスで、地域や生態系の健康を重視する持続可能な運用・運営を実現するためのプロセスをワークショップなどで公開する予定だ。記念すべき初コンサートは石橋英子とジム・オルークが登場した。

ジャンルを超えた化学反応を生み出せる場所へ

−−東京のアンダーグラウンド・シーンの音楽が集結したスペース、西麻布の「スーパー・デラックス」の始まりについて伺います。

マイク・クベック(以下、マイク):1990年代前半、東京ではアンダーグラウンド・シーンが盛り上がっていて、法政大学の学生会館や中央線沿線、渋谷の「La. mama」等、各地で面白いイベントが行われていました。僕も毎晩のようにライブに行きました。

僕が大学でいたLAには、1980年代後半〜1990年代前半にかけて素晴らしいHip Hopシーンやクラブシーン、ロラパルーザのようなおもしろいイベントもありましたが、東京にはLAを凌駕するくらい、想像を超える音楽があったんです。ただ当時は単純に音楽が好きだというだけで、自分でライヴハウスをやろうという考えはありませんでした。

転機が訪れたのは1998年。クリエイティブ・ユニット「生意気」やクライン・ダイサム・アーキテクツ等と共に、麻布十番の倉庫を改造したシェアオフィス「デラックス」のスペースでクラフトビール「東京エール」の会社を始めることになり、そこで僕とビールの醸造家がライヴイベントを企画してビールを提供していました。

シェアオフィスは他にもインテリアデザイン会社「Spinoff」やDJ QUIETSTORMが使っていたんですが、全員の仕事が忙しくなり、ライヴのために共有スペースを占有するのが難しくなってきたので、2002年に移転、西麻布「スーパー・デラックス」をオープン。本来、ブルワリーとなるはずでしたが、東京エールのメンバーがその場所に更なる可能性を感じ、これまで観てきた即興音楽のライヴ等ができたら最高だと思った。それで結局ブルワリーではなくイベントスペースとして稼働させることにしたんです。これが「スーパー・デラックス」の始まりです。

−−当初から「スーパー・デラックス」では前衛的なイベントが行われていましたが、年を追うごとに界隈屈指のアーティストが出演するようになり、ますます内容が濃くなっていきました。マイクさんは「スーパー・デラックス」をどのような場にしたいと考えていたのでしょうか。

マイク:当初からぶれずに目指していたのは、音楽だけでなく、ダンス、写真、映像等、多様なジャンルのアーティストが異なる分野の人達と交流して自由な実験ができる場所を作ることですね。僕自身にはいろいろなジャンルのアーティストの友達がいたけど、彼らはお互いにあまり接点がなかった。彼らがジャンルを超えてコラボレーションしたらおもしろいんじゃないかと思ってたんです。そこで化学反応が起こりそうなアーティスト同士を同じプログラムの中に組み込み、自ずとお互いのショーを観れるようにしたりと、彼等が繋がるきっかけが生まれる工夫をしていました。

アーティストも観客も楽しめる、僕らも想像がつかない創造、実験ができる場所。インフラを作って環境を整えれば、未知の出会いが生まれ、新しいものを観れるのではないか。まさにそんな感じでした。

−−イベントのクリエイティヴィティや相互作用を高めるため、企画はどのように進めましたか?

マイク:アーティスト自身が「スーパー・デラックス」で実現したいことをサポートする姿勢が重要で、こちらの一存で企画を進めてもおもしろいものは生まれないと感じています。また、アーティストのことを熟知してから進めるのではなく、直感的に良さそうだと思ったら、まずはアーティストを信用してみる。そして本番で実際に良さを確認する。そうすることで僕にとっても観客にとっても「新しいもの」を見ることができる。ライブで初体験することがぜいたくなんです。

こうした企画の進め方はかなり実験的だと思うし、ディレクターとしても心配が尽きないけど、実験音楽や即興音楽は本来そういう性質のもの。このプロセスを楽しめなければ良いものはできないですね。

一方で、自分もいち観客としての視点を持っていて、どうしても自分が観たいからという理由でイベントを企画する場合もある。

例えば、漫画家の東陽片岡と劇団「鉄割アルバトロスケット」のコラボレーション。僕の主観だけど、彼等は何となく同じ世界観を持っているような気がしたので、「鉄割」のイベントのポスターを東陽氏に描いてもらうことにしたんです。そしたら打ち合わせの場で彼らがすっかり意気投合して、急遽東陽氏も舞台出演することに決まったんです。その後も東陽さんが鉄割のメンバーとして活動していた時期もあったし、ディレクター冥利につきますね。

−−唯一無二のイベントが毎晩のように繰り広げられていましたが、特に印象に残っている企画を教えてください。

マイク:たくさんあるけど、トニー・コンラッドと灰野敬二のデュオは本当に素晴らしかった。あとはウィレム・ブロイカー・コレクティフというオランダのビッグバンドの演奏に東京のダンスカンパニー「珍しいキノコ舞踊団」が出演した企画もコンサートとはまた違う、ダンス、音楽、パフォーマンスが融合したイベントになって思い出深いです。

カールステン・ニコライのライブも衝撃的な体験でした。映像と音のコラボレーションによって彼の世界観が表れていく、そのプロセスを間近で見ることができたんです。

「スーパー・デラックス」を通してさまざまなアーティストとコミュニケーションを取れたこと、表現の全プロセスが見られたことは誇りに思います。

人から人へ広がっていくコミュニティ

−−日本のみならず世界中のインディペンデントなアーティストが「スーパー・デラックス」に集結したのは希有なことだったと思います。どのように実現したのでしょうか。

マイク:それがクチコミなんです(笑)。出演者が「スーパー・デラックス」で良い体験をすると、その人がまた別のアーティストに勧めてくれるんです。

例えば、音楽家のカール・ストーンやフィル・ニブロック、ジム・オルークは素晴らしいアーティストと「スーパー・デラックス」を繋げてくれました。彼等の話を聞いたという有力なアーティストから連絡が来ることもあったし、たとえこちらが知らないアーティストでも、彼らの紹介であれば安心して企画を進められました。こうしてコミュニティがどんどん広がっていったんです。

最終的に西麻布のスペースは17年で営業を終えましたが、自分でも想定してなかった人脈が広がり、比類ないコミュニティが築けたと思います。今後さらに未知のアーティストを見出して、おもしろいショーを企画していきたいですね。

Photography Masashi Ura
Interview Akio Kunisawa
Edit Jun Ashizawa

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