田中ヤコブ Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/田中ヤコブ/ Thu, 21 Dec 2023 09:45:45 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.3.2 https://image.tokion.jp/wp-content/uploads/2020/06/cropped-logo-square-nb-32x32.png 田中ヤコブ Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/田中ヤコブ/ 32 32 田中ヤコブを擁するバンド・家主が新作アルバム『石のような自由』をリリース キャリア初の恵比寿リキッドルームワンマンを含む全国ツアーも開催決定 https://tokion.jp/2023/12/21/yanushi-new-album-live-tour/ Thu, 21 Dec 2023 09:30:00 +0000 https://tokion.jp/?p=220616 4人組ロックバンド・家主の前作から約2年ぶりとなる新作アルバム『石のような自由』がデジタルリリース。恵比寿リキッドルームでのワンマン公演を含む全国ツアー「YANUSHI LIVE TOUR 2024」の開催も決定。

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ダイナミズムに満ちた演奏と、田中ヤコブを筆頭とする3人のフロントマンが紡ぐグッドメロディが交錯する音世界を聴かせる4人組バンド・家主が、前作『DOOM』から約2年ぶりとなる新作アルバム『石のような自由』を12月20日にデジタルリリースした。

先行シングル「オープンエンド」や、ライブでも披露されてきた「ひとりとひとり」「部会」、既発曲「Dreamy」の新録版など全11曲を収録。旧知のエンジニア・飯塚晃弘、ドラムテクニシャン・武田啓希(ex.バレーボウイズ)と共に徹底したサウンドメイクを追求したという今作は、さらなるスケール感の広がりを感じさせる仕上がりとなっている。

家主「オープンエンド」ミュージックビデオ

また、同作のリリースを受け、来年4月29日の恵比寿リキッドルームでのキャリア初のワンマンライブを含む全国ツアー「YANUSHI LIVE TOUR 2024」の開催も決定。静岡、大阪、東京以外の公演については後日発表となる。その前哨戦として、所属する〈NEWFOLK〉のレーベルメイトである3人組バンド・台風クラブとのスプリットライブ「台風クラブと家主 ~ 沖縄編 ~」をコザ&那覇の2デイズで開催することも決定。

■家主『石のような自由』
01.SHOZEN
02.きかいにおまかせ
03.庭と雨
04.歩き方から
05.部会
06.ひとりとひとり
07.オープンエンド
08.耐えることに慣れ過ぎている!
09.free as a stone
10.Dreamy
11.今日はひとりでいようね
配信URL:https://orcd.co/yanushi_ishinoyounajiyu

■NEWFOLK 五周年記念興行「台風クラブと家主 ~ 沖縄編 ~」
【 DAY 1】
会場:沖縄 Remy’s
日程:2024年2月23日
時間:19:00 OPEN / 19:30 START
料金:前売3,500円/当日4,000円(+1D)
出演:台風クラブ、家主、SHOCKING桃色、Funnynoise

【DAY 2】
会場:那覇 Cyber-Box
日程:2024年2月24日
時間:18:00 OPEN / 18:30 START
料金:前売3,500円/当日4,000円(+1D)
出演:台風クラブ、家主、こころとことば、yukaD

■「YANUSHI LIVE TOUR 2024」
【静岡公演】
会場:三島 ROJI
日程:2024年3月9日
時間:18:00 OPEN / 19:00 START
料金:前売3,500円/当日4,000円(+1D)
ゲスト:herpiano

【大阪公演】
会場:なんば Yogibo META VALLEY
日程:2024年4月27日
時間:16:00 OPEN / 16:45 START
料金:前売3,500円/当日4,000円(+1D)
ゲスト:有り(後日発表)

【東京公演】
会場:恵比寿 LIQUIDROOM
日程:2024年4月29日
時間:17:00 OPEN / 18:00 START
料金:前売3,500円/当日4,000円(+1D)

公演詳細はレーベルSNSアカウントで確認のこと
https://twitter.com/folk_new

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家主、ライヴを語る バンド史上最大数のツアーの熱量を収めたライヴ・アルバム『INTO THE DOOM』リリースに寄せて https://tokion.jp/2023/01/24/yanushi-into-the-doom/ Tue, 24 Jan 2023 06:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=165190 田中ヤコブを擁する4人組ロックバンドの家主が、昨年行われたライヴツアーから全21曲を収録するライヴ・アルバム『INTO THE DOOM』をリリース。ツアーで得たものや見えた光景、ライヴに対する姿勢について4人に尋ねた。

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ソロミュージシャンとしての評価も高く、12月には3rdソロアルバム『IN NEUTRAL』をリリースしたばかりの田中ヤコブ(Vo / Gt)を中心に、田中悠平(Vo / Ba)、谷江俊岳(Vo / Gt)、岡本成央(Dr)によるロックバンド、家主。ヤコブ、悠平、谷江という3人のシンガーソングライターを擁し、岡本も交えた仲間同士でやいのやいのと言い合っているような人懐っこい空気感と、何よりいいメロディが満載のグループだ。

そんな家主が2021年発表の2ndアルバム『DOOM』を携え、全国16ヵ所を周るツアーから、全21曲を収めた初のライヴ・アルバム『INTO THE DOOM』を発表した。粛々としているようでいて一度始まるとアグレッシブで爆発力のある演奏に定評がある家主のライヴ。音源とは違った魅力が堪能できる作品に仕上がっている。

彼ら史上で最大本数のツアーをやり遂げ、『INTO THE DOOM』に結実した家主の4人に、そこから得られた経験とライヴの向き合い方の変化について話を聴いた。

家主における音源作品とライヴの位置づけとは

――本作『INTO THE DOOM』は2021年12月にリリースの2ndアルバム『DOOM』のライヴツアーの模様を収めた作品です。1stアルバム『生活の礎』(2019年)がこれまでライヴでやってきた曲を軸とした作品なのに対して、『DOOM』はこのツアーでライヴ初披露という曲も多かったですよね。

田中ヤコブ(以下、ヤコブ):仰る通り、この『DOOM』のために作った曲が多くて始まる前は「どうやるんだろう?」という怖さはありましたね。なので練習する中でライヴで出来そうな曲から手をつけていきました。

――ツアーに向けて、どのように『DOOM』の曲をライヴでできるように再構築していったのでしょうか?

ヤコブ:私としては録音物と同じものを求めても仕方ないと割り切って練習していました。アルバムを再現できるようにアレンジし直すというよりも、練習で合わせながら、ライヴをしていく中で、新たに自然とできあがっていく感じ。

田中悠平(以下、悠平):仰る通りです。

ヤコブ:そもそも家主は3人でやっていて、2019年に谷江さんも入ってライヴをするようになってからすごく自由に演奏できるようになりまして。やっぱりギターが2人いるのはすごくいいんです。だからライヴはずっとボーナスタイム。

――『DOOM』の曲をライヴでやることの難しさよりも、そもそも4人でライヴができることの自由さ、楽しさが続いているような感じですかね?

ヤコブ:そうですね。マリオカートでいうスターを取った状態。だから作り込んでいく音源作品と、4人で自由に演奏するライヴはざっくり分かれている感覚です。

――確かに家主は、音源では曲の良さが立っていますが、ライヴではヤコブさんも弾きまくるし熱量の高い演奏が際立っていてアルバムとは印象が異なります。今回「近づく」が特にそれを象徴していると思っていて。アルバムでは最初の曲ですが、ツアーではほぼアンコール以降に披露されていて、アレンジもヘヴィになっています。

ヤコブ:最後のほうに演奏していたその心は、半音下げチューニングなので途中に入れてしまうと変に間が空いてしまうという事務的な理由なんですけど(笑)。でも確かにパワーを使う曲なので、先にやると体力的にもツライです。

岡本成央(以下、岡本):「近づく」の後にまだ曲があるなんて考えたくない。ヘトヘトです。

ヤコブ:仰っていただいたアルバムとライヴでの印象の違いは、演奏する側としてはあんまり意識していないですね。録音物と同じようにしなくていいと思っているけど、変えようともしていない。自然で地続きな感じです。

谷江俊岳(以下、谷江):ライヴでは最後の曲だし、特に音はデカいですけどね。

ヤコブ:『DOOM』のレコーディングも手掛けてもらった飯塚晃弘さんが全公演PAをしていただいたので、そっちの工夫によることも大きいかもしれません。確かに「近づく」をやる時はPA卓でかなり操作されていました。

全国16ヵ所を回ったバンド史上最大のツアーを振り返って

――このリリースツアーは家主にとって最大規模の全国ツアーで、2022年2月から7月にかけて全国16カ所を回られました。たくさんライヴをされた中で印象に残っている公演はありますか?

ヤコブ:やはり初日の大阪、2日目の静岡でのライヴが思い出深いですね。こんなに全国を回るのが初めての経験だったので、ツアー日程を眺めながら私たちにこんなたくさんできるのか、お客さんがちゃんと来るのか不安でした。でも大阪のワンマンがソールドして。またライヴ中に谷江さんがギターの弦を切って、私がステージ上で張り直したり、ハプニングもあったんですけど、意外と些末なことだなと思えたんです。これで厄が落とせたしよかったよかったと。

そして次の日の静岡がherpianoとの対バン。前作『生活の礎』(2019年)の発売記念ライヴでも共演したので、再会を楽しみにしていました。コロナ禍になって以降、他の方のライヴを観ることがすっかり減ってしまって、本当に久しぶりだったのですが、herpianoを観て改めてライヴって尊いなぁと思えました。この最初の2日間がすごく楽しめたことに救われましたね。このツアーなんかいけそうな気がするぞって。

悠平:私はやっぱり札幌と京都でやった台風クラブとの対バンですね。単純にずっとファンでしたし、今では同じNEWFOLKファミリーに入れていただいて。しかも仲良くしていただいて光栄です。台風クラブが対バンだと自分たちのライヴでも全然緊張しなくて、すごくうまくいった印象があります。

ヤコブ:『INTO THE DOOM』の音源も半分くらいがこの札幌のライヴから採用されました。ツアー中盤で慣れてきたし、台風クラブは最高だし、我々も調子が良かったのでしょう。

谷江:私が記憶に残っているのは岡山です。会場の岡山ペパーランドが、共演のマドベさんのホームという感じでいいんですよ。ライヴはとにかくパッションがあるし、気持ちを鳴らしている感じがグッと来ました。打ち上げも大衆洋食屋さんでやったんですが、ペパーランド終わりの定番になっている場所だそうで、マドベさんのルーティーンに誘ってもらったのも嬉しかったです。

ヤコブ:今回ワンマンと対バンどちらもありましたが、共演の方はどの組も素晴らしかった。自分たちの企画じゃなければ、先の出番にしてもらってゆっくり観ていたかったですね(笑)

岡本:自分は青森。車で向かう途中に雪で通行止めにあって、ちゃんと着くか不安でした。

ヤコブ:最悪ダメそうなら、盛岡で降ろしてもらって新幹線で行くかとかまで考えましたね。その内、通行止めの規制がどんどんなくなって、モーゼみたいに進んでちゃんと会場に着いた。

岡本:あと沖縄とか熊本も含めて、遠方の場所で自分たちがライヴできるなんて信じられなかったです。でもちゃんとお客さんに来ていただいていて、驚きました。

谷江:終わった後に話しかけてくださる方もいらっしゃって、自分たちを知っていただいていることのリアリティを、初めて感じた機会でしたね。

ヤコブ:ちゃんと活動するようになってすぐにコロナ禍に入ったので、確かにそういう反応は初めて感じた。

――家主の音楽の届く範囲は着実に広がっていますが、それを受けて自分たちが何か変わる部分はあると思いますか?

ヤコブ:それは全くないですね。知っていただいたり、ライヴに来てくれるのは嬉しいけど、そのことで何かが変わったり、もっと来てくれるために何をしていくかを考えるのは我々の専門外といいますか……。自然に広がるのはいいですけど、自分たちの手で風呂敷は広げ過ぎない程度がいい。なるべくハードルは下げてやっておりますので、あまり大きな変化には期待しないでいただければと(笑)

岡本:そんなに器用なバンドじゃないです。

――周りの影響を受けて変化を起こすことはないとして、今回のツアーがもたらしたいい変化はありましたか?

ヤコブ:それはもうライヴの場数を踏めたことで、いい緊張感でやれるようになったのは大きいです。自分が初めてソロアルバム『お湯の中のナイフ』(2018年)を出した時に、家主でライヴをしたんですが、その時は人前に出るのが数年ぶりのことで。前日に金縛りにあったんですよ。それくらいもともとあがり症でずっと緊張はしていたんですが、今回でもうステージに上がったら楽しんだもん勝ちとなれた。

岡本:私はまだ緊張しますが、ライヴ中にどこかで「いったれ!」と緊張がどうでもよくなるタイミングは確かに早くなってきた。

悠平:単純に演奏も上手くなった気がします。ツアーに向けた練習とこれだけの数のライヴをして、自分の弾き方が変わった曲もある。

ヤコブ:「家主のテーマ」とか「お湯の中のナイフ」はこのツアーで結構変わりましたよね。

岡本:2~3年くらいやり続けてようやくその曲がわかってくるんですよ(笑)。

ライヴバンドとしての魅力・実力を示した『IN TO THE DOOM』

――そんな皆さんにとっても大きな経験となった、今回のライヴツアーを『INTO THE DOOM』として出すことになったのはどんな経緯ですか?

ヤコブ:須藤さんから提案いただいたんですけど、ツアーが始まる時点ではまだその話は無かった記憶があります。

須藤朋寿(NEWFOLK主宰):ライヴ盤は自分のアイデアとして前からあって、今回のツアーにエンジニアの飯塚さんがPAとして帯同してくれることが決まったので、こっそり全公演録っておいてもらったんです。それを最初からみんなに言うと気負うと思ったので(笑)。渋谷WWWでのワンマン公演が終わったタイミングでこれは作れそうだと思って伝えました。

ヤコブ:収録されているのはそのWWWと札幌SPiCEの音源がほぼ半分ずつ、3曲だけそれ以外の公演から選んでいます。WWWがいいライヴで取れ高がありそうだったので、それ以降で録音されているのはそんなに気負いもなかったです。すでに併願の高校が受かっている状態だった。

――ご自身でライヴを聴き返した時の印象はいかがでしたか?

ヤコブ:ライヴはその場限りであることの良さもあるので、こうやって客観的に自分の演奏を聴き返すのは怖いですね。実際よかったけど、愛憎も少しあるというか……ライヴの恥はかき捨てのはずが、残ってしまう。

谷江:演奏中はちゃんと聴こえていない箇所もあるので、音源化されてそれぞれがどう演奏しているのか、初めて知ることができる部分もあって楽しかったですよ。

岡本:アルバムと全然違いますよね。頼んだものが出てこない!って思われそう。

――そんなネガティブな印象はないです!(笑)アルバムで聴くのとはまた違う、家主のライヴバンドとしての側面が音源化されるという点で重要な作品ですよ。

ヤコブ:帰納法とでも言いますか、結果的に『DOOM』の方もピントが定まって聴こえるようになった感じはしますね。やっぱりあの形で完成させて正解だったと実感できるツアーであり、ライヴ盤になったと思います。

谷江:これまでのEPや『生活の礎』の曲とも仲良く混じっているのがいいですよね。

悠平:どの音源を収録するか選んでいる時から、どの公演もいいライヴしているなと思えました。どこから選んでも問題なし。特に私はヤコブみたいに本番でアドリブを入れられる技量もないので、自分のベースについては良くも悪くもブレがあまり無かったです。

ヤコブ:田中さんはライヴの演奏が安定しているんですよ。私や岡本さんは終わってぐったりしているし、汗の量もすごいんですけど。田中さんは毎回スンとしているし。

岡本:ライヴ前と後が同じ状態。

ヤコブ:この『INTO THE DOOM』のジャケットは渋谷WWWでのライヴ写真なんですけど、もう4月なのに田中さんだけ長袖のトレーナーなんですよ。どう考えても暑いだろって。

悠平:私はみんな寒くないのかなと思っています(笑)ずっと演奏に必死なので、他の3人ほど大きく動いてないからかも。

――最後に、今後の家主はどんな動きを想定されていますか?

ヤコブ:このツアーの後は私のソロアルバム『IN NEUTRAL』もありましたので、しばらく動いてなかったのですが、ようやくまた曲を作ってLINEグループにデモを上げていく作業をそれぞれで開始している段階です。だからどんな感じの作品にしていくかもここからですね。

――DOOM』はヘヴィなサウンドの作品でしたが、今皆さんはどんなモードですか?

ヤコブ:今はBadfingerとかPilotのような自分にとっての古典である70年代のパワー・ポップをよく聴いています。あとはMY LITTLE LOVERとかTHE BLUE HEARTS。忘れかけては、また強烈に聴きたくなる自分のルーツに回帰しているフェーズです。

悠平:私はNUMBER GIRL熱が再燃しています。この前の解散ライヴは映画館のライヴビューイングで観てきたんですが、改めてギターの良さを感じてしまって。また曲作りに入りますし、最近はギターを弾いていることが多くなっていますね。

家主『INTO THE DOOM』
■家主『INTO THE DOOM』
1.Cheater(Live)
2.茗荷谷(Live)
3.たんぽぽ(Live)
4.家主のテーマ(Live)
5.生活の礎(Live)
6.夏の道路端(Live)
7.路地(Live)
8.それだけ(Live)
9.マイグラント(Live)
10.カッタリー(Live)
11.夜(Live)
12.陽気者(Live)
13.カメラ(Live)
14.-MC-
15.NFP(Live)
16.p.u.n.k(Live)
17.お湯の中にナイフ(Live)
18.にちおわ(Live)
19.オープンカー(Live)
20.DOOM(Live)
21.ひとりとひとり(Live)
22.近づく(Live)

Photography Kentaro Oshio

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「他人と共有するよりも、自分が抱きしめていたい音楽」を目指す、田中ヤコブの“内向き”なポップ・ミュージック https://tokion.jp/2020/10/25/jacob-tanakas-introverted-pop-music/ Sun, 25 Oct 2020 06:00:38 +0000 https://tokion.jp/?p=9458 バンドの家主やギタリストとしても活動するシンガー・ソングライターの田中ヤコブが放つ、グッド・メロディー満載のニュー・アルバム。

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シンガー・ソングライターの田中ヤコブが、約2年4ヵ月ぶりのセカンド・ソロ・アルバム『おさきにどうぞ』をリリースした。彼はバンドの家主のメンバーであり、ギタリストとしてもnever young beachやラッキーオールドサンのサポートを務めるなど多方面で活動しているが、メインは宅録系のシンガー・ソングライターだ。特に今作は、彼のルーツであるビートルズ直系のみずみずしくエヴァーグリーンなメロディーが全編で冴え渡り、内省的な孤独感を漂わせる歌詞や練り込んだサウンドとともに、非凡な才能が存分に発揮された傑作といえるだろう。今回は彼の生い立ち、マイノリティ的な価値観、それに音楽活動に対する独自のスタンスなどを、たっぷり語ってもらった。

──音楽を好きになったのはお父さんの影響が大きかったそうですが、音楽的には恵まれた環境だったんですよね?

田中ヤコブ(以下、田中):そうですね。父が音楽好きだったので、ずっと家でかかっていた音楽を自分も聴いていて。主にビートルズ、ELO(エレクトリック・ライト・オーケストラ)、XTC、カーネーションとか。ビートルズと彼らから影響を受けた音楽がずっと流れていました。

──そういうビートルズの遺伝子を受け継いだような音楽が、ヤコブさんの音楽的な原風景というわけですか?

田中:原風景ですね。ポップ・ミュージックに対しての自分の土壌が、小さい頃から培われていた感じですね。楽器を始めたきっかけは、中学の時にTHE BLUE HEARTSを好きになったことなんですけどね。

──自分で曲を書くようになったのはいつ頃ですか。

田中:高校生の時です。もともとくるりが大好きで曲やコード・ワークに共感するものがすごくあって、彼らの曲は日本的なものが根底にあるような気がして。そういう表現を自分もやってみたいと思って曲を作るようになりましたね。

──その時点で自分に作曲の才能があるのかも、って自覚したりしましたか。

田中:それは全くないです。偉大な先人達の音楽ってものすごく陶酔できるものがあるんですけど、自分が作る音楽には陶酔できない感覚がずっとあって。自分がそれなりに納得できる曲を作れるようになったのは、ここ3〜4年くらいですね。

──自分が聴きたい曲を作りたい、って以前からよく言っていますよね。その気持ちは最初からあったんですか?

田中:理想はそうだったんですけど、そこに近づけないジレンマをずっと抱えていました。だから今までに100曲以上作っているんですけど、ほとんどはボツなんです。ファースト・アルバム(2018年の『お湯の中のナイフ』)を出す前に、6枚くらいフル・アルバムを作っているんですけど、どこにも出さないで、友達に配るだけで(笑)。だからファースト・アルバムは実質7枚目ということになるんです。そこまで習作を量産する過程を経て、ようやく人に聴かせても大丈夫な曲ができ始めたんですよね。

──大学時代にバンドの家主を組むわけですけど、ソロも並行してやっていて、その両方が現在まで続いていますよね。個人的にはヤコブさんってソロの人、宅録の人だと思うんですよね。バンドで自分の曲をやって世界が広がっていくという在り方もあるけど、それよりもソロの宅録で自分の内面に深く入っていくほうが本質ではないかと。

田中:そう言っていただけるのはすごく嬉しいです。バンドやサポート・ギターをやってはいるんですけど、やっぱりルーツは宅録で、自分は1人でやる人間だと思っています。そういう内向きというか、“個”に収斂していくっていうのは、自分が音楽を聴くスタイルと似ているような気がして。高校時代、僕は全然友達がいなくて、他の人達はみんなと共有できる音楽を聴いていたと思うんですけど、自分が好きな音楽は他人と共有できないっていうか、自分が本当に好きで抱きしめていたい音楽だったので、今もそういう姿勢でいたいし、ありたい。自分が作る曲も、他人と共有して楽しんでほしいっていうよりも、自分自身が抱きしめていたいものを作ろう、っていう気持ちがあるんですよね。あと高校時代、人間椅子にドハマりしていて。当時は今よりも鬱屈とした毎日を過ごしていたので、「面白くねえ……」みたいな気持ちがずっとあったんですけど、そういう時に人間椅子を聴くと、精神が落ち着くというか。他人に関係なく好きって言えるようなものが好きだったので。だから自分が開かれるより閉じているっていうのは、そういう経験からきているんだと思います。

──以前に「学校にギター・ケースを背負ってくるようなヤツは軽蔑していた」って言っていましたよね。それって“ケッ”みたいな、世の中にツバを吐く的な、マイノリティでありオルタナティヴってことだと思うんですよ。そういうメンタリティが根底にあって、でも音楽自体は聴き手を選ばない普遍性もあるところが、ヤコブさんのおもしろさだと思うんですよね。

田中:その“ケッ”っていうメンタルは、未だに高校の頃と変わらず、むしろ今のほうがそこから膿んできたような、良くない方向に肥大化しているような気がめちゃくちゃするんですけど(笑)。ただそれを売りにするほどのメンタリティもないというか、そこを主眼に置けるほど精神が強くないというか。だからそういう思いを、自分の好きなポップ・ミュージックに消化していく形が、自然とできてきたんですよね。

──今回の『おさきにどうぞ』は、さっき言ったようなビートルズ直系というか、厳密に言えばビートルズから影響を受けたXTCやELOからの影響を強く感じさせる、みずみずしくてエヴァーグリーンなメロディーがこれまで以上に際立っていますね。特に最初の曲(「ミミコ、味になる」)と最後の曲(「小舟」)がすごく明るくてキャッチーなメロディーですけど、どうやって作っていったんですか?

田中:作っている時に、じっくりと構造美的なものを求める時と、直感的にポンと出てきて作品としての強度も感じる時があって。最初と最後の曲は、わりとすんなり出きました。でもそういう時って「いやまてよ、こんなにツルッとできるってことは何かからパクッているんじゃないか」って不安になるんで(笑)、自分の脳内のライブラリーでいろんな曲と照らし合わせて、いや被ってない、これで大丈夫だ、って。そういう作業をファーストはもっと時間をかけてやっていたんですけど、最近は直感的に出てきたメロディーをもうちょっと信じてみよう、って気持ちになってきていますね。そういうヴァイブスを重視する余裕も出てきたのかなって。

──歌詞では例えば「膿んだ星のうた」で、「自由なんて欲しくないのに 何処へでも行けるんだよ だけど何処へも行けないんだよ」というあたりなどは、在宅自粛で時間はいくらでもあるけどどこへも行けない状況、とも思えたりしたんですが。

田中:これはコロナが流行る以前にできた曲で、逆にそういう解釈もできるんだなと思いました。本当に友達が全然いないので(笑)、仕事している時に土日を迎えても、誰からも誘われなくてやることないから、別に自由なんていらないのにな、みたいな。それで自由っちゃ自由だから、行こうと思えば旅行とか行けるし、働いているからお金もあるし、なんでもできるだけど、別に何もしたくならないしどこにも行けない、みたいな気持ちをそのまま歌詞にしました。

──コロナ禍によって、音楽活動で変化したところはあると思いますか?

田中:制作に関しては特に影響はないんですけど、精神的なところで思うのは、自分が家で1人で制作している時は当然うまくいかないことも多くて、それなのに社会は普通に動いている、っていうところに乖離というか噛み合わないところを常に感じていて。みんなは頑張っているのに自分は全然だな、みたいに思ってナーバスになることってよくあるんです。みんな休めばいいのに、って正直思うこともあったんですけど、逆にコロナが流行ってみんなが休まざるを得なくなると、それはそれで違う。やっぱり社会は動いていて、その中で自分が停滞している時のほうがやりやすいんですよね。

──マジョリティになっちゃダメってことですか?

田中:そうなのかもしれないです。みんなが動いていることへの焦りみたいなものから曲ができるっていうことはあったんだな、ということを自覚しましたね。

──ヤコブさんは音楽とは別に仕事をしていたそうですけど、音楽を仕事にはしたくないという気持ちはあるんですか。

田中:仕事になってしまうと、どうしても忖度っていうか、求めてくれる人に対しての音楽を提供する、みたいな形になると思うので、それがもし自分がやりたくないものだった場合には、やっぱりやりたくない。自分がやりたいもの、良いと思うものを作る姿勢は変えたくないので。だから仕事にすることよりも自由に動けることを大事にしたいです。

──もう1つ、ミュージシャンとして、目指すものとかこうありたいっていうものはありますか。

田中:自分は自分のことをミュージシャンとかアーティストとは全く思ったことがなくて。1人のただの人間、っていうイメージ。仕事をしている時も自分だし、音楽をやっている時も自分だし、バイクに乗っている時も自分だし。肩書きというか、自分を“何”ってはめ込まないように、むしろしているというか。逆にミュージシャンって自分で言ってしまうことにはすごく抵抗があって。趣味でやっているようなところがすごくあるので。便宜的にギタリストとかミュージシャンって言ってもらうことは全然ありがたいんですけど、自分から「私はミュージシャンです」とは、恐れ多くて言えない。何者でもないし何者でもある、みたいなスタンスでいたいですね。

田中ヤコブ
ギターをはじめ、ベースやドラムなどさまざまな楽器を演奏し、録音からミックス、イラスト、映像制作も手がけるシンガー・ソングライター。2018年にはトクマルシューゴ主宰のレーベル「TONOFON」からファースト・アルバム『お湯の中のナイフ』を発表。ソロの他、4人組バンド家主のフロントマン、ラッキーオールドサンやnever young beachなどのサポート・ギターも務める。

Photography Takuroh Toyama

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