ラフ・シモンズ Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/ラフ・シモンズ/ Thu, 18 May 2023 04:32:12 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.3.2 https://image.tokion.jp/wp-content/uploads/2020/06/cropped-logo-square-nb-32x32.png ラフ・シモンズ Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/ラフ・シモンズ/ 32 32 「ディオール」がラフ・シモンズを掘り下げた写真集『Dior by Raf Simons』を出版 https://tokion.jp/2023/05/18/dior-by-raf-simons/ Thu, 18 May 2023 05:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=186355 メゾンの歴代クリエイティブディレクター達を取り上げた書籍シリーズ第6弾。5月23日出版。価格は¥33,000。

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「ディオール(Dior)」はアスリーヌ社から写真集『Dior by Raf Simons』を5月23日に出版する。価格は¥33,000。

メゾンの歴代クリエイティブディレクター達を取り上げた書籍シリーズ第6弾となる今回の新刊は、ベルギー出身のクチュリエ、ラフ・シモンズのクリエイティブビジョン、伝統と革新性の融合、そしてディオールの本質と限りなく現代的な純粋さを掘り下げた一冊となっている。

ラジス・ハマニが撮り下ろし、ファッションジャーナリスト、ティム・ブランクスの文章が添えられた「ドレスのポートレート」には、ラフ・シモンズとクリスチャン・ディオールが共に情熱をそそぎ、親しんでいた建築やアート、庭園といったテーマが映し出されている。ラフ・シモンズが「ディオール」で過ごした日々に培われたスタイルの、さまざまな側面に触れられる内容となっている。。

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ラフ・シモンズとデンマークのテキスタイルメーカー「クヴァドラ」によるライフスタイルアクセサリーコレクションが日本に上陸 https://tokion.jp/2023/03/13/kvadrat-raf-shimons/ Mon, 13 Mar 2023 08:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=175063 ラフ・シモンズと「クヴァドラ」がコラボレーションしたライフスタイルアクセサリーコレクション“シェーカーシステム”が発売。東京ミッドタウンで展示販売も行う。

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ラフ・シモンズとデンマークのテキスタイルメーカー「クヴァドラ(Kvadrat)」がコラボレーションし、2014年からスタートした「クヴァドラ/ラフ・シモンズ(Kvadrat/Raf Simons)」のライフスタイルアクセサリーコレクション“シェーカーシステム(Shaker System)”の日本展開が開始された。

“シェーカーシステム”は、「現代の暮らしをリセットし、一定の秩序から新しい美を創造する」をコンセプトに、素材感、実用性、機能性にこだわった収納システムとアクセサリーをラインアップする。

昨年8月にコペンハーゲンで発表したオープンなリビングスペースをイメージしたファーストコレクション “Collection 1”のアイテムを皮切りに、今年1月に発表した”Collection 2”のアイテムも順次販売する。“Collection 1”にはキーホルダー、トートバッグ、クッション、レザー張りのミラートレー、収納ストラップ等が、”Collection 2”にはよりプライベートな空間を演出するバスローブ、ビーチタオル、アメニティバッグ、スリッパ等が揃う。

また、日本での発売に際し、3月15日〜5月2日に東京ミッドタウンの「イセタンサローネ(ISETAN SALONE)」で同コレクションの展示販売が行われる。同イベントは、ショールーム「エンケル(ENKEL)」主宰の水澗航がキュレーションを務め、“シェーカーシステム”コレクションアイテムの一部と、「クヴァドラ/ラフ・シモンズ」のテキスタイルを纏ったジョージ・ナカシマ(Geroge Nakashima)の家具が展示される。

「クヴァドラ/ラフ・シモンズ」は、2014年にスタートした「クヴァドラ」のプレミアムラインで、ラフ・シモンズによる革新的で上質な配色と遊び心を兼ね備えたインテリアテキスタイルやクッション、アクセサリーを展開する。

■KVADRAT/RAF SIMONS「SHAKER SYSTEM」at ISETAN SALONE
会期 : 3月15日〜5月2日
会場 : ISETAN SALONE
住所 : 東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン・ガレリア1F/2F
時間 : 11:00〜20:00

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「フレッドペリー」× ラフ・シモンズのコラボ新作が登場 イングランド北部のソウルシーンにフォーカスしたコレクション https://tokion.jp/2022/08/12/fred-perry-x-raf-simons-autumn2022/ Fri, 12 Aug 2022 10:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=140528 ブラックを中心に、ソウルのレコードレーベルをイメージしてこのコレクションのためにデザインしたパッチ、背面に大きく載せた架空のアーティストや曲名の刺しゅうで表現。

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「フレッドペリー(Fred Perry)」は、デザイナーのラフ・シモンズ(Raf Simons)とコラボした2022年秋の新作コレクションを発売した。

ファッションや音楽、さまざまなカルチャーがマッシュアップしたイングランド北部のソウルシーンにフォーカスした今シーズンは、ラフ・シモンズの独自の感性でフレッドペリーのクラシックなアイテムを再解釈し、ブラックを中心としたカラーパレット、ソウルのレコードレーベルをイメージしてこのコレクションのためにデザインしたパッチ、背面に大きく載せた架空のアーティストや曲名の刺しゅうで表現した。

ポロシャツ、Tシャツ、オーバーサイズのスウェットに加え、起毛コットンツイル素材のデニムジャケットやセットアップのパンツ、ハリントンジャケット、左胸にグラフィックのパッチを載せた1枚仕立てのブレザー、背中や袖に大胆なプリントとグラフィックパッチを飾った、ラフ・シモンズのコレクターズアイテムを代表するフィッシュテールパーカなど、身に纏うことでユースカルチャーの一員であることを体感できるコレクションとなっている。

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「ラフ・シモンズ」×「フレッドペリー」のコラボ新作 2022年春は音楽から影響を受けたコレクション https://tokion.jp/2022/01/29/fred-perry-x-raf-simons-2022-spring/ Sat, 29 Jan 2022 10:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=93651 グラフィック・アーティストのトム・トッセンによるユニークなアートワークを使用。ライブのポスターやフライヤー、バッジの収集など、ユース時代の記憶をデザインベースとして表現している。

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「フレッドペリー」は、「ラフ・シモンズ)との2022年春のコラボレーションアイテムを発売した。販売は「フレッドペリー」のオフィシャルサイトや「フレッドペリー」ショップ東京と大阪、渋谷パルコ、エスパル仙台、京都藤井大丸で行う。

今シーズンは、音楽シーンと音楽に関するコレクターズアイテムから影響を受けており、ラフ・シモンズは、彼の長年のコラボレーターであるグラフィック・アーティストのトム・トッセンによるユニークなアートワークを使用。「フレッドペリー」のクラシックなアイテムに自身の名を冠したオリジナルコレクションの感性を注入し、青春時代の儚さ、当時属していたサブカルチャー、他人にとっては無意味で簡単に捨てられてしまうような自分だけの宝物だったライブのポスターやフライヤー、バッジの収集など、ユース時代の記憶をデザインベースとして表現している。

テーラリングへの新鮮なアプローチを落とし込んだオーバーサイズのシャツ、「ラフ・シモンズ」らしいライン入りのニットタンクやロールネックセーター、バッチ付きのTシャツやジャケット、取り外し可能なフリースライナーが付属したフィッシュテールパーカ、ベルト付きのオーバーサイズトレンチコート、大胆なカラーブロックのフーディーなどをラインアップする。

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「プラダ」は対話を重ね前進し続ける/連載「痙攣としてのストリートミュージック、そしてファッション」第12回 https://tokion.jp/2021/08/25/shockwaves-in-contemporary-music-and-fashion-vol12/ Wed, 25 Aug 2021 06:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=54171 気鋭の文筆家・つやちゃんが「音楽とファッション」「モードトレンドとストリートカルチャー」の関係性を紐解く連載コラム。第12回は「プラダ」のクリエイティビティの核を、ストリートミュージックの旗手たちのリリックを起点に紐解いていく。

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音楽とファッション。そして、モードトレンドとストリートカルチャー。その2つの交錯点をかけあわせ考えることで、初めて見えてくる時代の相貌がある。本連載では気鋭の文筆家・つやちゃんが、日本のヒップホップを中心としたストリートミュージックを主な対象としながら、今ここに立ち現れるイメージを観察していく。

第12回で論じるのは、昨年にラフ・シモンズを迎え、ミウッチャ・プラダと2人体制になったことも大いに話題を呼んだ「プラダ」。進化をやめない同ブランドの、根底にあるものとは果たして何なのか? Tyler, The CreatorとSEEDAの「プラダ」を登場させたリリックを起点として、同ブランドのクリエイティビティの核を紐解いていく。

Tyler, The Creator、SEEDAのリリックから読み解く対話の意義

Tyler, The Creatorは、ソロとして初めての本格的なアルバム『GOBLIN』の冒頭の曲において、架空のセラピストであるDr.TCとの対話を以下の一節で結んでいる。

“The devil doesn’t wear Prada, I’m clearly in a fucking white tee(悪魔はプラダを着ない、俺は白いTシャツを着てるだけだ)”

続く2曲目「Yonkers」では「I’m a fuckin’ walkin’ paradox, no, I’m not(俺は歩くパラドックス、いや、違うんだ)」と歌い、対話を通して自己が分裂していく様子を生々しくショッキングにパッケージングする。

Tyler, The Creato『GOBLIN』

あるいは、同様に「プラダ」の固有名詞をリリックに忍ばせた最も有名な日本語ラップ曲であろう、SEEDAの「Hell’s kitchen」(2009年『SEEDA』収録)を聴いてみる。「イカれたオタクがマーダー/田舎のギャル漁るプラダ」とライムされる本曲は、SEEDAのディスコグラフィーの中でも最も強い社会的メッセージを匂わせている。「国会で寝てるふりして/戦争準備進める方が問題」とSEEDAが歌い、サイプレス上野が「給付金もっとくれないの?」と応酬するリリックはリリースから12年経った今まさに聴かれるべき訴えであるが、そこでは同時に次のような問いかけもなされている。

“Show me all kinds of reasons and love/Shoot me wit my problems/Start to get up wake up ride/Hell’s kitchen life/君はどうしたい?”

ここで、SEEDAらは「君はどうしたいか」と意見を求める。アウトロでは「つっこめるところがあるならつっこんでくれよ、俺は別に完璧じゃねぇ」と投げかけ、この曲においてあくまで意見を交わし合うこと=“対話”が大切であると伝えられる。「一億総コメンテーター身分」というリリックで揶揄される通り、無責任なコメントではなく対話し意見を交わし合う必要性――つまり、学び思考すること、相手に問いかけること、回答を受け止めること、時に意見が交錯すること、嘆き怒りつつも再び思考すること――それらを重ねるうちに、自身の意見が変化していくことさえも肯定されていないだろうか。自身の中に矛盾が生まれ、時に両極の価値観によって自己が分裂していく。それで良い。心地よい価値観の中で安住し続けるよりも、むしろ対話によって、時に分裂を生むくらいの態度が必要であるということ。

SEEDA「Hell’s kitchen」

対話を生むブランドへと生まれ変わった「プラダ」

知的好奇心に満ちていて、私たちをわくわくさせてきた「プラダ」は、いつも大切なことを教えてくれる。1989年にウィメンズウェアでプレタポルテに参入以降、シューズもバッグもウェアも常にトレンドの最先端でありつつリアリスティックなキュートさを備え、評価と実売を両立させてきた稀有なブランドだ。ミウッチャ・プラダは1995年に「ミュウミュウ」をローンチさせて以降、「プラダ」の相対化を進めていった。フレンドリーな「ミュウミュウ」から、「プラダ」を確固たる意思・意見を持った大人のパートナーシップを持つ、つまり“対話”を生む自立したブランドへと位置づけていったように見える。

ミウッチャ・プラダは、「対話すること」について、かつてこう語っていた。

「私は、幼い頃から賢く教養のある知的な人々に囲まれて育ちました。最初の頃は、いつも黙っていたわ。何を言えばいいのかわからなかったから。そこで、勉強や読書、映画鑑賞を通じて、少しずつ知識を蓄えていったのです。知識が増えれば増えるほど、話せるようになりました。今では、すごくお喋りよ!」(VOGUE JAPAN「ミウッチャ・プラダ──事実上、最後の単独インタビュー。より)

ここで語られるある種の教養主義は、「プラダ」のクリエイションにハイブロウな側面を与えつつ、ミウッチャ・プラダという女性を通して咀嚼され表現されることでキュートな、多くの女性にとって“シズる”プロダクトを生むこととなった。一方で、2010年代半ば以降多くのブランドが話題化の起爆剤として他ブランドとのコラボレーションに腐心し、思想なきプロモーションに堕した安易なアウトプットも多く生まれてきた中で、ミウッチャ・プラダの動向にはひそかに注目が集まっていたことも確かである。果たして「プラダ」はコラボレーションに動くのか?周囲の憶測が強まるにつれ、気がつけば業績面におけるブランドの成長は徐々に鈍化の傾向を見せていた。

ラフ・シモンズを迎え、新たな対話を始めた「プラダ」

2020年2月、「プラダ」は久方ぶりに世界中の注目を集めることになった。ラフ・シモンズがミウッチャ・プラダとの共同クリエイティブ・ディレクターに就任することが報じられ、公式サイトは興奮を抑えきれない様子で次のように伝えた。

“このパートナーシップは、プラダに関する全てのクリエイティブな側面を網羅し、相互の深い敬意とオープンな会話から生まれた両者からの提案であり、双方合意のもとで決定されました。現代において最も重要で影響力のある2人として広く認知されているデザイナー同士の新しい対話が始まります。”

“パートナーシップの概念が協働である場合、その会話の成果は製品だけでなく、思考と文化の普及でもあるのです。”
「プラダ」公式サイトより

実に「プラダ」らしい宣言であり、この協業がデザイナー同士の“対話”であることが明記されている。世間の安易なコラボレーションの乱発に対する意思表明のようにも捉えられるが、この宣言は、誠実な形ですぐさま具現化されることとなった。初のコレクションとなった2021年S/Sのウィメンズウェア・ショーではまさに“対話”がテーマに据えられ、コレクションの過程において人とテクノロジーの双方向性――モデルやスタイリングを人が行い、撮影は360度カメラが担った――が採用された。オーディエンスとのコミュニケーションも“対話”が導入され、キャンペーンではWEB上で「文化は加速中だと思いますか?それとも減速中だと思いますか?」といった思索的な問いが我々に投げかけられることとなった。

2021年A/Wのメンズウェア・ショーでは、ミウッチャ・プラダとラフ・シモンズが自ら世界各地の学生とともにオンラインでのQ&Aセッションを行ったことで、より一層大掛かりなスタイルでの対話が展開されることとなった。「プラダ」は今、コラボレーションに生々しい感触を取り戻そうとしている。それは“対話”という行為が時に自己の価値観を揺さぶり、分裂を起こし、自らの中に両極端の要素を生んでしまうかもしれないという恐怖と立ち向かうことであり、心地よさにとどまらない雑多なものの同居、つまり相反する考えが自己を刺激し問いかけてくる“不穏さ”を受け入れることである。

対話から生まれた“不穏さ”が顕著に表現された2021年AWメンズコレクション

Prada Fall/Winter 21 Menswear Collection – conversation with Miuccia Prada and Raf Simons to follow

実際に、相反するものの同居、それによる不穏さが分裂を引き起こしているさまが顕著に表現されたのは、2021年A/Wのメンズウェア・ショーではないだろうか。一見ラフ・シモンズらしさが前面に出たルックのように見えるが、素材や柄はミウッチャ・プラダがこれまで生み出してきたブランドの歴史を彩る代表的な要素が引用されており、その結果、オーバーサイズのボンバージャケットを纏ったスタイルなどは抽象と具体という相反するものが引っ張り合い膨張し切った、分裂がそのまま1人の人物に同居し手をつなぎ合っている様子を表現したかのような不穏さを放っている。注目を集めたジャガードニットのボディスーツ・ルックも、身体の触感やラインのつるんとした無機質な抽象性と、袖がまくられたジャケットが重ねられる――かつてのラフ・シモンズのクリエイションを最も彷彿とさせるテクニックである――ことでの細やかなコーディネートの具体性が不安を煽る。Richie Hawtinによるサウンドトラックが硬質に鳴り響くショースペースもまた、何処か判別しかねる架空の空間でありつつも、ソフトで温かい質感が懐かしい印象を喚起させもする。過去のさまざまな芸術・衣服のアーカイブをモダンな手つきで蘇らせ、どこかノスタルジックな新しさをあくまでシンプルに落とし込んできたミウッチャ・プラダのセンスは、いまラフ・シモンズとの対話により、抽象性と具体性の引っ張り合いで破裂しそうな勢いをもって不穏さを纏い始めている。

対話を奪われたこの夏に聴き続けた、KMの切り刻むようなサウンド

2021年の夏、観客のいないスタジアムで、ヴァーチャル空間のごときスペースで、ある体育祭が敢行されている。果たして、その場所が東京なのかという確証もない。静かにしたたる汗を眺めていると、精巧なコンピューターグラフィックス技術が施されているかのような錯覚にすら陥る。まさか、抽象性と具体性の同居はこの体育祭においても観察できるのだ。しかし――全てが対話なきまま一方的に進められた観客無きそれは、競技中もノイズが排され、観戦していても映像が思考の狭間からすり抜け、問題提起なきイベントとして淡々と執り行われているように見える。とにもかくにも“この催しを行った”という事実確認だけが必要であるかのように。

KM『EVERYTHING INSIDE』

夏が終わると、秋がやってくる。その頃には、「プラダ」の2021年AWシーズンが到来する。私は、この夏ずっとKM『EVERYTHING INSIDE』を聴いていた。Hyperpopを通過したKMの切り刻むようなサウンドの手触りは多くの客演のラップと融合し、溶け合い――まさに対話するかのごとく――具体性の結晶のような音に抽象性の魔法をかけ、アンバランスな魅力を放っていた。より抽象性に傾き、分裂をも辞さない体育祭をテーマにした曲であれば、Yoyouの「2020IOC」を聴くのも良いだろう。KMと同様のテイストを持つビートメーカーEfeewmaがクリエイトしたこの曲とともに、私は夏を脱しようとしている。対話の権利を奪われ、一方的に権力を行使された夏を。

Yoyou「2020IOC」

Illustration AUTO MOAI

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ブランド「ラフ・シモンズ」として初のウィメンズの成否はいかに? https://tokion.jp/2020/11/02/raf-simons-teenage-dreams/ Mon, 02 Nov 2020 06:00:06 +0000 https://tokion.jp/?p=10145 ファッションライターの栗山愛以が「ラフ・シモンズ」初のウィメンズをどう見たのか。また、テーマである「TEENAGE DREAMS」からラフ・シモンズの思考を紐解く。

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10月23日、「ラフ・シモンズ」が初のウィメンズコレクションを発表した。

と言っても、ラフ・シモンズ自身がウィメンズを手掛けるのは初めてではない。2005年以来「ジル サンダー」「ディオール」「カルバン・クライン」で、そして約1ヵ月前、「プラダ」でウィメンズを発表している。ミウッチャ・プラダと共に担う「共同クリエイティブ・ディレクター」という特殊な役職ゆえに、プラダでは「コラボレーションした」と言ってもいいほど。2001年から10年間タッグを組んだ同郷ベルギー出身のアーティスト、ピーター・デ・ポッターのアートワークを用いるなど、かなり自分色を出していた感はあった。しかし、ビッグネームの下では、ブランドらしさにかなり配慮せねばならなかったはずだ。

であるから、このたびお披露目されたのは、「初めてラフらしさが100%発揮されたウィメンズコレクション」ということだ。ブランド設立25周年を迎えた記念か、コロナ禍で思うところがあったのか、はたまたミウッチャ氏との共同作業でなんらかのフラストレーションがたまったのか?! ともあれ「ラフ・シモンズ」2021年春夏コレクションを、ウィメンズに特化して見てみたい。

まずはムービーを鑑賞した。

タイトルは「TEENAGE DREAMS」。不穏な音楽が流れ、漂うのはダークなムード。ビビッドな色彩で描かれた空間で男女のモデル達がゆっくりと歩き回ったり這いつくばったりしている。ヘアメイクやマーブル模様のプリント、フレアパンツから70年代のサイケデリックファッションが彷彿とされ、ラフおなじみのメッセージが施された服やバッジも目につく。

と、ここで終了してはいけないのが「ラフ・シモンズ」だ。服の造形だけではなく背景にどんなカルチャーがあるのかが重要視されるから、それも知っておかねばならない。黒地に紫、赤、黄の文字の3パターン用意されたリリースを見ると、ラフのかねてからの着想源であるジョイ・デヴィジョンの曲名や『ふしぎの国のアリス』に混じって、ヒッピーカルチャーを描いた『ヘアー』(1979)や『砂丘』(1970)、『エイリアン』(1979)、『スクリーム』(1996)、『エルム街の悪夢』(1984)といったホラー、『ブレックファスト・クラブ』(1985)などの青春もの、サスペンスや『アナイアレイション ー全滅領域ー』(2018)といったSFまで、映画作品のタイトルが羅列してあった。

映画に関して門外漢であり、ホラーは怖くて見られない私には、モデル達が穴から登場するのがアリスをイメージしてのこと、くらいしかすぐには思いつかなかったが、ムービーには多くのメタファーが潜んでいるのだろう。不穏な空気や、70年代の薫り、幻想的なムード、非条理な内容はこれらの映画から来ているはず。ラフのファンはリストアップされた作品を一斉にチェックするのだろうか。

ラフの考えるユースカルチャー

さて、それで結局のところウィメンズはどうだったのか。

正直に言えば、服そのものに驚きはなかった。カラーリングやグラフィックは気になったが、よくあるフォルムだし、メンズに付随したようなデザイン。ウィメンズに特別力を入れたようには見えず、スカートが追加されて、サイズが女性向けになったくらいなのでは。女性モデルがほぼスカートを履いていたのは古い価値観にとらわれ過ぎてはいないか、と訝ってしまったが。ラフ好きの女性であればすでにメンズをオーバーサイズで着ていただろうし、「ジェンダーレス」がモードの常套句となり、ユニセックスへとかじを切るブランドもある中、わざわざ性別を分けるのは女性顧客の新規開拓を意図してのことなのだろうか。しかし、「ウィメンズ」とカテゴライズされた服を着るファンション好きの女性達は、私をはじめ、第一印象を大切にする。背景にどんなカルチャーがあるのか、まで思いを巡らす人はそう多くはない。

では、今回も「TEENAGE」と掲げていたように、ラフと言えばユースカルチャーとの繋がりの深さであるから、若者層に訴えかけるのか。が、それも難しいはず。なぜならここでは今のティーンエージャーを指しているのではなさそうだからだ。着想源から考えると、主に70年代に学生運動にいそしんでいた若者や、1968年生まれのラフ自身の若い頃の精神であるような気がする。同じユースカルチャー好きでも、「セリーヌ」の2021年春夏メンズコレクションで、同い年のエディ・スリマンがTikTokerをピックアップしたのとはベクトルが異なる。

となると、今回のウィメンズ発表に歓喜したり共感したりするのは、そもそもラフ好きで、ジャストサイズやスカートを求めていた女性か、70〜80年代に青春時代を過ごした世代なのでは。決して万人受けするコレクションではない。「ラフ・シモンズ」にあまり免疫がない女性達は、「プラダ」を手にした方が満足度が高いのかもしれない、と思うのだった。

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