大竹彩子 Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/大竹彩子/ Wed, 21 Feb 2024 04:21:31 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.3.4 https://image.tokion.jp/wp-content/uploads/2020/06/cropped-logo-square-nb-32x32.png 大竹彩子 Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/大竹彩子/ 32 32 アーティスト・大竹彩子が語る、制作の原点と現在地 ギャラリーでのヨーロッパ初個展「COLOURIDER」開催に寄せて https://tokion.jp/2024/02/22/colourider-saiko-otake/ Thu, 22 Feb 2024 06:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=224905 アーティスト・大竹彩子がヨーロッパでの初個展をロッテルダムのSato Galleryにて開催。展覧会に際しヨーロッパを旅している大竹に、制作活動の原点や今見つめているものなどを尋ねた。

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ペインティング、写真、コラージュなど幅広い作風を持ち、豊かな色彩と大胆な構成で私達を惹きつける大竹彩子。2018年の初個展以降、PARCO MUSEUMやNADiff a/p/a/r/tなどで毎年展覧会を行い、実力とキャリアを積み上げている彼女が、現在、ロッテルダムのSato Galleryにて、個展「COLOURIDER」を開催中だ。これはギャラリーで開催される個展としてはヨーロッパ初開催となる。フェミニン・パワー、サイケデリックな美学、モダン・アートがカラフルにぶつかり合う大竹の作品は、ノスタルジックな雰囲気と現代的なレイアウトを併せ持つ。展覧会に際し、ロッテルダム、ロンドン、パリなどヨーロッパを自身の好奇心の赴くままに周っているという。そんな旅の途中の彼女に制作の原点やインスピレーションの源、そして今見つめているものなど幅広く話を聞いた。

作品に息づく独自の色彩と構図はいかにして培われたのか

――今回のヨーロッパでの初個展おめでとうございます。開催の経緯を教えてください。

大竹彩子(以下、大竹):2019年に仕事でパリを訪れた時にSato Galleryのオーナー、ジュリアンと知り合ってからコロナ禍を経て実現できました。初のヨーロッパでの展示ということもあり悩んでいたところ、彼から「楽しんで描いて!」と言われていたので、今まで日本でやってきたことを進化させたものを発表したいと思いました。外国で展示するという夢が1つ叶いました。

――本個展で発表されたものをはじめ、大竹さんの作品は力強く豊かな色彩が印象的ですが、大竹さんにとって色の役割について教えてください。

大竹:子どもの頃に1960年代頃のサイケデリックアートを知って、蛍光色を使った独特の配色やタイポグラフィー、色のインパクトに惹かれて、その時から色の持つ力というのをすごく感じています。ただ派手なものというわけではなく、配色の妙とでも言いますか、組み合わせた時に持つ力や強い印象に惹かれています。組み合わせや見せ方は無限にあるので、都度その魅力を出せたらと思っています。

――個展のタイトル「COLOURIDER」はぴったりですね。ですが、色だけでなく構図や配置も独特で絶妙だと感じています。

大竹:幼い頃はもともとポスターを作る人になりたいと思っていました。今でも絵画というより模様や色の組み合わせる構図を意識するのはポスターに対する憧れに近いのかもしれません。古いポスターや広告を見るのは好きなので制作に影響していると思います。今回は女性の他に、恐竜とモンスターという実在しないものも描きました。

それはサイケデリックなポスターからの影響があるのかもしれません。つながっているタイポグラフィーのような物で空間を埋めていくようにひたすら描いた作品もあります。

組み合わせることで境界を曖昧にする写真作品/日常のインスピレーションを蒐集する本のシリーズ

――今回はペインティングだけでなく、2枚の写真を組み合わせた作品も展示されています。一見全く関係のないような写真が組み合わさることで別のイメージを生み出しています。どうやって生まれたんですか?

大竹:ロンドンにいた時にテート・モダンで開催された森山大道さんの展示のワークショップに参加したんです。壁にモノクロの写真が貼ってあって番号を選んで自分でレイアウトするというもの。そのワークショップがとても刺激的で、自分が撮ったものをまとめてみようと思い、一見関係のない写真を並べたことがきっかけです。隣同士に合わせることがおもしろかった。2枚の全く別の写真を組み合わせることで、時間や場所、色の境界線を曖昧にするという感覚を持たせた作品なので、レイアウトは色や形のバランスを特に意識しています。今回の展示では海外と日本というテーマで左が外国、右が日本で撮った写真を組み合わせました。

――そこから本のシリーズも生まれたんですか?

大竹:そうですね。以前から余白なしの本を作りたいと思っていたので、セント・マーチンズの卒業制作の1つとして、3冊、2022年までに15冊を自費出版しています。それぞれの写真は日常の風景からインスピレーションを受けた物を蒐集する感覚で撮りためたものです。

――具体的に日常のどういった風景からインスピレーションを受けるんですか?

大竹:古くから残されているものや人の手が加わったものに興味があります。ポスターの一部や剝がれた壁、古いマネキンなどに惹かれます。場所だと博物館や昔からあるような文房具屋さん、ヴィンテージショップ、いろいろなものが置いてあるマーケットとか。あと、外国だったらトイレや看板、落ちているゴミも見逃せません。そうしたものにも日本にはない独特の色彩がありますから。

初めて訪れたオランダの印象、ヨーロッパを巡る旅の過ごし方

――なるほど。次は今回の旅について聞かせてください。オランダには初めて訪れたそうですが、どんな印象を受けましたか?

大竹:窓が大きくて外から家の中が丸見えでびっくりしました。質素倹約を好むプロテスタントの影響があり、かつてはつつましい暮らしの証明という意味合いだったのが現代になって見せびらかせる風習に変わってきているというのを聞いておもしろいと思いました。通りを歩くと家族が食卓を囲んでいたり、人々の生活が垣間見えて、まるで映画のワンシーンを見ているような感覚に陥ります。オランダに長く住んでいる方々からいろいろなお話を聞いてより一層魅力的な街だと感じました。比較的ビザが取りやすかったり、アーティストに対するサポートも手厚かったりするとのことですし、実際旅をしていても人が優しい印象です。

――旅はロンドンから始まり、オランダを経てこの後はパリへと続くそうですね。どのように過ごしているのですか?

大竹:最初にロンドンで(ロナルド・ブルックス・)キタイの展示を見れてテンションが上がり、街並みや匂い、パブの佇まいのすべてを懐かしく感じました。ロッテルダムでは作品がなかなか届かずハラハラしましたが、無事に個展をオープンできてホッとしました。さらにデン・ハーグとアムステルダムにも知人を訪ねに行きました。久々に刺激的なものを吸収できてずっとハッピーな毎日を過ごしています。

この後はオランダのライデンにある日本博物館シーボルトハウスを訪れてみたいです。作家の吉村昭さんが書いた本がおもしろくてシーボルトや彼の周りの人達に興味を持っています。パリでは(フィリップ・)ワイズベッカーの展示とポンピドゥ・センターでのジル・アイヨーの展示、またリヨンの方まで足を伸ばしてオートリーヴにあるシュヴァルの理想宮にも行きます。(フェルディナン・)シュヴァルという郵便配達員だった人が作り上げたお城で、アウトサイダー・アートに分類されるのですが、小さい頃から興味があった場所なのでとても楽しみにしています。

――現代アートからアウトサイダー・アート、さらに歴史まで興味関心の幅が広くて驚かされます。

今回の旅でゴッホやピカソ、マティスなど、本物の絵を間近で見られるのはとても楽しみですが、既に価値を与えられた有名なものだけでなく、そこの境界線を超えていろいろなことに好奇心を持って対峙していきたいです。

――表現者として今までの道のりは?

大竹:幼い頃から色んな物を見るのが好きで、スケッチブックに人の絵を描いたり、雑誌を見て描いたりしていました。でもアーティストになろうとも、食べていけるとも思ってなかったので、単に(アーティストである)父のサポートができたらいいなという気持ちでした。それがやっぱり自分で描きたい、表現したいと思うようになり、色々な機会を与えてもらってここまで来れたという感じです。

――ヨーロッパでの初個展を迎えて、今の気持ちは?

大竹:ひとまずオープンできてほっとしていますし、日本以外での個展第一回目として満足しています。次は色を使ってもっと大きい作品を発表できたらおもしろいかなと思いました。開催は3/3までなので今後のフィードバックが不安でもあり、楽しみでもあります。今、地球全体が大変なことになっていて落ち込むこともあって大変でしたけど、だからこそ色の持つ力を伝えたいという気持ちを今回の展示に込めています。自分自身も色を見て元気になるというのを感じているので。

■SAIKO OTAKE 「COLOURIDER」
会期:2024年1月25日(木)~3月3日(日)
会場:Sato Gallery
住所:Insulindestraat 78, 3038 JB Rotterdam, Netherlands
料金:入場無料
URL:https://www.sato.art/ja/exhibitions/23/overview/

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アーテイスト・大竹彩子の個展「VIVITONE」が「ナディッフ アパート」で開催 オリジナルのスカジャンやTシャツも販売 https://tokion.jp/2023/01/17/saiko-otake-nadiff-apart/ Tue, 17 Jan 2023 10:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=164741 多彩な制作手法で注目のアーティスト・大竹彩子の個展「VIVITONE」が1月26日から開催する。作品がプリントされたオリジナルのスカジャンやTシャツも販売。

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ペインティング、コラージュ、写真、シルクスクリーン等さまざまな技法を用いて作品を制作するアーティスト・大竹彩子の個展「VIVITONE」が、1月26日〜2月19日に恵比寿のギャラリー「ナディッフ アパート(NADiff a/p/a/r/t)」と1階の書店フロアで開催する。

大竹は、2016年にロンドン芸術大学を卒業後、東京を拠点にペインティング、コラージュ、写真、シルクスクリーン等さまざまな技法を用いて精力的に作品を発表してきた。豊かで力強い色彩の表現と大胆な構成のなかに、作家の感性が宿る特徴的な線の使い方や、モチーフの細部への意識が感じられる作品は、多くの人を魅了し続けている。

2020年には「パルコ ミュージアム(PARCO MUSEUM)」、2021年には心斎橋パルコにて大規模な個展を行い、昨年の「Akio Nagasawa Gallery Aoyam」aでの個展では、初めて油彩画とシルクスクリーンの作品を発表した。「ナディッフ」ではこれまで2度の展覧会を開催し、Tシャツやスカジャンなどのコラボレーションアイテムも制作している。

同展の開催に際し大竹は、制作の原点である日常で採集したイメージを、鉛筆で描いて張り合わせたモノクロコラージュ作品を、初めてアクリル絵の具で制作した。色の組み合わせの持つ力を試し、これまでの制作手法を進化させた新しい試みとなっている。1階の書店では、地下ギャラリーの新作と対照的な写真をモノクロ化しコラージュた“PHOTOMAZE”と、シルクスクリーン作品も展示される。

また1月26日から、展示作品に加えオリジナルのアパレルアイテムも販売する。描き下ろしのドローイング作品を胸、肘、背中に刺繍で表現したブラックのスカジャンや、「架空の音楽レーベル」という設定で国内外のグラフィック・デザイナーやアーティストのTシャツやグッズの企画、制作を行っている「タコマフジレコード(TACOMAFUJI RECORDS)」と大竹彩子のスペシャルコラボレーションTシャツ等、貴重なアイテムが揃う。展示作品の一部は1月30日13:00から「OIL by 美術手帖」でも販売予定だ。

■SAIKO OTAKE「VIVITONE」
会期 : 1月26日~2月19日
会場 :「ナディッフ アパート」地下1階 NADiff Gallery
住所 : 東京都渋谷区恵比寿1丁目18-4
営業日 :月、火、水
時間 : 13:00~19:00 ※1月26日のみ15:00~20:00
入場料 : 無料
展覧会ページ : http://www.nadiff.com/?p=29772

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大竹彩子の個展「WARP TRIP」が開催 新刊作品集や森山大道による『UWAJIMA』の大竹彩子ヴァージョンも登場 https://tokion.jp/2022/03/30/saikootake-akiohasegawa-warptrip/ Wed, 30 Mar 2022 12:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=106592 大竹彩子の個展「WARP TRIP」では、初めての油彩画となるキャンバス作品をはじめ、初のシルクスクリーン作品や新作写真作品を展示する。新刊作品集等も発売する。

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大竹彩子は個展「WARP TRIP」を「Akio Nagasawa Gallery Aoyama」で開催する。会期は3月31日〜4月23日。同展では、これまでアクリル画を制作していた大竹にとって初めての油彩画となるキャンバス作品をはじめ、初のシルクスクリーン作品や新作写真作品を展示する。

展覧会の開催に合わせて新刊作品集『WARP TRIP』(¥1,980) も刊行する他、森山大道による『UWAJIMA』の大竹彩子ヴァージョンの表紙3種(¥11,000)も発売する。

■「WARP TRIP」
会期:3月31日〜4月23日
会場:Akio Nagasawa Gallery Aoyama
住所:東京都港区南⻘山5-12-3 Noirビル2F
時間:11:00〜13:00、14:00〜19:00
休日:日曜〜水曜、祝日
公式サイト:https://www.akionagasawa.com/jp/exhibition/warp-trip/
※新型コロナウイルスに関する状況により、会期や内容を変更する可能性あり。

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大竹彩子が写真と絵画の個展と初の姉妹展を同時開催 自身のルーツを振り返りそこから広がる感覚を描く https://tokion.jp/2021/07/23/saiko-otake-black-by-sister-channel/ Fri, 23 Jul 2021 11:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=47884 ギャラリー・アートアンリミテッド(乃木坂)では個展「宇和島⇄東京」を、パールブックショップ&ギャラリー(幡ヶ谷)で妹・笙子との初の二人展「BS Channel 〜 Black by Sister channel 〜」を開催中の大竹彩子のルーツや制作背景に迫る。

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2020年のパルコミュージアムでの個展や、今年の清里フォトアートミュージアムのヤング・ポートフォリオ展入賞など、目覚ましい活躍を見せるアーティスト大竹彩子。乃木坂のギャラリー・アートアンリミテッドで個展「宇和島⇄東京」を、幡ヶ谷のパールブックショップ&ギャラリーで妹・笙子との初の二人展「BS Channel 〜 Black by Sister channel 〜」を開催中の大竹に、最新作や創作活動の背景などを聞いた。

イメージを切り取り、蒐集する

今回の展示では、大竹が現在暮らし、制作拠点でもある東京と、出身地である愛媛県宇和島市の写真で構成した写真作品の他、女性の顔を描いたペインティング「SPELLBOUND-MASK」シリーズを発表。展示した写真作品も含む14冊目となる新たなZINE「UWAJIMA⇄TOKYO」も出版した。

おもしろいのは、2枚の写真を組み合わせて1つの作品として成立させていること。東京と宇和島で撮られた写真は、どちらが東京でどちらが宇和島かはわからない。一見全く関連がないようにも思えるが、色や形、イメージの連鎖など、その組み合わせの妙により、新たなイメージが浮かび上がってくる。

これまでも、訪れた場所をテーマに、ZINEとして写真集を発表してきた大竹。そもそもは、ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズに留学した際に卒業制作としてまとめた一冊がきっかけだった。だがそれは写真を作品として撮って写真集にするという作業とは少し異なる。彼女にとって写真を撮るのは素材集めに近い感覚なのだという。

「インスピレーションを受けたイメージをひたすら蒐集するという感覚。邪魔なものを入れずに好きなものだけを切り取って撮っています。それを並べて組み合わせを考えるんですが、その作業が楽しい。撮影した場所も時間も全部が溶け合うような、混ざり合う感じ。それを1枚の作品にしています」

言葉も余白もいらない。イメージだけの本をつくりたい。それが今も続くZINEのかたちとして定着した。見開きで作品をつくるという、いわばレイアウトの感覚は、彼女がセント・マーチンズのグラフィックデザイン科を卒業したこととも無関係ではないだろう。最初はPhotoshopも使わず、画像加工もせずにフリーのソフトでつくったというから驚きだが、とにかく気になったイメージを撮りため、その膨大な素材のアウトプットとして吐き出すように生まれたZINEには、彼女が世界をどう見ているかが凝縮されている。世界の切り取り方が、ユニークなのだ。

現在はデジタルコンパクトカメラを使っているというが、それは量をたくさん、そして的確に撮りたいからだという。写真を作品にするためというよりは、自分の好きなイメージを集めるためのツールとしてカメラを使っているという感覚も独特だ。

「カメラは、実際iPhoneでもいいと思います。でも私のはちょっと古いので(笑)。どこかに行くと、歩き回ってひたすら写真を撮りまくっています。それにはデジタルコンパクトカメラが一番合ってるかな」

宇和島と東京、2つの重要な場所

展覧会のタイトルでもあり、今回の作品のモチーフともなった宇和島と東京。小さい頃から常にその間を行ったり来たりしてきた彼女にとって、どちらも重要な場所だと話す。

「宇和島は私が生まれ育って、高校生まで過ごした場所。東京は父の出身地であり、小さい頃から祖父母の家へ行ったり、遊びに行く感覚。あっという間に時間が過ぎる楽しい場所でした。その2カ所を並べてみたいと思ったのが今回の展示につながっています。宇和島のことは以前はあまり強く意識していませんでしたが、今は帰る場所、家族がいる場所という思いが強くなりました」

ロンドンから帰国後、宇和島で制作することもあり、東京と行き来していたが、コロナで宇和島に帰れない状況が続いている。移動することが創作にも直結してきただけに、つらい状況でもある。

「常に新鮮な目でいたいので、“慣れ”が一番こわい。宇和島を離れると、宇和島に戻ったときに撮りたいという気持ちになるし、東京は刺激的だけど、行動範囲が限られていると新鮮さはなくなります。今までいろんなところを訪れて制作や展示ができたのはありがたいし、創作意欲につながっていると思います」

ただ、ずっと東京にいることで制作に集中できたという側面もある。キャンバス画は当然だが1箇所で描く作業になり、この1、2年は、東京は重要な制作拠点となっていた。今回発表したアクリル画「SPELLBOUND-MASK」は、マスクで人の顔が覆われていることがあたり前の今、1点1点が強烈な存在感を放つ。写真でもヴィヴィッドな色が取り入れられていることが多いのが印象的だが、ペインティングはより鮮やかな色使いが顕著だ。モチーフこそ人の顔と、写真とで全く異なるが、どこか通じるものもある。

「写真集になっているような画像が、ペインティングでもインスピレーションの素になっていると思います。アクリル絵の具は発色がよくて、理想の色が出せるので、自分に合っています」

今後は油絵にも挑戦してみたいという。

「今は色と色がパキッと分かれているような絵を描いてますが、油絵独特のやわらかさも好きなので、色が混ざることでどうなるか、落ち着いてじっくり描いてみたいです。絵は独学なので、画材の種類や使い方などは自分で調べたりしていますが、表現方法をもっと勉強してみたいという気持ちも湧いてきました」

どんな状況でも、つくり続けたい

父は言わずと知れた画家・大竹伸朗。子どもの頃から父と一緒に絵を描いたり、何かをつくったりして遊ぶのが日常で、それが原体験となっているのは確かだが、自身はごくふつうの田舎の中・高生だったと話す。ロンドン留学中も、意外にもアーティストとして生きる自覚には至っていなかったという。

「留学にはファウンデーション・コース、次にBAなどいくつかの段階があるんですが、そのたびにいつもこれが終わったら帰ろう、これが終わったら……と思っていました。父のように簡単になれるものではないと身に染みて感じていましたから。でも一方であがいていたというか、何かつくりたいという気持ちはずっとあって。アーティストになって生きていくんだと強く思っていたわけではなかったけれど、とにかくつくるのが好きで、どんな仕事をしていたとしても作品をつくり続けたいと漠然と思ってきたし、今も思っています」

卒業後、ロンドンの美容院の展示スペースを借りて初めての個展を開き、そこで作品を買ってもらった時に、アーティストとして続けていこうと腹をくくったという。そこからは今も、売れるかどうかにかかわらず、つくり続けたいと思っている。

コロナ禍は自分と向き合う時間にもなった。展示も中止になることなくなんとか開催され、制作の日々が続いている。

「これだけ長い時間、家族に会えないというのは自分にとっては大きなこと。ひとりでどうにかしないといけない状況だったので、気合いを入れ直すきっかけになったと思います。これまでの展示は1つひとつが挑戦でした。一貫しているところはありつつも、少しずつ変化したり、進化しなくてはいけないという気持ちもあります。特に絵には自分の気持ちが表れている気がしていて、大阪での展示(「GALAGALAGALA」2020年2月11日~3月8日に心斎橋パルコで開催)は、色で元気になりたい、なってもらいたいという気持ち。今回はその延長でもありますが、少しやわらかくなったかも。ギラギラしたところから少し落ち着いてきていると思います。インパクトは大切にしながらも、今後はもう少し優しいものがつくれたらと思っています」

現在、幡ヶ谷のパールブックショップ&ギャラリーで妹・笙子との二人展「BS Channel 〜 Black by Sister channel 〜」も開催中で、そちらは原点に戻るような、小さなモノクロームのコラージュ作品を発表している。巨大な作品を描いてみたいという思いもあり、「やりたいことはたくさんある」と目を輝かせる。これからも進化しながら多様な表現に挑むアーティストから、目が離せない。

大竹彩子
1988年生まれ。2016年、ロンドン芸術大学卒業。複眼的なパースペクティブから成る独自の作品世界をドローイングやペインティング、写真、コラージュなど、さまざまな技法で表現している。主な展覧会に、個展「EXUVIA」(2016年/ロンドン)、(2016年/シンガポール)、「VISUAL SAMPLING」(2018年/台中)、「COSMOS DISCO」(2019年/東京)、「GALAGALA」(2020年/東京)、「GALAGALAGALA」(2021年/大阪)がある。
webサイト:saikootake.com


■宇和島⇄東京
会期:7月31日まで
会場:ギャラリー・アートアンリミテッド
住所:東京都港区南青山1-26-4 六本木ダイヤビル3F
時間:13:00〜18:30(最終入場)
休日:日曜、火曜、祝日
入場料:無料
Webサイト:www.artunlimited.co.jp

■大竹彩子・笙子 二人展 BS Channel~Black by Sister Channel~
会期:8月1日まで
会場:パールブックショップ&ギャラリー
住所:東京都渋谷区西原2-26-5
時間:13:00〜19:00
休日:月曜、火曜
入場料:無料
Webサイト:888books.jp

Edit Jun Ashizawa(TOKION)

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