工藤司 Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/工藤司/ Tue, 17 May 2022 11:48:45 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.3.4 https://image.tokion.jp/wp-content/uploads/2020/06/cropped-logo-square-nb-32x32.png 工藤司 Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/工藤司/ 32 32 「クードス」「スドーク」の工藤司が主催するマルシェ「kudos soduk marché」が開催 ポップアップや特別イベントも実施 https://tokion.jp/2022/05/17/kudossuduk-marche/ Tue, 17 May 2022 12:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=117391 「クードス」と「スドーク」のデザイナー・工藤司が主催するイベント「kudos soduk marché」が、馬喰横山の「MIDORI.so BAKUROYOKOYAMA」で開催する。

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「クードス(kudos)」と「スドーク(soduk)」のデザイナー・工藤司が主催するイベント「kudos soduk marché」が、馬喰横山の「MIDORI.so BAKUROYOKOYAMA」で開催する。思い思いに人々が集まり、ジャンルレスでフィジカルに交わる場所“マルシェ”をイメージしており、来場者は、特設フロアでブランドの世界観を体験できる。

メインとなるポップアップストアでは、2ブランドの最新コレクションとリクエストが多かったアーカイヴをラインアップする他、2022年春夏コレクションでイラストレーションを手掛けたナタリー・ホーバーグ(Natalie Horberg)のイラストを施した限定のニットバッグを販売する。

工藤司の展示コーナーでは、山﨑潤祐が手掛ける雑誌『198201111959』の5号目とともにセッ トで刊行された写真集『A STUDY OF BOYS」と、「kudos soduk marché」のために制作されたアートワークを展示する。

また、両ブランドのコレクションでグラフィックを手掛ける、rawaこと出口壮夫のデザインをTシャツやトートバッグに無料でシルクスクリーン体験ができるワークショップも開催。好みの色と版を選ぶことができて、持ち込みアイテムにプリントすることも可能。価格はTシャツが¥2,000でバッグは¥1,000。

フードも充実していて、ツルミ製菓や「Café Lisette」大阪の「ELMERS GREEN」等のカフェをプロデュースする他、石川県加賀市のティーサロン「TEATON」のスイーツを監修するパティシエ・鶴見昂による“クドーナッツ”、“スドーナッツ”が登場する他、土曜日限定で灯明ギャラリー「LAVENDER OPENER CHAIR」を併設する食堂「灯明」が、今回のために立ち飲みスタンドを出店。日曜日限定でフードクリエーターの五十嵐可菜が手掛ける東京・永福町の「中華可菜飯店」によるオリジナル弁当も販売する。

2階では豪華な景品が当たるゲームコーナーを設置し、来場者には先着順でノベルティをプレゼントする他、シークレットイベントも予定している。

「kudos soduk marché」
会期:5月21、22日
会場:MIDORI.so Bakuroyokoyama
住所:東京都中央区日本橋横山町5-13
時間:11:00〜20:00

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みんなの今年のベスト映画は? 「TOKION」ゆかりのクリエイターが選ぶ「2021年公開の私的ベスト映画」  https://tokion.jp/2021/12/29/the-best-movies-2021/ Wed, 29 Dec 2021 09:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=85499 今年、劇場やストリーミングサービスで日本公開された映画の中から、「TOKION」にゆかりのあるクリエイターが心に残った映画を選出する。

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昨年に引き続き、2021年も新型コロナウイルスのパンデミックによって、多くの映画作品が公開延期に追い込まれたり、映画館へ足を運ぶこともままならない時期もあった。一方で10月1日から全国の映画館で全席販売・レイトショーが再開される等、明るいニュースも聞かれた。

そんな過酷な状況でも、鑑賞後にポジティヴなエネルギーを与えてくれる作品が今年も数多く公開されたわけだが、「TOKION」にゆかりのあるクリエイターが、今年、劇場やストリーミングサービスで日本公開された映画の中から心に残った、私的なおすすめ映画を発表! グッと来た場面やシチュエーションなど、2021年を映画とともに振り返る。

『JUNK HEAD』
八木華(ファッションデザイナー)

たった1人で、独学で作り始め7年かけて完成させたストップモーションアニメ『JUNK HEAD』。

環境破壊が止まらず地上が汚染された未来。人類は遺伝子操作により永遠の命と引き換えに生殖能力を失う。そして新種のウイルスにより絶滅の危機に瀕した人類は、独自に進化していた人工生命体の住む地下世界へ調査に向かう。地下調査員として名乗りを上げた主人公が地下の世界で人類再生の道を探る物語。

ストップモーションを制作している妹と映画館で観たのですが、もう二度と観たくないくらい疲れる圧倒的な映像体験でした。映画の舞台は未知なる地下の世界ですが、地下の構造から生物が話す言語まですべて未知です。その上ストップモーションという技法で映像も音もノイズが多い。

CGや演出の技術によって整備されたファンタジーの世界を快適に楽しむことはできるけど、本当に未知の体験は快適ではないような気がします。わからないことばかりで疲れる。そういう体験をさせてくれる映画は貴重だなと思います。

そのような意味でこの混沌にたどり着くために1人で7年間をかけてストップモーションで表現する必然性を感じました。

八木華

八木華
1999年、東京都生まれ。都立総合芸術高校卒業後、「ここのがっこう」で学ぶ。2019年に欧州最大のファッションコンペ「International Talent Support」ファッション部門に最年少の19歳でノミネート。現在は、妹と組んで映像制作にも取り組んでいる。
Instagram:@hannah.yagi

『サマーフィルムにのって』
岡本大陸「DAIRIKU」デザイナー

© 2021「サマーフィルムにのって」製作委員会
配給:ハピネットファントム・スタジオ

良い映画だったなぁ。最近の映画に対する消費のされ方に疑問を訴えかける映画で、映画館が減ったりレンタルビデオ屋も少なくなっていたりして映画好きとしては悲しい。古い映画はなかなか観れなくなってしまうのではないのかなっていう心配もある。でも、この映画を観ると映画作りの舞台裏と高校生達のキラキラした青春を混ぜていて、しかもSF! 観てて本当に楽しかったし、もし僕が高校生の時くらいに観たら、映画をサブスクとかじゃなくて映画館で観ようとかDVD借りて観ようという気持ちにさせてくれそうな映画でした。

特に昔の日本映画や日本文学への多大なリスペクトが込められていて、随所に作品がストレートに紹介されて、その映画作品観たい! というきっかけを作ってくれる。

これから名作は生まれるの? みたいな葛藤はあるけど、ちゃんとラストシーンで映画の未来が明るいという気持ちにさせてくれるし、あのシーンは泣いた。映画の過去作も現在も未来へも、ヒヤヒヤしながらも丁寧に丁寧に線と線を結んでる感じ。

日本映画の影響が色濃いかと思いきや、小栗くんが乗っているデコチャリと彼の髪型は映画『さらば青春の光』のエースみたいだったり、ラストシーンは出演者がみんな体育館に集まって“祭”のような感じで、『フェリーニ』の“8 1/2(ハッカニブンノイチ)”のようだった。洋画からの影響もあるのかなって想像するたびにワクワクした。監督さんは、本当に映画を愛してるんだろうなって。

岡本太郎は“芸術は青春”って言ってた。それを感じるくらい、主人公ハダシ達のあの若々しい映画づくりこそ情熱であって青春。映画でも音楽でも服作りでも何にでも、ひたむきに頑張ることが青春だなって改めて感じた映画でした。

僕も今、青春してるんだって思ったよ。ありがとう、映画。

岡本大陸

岡本大陸
1994年、奈良県生まれ。バンタンデザイン研究所ファッションデザイン学科在籍中に自身のブランド「ダイリク」を立ち上げる。2016年にはアジア ファッション コレクション(AFC)のグランプリを受賞し、2017年にニューヨーク・ファッション・ウィークでランウェイデビューを果たす。ブランドコンセプトは「ルーツやストーリーが感じられる服」で毎シーズン映画をテーマにしたコレクションを発表している。

『#寛解の連続』
十河幸太郎「ノウハウ」デザイナー

昨今、子どもと一緒に映画館に行く機会が増え、ファミリー向け映画を観る機会が増えたのですが、この作品は、今年1人で観に行った数少ない映画の1つです。その映画『#寛解の連続』は、2011年にファーストアルバム『神戸薔薇尻』をリリースしたラッパー、小林勝行の創作と生活に密着したドキュメンタリーです。躁うつ病を抱える小林さんの日常と、セカンドアルバム『かっつん』のリリースに至るまでの過程に迫る、というのがあらすじです。

僕の想像以上にむき出しで己の内面と向き合いながら描かれた壮絶なドキュメンタリーでした。ここ数年ずっと頭上に重く立ち込めている暗いムードのようなものは、自分自身の受け止め方や行動でまだいくらでも払いのけれる、そんなことに気が付いてハッとしました。ドキュメンタリーが好きな方にはもちろんですが、もしそんなムードが自身に立ち込めているような気がするのなら、すごくおすすめの映画です。

印象に残っているのは、序盤にレコーディング風景の場面があるのですが、そこでのレコーディングエンジニアの方との会話です。ラップを吹き込むことで音楽として印象がガラッと変わっていくことに驚きと喜びを隠さないその2人のやりとりにグッときました。それと、ボールペンの視点で描く楽曲「オレヲダキシメロ」を自宅の部屋で1人で制作する様子がとても印象的です。何度も声に出し自分に問いながら自分を鼓舞しながら表現を模索する姿はとても胸を打たれます。

小林勝行を知ったのは、数年前に現代美術家のcobirdさんに教えてもらった「108 bars」を聴いた時で、それから、生きざまや表現についての向き合い方がとても気になっていました。映画は2019年にできあがっていたそうなのですが、コロナ禍の影響もあり鑑賞する機会がない中で、ようやく今年の4月に閉館間近の渋谷アップリンクで上映されるという情報を聞きつけて観に行ってきました。昔のインタビューで唾奇さんも小林勝行さんに影響を受けたと話していたのもこの映画を観る後押しになりました。

ただ、現時点では配信サービスでは観れませんので、お住まいのエリアのお近くで上映される情報を要チェックです!

十河幸太郎

十河幸太郎
1980年、北海道生まれ。2013年にパジャマブランド「ノウハウ」をスタート。チューソンとともに夫婦で製作を行っている。近年では広島県尾道にある複合施設「U2」内のホテルのアメニティパジャマを製作。また、インナー&ルームウエアのライン「トワイライト」や、“家が恋しくなる”をテーマにした高級ライン「ホームシック バイ ノウハウ」なども展開している。「ノウハウ」のオンラインショップ「ROOM SERVICE」は年末年始も休まず営業予定。https://nowhaw.shop-pro.jp/

『逆光』
工藤司「クードス」デザイナー

1970年代の尾道が舞台のこの映画は、主人公である晃の故郷に憧れの先輩である吉岡を連れ帰省し、晃の友人達とともに過ごすひと夏が描かれる。(そこで彼等の微妙な人間関係が交差していく)。シークエンスごとに繰り返し強調されるのは尾道の土地の音や光だ。

しかし、晃が好意を寄せる吉岡の顔や表情はなぜかどこかおぼろげで印象に残らない。それは晃にとっての彼自身が「逆光」だからなのかもしれない。カメラの前では、逆光は被写体を光で覆い隠す。

渡辺あやの脚本や大友良英の音楽はもちろんのこと、俳優・須藤蓮の初監督作品であるということが1つのこの映画への呼び水だとしたら、それはとても表層的な要素でしかない。

誰かに想いを寄せ、それを直接伝えられない歯がゆさそれ自体は、いつの時代にも等しく僕等を苦しめると同時に喜びでさえもあるということを改めて思い知らされた。

1970年代を意識し作り込まれた衣装のスタイリングの世界観もとても心地のいいものだった。

工藤司

工藤司
沖縄県出身。早稲田大学卒業後、ベルギーのアントワープ王立芸術アカデミーに進学。中退後に渡仏し、パリの「ジャックムス」でデザインアシスタント、「Y/プロジェクト」ではパターンアシスタントとして経験を積み、その後渡英し「JW アンダーソン」のデザインアシスタントを経て2017年に自身のブランドである「クードス」を立ち上げる。2018年にはウィメンズ「スドーク」をスタート。写真家としても活躍。今秋に出版事業「TSUKASA KUDO PUBLISHING」を始動し『TANG TAO by Fish Zhang』を出版。
https://kudoskudos.co
Instagram:@tsukasamkudo

Photography Kisshomaru Shimamura

『浅草キッド』
藤原新「クオン」創業者

ビートたけし(北野武)さんのファンで楽しみにしていました。監督・北野武としての作品はもちろん、小さな頃からビートたけしさんを見て育った世代なので。劇団ひとりさんが監督・脚本を務め、松村邦洋さんが演技指導をするなど、ビートたけしさんをリスペクトする人達が多く関わっているということで、どんな作品になるのだろうという期待感がありました。希代の芸人・ビートたけしという主人公を通した、師匠である深見千三郎の物語。印象に残ったシーンはたくさんありますが、ビートたけしさんを演じる柳楽優弥さんのタップダンスが映像としてもすてきだなと思いました。

KUON 藤原新

藤原新
メンズブランド「クオン」創業者兼株式会社「MOONSHOT」代表。2011年「1sin」を立ち上げ、2016SSシーズンより新たに石橋真一郎をデザイナーとした「クオン」をスタート。現在も法律に携わる仕事を継続しながら、さまざまな日本の伝統技術を結集したメンズウエアを提案し続けている。ブランドの公式noteも更新している。
https://note.com/kuontokyo2016
https://www.kuon.tokyo

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遠回りしても信じたいもの 「クードス 」「スドーク」のデザイナー工藤司が語る「人を想い、一緒に記憶をつくること」 https://tokion.jp/2020/12/16/tsukasa-kudo-his-career/ Wed, 16 Dec 2020 06:00:16 +0000 https://tokion.jp/?p=13370 沖縄・那覇からはじまり、アメリカ、アントワープ、パリ、東京まで続く大切な仲間と一緒に乗り越える紆余曲折の日々。

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メディアには姿を現さない「クードス(kudos)」「スドーク(soduk)」のデザイナー・工藤司は、実際に会ってしゃべると実にチャーミングで、おしゃべり上手だ。沖縄・那覇で仕立て屋に通う祖母のもと生まれ育ち、高校で留学したアメリカでともに過ごしたホストファミリーに背中を押され、ファッションデザイナーへの道を決意するものの紆余曲折を繰り返し、やっと今メンズブランド「クードス」、ウィメンズブランド「スドーク」のデザイナーとして東京を拠点に活動する。

いつも曲折の曲がり角には、彼の人柄に惹き寄せられた誰かしらがこれ以上迷子にならないように工藤の手を強く導き、彼の可能性をさらに引き出してきた。二足でも三足でもわらじを履くことがあたりまえとなったこの現代に、彼はファッションデザイナーとして服を通して人を想像し、そして写真家として瞬間を通して記憶を保存する。

——沖縄・那覇で生まれ育った後、アメリカ、アントワープ、パリとさまざまな地を巡り、3年前に帰国して自身のブランドを立ち上げました。ファッションとの最初の接点は、幼少期に祖母と通った仕立て屋だと伺いました。

工藤司(以下、工藤):そうですね。祖母がとにかく服が好きで、一緒に那覇の古びた商店街にある仕立て屋によく通っていました。当時は「ファッションデザイナー」という存在すら知らなかったんですが、幼いながらも、ただの布だったものが1~2ヵ月後に行くと服として形になっていたのが、まるで魔法みたいに衝撃的でした。

——その体験を機に、ファッションへ興味を持ち始め、その後さまざまな国でのキャリアを積んでいます。紆余曲折がある中で、それでも「ファッションデザイナー」への道を諦めなかった理由はなんだったんですか?

工藤:高校で2年間アメリカ留学した時に出会ったホストファミリーとの体験ですね。沖縄にいる時は勤勉でちゃんと就職することを考えていました。でもそのホストファミリーと生活している中で、正直に自分がファッションを好きなことを伝えたら、すごく肯定してくれて。そこで、本当にやりたいことがあるって悪いことじゃないんだって自分の心を解放できた大きなターニングポイントでした。

——16〜18歳といえば、人生観や趣味嗜好のコアな部分が決まる年頃ですね。

工藤:よく春夏シーズンで出すパーカーやロンTなどのグラフィックの載せ方も、そのホストファミリーからの影響があって。日本にいた頃はJ-POPのアイドルが好きだったんですが、ホストファミリーは24時間各々の部屋でMTVを流すほどヒップホップが大好きで、僕もその影響でヒップホップやR&Bにハマっていきました。今でもそのカルチャーが僕の核にあって、「クードス」でもそのヒップホップのカルチャーからインスパイアされたアイテムを出しています。そうすると「ブランドの世界観としてストリートなのかモードなのか」と問われてしまうんですけど、僕はどっちも好きだし、根底にはやはりヒップホップのカルチャーがあるんですよね。

——10代で出会ったホストファミリーからの後押しがあり、高校を卒業して服飾の学校に入ると思いきやここでも曲折がありますね。

工藤:当時アメリカのドラマ「Project Runway」に感化されて、パーソンズに入学するつもりだったんですが、親の説得により帰国して。最初は文化服装学院に入学しようと思ったのですが、学校見学に行ったらそのレベルの高さに圧倒されて。結局早稲田大学に入ったんですが、なかなか東京の大学の雰囲気に慣れず、「早稲田大学繊維研究会」にも入れず。それでも「ファッションデザイナー」の夢も捨てきれず、「大学卒業したらもう一度留学して服飾の勉強をしたいな」とも考えていました。そうして卒業後、無事ベルギーのアントワープ王立芸術学院に入学しました。それで入学して周りを見渡してみると、1年生で全く服が作れなかったのは僕だけでした。

——競争が激しいヨーロッパ圏の大学では、なおさら挫折してしまう体験……。

工藤:と思ったら、クラスの友達が支えてくれて。例えば課題提出の時、現在「ボッター(BOTTER)」のデザイナーとして活動するルシェミー・ボッター君によく手伝ってもらって(笑)。もちろん先生には見抜かれてしまうんですけど……。学年の集大成としての課題発表の時も、クラスの友達10人くらいが家に来て応援してくれて。結局僕は作れないから、とにかくお茶やお菓子を出したり励ましたりする感じで。今振り返るとその頃から、他力本願なところがありますね(笑)。

「ジャックムス」での経験が、デザイナー像に影響

——工藤さんの人徳が感じられますね(笑)。その後、パリで「ジャックムス」や「Y/プロジェクト」、ロンドンで「JW アンダーソン」で働くに至るにはどのようなきっかけがあったのでしょうか?

工藤:結局、課題提出したものの、先生に自分で作っていないのを見抜かれてしまって。辞めるか、もう1年やり直すか決断するタイミングで、なりたいデザイナー像として思い出したのが祖母と通った仕立て屋の光景でした。そこでパリのパターン学校に行くことを決めて、「ジャックムス」でインターンシップも始めました。その後、「Y/プロジェクト」ではパターンアシスタントとして、「J.W.アンダーソン」ではデザインアシスタントとして働きました。

——さまざまなブランドを経験した中で、デザイナー像として一番影響を受けたブランドはどこですか?

工藤:「ジャックムス」ですね。「一番最初に経験を積んだブランドで、自分のデザイナーとしてのパーソナリティが決まる」ってよく言われる話なんですが、当時、2016年春夏シーズン後に注目され始めていた一方で、ブランドチームとしては5人しかいない時期。デザイナーのサイモン(・ポート・ジャックムス)はアイデアをどんどん出しては、たまにコーヒーを出してくれたりして、ファミリー感が強かったですね。5人しかいないから僕も必然的に手を動かさなきゃいけなくて、学校よりも実践の場として勉強になったし、デザイナー像としても、サイモンの人柄に影響を受けたような気がします。

——ちょうどその頃のパリは「ヴェトモン」の台頭、Instagramを通したストリートキャスティングによるモデルの登場などさまざまな変化がパリに訪れた時期でもありますよね。

工藤:そうですね。スモールブランドが切磋琢磨する時代でした。「VETEMENTS」って書かれたレインコートが後ろ指さされていた頃から、半年後にはそれがプレシャスに変わった光景を見たり。僕の周りにも、同じくファッションデザイナーとして活動する「サーロイン」の(宇佐美)麻緒ちゃんが「ルイ・ヴィトン」で、「ユウキハシモト」の橋本くんが「メゾン・マルジェラ」で、「コウタ・グシケン」の具志堅くんが「ディオール」で、「ワタル トミナガ」の航くんは美術館のレジデンシーで、各々がブランドや活動のもとで暮らしていて。今思うとかなりホットプレイスでした。みんなが今、東京などで活躍していて、それも嬉しいですね。

——そうした刺激を受ける中で、パリにいる頃から自身のブランドを立ち上げようと構想していたんですか?

工藤:逆で、むしろファッションデザイナーとしては自分より才能がある人がいっぱいいるなと疲れてしまったんです。自分でデザイナーとしてブランドを立ち上げるよりも、アシスタント的な立ち位置で関われればと思い始めていました。一方で、写真は大学生の頃からずっと撮ってきたので、それであれば好きなファッション誌で仕事ができるかなと思ったんです。それで帰国後、最初に「FREE MAGAZINE」の山﨑潤祐さんのところに写真のポートフォリオを見せに行きました。そこで服も作っているという話になり、写真よりも服をすごく気に入ってくれて、その場でPR会社に連絡してくれたんです。それでブランド名もない段階で展示会に出すことが決まってしまって(笑)。無名のままスタートして、スタイリストさんが雑誌の撮影で使ってくれたりはしたんですが、量産の仕方も服の売り方もわからない最初の半年間でした。

———でも、これもまたみんなの後押しがあって夢が叶った瞬間ですね。

工藤:確かに。今まで人の描いたデザインをみんなで作ることが基本で、全く自分でデザイナーをやると思ってもいなかったから、恥ずかしかった反面、自信にもなりました。

写真と服作りにおける「完成」の違い

——これまでの話を聞くと、ファッションデザイナーとしての工藤さんは、人とのコミュニケーションが最後の決断にも影響しているような気がしています。一方、写真はシャッターを切ること自体、かなり自発的なことですよね。服づくりと写真を撮っているときの気持ちに違いはありますか?

工藤:写真を通していつも思うのが、あとから振り返った時に、この人とこの風景となんて美しい瞬間を一緒に過ごしたんだろう、って泣きそうになる時があるんです。そういう意味でとても刹那に、時に悲しくなりながらシャッターを押すんですよね。もうこれは過去のものだって(笑)。それは、服を作っている時に感じるプロセスメイキングな時間軸とは全く違うような感じがあります。どちらも相手のことを想ったり、対象があったりしてこそ成立するという点では共通しているんですけど、写真を写す時にはその時点で完成も決めてしまうような潔さもあります。

——服作りにおける「完成」のタイミングはいつでしょうか?

工藤:服は終わりが見えないから、相手が着るという風景まで見られることがなかなかない。その想像力の豊かさみたいなもののラグジュアリー感ももちろんあるし、逆にドキドキすることでもあるんですけど。それこそ時間差で、街の中でたまに僕が作った服を着ている人を見ると、その瞬間にやっと僕の中で一枚の撮影が終わる感覚がありますね。

——「クードス」のシーズンビジュアルも工藤さんご自身が撮影されていますね。モデルもプロではない人を起用したりしてこだわりを感じます。

工藤:モデルに関しては、知っている人というか、関係値がある人でないとうまく撮れないんです。自分で撮影する時は、コミュニケーションを重視していて、モデルのキャスティングは非常に重視していますね。それが「クードス」らしさにつながっているのかも知れません。

—メンズ、ウィメンズウェアを手がけている中で、共通して今後どのような美意識を持った服を作っていきたいですか?

工藤:「人の垢」が残っている服です。僕自身、そもそもハイブランドよりも「たんぽぽハウス」やパリの古着屋「ゲリソル」に行って、雑多な中から自分が好きなものを選ぶタイプだから。例えばお客さんが新作ではなく、ファーストシーズンの服を本人のスタイルに馴染むように着てくれてたりしていて。その延長線上で、数年後に自分でもつい「その服どこの?」って聞くくらいに服がその人のものになっていたら嬉しいかな。

——コロナの影響もあり、今年を境に、今までよりも人の手に服が行き渡るスパンが変わってきそうな気がしますが、今後はどのようにコレクションを展開していこうと考えていますか?

工藤:ファッションは脆いシステムにあることを理解しながら、今後どのようにやっていくべきか模索中ですね。実は、今回のコレクション(2021年春夏)から海外でも展示会をやろうと思っていたから尚更。春夏、秋冬とは今後言わなくなるだろうなと思いつつ、理想は毎月季節に合わせて数型ずつ出していきたいなと思っています。

——パリでハイブランドとともにストリートでの様子も変わってきたこの数年間を見て、帰国後の今、東京のファッションシーンをどう感じていますか?

工藤:しばらくノームコアやカジュアルなスタイルが続いていたけど、最近20代前半の子たち中心にもう一度服が好きな子達が集まってきている気がしていています。Instagramを通してストリートキャスティングされた日本人モデルの子達がパリのブランドで歩いて、帰国後に同年代の仲間達と一緒にシーンをつくって朝まで遊んじゃうみたいな。コロナでこの先はまだまだ不透明ですが、そんな「いい東京」が戻ってきている感じがします。

工藤司
沖縄県出身。早稲田大学卒業後、ベルギーのアントワープ王立芸術アカデミーに進学。中退後に渡仏し、パリの「ジャックムス」でデザインアシスタント、「Y/プロジェクト」ではパターンアシスタントとして経験を積み、その後渡英し「JW アンダーソン」のデザインアシスタントを経て2017年に自身のブランドである「クードス」を立ち上げる。2018年にはウィメンズ「スドーク」をスタート。写真家としても活躍。今秋に出版事業「TSUKASA KUDO PUBLISHING」を始動し「TANG TAO by Fish Zhang」を出版。
https://kudoskudos.co
Instagram:@tsukasamkudo

Photography Kisshomaru Shimamura

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