CFCL Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/cfcl/ Fri, 20 Oct 2023 09:05:13 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.3.4 https://image.tokion.jp/wp-content/uploads/2020/06/cropped-logo-square-nb-32x32.png CFCL Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/cfcl/ 32 32 「CFCL」と「アシックス」が温暖化ガス排出量最小のコラボスニーカー発売 開発のきっかけは環境省との会話 https://tokion.jp/2023/10/20/cfcl-asics-knitsneaker/ Fri, 20 Oct 2023 09:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=213050 10月20日に発売。全3色、各¥20,900。温暖化ガス削減に取り組む2社がコラボした。

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「CFCL(シーエフシーエル)」は「アシックス(ASICS)」と協業し、温暖化ガス(GHG)排出量が世界最小のニットスニーカー“GEL-LYTE Ⅲ CM1.95”(全3色、各¥20,900)を10月20日に発売する。「シーエフシーエル」直営店と公式ECサイトで取り扱う。

同コラボは、「CFCL」が環境省と“気候危機や脱炭素社会へのチャレンジに関する認知度をいかに高めるか”という会話をしたことがきっかけとなり開始した。同社と「アシックス」には、2030年までのGHG削減に取り組んでいるという共通点がある。

“GEL-LYTE Ⅲ CM1.95”では、「アシックス」の技術を集結させた“GEL-LYTE Ⅲ”をベースに、調達から製造では約80%、輸送では約75%のGHG排出量を削減した。アッパーからソールにかけては、機能面とデザイン面に必要最低限のパーツ数に絞りこんだほか、アッパーと中敷きには、水の使用量を削減できる技法で染色した再生ポリエステル糸を使用している。素材の方向性やニットの密度、カラーリングにもこだわり、環境への配慮と洗練されたデザインを両立したと言える。

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「CFCL」最新コレクションのポップアップが心斎橋パルコで開催 糸をアップサイクルした限定アイテムも https://tokion.jp/2023/02/15/cfcl-parco-shinsaibashi/ Wed, 15 Feb 2023 03:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=167963 「CFCL」がVOL.5コレクションのポップアップを心斎橋パルコで開催する。量産で余った糸をアップサイクルした限定カラーのアイテムも登場。

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「CFCL」がパリ・ファッションウィークでブランド初のプレゼンテーション発表を行ったVOL.5コレクションのポップアップを2月17 日〜3月1日に大阪・心斎橋パルコで開催する。

最新コレクションのシームレスかつ壺のようなシルエットが特徴的な “POTTERY”シリーズの他、ユニセックスのセットアップシリーズ“MILAN RIB”を中心に展開する。また、量産で余った糸をアップサイクルした“POTTERY SKIRT” の限定カラーである“INK BLUE”、“ORANGE”、“BLUE”、“CHARCOAL”も販売する。

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「CFCL」がVol.4コレクションのポップアップを開催 ユージーン・スタジオの寒川裕人による特別展示も https://tokion.jp/2022/08/18/cfclvol4-eugenestudio/ Thu, 18 Aug 2022 03:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=141131 「CFCL」は4シーズン目のコレクションのポップアップイベントを六本木のイセタンサローネで開催。ユージーン・スタジオの寒川裕人による特別企画展示も行う。

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「CFCL」は4シーズン目のコレクションのポップアップイベントを六本木のイセタンサローネで開催する。会期は8月24〜30日。ポップアップでは、初めてパリで発表したVOL.4の最新コレクションから、ウィメンズ・メンズのアイテムを揃える。

また、8月24日〜9月13日にはユージーン・スタジオの寒川裕人による特別企画展示 「Painter & Furniture:ペインターと家具」を開催する。「CFCL」の生活に根ざした器としてのデザイン理念に呼応し、同スタジオや個展で使用しているテーブルやベンチソファ等の自作の家具「Pastime/パスタイム」シリーズの特別展示・受注販売を行う。真鍮やミラーを支持体に用いた寒川のドローイングシリーズ「Everything Shines」は、この家具が着想源という。コンピュータープログラミングの技術で作られた「CFCL」のアイテムが、構築的でミニマルな家具作品と調和する特別な空間となる。同時期に東京・天王洲の「Maki Gallery / Maki Collection」でユージーン・スタジオ/寒川裕人の収蔵作品を中心とした大型コレクション展「Presence」が開催される。

■「CFCL」Vol.4
会期:8月24〜30日
会場:ISETAN SALONE
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン・ガレリア1階
時間:11:00〜20:00

■「Painter & Furniture:ペインターと家具」
会期:8月24日〜9月13日
会場:ISETAN SALONE 1階アートウォール
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン・ガレリア1階
時間:11:00〜20:00 ※最終日は15:00まで

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「CFCL」がVol.3コレクションのポップアップ キッズアイテムのローンチと美術家・磯谷博史の作品を展示・販売 https://tokion.jp/2022/01/31/cfcl_kids_hirofumi_isoya/ Mon, 31 Jan 2022 12:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=93922 伊勢丹新宿本店のポップアップでキッズアイテムをローンチ。イセタンサローネでは、ブランドロゴを手掛けた美術家・磯谷博史の作品を展示・販売。

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「CFCL」の 3シーズン目となるコレクションのポップアップイベントが、伊勢丹新宿本店本館3階で開催する。会期は2月2〜15日。会場のザ・ステージ#3では、最新コレクション、伊勢丹別注アイテムを含む“POTTERY”シリーズとともにキッズアイテムも発売する。キッズアイテムは順次「CFCL」取扱店でも展開する。

キッズアイテムのコンセプトは「子供と共に服の楽しさを学び、共感する」で、発売に合わせて、子ども服の LCA(ライフサイクルアセスメント)を全4品番において実施。「CFCL」のウェブサイトにて、今後のカーボンニュートラルへの具体的なロードマップを共有する。

また、2月16〜22日には、六本木のイセタンサローネでもポップアップを開催。ウィメンズ、メンズ、キッズラインを一同に取り揃え、「CFCL」のロゴデザインを手掛けた美術家・磯谷博史の写真作品が1Fのアートウォールで展示・販売する。展示作品は新作を含む12点で、身体と衣服、花と花瓶、日常を彩る器という共通の視点を、写真で捉える取り組みだ。これまで一貫して “Knit-ware”をテーマに掲げてコレクションを発表してきた「CFCL」は、器を意味する“ware”を軸に、作品制作という形で磯谷と継続的なコラボレーションを行ってきた。

■「CFCL」Vol.3
会期:2月2〜15日
会場:伊勢丹新宿本店 本館3階センターパーク/ザ・ステージ#3
住所:東京都新宿区新宿3-14-1 3F
時間:10:00〜20:00

会期:2月16〜22日
会場:ISETAN SALONE
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン・ガレリア1F
時間:11:00〜20:00

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「第39回毎日ファッション大賞」が発表 大賞は「トモ コイズミ」の小泉智貴、新人賞は「CFCL」の高橋悠介 https://tokion.jp/2021/08/30/mainichi-fashion-grand-prix-2021/ Mon, 30 Aug 2021 06:30:00 +0000 https://tokion.jp/?p=56336 小泉智貴や高橋悠介のほか、鯨岡阿美子賞はここのがっこう、話題賞はスノーピークが受賞。昨年逝去した高田賢三の功績を称え、ファッション文化特別賞も新設された。

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毎日新聞社は、「第39回毎日ファッション大賞」の受賞者を8月29日に発表し、大賞は「トモ コイズミ」デザイナーの小泉智貴が受賞した。そのほか、新人賞・資生堂奨励賞は「CFCL」クリエイティブディレクターの高橋悠介、長らくファッション業界の発展に寄与するグループやジャーナリストに送られる鯨岡阿美子賞は「リトゥンアフターワーズ」デザイナーの山縣良和が主宰するここのがっこう、年間を通じてファッション文化に貢献すると同時に社会的インパクトを残した人や企業を表彰する話題賞はスノーピークがそれぞれ受賞。また、昨年10月に逝去した高田賢三の功績を称え、同社はファッション文化特別賞を新設した。

小泉は1988年生まれで、2011年に「トモ コイズミ」を設立。小泉がSNSに投稿したカラフルなフリルのドレスが世界的なスタイリストのケイティ・グランドの目にとまり、彼女等のサポートにより自身初となるファッションショーを2019年にニューヨークで開催した。今年7月には2022年コレクションを京都の二条城で発表したほか、「東京2020オリンピック」の開会式で国歌斉唱を担当したMISIAの衣装も手掛けた。なお、2019年の「第37回毎日ファッション大賞」では、選考委員特別賞を受賞している。

高橋は1985年生まれで、文化ファッション大学院大学修了後、2010年に三宅デザイン事務所に入社。2013年から6年間にわたって「イッセイ ミヤケ メン」のデザイナーを務めた。2020年に同社を退社後、「CFCL」を設立。3Dコンピューター・ニッティングの技術を中核としながら、島精機製作所のホールガーメント機や再生繊維を用いて無縫製ニットを制作している。

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新しさは、感性と思考のはざまから生まれる 「CFCL」クリエイティブディレクター高橋悠介 https://tokion.jp/2021/01/26/cfcl-creative-director-yusuke-takahashi/ Tue, 26 Jan 2021 06:00:21 +0000 https://tokion.jp/?p=16391 ファッションの歴史という縦軸と、時代の変化という横軸が交わる点から、現代生活のためのファッションを探る高橋悠介。新しい挑戦を始めた才能に迫る。

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創造プロセスを探る取材が始まる

2020年、世界は新型コロナウイルスという1年前には想像すら不可能であったパンデミックに襲われ、不安と焦燥に駆られる日々をひとびとは生きている。灰色の雲が空を覆うような時代の今、世界に未来へのビジョンを示すため、1人の日本人クリエイティブディレクターが新たなる挑戦を始めた。

そのデザイナーとは、2013年に「イッセイ ミヤケ メン」のデザイナーに27歳の若さで就任し、パリを舞台に世界と戦ってきた高橋悠介である。昨年2月、高橋は約10年在籍した三宅デザイン事務所を退社し、自身の会社を設立する。新会社の名はブランド名でもあり、「CFCL」という。

これからリリースされるデビューコレクションを、高橋はどのようにデザインしてきたのか。何を見て、何を聞き、何を感じて、何を考えてきたのだろうか。そもそも高橋悠介というデザイナーは、どのような創造プロセスを持つ人物なのだろうか。その疑問を明らかにすべく、彼の学生時代のストーリーから始めたい。

在学中に出会った創造のアイデンティティ

デザイナー達がプロとしてのキャリアを歩む前の幼少時や10代の体験、とりわけ学生時代の制作体験といった固有の体験が、後年シグネチャーブランドを立ち上げた際に確固たるブランドアイデンティティとなった時、ファッションデザインはひとびとを引きつける魅力を生み出す。

最初の質問を学生時代の体験に選んだ最大の理由は、高橋の創造の源泉を知るためだ。文化ファッション大学院大学(以下、BFGU)に入学し、作品制作を重ねる日々で高橋は作品の評価基準において、作品のクオリティが重要項目になっていることを知る。

BFGU入学以前、高橋はロンドンへ留学し、制作と批評の両観点からアートを勉強するハードワークを重ねていた。
「ロンドンで勉強していた時は、縫製のクオリティは求められませんでした。それよりもコアなコンセプト、自分のアイデンティティ、社会性といったものが重視されていました」。

ロンドンから日本に帰国後、文化服装学院のオープンカレッジへ通い、服作りの基礎スキルを習得していたが、服作りの専門教育を数年にわたり受け続けてきたBFGUの同級生と、自身のスキルレベルには大きなギャップを感じていた。悩んでいた高橋だったが、彼の状況を一変させる授業がBFGUで行われる。それが、「島精機製作所」のホールガーメント機を用いた3Dコンピューター・ニッティングの授業である。ここから高橋は、コンピューターニットによる制作で活路を見出していく。

高橋がニット制作を行うのは、この時が初めてではない。留学したロンドンの大学には手横の編み機があり、テグス糸(釣りに使う白色透明の糸)や針金といった、通常ならニット作品には用いないであろう素材を糸に選び、幾度となく制作を試みていたのだ。高橋はロンドン時代にも使ったテグス糸を、今度は3Dコンピューターにセットして実験することを思いつく。
「これだ! と思いました」。

編み上がったニットの造形に、高橋は確信を覚える。その確信はコンピューターニットの制作に磨きをかけ、遂には作品のオリジナリティで第83回装苑賞を受賞するまでに至った。BFGU在学中、高橋に訪れたのは縫製のクオリティが重要な評価基準の1つという、彼にとって不利な状況だった。しかし、高橋が選択したのは既存の基準に従うことではなく、新しい基準を自ら作り出してしまうことだった。コンピューターニットにはパターンや縫製といった概念がなく、そもそも作品はホールガーメント機が編み上げるもので、縫製のクオリティを問う意味がなくなってしまったのだ。
そうなれば、自然と作品が持つオリジナリティの勝負になっていく。こうして高橋は自分にとって不利な状況から、コンピューターニットという新しい武器が生かせる領域へと評価基準を移行させ、自身の実力を証明する。

プログラミング言語を思わせるコンピューターニット

コンピューターニットとはどのように制作されていくものなのか。高橋に尋ねると、彼は1枚の写真を見せてくれた。その写真をのぞくと、モニター上に整然と並ぶニットのループで埋め尽くされた画像。それを見て私が思い浮かべたのは、同じようにモニターに浮かぶプログラミング言語である。一見すると意味がないように見える数字や記号、アルファベットが重要な意味を持つプログラミング言語と同様の空気を、ループが整然と並び尽くすその画像は持っていた。

高橋はiPadを用いてデザイン画を描き、アイテムに必要な形状と寸法の概算をこれまで膨大に重ねてきたコンピューターニットの経験から導き、それらを明記したファイルをコンピューターニットのデータを作るプログラマーに送る。高橋が送ったファイルからプログラマーは、実際にニット製品を編み立てるために必要なループのつながりをデータ化する。そうして完成したものが、モニター上にループが無数に並ぶ画像だったのだ。

デビューコレクションからアイテムを1つピックアップし、高橋がデザインの発想を語ってくれる。彼が手につかんだアイテムは、2種類の編地組織が使われているワンピースだった。

4本のうち2本を針抜きした4×4のリブ、2×2のガーターという2種類の編地組織が使われており、それらの素材が縫い目なしに編み続けて作られていた。ワンピースは腰周りから膨らみが強くなるクリノリン状のシルエットを描いているのだが、実はワンピースの形そのものは極めてシンプルな構造である。
では、どのようにしてクリノリンシルエットを作り出しているのかというと、高橋は2種類の編地組織が持つ伸縮性の違いを利用していたのだ。針抜きリブは横方向に縮む性質を持っており、ガーターは縦方向に縮む性質を持っている。2つの組織が切り替わるウエスト部分に、さらに数多くのシームレスなダーツをプログラミングすることで、さらなる広がりをシルエットにもたらし、優雅なクリノリンシルエットを完成させている。

BFGUのエピソードもそうだが、高橋は従来の構造を組み替えて新しいものを作り出す能力を備えている。通常であれば、その構造を受け入れて制作するであろうところを、彼は新たな構造に組み替えて新しい視点のデザインを生み出す。

感性と思考のはざまから立ち上がる新しさ

では「CFCL」のデビューコレクションは、どのような制作プロセスをたどっていったのだろうか。
「手を動かしながら作っていくことが多いです」。

ここまでの話を聞き、高橋に抱いたイメージからは意外と思えるひと言であった。そして話は、コンセプトとテーマの違いに言及されていく。
「ブランドのコンセプトとテーマは明確に分けていて、コンセプトは変わらないもの、ブランドとはなんぞやというもの。テーマはシーズン性を表すもので、コンセプトとテーマを混ぜてしまう人もいますが、『CFCL』のコンセプトとテーマには明確な違いがあります」。

ただし、デビューコレクションのテーマが特殊であることを指摘する。
「ファーストシーズンはブランドのステートメントでもあるので、テーマとコンセプトはかなり近いです。その意味では、他のシーズンとはちょっと違うかもしれませんね」。

ファーストシーズンとなったVol.1(2021SS)のテーマは「Knit-ware」。このテーマは初期から設定されていたわけではなく、コレクション制作のプロセスの中から発見されたものだった。
ある日の仮縫いで、コンピューターニットによって作られたシームレスなニットドレスが持つ滑らかなフォルムが陶器のようだという話になった。その表現にコレクションテーマの芽を感じ取った高橋は、デビューコレクションのテーマを「陶器」とし、さらなる発想を試みる。彼は陶器が持つ色=釉薬からカラーパレットを展開することを考え出し、コレクションにまたさらなる深みを持たせた。

新しさとはまだ言葉として表現できない、曖昧な、けれども強いエネルギーを持ったものに思える。言葉として表現できてしまうなら、それはすでに新しくない。だからこそ何か言葉にできない感覚を捉えたなら、無理に言葉=テーマとして形にするよりも、その感覚のままに直感的に手を動かし、コレクションの輪郭を模索していく。
そうして作られた服は、何かしらのメッセージを含んでいる。そのメッセージは従来のファッションとは違うものかもしれない。けれど、それが新しさの源になり得る。見つけたメッセージに対して論理的に意味づけをすることで、インスピレーションはデザインに昇華されていき、コレクションはさらなる深みを獲得していく。

感性と思考を行き来することで生まれるはざま。そこにこそ新しさは立ち上がってくるのではないか。高橋は感性だけに傾くでもなく、かといって思考にだけ傾くでもなく、また自身の世界だけを重視するエゴイズムは持たず、目にしたもの、耳にしたものすべてからデザインの源を発見して、意味と価値を作り、チームとともにコレクションを作り上げていく。

あなたのための
Clothing For Contemporary Life

今回発表されたコレクションの中から、1つのルックに注目したい。それはクリノリンやバッスルを連想させたシルエットのワンピースであり、この形が生まれた背景はやはり昔のヨーロッパの服にあったのだろうか。
「いつの時代も、機能性を求められる昨今においても女性の服は、女性らしさを意識することが重要です。クリノリンのシルエットは、ウエストとヒップの差を誇張することで、その役割を果たしています。タイトなTシャツのような上半身のデザインにそのシルエットが合体することで、楽に着用できるドレスを提案しています。体に吸い付くような限界まで細く見えるけど苦しくないリブ組織と、ニットマシーン最大幅で編み出した組織を組み合わせた結果、このシルエットになりました」。

一見、19世紀に誕生したヨーロッパの衣服からの発想で生まれたように見えたデザインは、素材の特性を計算したプロダクト的アプローチで生まれた結果だった。しかし、話はここで終わらない。
「女性がきれいに見えるけど楽でいることが今の時代は特に重要なんです。だからトレンドとか文脈とかテーマ設定が先行して、着づらい服や扱いづらい服をデザインすることはあるべきではないと考えています。メンズにおいてはミリタリーもクリノリンと同様で、当時機能として生まれてきたディテールが、今も文脈(名残)としてデザインされることが多いですが、それが現代に本当に必要な要素なのかを吟味し消化することを心掛けています」。

この一連の会話の中にも高橋の能力が表れている。彼は概念に定義付けを行う。ここでは「エレガンス」とはいったいなんであるかを、このドレスにおいては「ウエストとヒップの差」と定義付けた。先ほども高橋はテーマとコンセプトの違いについて定義付けていた。これはデザインを行う上で、とても有用なアプローチに思える。概念を曖昧な表現にとどめず、定義付けて構造化する。

ここまで言葉1つを厳格に定めるファッションデザイナーは珍しいように思う。そしてもう1つ、あるルックについて尋ねた。それはタックをつまんだように膨らむフォルムが膝下から編み続けられていたパンツを、男性モデルが着用するルックだった。このデザインは男性が着用するにはかなり先鋭的で、果たして市場性があるのだろうかとコレクション発表時から私は疑問を抱いていた。高橋は、この疑問に対して静かに語っていく。
「男性にとって難しいかどうかということは、着る人が考えればいいことで、それを着ない人が考える必要はないです。実際にこのパンツを買ってくれた男の子もいて、『これを毎日穿く』と言ってくれて。それが最近でいうところの、アンコンシャスバイアス(無意識下での、ものの見方や捉え方のゆがみや偏りの意)です。着たい人が着ればいいんです」。

私は高橋の言葉を聞き、自分が気付かないうちに既成の考え方にとらわれていたことに気付く。
モードとは、新時代の新しい生き方にふさわしい服を提案するものでもある。たしかにファッションブランドはビジネスであり、デザインした商品に市場性があるかどうかは重要だ。しかし、市場性にとらわれていては、モードがもっとも大切にする新時代の生き方は提案できない。なぜなら、真の新しさは今は存在しないのだから。モードな精神が息づく高橋は、未来の市場を作ろうとしている。

新型コロナウイルスによって日々の暮らしに不安を抱く今という時代を考えれば、必ずしも新しいファッションが必要ではない。しかし、ファッションは着ることで気分を高鳴らせ、今を、明日を生きるパワーを私達にもたらしてくれることがある。未来への希望が見通しづらい今だからこそ、これまでひとびとに未来へのビジョンを示し、新時代の生き方を開拓してきたファッションデザイナーの力が必要だ。

感性と思考のはざまに立ち上がった新しさを、高橋はその手でつかみ取る。そしてつかんだ手を広げたそこにあるのは、きっと未来をともす新しさだろう。現代に生きるあなたのための衣服を「CFCL」は届けていく。

高橋悠介 
2020年、3Dコンピューター・ニッティングの技術を中核とし、自宅で洗濯可能な速乾性を備え、再生繊維を用いたサステイナブルな姿勢によってモードコンテクストへ挑む「CFCL」をスタート。洗練されたニットドレスを中心に、現代生活を快適かつ高揚感あふれるものにする衣服を提案する。ファーストコレクションは、1月27日より、新宿伊勢丹メンズ館と本館で同時に行うポップアップを先駆けに、2月1日よりオフィシャルオンラインストアおよび国内外の取扱店で販売を開始する。
www.cfcl.jp
Instagram:@cfcl_official

Photography Shinpo Kimura

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