パリ・メンズ・コレクション Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/パリ・メンズ・コレクション/ Mon, 26 Jun 2023 10:04:57 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.3.2 https://image.tokion.jp/wp-content/uploads/2020/06/cropped-logo-square-nb-32x32.png パリ・メンズ・コレクション Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/パリ・メンズ・コレクション/ 32 32 「サカイ」2024年春夏メンズ・コレクション https://tokion.jp/2023/06/26/sacai-2024ss-mens/ Mon, 26 Jun 2023 12:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=194234 「サカイ」2024年春夏メンズ・コレクション。

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「サカイ(sacai)」が2024年春夏メンズ・コレクションを発表した。

Photography sacai

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「ディオール」× トラヴィス・スコット メンズコレクション「カクタス ジャック ディオール」を発表 https://tokion.jp/2021/06/26/dior-x-travis-scott/ Sat, 26 Jun 2021 06:45:30 +0000 https://tokion.jp/?p=41060 「ディオール」の最新コレクションで、アーティスティック ディレクターのキム・ジョーンズはミュージシャンのトラヴィス・スコットとのコラボコレクションを発表した。

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「ディオール」2022年サマー・メンズコレクションで、アーティスティック ディレクターのキム・ジョーンズはアーティストのトラヴィス・スコットとのコラボコレクション「カクタス ジャック ディオール」を発表した。「ディオール」のブランド史上で初となる、1人のミュージシャンとともに製作されたフルコレクションとなり、前例のないコラボレーションとなった。

本コレクションはキムが、「ディオール」とテキサスとのつながりにインスピレーションを得て、テキサス生まれのラッパー兼シンガーソングライターのトラヴィスと協業。トラヴィスのレコードレーベル「カクタス ジャック」にちなみ、「カクタス ジャック ディオール」と名付けられた。

ショーの会場はクリス チャン・ディオールの幼少期を想起させるバラ園からトラヴィスが生まれ育ったヒューストンのサボテンの庭園へと進化していく。かつてクリスチャン・ディオールが感銘を受けたグランドキャニオンと広大な砂漠は、モーブ、カフェ、ピスタチオ、ペールブルーなど、日に焼けたようなカラーパレットに反映されている。

コレクションを支えるテイラリングは、メゾンのサヴォワールフェールを反映。ハイウエストで裾にかけてゆるやかなフレアのパンツと、アームホールの細いオーバーコートは、「ディオール」が1956年に発表した「アロー」ラインの進化をなぞる。身頃の高い位置で留める「テイラー オブリーク」は、フォーマルなタッチを加えることで、スポーツウェアの要素とのコントラストを演出。トラックパンツにはクチュールの「ディテール」が添えられ、ツアーグッズを模したウォッシュ加工のTシャツには、刺繍とハンドペイントが施されている。トラヴィスは、「ディオール」のロゴを手描きのグラフィックでアレンジし、オリジナルのロゴがプリントや刺繍となっている。その他にも、ヒューストンの地形や「カクタス ジャック」のキャラクター、そして「ディオール」のアーカイブから取り入れたイメージなどのモチーフが、 架空の旅を連想させるパッチとなり、バッグやレザーのスーベニアジャケットを飾る。

また、今回のショーのためだけの特別な作品として、アメリカのコンテンポラリーアーティストのジョージ・コンドとのコラボアイテムも披露。コンドは本コレクションのために、ハンドペイントシャツのコレクションを制作。1つとして同じもののないこの作品は、ショー後にオークションにかけられ、その収益は次世代のクリエイティブな才能をサポートするための奨学金にあてられる。

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無機質な名を持つブランドが見せる新世界 https://tokion.jp/2021/02/25/a-new-world-shown-by-brands/ Thu, 25 Feb 2021 06:00:39 +0000 https://tokion.jp/?p=20368 2021-22 FWパリ・メンズ・コレクション後編では、アルファベット4文字をブランド名にするという共通点を持つブランドのコンテクストに言及する。

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メンズモードの隙間に位置する「GmbH」

ジョナサン・ウィリアム・アンダーソンの登場によって、世界は急速にジェンダーレスの方向へ流れていった。今では女性的ニュアンスを含むデザインを男性が着るのは珍しいことではなくなり、逆に女性の中にカッコよさを生む服へのニーズを高めたように思う。

これまで「カッコいい」と「カワイイ」は男性と女性に分かれて表現される形容詞であったが、現代においてそれらの形容詞は性別で使い分けられるものではなく、人間という個人単位で使うべきものだろう。カッコいい女性の服があってもいいし、カワイイ男性の服があってもいい。それが普遍となることはファッションの楽しみと可能性を押し広げていく。

しかし、一方で女性には女性の、男性には男性の、それぞれの性別が持つ固有の特徴があるのも事実だ。例えば、体型の違いはその最たるものになる。ジェンダーレスの流れによって、女性的ニュアンスの服がメンズウェアにも登場してきたが、男性が持つ肉体的強さにフォーカスされたメンズウェアもある。今回その1つとしてフォーカスしたいブランドが、ベルリンを活動拠点に置く「GmbH(ゲーエムベーハー)」である。

ここで「GmbH」について簡単に紹介したい。

ブランドの始まりは2016年で、ファッションフォトグラファーのベンジャミン・アレクサンダー・ヒュズビーと、メンズウェアデザイナーのセルハト・イシックの2人が、ベルリンのナイトクラブのダンスフロアで10人ほどの友人たちと出会ったことがブランド設立の発端となった。

ブランド名の「GmbH」はドイツ語で「会社」を意味する。英語の「INC.」や「LTD.」と同じ意味を持つ単語になり、ヒュズビーとイシックは可能な限り多くの人達がブランドに参加してもらいたいと考え、ブランド名を2人の個人名ではなくグループを意味する単語を選んだ。

私は「GmbH」を見ていると、何か独特の感覚を持ち、その感覚は最新2021-22 FWコレクションを見ても変わらなかった。いったい、このブランドのどこに私は独特の感覚を覚えるのか、ここではそれを探っていきたい。

「GmbH」が起用する男性モデルは、昨今のジェンダーレスの流れに反して首が太く胸板に厚みがあり、肩幅も広い筋肉質タイプの体型が多い。その体型を強調するように、コレクションに登場するシルエットも肩幅が広く、力強いタイプが多く登場し、それはビッグシルエットとは異なって、マッスルシルエットと評したいシルエットだ。

モデルの体型とアイテムのシルエット、2021-22 FWコレクションでは特に色使いが黒を中心としているために、いっそうマッスルな印象が強くなっている。そこで、次のルックを見ていただきたい。2021-22 FWコレクションの代表的ルックと言っていいだろう。

カマーバンドを思わせる、太幅のベルトが上半身を拘束するように巻かれている。このベルトアイテムと拘束をイメージするスタイリングが、いっそう「GmbH」のマッスルシルエットを強調するように私は感じられてきた。

しかし、ここからヒュズビーとイシックは別角度から「GmbH」の新解釈を試みる。

女性のトップスやワンピースに見られるベアトップのディテールが、メンズウェアに用いられている。男性モデル達は左右の肩と胸元を露わにし、「GmbH」のマッスルシルエットが色気を伴って表現されているが、色気の取り入れ方がウィメンズウェアのディテールを用いるという女性的角度からアプローチされている。

かつてアンダーソンも筋肉質な男性モデルを起用して、スカートやフリルなどウィメンズウェアのアイテムやディテールを、男性用にアレンジすることなくそのままストレートに着用させてインパクトを生み出していた。

2021-22 FWコレクションで「GmbH」が用いた手法もアンダーソンと同じだと言える。しかし、現在のアンダーソンはウィメンズウェアをそのまま筋肉質な男性モデルに着用させるストレートな手法からは離れており、「GmbH」のアプローチには現時点においては独自性が生まれている。

また、かつてのアンダーソンとの違いを言えば、それはやはりブランドの背景から生まれたデザインにある。例えば「JW アンダーソン」2013-14 AWコレクションで披露されたジェンダーレスデザインは、グレーやキャメルといった色を用い、チョークストライプの素材や無地素材を用いて、複雑なディテールやカッティングは控えた美しいクラシックファッションが土台となっている。

だが「GmbH」はテーラードジャケットやコートを多く取り入れたクラシックながらも、ベルリンのクラブカルチャーを背景に生まれているためにアンダーグラウンドの匂いが強く、ファスナーを多用したディテール、ワークウェアやバイカーズウェアを連想させる素材とアイテムがインダストリアルな空気を生み出し、ダーク&カジュアルなスタイルが完成している。

このように「GmbH」はアンダーソンが生み出したコンテクストを引き継ぎながら、現代では希少となった男性の筋肉質な魅力にフォーカスしたマッスルシルエットをベルリンのクラブカルチャーを通して表現し、最新2021-22 FWコレクションではベアトップを用いて女性的色気の見せ方でアプローチするという手法を披露した。さまざまなコンテクストの重なりとズレが、私に「GmbH」の立ち位置を独特なものに感じさせ、ヒュズビーとイシックがデザインする「GmbH」スタイルを現在のメンズモードで特殊な場所に位置付けていると私は感じている。

私にとって「GmbH」は、私自身の消費者的趣向とは別の観点からとても興味深いブランドになっている。

地味な労働着をモード化させた「OAMC」

2021-22 FWシーズンにおいて、私の消費者的趣向を大いに刺激したブランドが、ルーク・メイヤーのシグネチャーブランド「OAMC(オーエーエムシー)」だった。

世界でも指折りのデザイナーとして存在感を発揮してきたルーク・メイヤー。現在、ヴァージル・アブローやマシュー・ウィリアムズ、ヘロン・プレストンなどストリートから派生し、活躍するデザイナーは多くいるが、ルークのシグネチャーブランド「OAMC」はストリートとモード、両方の特色を備えるがモード成分がより強く感じられる。

特に2018 SSシーズンに発表されたコレクションが印象深い。グラフィカルな要素を衣服の表面にパッチワークしたデザインやハーフパンツを用いたスタイリングはストリートを思わせるが、黒と白をメインカラーに適度なボリュームを含んだシルエットが実にシャープかつクールで、特に1stルックに登場したテーラードコートの左胸に白いエンブレムが施されたスタイルは、スクールボーイスタイルを連想させるイメージと、少年が成長を経て青年になったスタイルの融合感が迫るファッションが誕生していた。

しかし、ルークはストリートを抑制したモードスタイルを徐々に変化させていく。その兆候は2019-20 FWコレクションから現れ始める。従来のストリート色がありながらも、グレーを基調にした渋みのある色展開、ワークウェアを連想させるジャケットを纏うモデルたちの姿は、ある偉大なフォトグラファーの写真集を私に思い起こさせた。それはアウグスト・ザンダーの『20世紀の人間たち』である。

この写真集は、ザンダーが20世紀初頭に当時のドイツの人々を「農民」「職人」「女性」「職業と社会的地位」「芸術家」「大都市」「最後の人たち」といった7つのグループに分類し、各グループの人々のポートレイトを撮影したものになる。モノクロのポートレイトが並ぶこの写真集に、地味な印象を持ったとしても不思議ではない。

しかし、ザンダーの写した人々がカメラをまっすぐに見つめる眼差し、凛々しい佇まいにはエレガンスが滲み、私は写真集のページの向こうにいる人々の表情に惹きつけられていく。被写体となった人々が仕事時の服を着用して写されたポートレイトには、人々の記憶や感情が刻まれたような深みが衣服の表面にあふれている。

2019-20FWコレクションは、現代に蘇ったザンダーが「青年」「労働」という新たなグループを作り、現代版『20世紀の人間たち』、いや『21世紀の人間たち』を撮影したような印象を覚え、その体験が私にワークウェアに潜むカッコよさを教えた。そしてそれは、先月のパリ・メンズファッションウィーク期間中に発表された2021-22 FWコレクションにも感じられる。

今、私が「OAMC」から真っ先に感じるイメージは労働着のような泥臭さである。ワークウェアの香りがとても強く匂ってくるのだ。シーズンを重ねるごとにワークウェアの香りは強くなっていき、現在では2018 SSコレクション当時よりもモード成分は薄れ、アイテムそのものには地味な印象を受けるようになっている。

しかし、地味に見えるはずの現在の「OAMC」に、私は以前よりも圧倒的魅力を感じているのだ。それはワークウェアのモード化が見られたからだと言える。本来なら新時代の新ファッションを競うモードの舞台とは縁遠いと思われる地味で泥臭いワークウェアに、ルークのセンスとスキルが注入され、そこにテーラードジャケットやコートといったクラシックアイテムも混ざり合い、古典的で泥臭く、けれどストリートマインドも根底に感じる秀逸なコレクションに仕上がっている。

「ワークウェアのモード化」という表現を用いた時、ここで再び私の個人的記憶が重なる。ワークウェアというものに私は、これまで特別なカッコよさなど微塵も感じていなかった。それは私が小学生の頃に過ごした川崎駅周辺にあった工場を連想させるもので、また亡くなった私の父が内装の職人であったために建設現場も思い浮かべ、私の記憶の中でワークウェアとは同じ服であっても美的高揚感をもたらすファッションとは別の、労働のための服だと認識していた。

しかし、「OAMC」は私がワークウェアに抱いていたイメージを崩す。ああ、ワークウェアをこんなにもカッコよく見せることができるのか、と。その感覚は心地よく、胸の高鳴りを覚えるものであり、CDジャケットやレコードジャケットに見るようなグラフィカルなアプローチを用いたデザインは、新時代のザンダースタイルとも私は呼びたくなる。

ワークウェアのモード化という私が渇望するファッションを叶えながら、新たなるコンテクスト的価値も実現させたメンズウェアが私にとっての「OAMC」だった。

ルック写真を繰り返し見るたびに思う。やはり私はルークのデザインする「OAMC」へ強く惹きつけられるのだ。モードを生きるデザイナーは、ミラノ編でも触れたように突如スタイルを変更するケースがある。特にここ数シーズンはその傾向が散見される。しかし、私は「OAMC」にはまだしばらくは現在のスタイルを継続し、さらなる深みにまで到達することを希望したい。

大きく変貌する時代の中で

全3回にわたり書き綴ったミラノ&パリ2021-22 FWメンズ・コレクションも、今回で終わりとなる。現在は新型コロナウイルスという想像もしなかった脅威によって、ファッション界はクリエイティブにおいてもビジネスにおいても大きな変化を強制的に迫られている。しかし、こういう混乱の時期にこそ、新時代のクリエイティブを生み出してきたのがファッションだ。

今こそは新しいファッションが生まれるチャンス。きっと、いや、必ず新しいファッションが生まれる。いったい誰が、どこから生み出すのか。もしかしたら、現在は想像もできない場所や人物から生まれる可能性だってある。私はその高鳴りを期待し、今後のモードシーンを観察していきたい。

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東京からパリへ、パリから世界へ https://tokion.jp/2021/02/20/from-tokyo-to-the-world/ Sat, 20 Feb 2021 06:00:36 +0000 https://tokion.jp/?p=21092 2021-22 FWパリメンズコレクション前編となる今回は、2人の日本人デザイナーに言及していく。

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阿部潤一は服をあらゆる場所から捉える

ポール・セザンヌという画家の名前に聞き覚えのある方は多いと思う。20世紀を代表する画家であり、「近代絵画の父」と評される画家の作品を、美術の教科書などで見た経験がある方もきっと多いのではないだろうか。当初セザンヌは、クロード・モネやピエール=オーギュスト・ルノワールといった印象派の一員として活動していたが、後に印象派から離れて新たなる表現を確立し、その作風はパブロ・ピカソやアンリ・マティスといった画家にも大きな影響を及ぼしていった。

そんなセザンヌの描いた絵画の1つに『リンゴのバスケット』という作品がある。私はこの絵を見た時、不思議な感覚にとらわれた。この作品は木製テーブルの上に瓶や白い皿と共にいくつものリンゴが、籠や白い布の上に置かれた様子を描いた静物画なのだが、通常の静物画からは感じられない違和感が襲ってくる。

作品のアングルは上から斜めに見下ろしたものに感じられるが、絵を見つめていると次第にテーブルの上に置かれたリンゴが、上だけでなく真横から見たようにも感じられてきた。リンゴを異なる角度から同時に見ているような不思議な感覚は、リンゴがテーブルから落ちそうにも見え始め、けれど絵の中では木が土の中に根を張るように、落ちることなくしっかりとリンゴがテーブルの上に置かれている。

1つのアングルから、多面的アングルが感じられる不思議な感覚。私はセザンヌの絵画から覚えたこの感覚と同様の感覚を、あるブランドのコレクションからも実感する。そのブランドとは阿部潤一による「カラー」である。

2021-22 FWシーズンに発表された「カラー」のコレクションには、服を様々な角度から捉えて描写されたような不思議で多面的なデザインが展開されている。今回「カラー」は4年ぶりのランウェイショーを初となる東京で開催し、その映像が2021-22 FWパリ・メンズ・コレクションの公式スケジュールでライブ配信された。

ランウェイを歩くモデル達の服は、ニットやジャケット、カーディガンにスタジアムジャンパーなど、1点1点のアイテムを見れば私達に馴染み深いものばかり。誰もが一度は見たことがあり、着た経験のある服が一着はあるだろう。

しかし、普通でありふれたはずの服が「カラー」のコレクションでは異彩を放つ。こんなニットを今まで見たことないといった具合に。例えば、6番目に登場したモデルはトップスにシャツを着用し、その上にプルオーバータイプのニットをレイヤードした、トラッドスタイルのスタイリングを見せている。

だが、ルックを見ればニットの外観が歪であることにすぐに気づく。とりわけ目を惹きつけるのはネック部分だ。2種類のVネックが襟元に配されているが、青色のVネック部分が半分切り取られ折られていることで、まるで3種類のネックラインが混在しているような、想像力が拡大されるポジティブな誤読を誘う。1着のニットから多角的視点が感じられるデザインだと言える。

このルックではチョークストライプのテーラードジャケットに、2種類のチェック柄素材が内側に合わさり、そこに加えて何やらライトグレーのニットカーディガンらしきディテールも見られる。

そしてこちらのルックに至っては、スタジアムジャンパーの上からライダースの衿が重ねられ、加えて渋い紫とも小豆色とも言える色の、光沢感ある布地がライダースの黒い衿の下から覗き見え、まるで服の裏地が断片的に見えるような感覚を私は覚えた。

最近の「カラー」は、このように服が断片的に混じり合うデザインが特徴的ではあるが、2021-22 FWコレクションにおいては改めてこの多面的デザインが持つ不思議な感覚が迫ってくる。「カラー」の2021-22 FWコレクションを見ていると、こんなイメージが私の中に浮かんできた。

「カラー」のデザイナーである阿部が「テーラードジャケット」と言葉に出して人々に投げかけ、その言葉を耳にした瞬間人々の脳内には、様々な角度から捉えたテーラードジャケットのイメージが浮かび上がる。ある人はジャケットのラペル部分に焦点が合い、ある人はジャケットの身頃に、もしかしたらジャケットの裏地に焦点が合う人だっているかもしれない。

そんなふうに様々な角度から様々な場所へフォーカスされたジャケットのイメージを、世界でただ1人阿部だけが人々の脳内を覗き見ることができ、無数のイメージの中から阿部がおもしろいと思ったテーラードジャケットの断片イメージを集めて繋ぎ合わせたとも言えるデザインは、セザンヌが描いた多面的視点の絵画と同じ視点のエレガンスを私に訴えてくる。

そしてそれは、1つのアイテムだけに限定されるものではなく、複数アイテムの断片イメージがドッキングされた状態にまでデザインは拡張されていく。

こうしてコレクションを詳細に見ていくと、セザンヌの絵画と「カラー」が見せる多面性には違いがあることも感じられてきた。冒頭で述べたようにセザンヌは様々な角度から捉えたリンゴの形を複数描いているが、「カラー」は服の様々な場所を捉えて一つにした多面性がデザインされている。角度と場所、複数と1つ、そのように多面性の表現方法の違いにクリエイティブなおもしろさが潜む。

1着の服の中にさまざまな服の見え方があってもいいのだと、私は服に対する常識を改めさせられる。それだけのパワーを、2021-22FWシーズンの「カラー」は見せてくれた。誰もが知っているベーシックなアイテムを用いながらコンセプチュアルな背景も感じさせる形に作り上げ、ファッション的にも魅力あふれるデザインとして両立させた阿部の力量には感嘆せざるを得ない。

傑出した領域に到達する井野将之

今私が最もすごみを感じる日本人デザイナー、それは「ダブレット」の井野将之だ。井野がデザインする「ダブレット」は発表を重ねるたびに迫力を増している。私が思うのは、我々が思う以上の素晴らしい才能を彼は持っているのではないかということ。

もちろん、2018年に今や世界No.1のファッションコンペとなった「LVMH PRIZE」でアジア人初となるグランプリを獲得したことで、井野の資質はすでに証明されている。しかし、それだけの形容では彼の実力と才能を語るには物足りなく思えてしまう。それほどのすごみを、私は今の「ダブレット」から感じている。

「カラー」と同様に「ダブレット」も東京でランウェイショーを開催し、それがパリの公式スケジュールで配信されたが、ここでは「ダブレット」の2021 FWコレクションから私が感じた、ありのままの感情をダイレクトに語っていきたいと思う。それはもしかしたら、他の誰とも共有できない感情かもしれない。しかし、語ることを試みたい。

「いったい、なんなんだ、これは……」

私は「ダブレット」のショー映像を観ている途中で、自然とそう呟いていた。ショーの冒頭から違和感が先立つ。モデルたちの歩行姿がぎこちなく、妙なのだ。最初は雨によって濡れた路面を滑らないよう慎重に歩いているから、そのようなぎこちなさが現れているのかと考えた。

ショー会場となったのはスクラップ工場で、モデル達が歩くすぐそばではパワーショベルが車やロッカーを押し潰している。はずだった。当初の想像は裏切られる。映像が進むにつれ、潰れていたはずの車やロッカーが元どおりに戻り始めたのだ。しかし、違和感はそれだけで終わらない。完璧に潰されていた車やロッカーが、完璧な形に戻っていく様子があまりにスムーズで明らかにおかしい。

ショーのフィナーレになっても、違和感は拭えない。モデル達が全員現れ、前方に向かって一斉に歩いていく様子はどのブランドのどのショーでも見られる、ありふれた光景。だが、やはりモデルたちのたどたどしく奇妙な歩き方に変わりはない。モデルたちはランウェイとなった水溜りのできた道の先端まで到達すると今度は前方に身体を向けたまま、すべてのモデルが後ろ歩きで退場していった。それが後ろ歩きとは思えないほどに速く、やけに流れるようにスムーズなのだ。しかも全く後ろを振り返ることなく歩いていき、カーブもスムーズに曲がっていく。

「人間はこんなにもうまく後ろ歩きで、歩けるものなのか?」

ショー映像が発表されたあとに、私が抱いた疑問の答えが明らかになる。このショー映像は井野の仕掛けによって演出されたものだった。フィナーレとはショーの最後に行われるもの。きっと多くの人々がそう認識しているだろう。井野はその認識を逆手に取っていた。実際に現地で行われたショーはフィナーレから始まり、スタートへ向かって進行して終了していたのだ。その様子を撮影し、逆再生することであたかも通常のショー通りに進行しているように見せかけていたのが、このショー映像だった。

なぜ時間は進行するのが当たり前だと思うのか。時間が逆行することもあるのではないか。

井野は人間の思い込みを利用し、そこを崩しにかかる。前シーズンの2021SSコレクションでも井野は、ショーや映像の最後に思いもよらぬ仕掛けを披露した(観ていない方のために、ここで詳細を語ることは控えよう)。まるでミステリー小説家が物語の謎を解き明かすように、観ている者の思い込みを崩す。そこには必ずユーモアを添えて。

それはショー演出に限った話ではない。コレクションもそうだった。私は「ダブレット」を見ていると、昭和の下町ヤンキー感あふれるスタイルが連想されてきて、しかし、そのファッションは私にとって忌み嫌うものだった。

私は神奈川県川崎市の南部に生まれ育ち、住み続けてきた。今では川崎駅周辺の再開発が成功し、商業施設やタワーマンションが建設され、街の景色は劇的にきれいになった。しかし、私にとっての川崎とは小学生時代を過ごした1980年代にある。工場、風俗、ヤクザ、ヤンキー、そして時折発生する全国ニュースになる犯罪。それが私にとっての川崎であり、私がミニマリズムの服を好むのも子どもの頃に見た川崎の景色が、反動になっているのではないかと思うほどだ。それほどに、私は1980年代当時川崎で見たファッションに魅力を感じていなかった。

しかし、当時川崎で目にした人々の服装に「ダブレット」が驚くほどに重なっていく。そのことに私は驚いてしまうのだ。私がクールやエレガンスとは程遠いと思っていたファッションに、井野は美を発見して、それを世界唯一と言っていい自分だけのオリジナルな世界としてモードの舞台に上がらせた。そして、そのコレクションに私は惹き寄せられてしまう。嫌っていたはずのファッションに魅せられていくなんて。

2021-22 FWコレクションにはぬいぐるみがコートやシャツ、バッグに取り付けられていた。一瞬、私はウォルター・ヴァン・ベイレンドンクを思い浮かべるが、「ウォルター」とは違う表現で異なる文脈に「ダブレット」は位置している。

「ウォルター」はぬいぐるみのように通常ファッションに用いないであろう要素を、アグレッシブなデザインの服に乗せていくが、井野は違う。あくまでリアルでカジュアルな服にぬいぐるみを用いる。リアルなはずの服が、リアルを失っていく。リアルなアヴァンギャルドという矛盾した表現が浮かぶほどに、「ダブレット」のコレクションにはパワーがあふれている。

「ダブレット」のこのようなデザインが市場で受け入られるようになったのには、もちろん時代の変化も関係しているだろう。デムナ・ヴァザリアの登場により、美醜の醜に美しさを見出すアグリー(醜い)が、ファッションデザインにおいて時代の主流となった。戦後の1950年代に育まれたパリ伝統のエレガンスとは、全く異なる価値観を持つ美意識をデムナは提示し、それが世界を熱狂で覆った。

しかし、デムナのデザインも「ダブレット」を観察したあとでは、私には洗練されているように感じる。私にとっては「ダブレット」の方がよりアグリーだと言えるのだ。デムナの切り拓いた地平を、「ダブレット」はさらに押し広げた。押し広げた地平の端に捨てられていたものを、井野は拾い上げる。これは美しいのだと。そのような感覚を持つからこそ、私は井野にこれほどのすごみを感じるのかもしれない。

いったい井野はどのようにしてこの感覚にたどり着き、開花させることができたのか。開花の過程において井野はどんな思考と感情を繰り返してきたのか。そこには一体どんな苦悩と葛藤、そして創造への高揚があったのだろうか。その秘密に私はミステリー小説を読むように惹き込まれていく。

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