羊文学 Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/羊文学/ Wed, 28 Jun 2023 08:18:55 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.3.4 https://image.tokion.jp/wp-content/uploads/2020/06/cropped-logo-square-nb-32x32.png 羊文学 Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/羊文学/ 32 32 君島大空と羊文学の塩塚モエカによる弾き語りツーマンライヴが8月25日に「WWW」で開催 https://tokion.jp/2023/06/28/ohzora-kimishima-moeka-shiotsuka/ Wed, 28 Jun 2023 09:30:00 +0000 https://tokion.jp/?p=195079 チケットは前売り¥3,800(スタンディング/ドリンク代別)で、イープラスで7月2日まで抽選先行販売し、一般販売は7月8日10:00から開始する。

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君島大空と塩塚モエカが弾き語りツーマンライヴを8月25日に「WWW」で開催する。チケットはイープラスで7月2日まで抽選先行販売し、一般販売は7月8日から開始する。

多重録音を駆使した儚いサウンドで注目を集めるシンガーソングライター兼ギタリストの君島大空と、オルタナティブな音像をしなやかに美しく鳴らす3ピースバンドの羊文学のギターボーカルでもある塩塚モエカが、弾き語り形式でライヴを披露する。

君島は今年1月に待望の1stアルバム『映帶する煙』をリリースし、大きな話題を呼んだ。サンプリングを駆使した独特な質感の音と中性的な声が混じり合う楽曲の数々は、さまざまな物語や情景を想起させる。ソロ活動の他にも、吉澤嘉代子や中村佳穂、細井徳太郎、坂口喜咲、RYUTist、adieu(上白石萌歌)、高井息吹、UA、荒谷翔太(yonawo)等の楽曲制作やライヴに参加したことでも注目を集めている。

羊文学の全楽曲の作詞・作曲を務める塩塚は、バンドと並行してソロでの音楽活動や映画・ドラマの劇伴制作、CM歌唱、モデル、文章執筆、ラジオDJ等、幅広い領域で活躍している。昨年リリースした羊文学のアルバム『our hope』はCDショップ大賞(青)を受賞し、全国ツアーを全公演ソールドアウトさせる等、バンドとしての躍進も止まらない。今年 9月からは、全12公演となる自信最大規模のワンマンツアーの開催も決定している。

■君島大空×塩塚モエカ
日程 : 8 月25日
会場 : WWW
時間 : OPEN 18:30 / START 19:30
前売 : ¥3,800 (スタンディング/ドリンク代別)
販売 : https://eplus.jp/ohzr_kshm-moekashiotsuka/

Flyer photo by Kana Tarumi
Letter designed by KOHJI FUKUNAGA

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Yogee New Wavesと羊文学が参加する第2回「modern theatre」が7月15日に開催 会場は「めぐろパーシモンホール」 https://tokion.jp/2022/05/25/modern-theatre-vol2/ Wed, 25 May 2022 10:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=119516 WWWが手がける新シリーズの2回目。チケット料金(前売り)は一般が¥5,500(全席指定)、学割が¥3,800(全席指定)。

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WWWが手がける新シリーズ「modern theatre」第2回が7月15日、東京の「めぐろパーシモンホール」で開催される。初回はOGRE YOU ASSHOLEとカネコアヤノを迎えて開催したシリーズの2回目で、Yogee New Wavesと羊文学の2組が登場する。

チケット料金(前売り)は一般が¥5,500(全席指定)、学割が¥3,800(全席指定)※一般発売のみ。2階後方(10列 / 11列)の枚数限定チケットで、小学生〜大学生、専門学生の方が購入可能。

先行予約(抽選)は5月29日23時59分まで受け付け中で、一般販売は6月4日10時からとなっている。

■modern theatre 第2回
日程:2022年7月15日
会場:めぐろパーシモンホール 大ホール 
住所:東京都目黒区八雲1-1-1
出演:Yogee New Waves / 羊文学
時間:open 17:30 / start 18:30
料金(前売):一般 / ¥5,500(全席指定)、学割 / ¥3,800(全席指定)※一般発売のみ
<学割チケットについて>
・2階後方(10列/11列)の枚数限定チケット。
・小学生〜大学生、専門学生の方が購入可能。
・高校生、大学生、専門学生の方は、入場の際にチケットと顔写真付き学生証の確認有り
・学生証が確認できない場合、一般席との差額¥1,700が必要
・学割チケットの取り扱いは一般発売のみ。先行予約は全て一般席。

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マイ・ブラッディ・ヴァレンタインが日本の音楽シーンに与えた影響とは https://tokion.jp/2021/05/06/my-bloody-valentine/ Thu, 06 May 2021 06:00:50 +0000 https://tokion.jp/?p=32206 『マイ・ブラッディ・ヴァレンタインこそはすべて』著者の黒田隆憲が紐解く、シューゲイザーの代表格バンドが日本の音楽シーンに与えた影響。

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シューゲイザーの代表格バンド、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのサブスクリプションが解禁され、5月には新装盤のCD/LPもリリースとなる。これを機として、同バンドの軌跡と革新性を振り返り、日本の音楽シーン・アーティスト達に与えた影響を探るべく、『シューゲイザー・ディスク・ガイド』(共著)や『マイ・ブラッディ・ヴァレンタインこそはすべて』を著書に持つ黒田隆憲に寄稿を依頼。後続に絶大な影響を与え、今に引き継がれるサウンド・美学の接続線をたどり直していく。

ブライアン・イーノやパティ・スミスも絶賛したシューゲイザー・バンド

アイルランド出身の男女4人組バンド、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(以下、マイブラ)がDomino Recordingに電撃移籍を果たし、過去にリリースした4枚の作品(『Isn’t Anything』『loveless』『m b v』『ep’s 1988-1991 and rare tracks』)のサブスクおよびダウンロード販売を解禁。さらに5月には新装盤CD / LPをリイシューすることが決定した。

「シューゲイザー」と呼ばれる音楽スタイルの代表格であり、1991年にリリースしたセカンドアルバム『loveless』によって、ロックの金字塔を打ち立てたマイブラ。彼らの作り出すそのサウンドは、ブライアン・イーノをして「ポップの新しいスタンダード」と言わしめ、パンクの女王パティ・スミスも「生涯で最も影響を受けた」と絶賛するほど革新的だった。他にも、アイスランドの至宝シガー・ロスをはじめ、モグワイやレディオヘッド、テーム・インパラ、カニエ・ウェストなどさまざまなジャンルの第一人者に大きな影響を与えている。

また音楽シーンのみならず、アートやファッションにもマイブラは強い影響を与えてきた。昨年4月にはSupremeが彼らとのコラボコレクションを発表し、話題になったのも記憶に新しい(数年前にはカニエがマイブラTシャツを着用、彼らのヴィンテージTシャツが高騰する騒ぎもあった)。カルチャーの分野においてもカリスマ的な人気を誇りながら、ソニーUKとの契約解除により一時はサブスクリプション・サービスから姿を消していた彼らの音源が、再び多くの人の耳に触れるようになったのは嬉しい限りだ。

革新的なサウンドを奏でたバンドの軌跡

1983年、ダブリンにて結成されたマイブラ。活動初期はガレージロックやポストパンクに影響を受けたサウンドを奏でていたが、メンバーチェンジを経てビリンダ・ブッチャー(Vo, Gt)、ケヴィン・シールズ(Vo, Gt)、デビー・グッギ(Ba)、コルム・オコーサク(Dr)という現体制になると飛躍的な進化を遂げる。

1988年、ジーザス&メリーチェインやプライマル・スクリームらが所属し、のちにオアシスを見出すレーベルCreationからファーストアルバム『Isn’t Anything』をリリースすると、ノイジーなギターサウンドとポップなメロディを組み合わせたその音楽スタイルによって、シーンに大きな衝撃を与えた。

My Bloody Valentine『Isn’t Anything』

それからおよそ3年後に発表したセカンドアルバム『loveless』(1991年)では、輪郭が曖昧になるほど幾重にもレイヤーされたフィードバックギターや中性的な男女ボーカル、それらが等価で配置されたサイケデリックかつエクスペリメンタルなサウンドスケープを展開。前述の通り、今に至るまで数多くのフォロワーを生み出し続けている。

My Bloody Valentine『loveless』

日本の音楽シーンでいち早く応答したフリッパーズ・ギターとスピッツ

『loveless』リリース当時、メインストリームではさほど話題にはならなかったものの、コアな音楽ファンからは熱狂的な歓迎を受けていた。ここ日本でも状況は同じで、1991年11月に行われた初来日ツアーは川崎クラブチッタで急遽「昼の部」が決まるなど大盛況を博している。本稿では、そんな日本のミュージックシーンにおいて、マイブラがどのような影響を及ぼしてきたのかを振り返ってみたい。

当時、彼らのサウンドを日本で早速取り入れていたのはフリッパーズ・ギターだ。1991年7月にリリースされた彼らの通算3枚目にしてラストアルバム『DOCTOR HEAD’S WORLD TOWER -ヘッド博士の世界塔-』には、マイブラの「to here knows when」に触発された「AQUAMARINE/アクアマリン」という楽曲が収録されている。吉田仁(SALON MUSIC)のプロデュースの下、サンプラーに取り込んだフィードバックギターを何度も重ねることによって、ヒプノティックなサウンドスケープを生み出すことに成功。「to here knows when」が収録されたEP「Tremolo」をマイブラがリリースしたのは同年2月だから、その反応は驚くべきスピードである。

フリッパーズ・ギター『DOCTOR HEAD’S WORLD TOWER -ヘッド博士の世界塔-』

同じ頃、スピッツの草野マサムネも当時マイブラやライド、スロウダイヴといったシューゲイザー・バンドに深く傾倒しており、『loveless』と同月にリリースしたセカンドアルバム『名前をつけてやる』では、メンバー曰く「ライド歌謡」というコンセプトのもと、シューゲイザーと歌謡曲を融合したサウンドを作り上げていた。

スピッツ『名前をつけてやる』

独自のサウンド・美学は、オルタナ勢からヴィジュアル系まで幅広く影響を与えた

ところで、ギターの新たな可能性を押し広げたマイブラの最大の発明は、「グライドギター」と呼ばれるケヴィンのプレイスタイルだ。変則チューニングをしばしば用いながら、ギターのアームを持ったままコードをかき鳴らすことでサウンドを変調させ、さらに「リヴァース・リヴァーブ」と呼ばれるエフェクトをかけることで、唯一無二のサウンドを作り上げる。このグライドギターに魅せられ、自らの楽曲に導入するアーティストは後を絶たない。日本でも、例えばDIPの「My Sleep Stays Over You」(1992年)や、SPIRAL LIFEの「ネロ」(1995年)といった楽曲に用いられている。そう、ケヴィンが生み出したグライドギターは「ジャンル」ではなく「スタイル」であり、さまざまな音楽に応用できるところも、その影響の大きさの理由の1つと言えるかもしれない。

DIP『love to sleep』
SPIRAL LIFE『FLOURISH』

マイブラの持つ美学は、いわゆる「ヴィジュアル系」のバンドにも受け継がれた。例えば1993年に結成されたPlastic Treeが、ライブのSEでマイブラ の「Only Shallow」を使用していることはファンの間では有名な話。また、彼らの通算9枚目のアルバム『ウツセミ』(2008年)は、メンバーが共通してフェイヴァリットに挙げるマイブラの影響を深く受けたサウンドを展開していた。一方、LUNA SEAのギタリストSUGIZOもケヴィンからの影響を公言しており、ソロ名義でリリースしたアルバム『音』(2016年)収録の「Decaying」では、まるでケヴィンとノイバウテンがコラボしたようなサウンドを作り上げている。

Plastic Tree『ウツセミ』
SUGIZO『音』

MBV遺伝子を継承し「今の音」として進化させるアーティスト達

シューゲイザーという90年代のムーヴメントそのものはあっという間に収束し、マイブラも長らく「活動休止」状態が続いていた。が、その遺伝子は2000年以降も確実に受け継がれていく。くるりが2014年にリリースしたアルバム『THE PIER』には、その名も「loveless」という楽曲が収録されていた。ただ、この曲はホーンを導入したいわゆるオーガニックなバンド・アンサンブルで、マイブラからの直接的な影響下にあるのはむしろ、2001年のアルバム『TEAM ROCK』に収録された「LV30」だろう。“ツタタタ”というドラムフィルから始まるイントロは、言うまでもなく「Only Shallow」(『loveless』収録)のオマージュだし、浮遊感たっぷりのサウンドスケープはマイブラを連想せずにはいられない。

くるり『TEAM ROCK』

『loveless』リリースからおよそ15年、マイブラが奇跡の再始動を果たすとそれに呼応するかのように、彼らに影響を受けた新世代のアーティストが次々と登場する。例えば、1960年代〜1990年代の主にUKロックから影響を受けたラブリーサマーちゃんが、2016年にリリースした『LSC』には、マイブラの轟音を彷彿とさせる「天国にはまだ遠い」という楽曲がある。また男女4人組バンドLuby Sparksは、マックス・ブルーム(ヤック)とロンドンで共同制作したデビューアルバムで、初期マイブラが内包していたジャングリーポップを「今の音」として鳴らしていた。

ラブリーサマーちゃん『LSC』
Luby Sparks『Luby Sparks』

他にもTHE NOVEMBERS、羊文学、For Tracy Hydeといったバンドの中に、マイブラ〜シューゲイザーの遺伝子は受け継がれている。『loveless』リリース直後は、そのあまりにも強烈なサウンドの影響をダイレクトに受けた作品が、国内外からたくさん生まれていた。が、あれから30年が経った今、マイブラや『loveless』の呪縛から解き放たれたアーティスト達は、そのサウンドを抽象化し「スタイル」として取り込み、各々のオリジナリティと融合しながら新たなカタチへと進化させているように思う。 マイブラによる現時点での最新作は、2013年にリリースされた『m b v』。あれからすでに8年もの月日が流れている。今回のサブスク解禁〜新装盤CD / LPのリイシューによって、初めてマイブラに触れた未来のアーティスト達は、その意思をどのような形で受け継ぎ新たな作品を生み出すのだろうか。

My Bloody Valentine『mbv』

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ひずみながらも美しく響く轟音 羊文学『POWERS』が持つ、「お守り」みたいな力 https://tokion.jp/2021/02/27/hitsujibungaku-new-album-powers/ Sat, 27 Feb 2021 06:00:58 +0000 https://tokion.jp/?p=19734 悩みや葛藤、そしてその先にある希望を描いたメジャー・デビュー・アルバム『POWERS』。その制作背景や、オンラインライブに感じた可能性について。

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羊文学のアルバム『POWERS』は、スタジオ内に反響するフィードバック・ノイズで始まる。そこから4カウントを合図に放たれる、フロアタムの重たいリズムとベースのルート音、そしてファズ・ギター。スタジオに集うことすらままならなかった2020年の閉塞感を切り裂くような轟音で、記念すべきメジャー・デビュー作の幕を開けた羊文学。そんな最新作について3人に話を聞いた。

「アルバムの始まりにこれといった意味はないんですけど、この一発目で全部がひっくり返ったらいいなっていう気持ちは、確かにありました。やっぱり部屋にこもってばかりいるとストレスもたまるし。あと、これはもともとの性格でもあるんですけど、私はつい破壊しにいきたくなるタイプなので(笑)」(塩塚モエカ)

『POWERS』は、この社会に生きる人々の悲喜交々を描いた作品だ。同時に、このアルバムには自分自身の姿がそのまま投影されていると、塩塚は言う。

「今回のアルバムには、これを作っていた時期の私が詰まってるんです。どの曲も今までと同じように私が思ったことを書いている。でも、あとからそれを読み返してみると、なぜか主人公が他の人になってるんですよね。しかも、どの人もみんな悩んでる。『あいまいでいいよ』にしてもそうですね。つまりそれって『あいまいじゃダメなのかも』と思う瞬間があるってことだから」。

アルバムの制作時にこれといったコンセプトは設けていなかったが、曲順に関しては塩塚の中で確信があったようだ。

「これまでの羊文学のCDって、一番暗い曲のあとに明るめな曲がきて、なんだかんだ最後は爽やかに終わる感じだったと思うんです。それこそ以前の自分だったら、『ghost』の後に『あいまいでいいよ』をもってきてたんじゃないかな。でも、今作は『mother』で始まって『ghost』で終わらせたいなと思ったんです。そうすれば、どの曲もいろんなことを言ってるけど、それが1つの物語みたいになるんじゃないかなって」(塩塚)。

楽曲を共有した3人は、そこに的確な音色とリズムを添えてゆく。

「理論的なことはあまり言えないんですけど、今回はどの曲もイメージをはっきりとつかめていたので、それに合う音を見つけるための試行錯誤をたくさんしました」(河西ゆりか)。

「僕個人が好む音と楽曲が求める音の相性がとても良かったので、今回の音作りはとてもスムーズでした。例えば僕は低めのサウンドがわりと好きなので、そういう基準でスネアのピッチについて考えたり、シンバル系も暗めの音にしてみたり、12曲それぞれに合った機材と音を選べたんじゃないかなって」(フクダヒロア)。

「自粛期間中に『3人でDTMでもやってみようよ』みたいな話にもなったんですけど、結局は何も生まれなくて。やっぱり私達に宅録という選択肢はないし、スタジオでセッションできなくなったら、バンドは終わっちゃうんだなって。なので6月頭に3人でスタジオに入った時は、ちょっと特別なものを感じました。イメージしたものが共有されて、それがリアルタイムで一気に形になっていくのって気持ちいいし、やっぱり音が大きいってことは素晴らしいなって」(塩塚)。

『POWERS』内に存在する葛藤、オンライン・ライヴの可能性

アルバム・タイトル『POWERS』には、ご覧の通り複数形の“S”が付いている。そこには前作『若者たちへ』との連続性もうかがえるが、実際はどうなのだろう?

「単純にどの曲もパワーがあるから『POWERS』かなと思ったんですけど、そもそもパワーに複数形の“S”は付くのかなと思って。それで調べてみたら、POWERSには“権威”とか“圧力”みたいな意味合いもあるみたいで。それと同時に“S”は“魔法の力(MAGIC POWERS)”にも付くらしいんですよね。私はこのアルバムがお守りみたいになってほしいと思っていたから、これはいい言葉だなと思ったし、1つの言葉にそういう相反する意味があるってところも、このアルバムの中にある葛藤なんかと通じるような気がしたんです」(塩塚)

確かに塩塚のリリックは両義的なものが多く、例えばそれはクリスマスをモチーフに世界が終末へと向かっていく不安を歌った「1999」などが象徴的だ。一方、途中でビートが鮮やかに切り替わるタイトル・トラック「powers」に関しては、未来へのかすかな希望をいつになく率直に歌っているようにも聞こえる。

「もともとこれは『人間だった』(2019年末にシングルとしてリリース)と同時期に書いてた曲なんです。当時は香港で大規模なデモが起きてた頃で、私自身も社会についていろいろ考えてて。それで『もっと声をあげれば未来は良くなるかもしれない』みたいなことを思いながらこの曲を書いたんですけど、あとで冷静になって聴いてみたら『全然そんなことないわ…』みたいに感じちゃって、それでいったんボツにしたんです。でも、それこそ今年は落ち込むこともすごく多くて、私自身『ここで励ましてくれる人がいたらいいのに』と思うことがたくさんあったので、無責任なりに『大丈夫だよ』と言ってくれる人も必要だよなと思って。アレンジもちょくちょく変化したし、この曲は完成するまでいろいろありました」

2021年が明けた現在も世界的パンデミックは収束の気配すらなく、アーティストにとっては苦難の時期が続いている。そうした中、昨夏にいち早くオンライン・ツアーを敢行した羊文学は、その先に新たな可能性も見出したという。

「これまでは制作とライヴが活動のすべてだったけど、そこにオンラインライヴが加わったことによって、以前は想像もしなかったようなことがこれからできるんじゃないかなと思ってて。それこそVRでライヴができるなんて考えたこともなかったし、普段のライヴでは組めないようなステージ・セットもオンラインならできちゃうので、そこはもっと研究してみたいですね」(塩塚)

「アーカイブも残るので、普段のライヴとはまた違った緊張感がありました。どこにいる人にも見てもらえるっていうのも、大きなメリットだと思う」(フクダ)。

「ライヴというより、レコーディングに近い感覚だったかも。メンバーの立ち位置も普段と違うし、収録した後にミックスを調整したりもするので、作品作りみたいなところもありました。でも、やっぱりステージに立つ時の気持ちはずっと忘れたくないですね」(河西)。

「少しずつ成長しながら、いつかは大人の女性になれたら」

メジャー・デビューという節目を迎えた羊文学。一方で将来への漠然とした不安と焦燥、そして3人で音を重ねる瞬間のピュアな興奮が刻まれた『POWERS』を聴いていると、彼らはモラトリアムの最中に前作『若者たちへ』を作った頃と、実は何も変わっていないようにも感じる。「青春時代が終われば」。前作『若者たちへ』に収録された「ドラマ」で塩塚はそう歌っていたが、この青い時代にもいつか終わりがやってくるのだろうか。

「そのうち終わると思ってるんですけど、なかなか終わらなくて。服装なんかも含めて、大人になりたいけどなれないっていう葛藤はずっとあります。ただ、もしかすると学生の頃よりもまるくはなってきてるのかな? それこそ以前は世の中に対していっぱい文句があったんですけど、最近は徐々に言いたいことも減ってきてるし。みんながこんなにラヴソングを書くのは、人生で一番おもしろいイベントが恋愛だからなんだなってことも、だんだんわかってきました。ただ、それもそれでまた悩むことが出てくるんですよね。そうやって少しずつ成長しながら、いつかは大人の女性になれたらいいなと思ってます」(塩塚)

羊文学
塩塚モエカ(Vo.Gt.)、河西ゆりか(Ba.)、フクダヒロア(Dr.)からなる、繊細ながらも力強いサウンドが特徴のオルナティブロックバンド。2017年に現在の編成となり、これまでにEP4枚、『POWERS』含むフルアルバム2枚、そして全国的ヒットを記録した限定生産シングル「1999 / 人間だった」をリリース。2020年1月に行われたEP「ざわめき」のリリースワンマンツアーは全公演完売。2020年8月19日に「F.C.L.S.」(ソニー・ミュージックレーベルズ)より「砂漠のきみへ / Girls」を配信リリースし、メジャーデビュー。同年12月9日にセカンド・アルバム『POWERS』をリリース。2021年3月14日にリリースワンマンツアー「Tour 2021 “Hidden Place”」のオンライン公演を開催予定。しなやかに旋風を巻き起こし躍進中。
hitsujibungaku.info

Photography Yuri Nanasaki

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