連載:日本発コスメクリエイター Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/連載:日本発コスメクリエイター/ Sat, 01 May 2021 06:32:10 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.3.2 https://image.tokion.jp/wp-content/uploads/2020/06/cropped-logo-square-nb-32x32.png 連載:日本発コスメクリエイター Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/連載:日本発コスメクリエイター/ 32 32 自分と向き合うことで得られる美しさ カン・ハンナが手掛ける「ミラリ」が引き出す“美の3要素” https://tokion.jp/2021/05/01/hanna-kang-the-founder-of-mirari/ Sat, 01 May 2021 06:00:52 +0000 https://tokion.jp/?p=30801 日本発の新鋭コスメクリエイターを紹介する連載。第2回はタレント、歌人としても活動するカン・ハンナが登場。2020年11月に自身でスタートしたコスメブランド「ミラリ」について。

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韓国出身のカン・ハンナは、タレント、歌人、国際社会文化学者、そして美容メーカーの代表として日本で活動し、多方面から注目を浴びている。中でも短歌は母国語でない日本語で率直な思いをつづる作品が評価を受け、2016年から3年連続で「角川短歌賞」に入選。2019年には第一歌集『まだまだです』(KADOKAWA)を出版し、2021年3月には「第21回現代短歌新人賞」を受賞するなど、歌人としての評価も高まっている。

一方で2019年にはBeauty Thinkerを自ら立ち上げ、2020年11月にヴィーガンコスメブランド「ミラリ」をローンチした。マルチな顔を持つ彼女が立ち上げた「ミラリ」もまた、多様な表情を持つ。多岐に渡る活動は一見バラバラにも見えるが、「自分と向き合うこと」の重要性を伝え続けている。今回、カン・ハンナにブランドに対する想いを語ってもらった。

——まずはハンナさんが来日した経緯を教えてください。

カン・ハンナ(以下、カン):もともと韓国でニュースキャスターやコラムニストをしていたのですが、仕事が忙しく、自分を見失っていました。そこで自分探しをしたいと世界40ヵ国ほど回ったんですが、日本は「自分に合う」と感じました。その頃は日本語が話せなかったんですが、「何かつかめるんじゃないか」と感じる場所でした。そこで、2011年に拠点を日本に移しました。

——ブランド「ミラリ」を立ち上げるまでは、日本ではどういった活動をしていたんですか?

カン:私は国際社会文化学者という一面も持っています。そこで横浜国立大学大学院都市イノベーション学府に入学して、今も博士後期課程で研究を続けています。主に国際メディアコンテンツに関する研究をしていて、それと並行して、タレント業もしています。

——短歌を詠み始めたのも、タレントとして出演する番組がきっかけだそうですね。ここまでのめりこんだ理由は?

カン:『NHK 短歌』にレギュラー出演し始めて、短歌を詠み始めました。短歌は自分を表現する文章です。そのため自分を深く理解しなければいけません。時には嫌な自分、つらかったことと向き合い、自分探しをします。とても大変なことですが、そうして探るうちに、自分が何者か理解できるようになったんです。誰かの期待に応え続けて自分を見失っていた私には、出合うべくして出合ったものでした。

美しさは自信、良心、そして言葉で表すもの

ーーなぜ日本でヴィーガンスキンケアブランド「ミラリ」を立ち上げたのでしょうか。

カン:これまでの活動の恩返しをしたいという思いから、日本でブランドを立ち上げました。またブランドは1人1人との対話を重視しており、私が日本にいてコミュニケーションが取れることや、日本の女性をサポートしたいというのも理由です。日本で活動した10年間で、多くの女性から悩み相談を受けました。日本の女性の多くは遠慮や謙虚さを持っています。それは素晴らしいことであると同時に、心の不安定さにもつながっていました。そういった方々の支えになりたいと思ったんです。

ーー日本の女性特有の課題や、社会的な風潮をどう感じていますか?

カン:私も韓国人から見ると日本的で、直接意見を言わないタイプなのですが、日本の方は「嫌だ」「違う」とハッキリ言えない人が多いですよね。空気を読むことは日本らしく、私も好きな文化ですが、その中で我慢をする人がとても多い。甘えてもいいんだと伝えたいです。一方で心は癒すものではなく鍛えるものだとも思います。人生において試練や辛いことは必ず起こること。カゼを引いたら、次は引かないように体を鍛えたり対策しますよね? だから、心も恐れて待つのではなく備えるんです。

——「ミラリ」は自分自身と向き合うことをコンセプトに掲げていますね。

カン:「ミラリ(MIRARI)」のブランド名には2つの「I」が入っており、ロゴはその2つが向き合うデザインになっています。これは自分自身と向き合うこと、ブランドがユーザーと向き合うことを表しています。

ーーなぜ、スキンケアを通じて自分自身と向き合うことを提案しようと考えたのですか?

カン:人の美、美しさとは何かと考えた時、3つの要素があると思いました。1つは外見です。外見を整えることは自信につながる要素だと考えています。メイクでカラーをのせることは自分じゃない“自分”を演じることで、整えることとは違います。例えるなら、泣いた自分の姿もきれいだと思えるような姿を目指すことです。

2つ目は良心です。人の良心を引き出すことを目的としてヴィーガン商品を作りました。3つ目は言葉。言葉は良いマインドを実現するものだと思います。例えば「フェイシャルトリートメントマスク」の各アイテム名は「モアモイスチャー」「モアラブマイセルフ」など、すべて「モア○○」となっています。化粧品は乾燥肌、トラブル肌など課題感を抱く言葉で表現されやすいのですが、「今もいいけどより良くするためのもの」、として「モア」という言葉を選びました。

ーー内側から出てくる美しさということですね。ヴィーガンコスメであることで、どのように良心が引き出されると考えていますか?

カン:動物実験をしない、動物由来の原料を使わないアイテムを選択することはエコフレンドリーやサステナブルであるだけでなく、優しさを引き出す要素だと思います。私自身、ベジタリアンではありませんが、スキンケアであれば取り入れやすいと思います。

——製品は「イヴ ヴィーガン(EVE VEGAN)」のヴィーガン認証を取得していますね。

カン:販売中のファーストプロダクト「フェイシャルトリートメントマスク」は、韓国の工場で作っています。「イヴ ヴィーガン」の認証取得には工場の検査が必要で、そうした体制が工場側に整っていたことも韓国の工場に依頼した理由の一つ。また使用したい原料が選べたこと。40分経っても乾かない特殊なマスクシートや透明なパッケージなども実現できました。

ーーフェイスマスクは6種類、いずれもデザインの違う透明のパッケージに入っています。このこだわりは?

カン:「ミラリ」は13の約束を掲げています。その中に「あなたとダイレクトな関係を持つため、オンライン、オフラインを通じてあなたとのコミュニケーションを取るために頑張ります」という項目があります。透明パッケージは中身を見せることで安全性を伝え、中身を開示していく姿勢を表しています。

顧客の肌悩みだけでなく心にまで向き合う

——製品以外では「ダイレクトな関係」をどう作っていますか?

カン:オンラインではウェビナーやインスタライブを開催、オフラインの接点も重視します。先日はマルイとのポップアップ企画「マルイともミラリ」を開催しました。私たちはブランドアイテムを置く場所にもこだわっており、競合製品が並列で並ぶドラッグストアなどには卸しません。これも13の約束の一つ、「あなたとの関係に専念します。他のブランドと競わせたり、比べたりしません」につながるもの。店頭に多くのフェイスパックが並べば、消費者は選択する悩みを抱えます。マルイとのポップアップはこのブランド理念を理解してもらい、ブランドの特設スペースで来場者とコミュニケーションを取りました。また月に1度「ミラリデー(MIRARI DAY)」を設けて、ユーザーを招待しています。

ーー「ミラリデー」はどういったイベント?

カン:来場者は私のタレント活動、歌人活動のファンもいれば、プロダクトのファン、ブランド理念の共感者などさまざま。最近は高校生の方もいらっしゃるなど幅広く来ていただいてます。その1人1人と20〜30分ほど、1対1のカウンセリングを行います。多い時は1回で何十人もいらっしゃるので大変ではありますが、私たちもヒントが得られる大事な時間です。

ーーかなり長いカウンセリングですね。どういったことを話すのですか?

カン:肌質や肌悩みだけでなく、心の状態や感情を聞きます。相手と向き合い、相手と同じ気持ちで話すことが大切です。ただ、皆さんやっぱり遠慮をしてしまうので「いいの、私には何を話しても大丈夫!」と相手の心の引き出しを引っ張り出すことから始めます(笑)。

これまではモデルや美容家など、憧れの人が使う商品を買い求める人が多かった。けれど自分ではない人が選ぶものだから、合わないこともあって当然。「ミラリ」はその人に適したものを選び、作り、提案したいと考えています。商品と同じように、女性たちにも誰かと自分を比べて欲しくないんです。だから、私も憧れの存在になりたいとは思いません。

——イベント以外では、どのようにユーザーと対話しているんですか?

カン:アプリ「マイ ミラリ」ではラジオや音楽、レターの配信をしています。また診断機能もあり、そのデータからも発見があります。13の約束には「徹底的なフィードバックを行い、それを反映した新商品作りに挑みます。あなたにとってのベスト・オブ・ベストが見つかるまで諦めはしません」という項目もあります。最初から完璧なものは作れません。時には悩んでいること、考えていることも隠さず書いています。大事なのは、諦めずに改善を続けることです。

ーー今後はどのようにブランドを成長させていきたいと考えていますか?

カン:肌も心も毎日変化する。だからひたすら向き合わないと、本当の美しさには達することができません。そのため今後も対話は重視しますが、顧客が増えていけば、私1人では難しいところもあります。「ミラリ」には愛用者から選ばれる6ヵ月のユーザーアンバサダー制度があり、月1度のミーティングやヒアリングを実施しています。いずれはその中から、コミュニティーマネージャーとなってくれる方を採用したいと考えています。ブランド哲学を理解して愛してくれる方達に、同じように伝えてもらいたいのです。今後はグローバル展開も視野に入れていますが、対話を重視することがブランドのコアなので、どこに出て行っても、対話は続けていきたいです。

カン・ハンナ
韓国でニュースキャスター、経済専門チャンネル MC やコラムニストとして活動したあと、2011年に来日。横浜国立大学大学院都市イノベーション学府地域社会専攻の博士後期課程に在学中。NHK Eテレ『NHK短歌』のレギュラー出演をきっかけに歌人として活動を始め、2016年から3年連続で「角川短歌賞」に入選、2019年12月には第一歌集『まだまだです』(KADOKAWA)を出版。2021年3月には「第21回現代短歌新人賞」を受賞した。2020年11月にヴィーガンコスメブランド「ミラリ」をローンチ。
https://mirari.jp
Twitter:@kang_hannah
Instagram:@kang_hanna_jp

Photography Hiroshi Fujiwara

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「ハッピーでなければ続かない」 ヴィーガンコスメ「アンナチュラリーナチュラル」が目指すブランドの形 https://tokion.jp/2021/03/22/vegan-cosmetic-brand-unnaturally-natural/ Mon, 22 Mar 2021 11:00:52 +0000 https://tokion.jp/?p=23884 日本発の新鋭コスメクリエイターを紹介する連載。第1回はファッションブランド「セルフ ポートレート」の創業メンバーである平野ジェマ愛が登場。2020年にスタートしたヴィーガンコスメ「アンナチュラリーナチュラル」の立ち上げから、そこに込めた想いまで。

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「アンナチュラリーナチュラル」は、ファッションンブランド「セルフ ポートレート」の創業メンバーである平野ジェマ愛がスタートしたスキンケアブランドだ。平野の華麗な経歴と、製品が100%ヴィーガン対応かつ環境配慮もなされたクリーンビューティブランドである点が注目を浴び、国内でも多数のメディアで取り上げられた。しかし、実際にブランドが発信したいメッセージは少し異なるところにある。

健やかな肌に導く“アンナチュラルな成分

平野は15歳でイギリスに留学。物心ついた頃から夢だったデザイナーの夢を追いかけ、高校、大学とイギリスで過ごした。スキンケア製品を作りたいと思ったのは「セルフ ポートレート」立ち上げよりずっと前、学生時代に自身の友人に貸した化粧水がきっかけだったという。

「友人が敏感肌で化粧水が肌に合わず、肌荒れを引き起こしてしまったんです。その経験がショックで、肌にやさしいスキンケア製品を作りたいと考えるようになりました」。

そうして肌にやさしいスキンケアを追い求めるうちにたどり着いたのがヴィーガンだった。ヴィーガンは動物性を含まないものや、動物から搾取しないあり方を指すものだ。「もともとイギリスに住んでいたこともあり、ヴィーガンは身近なものでしたが、実際に私がヴィーガンを取り入れたのは、20代後半の時。乳製品が体に合わなくなり、避けるようになって、その時にヴィーガン食に変えたんです。実際に自分で実践してみて、ヴィーガンは安全性が高く、肌にもやさしいのではないかと気が付きました」。

2019年3月には自身の会社ポートフォリオスを設立。効果のある“アンナチュラル”な成分と、ヴィーガンでクルエルティフリー、アルコールやグルテン、サルフェート不使用という“ナチュラル”な処方を兼ね備えたヴィーガンコスメブランド「アンナチュラリーナチュラル」を立ち上げた。

「自然由来成分がすべて肌にやさしく、そうでない成分が肌に悪いわけではない。肌の健康をサポートする原料を使用した高機能なスキンケアであることを最優先に考えています」。

製品には世界中から選りすぐった成分が使用される。ビタミンCなど栄養素を豊富に含むキウイシードオイル、古い角質を分解し毛穴を目立たなくするパンプキン発酵エキスなどの珍しい成分も多い。また香料に関しても、「抽出時に使用されるアルコールの数値はキャリーオーバーの数値を含め厳しく管理。また、香料自体の組み合わせも弊社の不使用成分リストとクリーンフィロソフィーに則って厳しく作っています」と徹底してこだわっている。

現在は3製品(化粧水、美容液、クリーム)を展開するが、今後はパーツケアなど新製品の投入も決まっている。

ヴィーガンは特別なものではない

グランドビューリサーチの調査によると、全世界のヴィーガンコスメ市場規模は2019年には144億ドル(約1兆5699億円)、2025年には208億ドル(約2兆2676億円)まで成長し、全コスメ市場の30%を占めると予測される。

「アンナチュラリーナチュラル」はヴィーガン製品である証明として、外箱にイギリスのヴィーガン協会「ヴィーガン・ソサエティ」と、アメリカの動物愛護団体「PETA(People for the Ethical Treatment of Animals)」の認証マークが並ぶ。欧米や韓国などヴィーガンコスメが既に一般的な地域では珍しくないが、日本ではめったに見かけない。それだけまだ市場は成長段階にあるということだ。

そのため、ブランド立ち上げ当初は「本当に日本でもヴィーガン市場は伸びるのか」という声もあったという。

「そもそも日本はヴィーガンという言葉が身近ではないこともあって、難しく捉えたり、言葉自体にネガティブな印象や厳格なイメージを抱いたりする人もいます。そのため、徹底しなければヴィーガンと名乗ってはいけないとか、徹底できないからヴィーガンにはなれないと思う人が少なからずいます。ただ近年ヴィーガンに対する認識や活動が少し柔軟になっていて、身近にできることから始める人も増えていますね。海外では決められた期間だけ、今日の1食だけヴィーガンを選択するという柔軟な考え方をしていたりもしていて、どんな取り入れ方、始め方でもいいと思います」。

例えばミートフリーマンデーは「月曜日だけ動物性の食事をやめてみる」、ヴィーガニュアリーはヴィーガン+1月(January)を足した造語で「1月は1ヵ月ヴィーガン生活をしてみる」といった運動だ。またヴィーガンのように動物性食品を一切摂取しない人だけでなく、魚介類は口にするペスカタリアンなど、選択は人によりさまざまだ。

「ヴィーガンブランドと書くと、ヴィーガンの人しか使ってはいけないように思われるかもしれない。だから『アンナチュラリーナチュラル』では“ヴィーガン対応”という発信の仕方をしています。ヴィーガン対応にすることで、より多くの人に使ってもらいやすくなると思いますし、誰にでも手に取ってもらいたいんです」。

環境、動物愛護、社会問題…配慮すべきなのは誰か

さらに平野はこうも話す。「ヴィーガンだから、環境に配慮されているから買うという人がいるのは嬉しいことですが、普通に手に取りたくなるかわいいパッケージや使用感で選んでいる化粧品が、実はヴィーガンやサステイナブルなど社会や環境に貢献できている製品だったらより良いですよね。そうしたヴィーガンやサステイナブルが前提であることが化粧品業界のスタンダードになっていけばいいなと思います」。

平野は、そもそも消費者が環境配慮や社会問題を考えながら商品を選ばずとも良い方向に進むべきだと考える。「そういったことはメーカーが達成すべき目標で、消費者はいい商品かどうかで選べるようにならなければいけないと思います。棚のどの商品を取っても配慮がなされた商品になるのが理想的ですよね」。

「アンナチュラリーナチュラル」の製品はヴィーガンであるだけでなく、さまざまな環境配慮を行う。明るいピンク色のプラスチック製ボトルもサステナブルな観点から選ばれた。「環境に配慮してガラスボトルを使うブランドもあるけれど、海外発送が多くなることを考えて、あえて軽くて輸送の二酸化炭素排出や割れなどの負担が低いプラスチックを選びました。ボトルに関しては正解が一つではないと思います」。また売り上げの一部をMake A WishやUN Women(国連女性機関)など、女性や子供達を支援する団体に寄付するなど、社会的課題に多面的に取り組む。

こういった考え方や姿勢は平野にとっては自然なことだという。「もともと社会に貢献できることをしたいと考えていた。イギリスでは『ラッシュ』や『ザ・ボディショップ』のようにクリーンな価値観の企業が当たり前のようにある。そういった環境の影響も受けているかもしれません」。

ストーリーの共感者を生む“ブランド”作り

「アンナチュラリーナチュラル」のように成分がクリーンなコスメは「クリーンビューティ」とカテゴライズされ、この数年、欧米を中心に注目されている。海外では市場が拡大しており、「アンナチュラリーナチュラル」もアメリカでの販売を目指すという。

「なぜ市場ができている欧米でブランドを立ち上げないのかと聞かれることは多かった。けれど私はアジアにもヴィーガン、クリーンビューティ市場はあると思っています」と平野は語る。既にタイやシンガポールに顧客がおり、海外配送することも多いそうだ。

もちろん日本国内にも求める人達はいるが、日本市場は5年、10年先を目標にしているという。「今の中学生、高校生が大人になる頃を目指し、アメリカから逆輸入できるよう成長したいと考えています。今の若い世代はグローバルの情報にもSNSを通して接しているから、非常にフラットな考えを持っていて、ヴィーガンへの偏見も少ない。自分の意見をしっかり持ち、ブランドのコアの部分を見る人も多い。そういった人達に選ばれるブランドになりたい」。

海外ではインディーズブランドが続々登場しており、特にクリーンビューティでは資生堂が買収した「ドランクエレファント」を筆頭に成長著しい。一方、海外で売られる日本発の製品は大手メーカーのブランドが目立つ。その差はどこにあるのかと問うと、やはりブランドのコアだという。

「あくまで私見ですが、日本では“ブランド”とは安心感につながるものを指し、大手メーカーがブランドになっています。けれど海外では、ストーリーに当てはまる商品を作ることがブランド。1シーズンごとのコンセプトではなく、長い期間でどうなりたいのかを発信するのがブランドではないでしょうか」。

ブランドに対する捉え方が違えば表現も異なる。大手メーカーなどは機能性に関する訴求が強くなりがちで、そのためにブランド全体のコンセプトがわかりにくくなっている。ここ数年は日本国内でもD2Cブランドが続々と登場しており、ブランドストーリーを軸にした見せ方、作り方を行うブランドも増えた。今後はグローバルで戦う日本ブランドが増えるかもしれない。

「アンナチュラリーナチュラル」の場合、伝えたいブランドストーリーは肌にやさしい、ヴィーガン対応であるという点だけではない。「ナチュラルなブランドだけど、アプローチブルなブランドにしたかったんです。そのためデザイン性も重要視してポップでかわいくしています。見た目も価格帯も含め、ハッピーでなければ選ばれないし、続かない。サステナブルであるためには無理なく続けられることが大事なんです」。肌にも社会にも、そしてユーザーの気持ちにも寄り添うあり方こそが、ブランド最大の強みだ。

平野ジェマ愛
15歳でイギリスに留学。セントラル・セント・マーチンズでファッションデザインを学び、在学中に出会ったデザイナーのハン・チョンを含む3人で、2013年にファッションブランド「セルフ ポートレート」を設立。帰国後、2019年3月には自身の会社ポートフォリオスを設立。2020年からヴィーガン対応コスメブランド「アンナチュラリーナチュラル」をスタートする。
https://unnaturally-natural.com

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