連載「ヨーロッパのJビューティ通信」Vol.11 敏感肌に悩むすべての女性に最善策をささげる「エヴィドンス ドゥ ボーテ」

シャルル・エドゥアール・バルト

シャルル・エドゥアール・バルト
「エヴィドンス ドゥ ボーテ」会長兼CEO。南フランス出身で、ラグジュアリーファッションの業界でキャリアを積む。実業家として多くの事業を手掛け、2006年に「エヴィドンス ドゥ ボーテ」を創設。

須山佳子

須山佳子
東京都生まれ、パリ在住20年。アンスティチュ・フランセ モード(INSTITUT FRANCAIS DE LA MODE)でブランド経営学のMBAを取得。2010年に日本からのヨーロッパ市場への進出、ブランド戦略、セールス、コミュニケーション専門のコンサルティング会社「デッシーニュ」を立ち上げる。2016 年、Jビューティとライフスタイルブランドをキュレーションするコンセプトプロジェクト「ビジョ(Bijo;)」を主宰。取引先はハロッズ、ボンマルシェ、リッツ・パリ、セフォラなど大手デパートからセレクトショップまで約20ヵ国、150店舗。

欧米の美容業界で注目を集める“Jビューティ”。伝統に培われた美意識と、概念や習慣に由来する日本の美を象徴した美容法が、世界中の人々の日常の一部へと浸透し始めた。連載「ヨーロッパのJビューティ通信」では、欧米で知名度を上げるJビューティブランドを紹介し、日本古来の美容法を深く掘り下げていく。同連載の監修を行うのは、パリ在住20年以上で、日本の美容ブランドのヨーロッパ市場進出をコンサルティングする「デッシーニュ」の須山佳子代表。ヨーロッパのJビューティトレンドの立役者である彼女がオススメするブランドの魅力と、それぞれが捉える日本の美意識に迫る。

第11回は、元フジテレビのアナウンサー中村江里子の夫である、シャルル・エドゥアール・バルトが創設したエイジングケアコスメティックブランド「エヴィドンス ドゥ ボーテ」。 “完璧な美の証”という意味をもつブランド名は、その名が示す通り、年齢を超越した完璧なまでに美しい肌を実現する確かな効果を追求するという意味が込められている。フランスの高い化粧品開発力とラグジュアリー、そして日本の繊細で先進的なテクノロジーを見事に調和させた製品は、世界各国の高級ホテルやブティックで取り扱われている。そのすべての始まりは、敏感肌に悩む妻に最善の解決策を提示するため。日本の精神性にも深く共鳴する彼に、創設から現在までの約17年の歩みについて聞いた。

「日本に行くことは創造性のバッテリーを充電し、エネルギーを補給する方法」

−−まずは「エヴィドンス ドゥ ボーテ」について教えてください。

シャルル・エドゥアール・バルト(以下、シャルル・エドゥアール):私達の使命は、確かな効果と敏感肌を含むすべての肌質を持つ女性にさまざまな感覚を提供することです。ブランド創設当初の目標は、自分の肌に合った製品を見つけるのに苦労している妻に解決策を提示することでした。妻は市販のクリームの効果を信じ、多くの製品を購入しましたが、毎回失望していました。 夫として、生涯をかけて選んだ彼女に解決策を提供しなければならないと思ったのです。また、彼女のように敏感肌に悩む多くの女性とその解決策を共有できるだろうと思いました。この探求が「エヴィドンス ドゥ ボーテ」の使命となりました。フランスと日本の伝統と哲学を表現することが、ブランドを唯一無二の存在なのだと思います。

−−「エヴィドンス ドゥ ボーテ」のベストセラーとシグネチャー商品は?

シャルル・エドゥアール:ベストセラーは、私達が誇りを持つオリジナル製品です。一つ目は“スペシャルマスク”。わずか15分で肌をリフトアップしてリフレッシュできるので、出掛ける前に最適なマスクです。2つ目に挙げる“モイスチャライジングローション”は、すべての肌質に合うにブースターで、その後に使用する製品の効果を高めます。最後に、「エヴィドンス ドゥ ボーテ」の製品で最も広く知られている“トータル・シールドSPF 50 PA ++++”は、メイクアップの直前に使用できる肌を優しいベールで保護するアイテムです。

−−顧客からの反響は?

シャルル・エドゥアール:常にお客様を最高の大使であると考える私達にとって、フィードバックは私達が日々行っている選択を裏付けるものであり、とても嬉しく思います。“Kaizen(改善)”の理念に基づいて自社の業務を改善するよう取り組んでおり、女性がこの献身的な姿勢を当社の製品に感じ、高く評価していると私は心から信じています。 これからも育んでいきたい大切な関係です。

−−各国に独自の美容文化がある中で、なぜJビューティに魅了されたのでしょうか?

シャルル・エドゥアール:初めて日本に足を踏み入れた時、その美しさ、洗練さに魅了されました。そして最も美しい女性、妻の江里子に出会いました。日本が常にさらなる洗練さと精度を追求する中で、トレンドに左右されず品質のみを重視するJビューティは、私にとって永遠に意義深いものであり続けるでしょう。作法や儀式を通して完璧を目指す、それが最高のJビューティだと考えます。

−−美容以外で、あなたが日本からインスピレーションを得る要素とは何ですか?

シャルル・エドゥアール:日本には洗練さに対する、枯渇することのない着想源があります。食器であれ、衣類であれ、食事であれ……あらゆるテーマに真剣に取り組み、情熱を注ぐことができる国なのです。私はそれほど客観的な人間ではないので個人的な意見になりますが、日本に行くことは創造性のバッテリーを充電し、エネルギーを補給する方法でもあるのです。

−−最後に、今後のヴィジョンについて教えてください。

シャルル・エドゥアール:「エヴィドンス ドゥ ボーテ」に対する私のヴィジョンは、あらゆる取り組みにおいて優れていることです。幸運なことに、パリの高級ホテル「ローズウッド」、ロンドンの百貨店「ハロッズ」、上海を拠点にする国際的な美容プラットフォーム「シヤング」など素晴らしいパートナーと非常に有望なプロジェクトを推進しており、それらを実現できる堅固なチームに恵まれています。私の最終的な目標は、「エヴィドンス ドゥ ボーテ」を世界ナンバーワンのブランドに育てること。独自性がそれを可能にすると信じています。

author:

井上エリ

1989年大阪府出身、パリ在住ジャーナリスト。12歳の時に母親と行ったヨーロッパ旅行で海外生活に憧れを抱き、武庫川女子大学卒業後に渡米。ニューヨークでファッションジャーナリスト、コーディネーターとして経験を積む。ファッションに携わるほどにヨーロッパの服飾文化や歴史に強く惹かれ、2016年から拠点をパリに移す。現在は各都市のコレクション取材やデザイナーのインタビューの他、ライフスタイルやカルチャー、政治に関する執筆を手掛ける。

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