折坂悠太 Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/折坂悠太/ Fri, 15 Sep 2023 09:43:40 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.3.2 https://image.tokion.jp/wp-content/uploads/2020/06/cropped-logo-square-nb-32x32.png 折坂悠太 Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/折坂悠太/ 32 32 折坂悠太の62曲の(歌)詩集を刊行 原点回帰となる弾き語りツアー「折坂悠太 らいど2023」京都と東京2公演で先行販売決定  https://tokion.jp/2023/09/15/orisaka-yuta-lyric-book/ Fri, 15 Sep 2023 10:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=208498 ライブでのみ披露している詞や未発表の新作詞、書き下ろしエッセイを含む全234P。価格は¥1800で10月1日に全国の取扱書店・店舗及びAmazon, A!SMART、タワーレコードオンライン、HMV&BOOKS onlineにて発売する。

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2023年6月30日にライブ活動を始めてから10年を迎えた日を皮切りに、原点回帰となる弾き語りツアー「折坂悠太 らいど2023」で各地をまわっているシンガーソングライターの折坂悠太。今一度「ことば」と「うた」に立ち返り、10年前と現在の点を線でつなぐ活動の一つとして折坂悠太が歌い続けてきた62曲の(歌)詩集を刊行する。価格は¥1800で10月1日に全国の取扱書店・店舗及びAmazon, A!SMART、タワーレコードオンライン、HMV&BOOKS onlineにて発売する。

本(歌)詩集ではこれまでに折坂悠太がリリースした曲に加え、ライブのみで披露している詞や未発表の新歌詞も掲載。これに加え、音楽業を始めて10年を経た今の折坂が本作に書き下ろしたエッセイ4編を含む。また、(歌)詩集はライブラリーや書店のブックディレクションや編集を中心に本にまつわる様々な仕事をしていgood and son内の出版レーベル・“WORDSWORTH(ワーズワーフ)”の第1弾として発行した。先駆けて、9月末に控えるツアーのホール2公演の会場にて先行販売も決定している。いずれの公演も完売となっているが、チケットを持っていない方も開場前グッズ販売時間内にグッズ販売場所にて詩集を購入できる。

今回の(歌)詩集を発売するにあたって折坂悠太は、「詩をまとめる作業は、長年使ってきた道具に手入れをするような感覚だった。一切れのパン、ナイフ、ランプ。生き抜くために、今一度持ち物チェック。どうぞ私のかばんを開けて、私をかばんに忍ばせてください」とコメントしている。

■書籍 詳細
タイトル:折坂悠太 (歌)詞集 『あなたは私と話した事があるだろうか』 著者:折坂悠太
価格:1800 円(税抜)
仕様:234 ページ/111×154mm/上製本 出版社:WORDSWORTH(good and son) 編集:山口博之(good and son) 装丁:山田和寛+佐々木英子(nipponia) ISBN:9784991328107

■一般発売日
10 月 1 日(日) 全国の取扱書店・店舗及び Amazon、A!SMART、タワーレコードオンライン、HMV&BOOKS online にて発売
※<先行発売決定!>折坂悠太 らいど 2023 9 月 22 日(金) 京都・京都コンサートホール アンサンブルホール ムラタ公演、及び 9 月 29 日(金) 東京・昭和女子大学 人見記念講堂公演 各会場にて販売。A!SMART 特典:オリジナルマスキングテープ (15mm 幅×5m 巻)
WORDSWORTH 卸店舗特典:オリジナル歌詞ステッカー (11 種からランダムで 1 つ)

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折坂悠太の「あけぼの(2023)」のMVが公開 石橋静河が出演するなどサントリー天然水のCMと同じ布陣で制作 https://tokion.jp/2023/07/14/yuta-orisaka-akebono-mv/ Fri, 14 Jul 2023 10:30:00 +0000 https://tokion.jp/?p=198684 7月15日22:00にプレミア公開。サントリー天然水CMを手掛けた泉田岳が監督を務め、石橋静河が出演。

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折坂悠太が音楽業10周年記念日となる6月30日に急遽配信リリースした「あけぼの(2023)」のミュージック・ビデオが7月15日22:00にプレミア公開される。

「あけぼの(2023)」は折坂が2014年、当時のmyspace(音源を公開・シェアすることができるSNS)にアップした初の公式音源である「あけぼの」を再録したもの。今回、サントリー天然水CMを手掛けた泉田岳が監督を務め、石橋静河が出演するなど、CMと同じ布陣で制作された。

誰かのお葬式を舞台に、1人ひとりが台詞無く描かれる映像作品のようなミュージックビデオ。同作について折坂は、「映像の中で見送られる人、映像を見ているこの部屋で、私が見送ってきたもの。これまでとこれからが、前後ろや右左ではなく、まあるい『縁』であると思えた時、私たちはまた会えるのかもしれません。泉田さん、石橋さん、協力してくれた全ての皆さまに感謝します」とコメント。

石橋静河は、「ずっと大好きできっとこれからも聴き続けるであろう折坂さんの作品に、微力ながら参加することができて光栄です。泉田監督をはじめとするエネルギッシュな撮影チームと楽しいひとときでした。ラーメンおいしかったなぁ」とコメント。

泉田岳監督は「出演者の方々には“いなくなった誰か”の簡単な情報だけ渡し、「あけぼの」の総尺分を自由に生きていただいています。何を考えて、何を思っていたのか、彼らしかわかりませんが、縁側に座った石橋さんの表情を観ながら草木茂る庭で聴いた『あけぼの』の言葉にならない感情を今も思い出します。僕は、今をどう生きるかなんてわかりませんが、今日も夕飯を何にするかで悩みます。折坂くん、石橋さんはじめ名優の方々、スタッフのみんな、ありがとうございました」と話す。

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折坂悠太による展覧会「藪IN」が渋谷パルコで開催 初の著書も先行発売 https://tokion.jp/2022/04/28/yuta-orisaka-yabu-in/ Thu, 28 Apr 2022 13:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=114602 藪をテーマにした立体音響体験や映像作品、彼自身によるインスタレーションやパフォーマンスなどを展開。会場ではTシャツと湯呑みも販売する。

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シンガーソングライターの折坂悠太は、展覧会 「薮IN」を渋谷パルコ4階のパルコミュージアムトーキョーで開催する。会期は5月13〜5月30日。

折坂の新たな表現方法となる「薮IN」では、藪をテーマに、ソニーの“サンロクマル・リアリティオーディオ”を用いた立体音響体験や映像作品、彼自身によるインスタレーションやパフォーマンスなどを展開していく。

会場では、本展の着想源でもある短編小説をはじめ、エッセイ、論考、対話などさまざまなスタイルの文章で書き下ろした折坂初の著書『薮IN』(¥2,500)を先行発売する(一般発売は6月1日)。同書には、写真家の塩田正幸や作家の坂口恭平、イ・ランも参加している。

また、開催を記念したTシャツ(¥4,500)と湯呑み(¥2,000)も用意する。

本展に関して折坂は、「そのものらしさでなく、そのもの自体を見てみたかったんです。薮の中へ投げ入れて、この身体も押入れて。出会い直そうとしたんです。するとどうでしょう。どうしても見たくない、自覚したくないものまで確認でき、ひどい口内炎ができました。甘かったと思いました。皆さんをそこへ連れて行ってどうなるか。何があるのか、何もないのか、わからないんです。いろんな人の顔を想像しています。穏やかな顔ばかりではありません。進もうとすることと、逃げようとすることは、とてもよく似ているんですから。ただ私は、薮に入って、そこに居てみます。人生に必要な過程だと思ってしまったからです。そういう勘はあります。ここへ来るまでの、たくさんの力添えに感謝します。よければこの薮に、分け入ってみてください」とステートメントを発表した。

■藪IN
会期:5月13〜30日
会期:パルコミュージアムトー キョー
住所:東京都渋谷区宇田川町15-1
時間:11:00〜20:00/最終日のみ〜18:00(入場は閉場30分前まで)
入場料:¥800/ 小学生以下 無料

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【追記】坂本慎太郎とサム・ゲンデル&サム・ウィルクスの2組が新たに「FESTIVAL FRUEZINHO」に出演決定 https://tokion.jp/2022/03/18/festival-fruezinho-2022-part2/ Fri, 18 Mar 2022 03:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=103528 6月に東京の立川ステージガーデンで開催。第1弾で発表したceroとポルトガルのブルーノ・ペルナーダスとあわせて、計4組の出演が決定した。また、愛知と大阪では追加公演を行う。

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【追記:6月21日】東京および大阪公演のタイムテーブルが公開された(名古屋は非公開)。各ライヴの終了時刻は「演奏時間はできるだけたっぷり」という意向のもと記載しておらず、転換の時間も長めに設けている。なお、名古屋および大阪公演には折坂悠太が追加で出演する。

6月26日に東京の立川ステージガーデンで開催されるライヴイベント「FESTIVAL FRUEZINHO 2022」は、追加出演ミュージシャンを発表した。

発表したのは、坂本慎太郎と、アメリカ・ロサンゼルス出身のサックスプレイヤーのサム・ゲンデルとベーシストのサム・ウィルクスによるデュオの2組。第1弾のceroと、ポルトガルのブルーノ・ペルナーダスとあわせて計4組が決まった。

さらに、名古屋と大阪では追加公演を行う。「FESTIVAL FRUEZINHO 2022」翌日の27日には名古屋のライヴハウス・得三でサム・ゲンデルとサム・ウィルクスによるデュオと折坂悠太、28日には大阪のユニバースで同デュオとブルーノ・ペルナーダス、折坂が出演する。

「FRUE」は“魂の震える音楽体験”をコンセプトとして、2012年にクラブイベントとして立ち上がり、2017年に「FESTIVAL de FRUE」がスタート。ジャズやロック、電子音楽、民族音楽などさまざまなジャンルのミュージシャンを国内外から招へいしてきた。今回の「FRUEZINHO」は、ポルトガル語で「小さい」や「かわいらしい」を意味する「ZINHO」から命名した。

■FESTIVAL FRUEZINHO 2022
会期:6月26日
会場:立川ステージガーデン
住所:東京都立川市緑町3-3 N1
時間:開場 13:00/開演 14:30/終演 21:30
入場料:早割 ¥12,000(限定500枚)/前売り ¥14,000/当日 ¥16,000
http://fruezinho.com

■愛知公演(出演:サム・ゲンデル&サム・ウィルクス、折坂悠太)
会期:6月27日
会場:得三
住所:愛知県名古屋市千種区今池1-6-8 ブルースタービル2階
時間:開場 18:00/開演 19:00
入場料:前売 ¥6,000/当日 ¥7,000(完売)

■大阪公演(出演:サム・ゲンデル&サム・ウィルクス、ブルーノ・ペルナーダス、折坂悠太)
会期:6月28日
会場:ユニバース
住所:大阪府大阪市中央区千日前2-3-9 味園ユニバースビル B1
時間:開場 18:00/開演 19:00
入場料:前売 ¥9,000/当日 ¥11,000

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さまざまな苦しみや思想を超えてーー折坂悠太の『朝顔』に宿る、「願い」の本質 https://tokion.jp/2021/04/02/asagao-by-yuta-orisaka/ Fri, 02 Apr 2021 06:00:00 +0000 https://tokion.jp/?p=25611 現代の生活に対して安易な希望を提示することはできない。人々に寄り添うような『朝顔』の5曲はどのようにして生まれたか?

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2018年に折坂悠太が発表したアルバム『平成』は平成元年生まれの彼自身の姿を重ね合わせながら1つの時代の幕引きを描く、壮大ながらも強く“個”が出た作品であった。まとまった音源作品としてはそんな傑作『平成』以来、約2年半ぶりとなるミニアルバム『朝顔』が完成した。フジテレビ系月曜9時枠ドラマ『監察医 朝顔』の2シリーズ続いて主題歌となった「朝顔」を核として、シーズン2から新たに挿入歌となった「鶫」を含む5曲が収録。全曲に導入されている波多野敦子によるストリングスがサウンドを象徴しつつ、大衆の想いを引き受けて願いをささげるテーマが通底した、いわば『平成』と対極をなす“公”の歌にトライアルしたコンセプチュアルな作品だと言えるだろう。本作の生まれた背景と、折坂が今の時代に寄り添う「願い」にフォーカスして本人に話を聞いた。

「ドラマのタイアップ曲で終わらせず、自分なりの形で結実させたかった」

――2019年に発表した楽曲「朝顔」が再びドラマ主題歌となる中で、今回改めてご自身でリリースすることになった経緯から聞かせていただけますか。

折坂悠太(以下 、折坂):もともとシングル「朝顔」のリリースは配信だけだったんですけど、CDでも出そうというのがスタートです。ドラマを観ている方や自分の親戚、地元の友達にも「CDないの?」と言われるんですよ。CDで聴かない人が増えているといってもまだばかにできないものがあるなと。また今回「鶫」を新しくドラマのために作ることになったんですが、その2曲をつなぐ対句のような曲を作っていこうとなり、最終的には5曲入りになった形です。

――その「朝顔」と「鶫」に加えて、ミニアルバムとして仕上げたのはどういう狙いでした?

折坂:「朝顔」も「鶫」もこれまでの自分だけで判断できる曲作りとは違って、ドラマとすりあわせながら作っていったので苦労したんですよね。今までやってきた音楽とは別のベクトルの物差しがある中で、自分をいかに打ち出せばいいのかのキワキワを突いていくような作業でした。そうやってできたこの2曲には格別の思い入れがあるんですけど、一方で異質な感じがしていて。自分の音楽とはちょっと溝があるような……。だからドラマのタイアップ曲で終わらせず、自分なりの形で結実させたかった。だから2曲をシングルにするのではなく、そこに橋を架けてくれるような曲と一緒に出そうと。

――なるほど。「鶫」に関してドラマに提供する2曲目としての難しさはありましたか? 本作には「針の穴」という曲も収録されていますが、この言葉にも表れているような気がしていて。

折坂:まったくその通りなんですよ(笑)。「針の穴」というワードを思いついたきっかけは「鶫」を作ることに苦戦していた最中でした。「朝顔」も苦労しましたが、「鶫」はそこに加えて、「朝顔」をある種の基準として作る必要があったので、すごく複雑に考えてしまって。完成するまでに半年くらいかかりました。

――苦労を重ねた結果、「鶫」はどのようなテーマで作られましたか?

折坂:まず「朝顔」はポジティブで希望のある歌でもありますが、ちょっと憂いがあると捉えていて。もうここにいない人に対して思う気持ちとか、逆にもういない人はどう感じているのだろうかというのがテーマでした。その次の曲として「鶫」を作るタイミングで自死のニュースが入ってきたり、新型コロナで自粛期間になったり、嵐が来ていることを感じて、やっぱりこの状況を踏まえないと自分の表現として成り立たないなと。そこで出てきた歌詞が“夜が明ける”という簡潔で、ある種使い古されている言葉でした。

――“夜が明ける”には「朝顔」を象徴する歌詞“願う”の対句にも感じられます。この言葉を選んだ意図をもう少し教えていただけますか?

折坂:「朝顔」で歌われている“願う”は自ら発していますけど、“夜が明ける”はただ今を切り取っているだけで。そこに希望を読み取ることはできるけど、朝を迎えることが怖い人もきっといるでしょう。例えば今にも死んでしまいそうな人に対して、自分は歌い手としてどういう言葉をかけるのか考えていたんですね。そしたら安易に応援したり、希望を掲げたりすることはできなかった。最後のほうに出てくる“どうして 夜は明ける”という言葉には、含みみたいなものを持たせられる気がして。だからただ朝が来るのを一緒に見ている状況を映すことで、寄り添おうとしました。

――今の話は本作には収録されていないですけど、昨年発表された「春」とも共通性を感じました。この曲でも春が来ることをただ切り取っている。でも折坂さんの曲には、どうにか現実をポジティブな方向に持っていきたいというもがきがにじんでいる気がします。

折坂:ポジティブな歌を歌いたいとは思っています。でもそこには前提みたいなものが必要だと考えていて。まず「自分達が今いるところはこうだよね」という部分をちゃんと描かないとそこが活きてこないなと。「朝顔」と「鶫」は表層だけ見るとすごくポジティブだから、どういう状況で歌っているのかという前提や行間をちゃんと補足するのもこのミニアルバムの目的ですね。

――「針の穴」は正しくそんな状況を歌っていますね。

折坂:そうです。“嵐の只中”や“大しけの日”みたいな言葉が出てくる。明日も生きていられるかはわからない気持ちになることが自分にも度々あって。みんなそれぞれいろんな苦しみがある中で生きているということが、コロナになってより可視化された気がするんですよ。そのことを歌にしました。歌詞はただつらいですけど、ポジティブな方向にしたかったので曲調で痛快さを表しています。

――「今私が生きることは 針の穴を通すようなこと」と生活のつらさが表れていますが、どこか大変さをわかってくれることで救われるような心地になりました。

折坂:昨年出した「トーチ」という曲でも「私だけだ この街で こんな思いをしてる奴は」と歌っていて、その感覚とも近いですね。

――また「安里屋ユンタ」は以前からライヴでも披露されている八重山民謡です。このタイミングで収録したのはなぜでしょう?

折坂:ずっとライヴのレパートリーでしたが、「朝顔」が生まれてからは並びで演奏することも多くて。歌詞にある「マタハーリヌ ツィンダラ カヌシャマヨ」は「また逢いましょう、美しき人よ」という意味で、そこがなんとなく「朝顔」のテーマと親和性を感じていたので入れたかったんです。

――そもそも折坂さんがずっと「安里屋ユンタ」を歌っている理由はなんですか?

折坂:不思議と演奏していて気持ちがいいんですよ(笑)。基本的に歌う時は気合を入れるんですが、この曲を歌っている時は、もうなんかお風呂に入っている感覚なんですよね。なぜかはわかりませんが、そういう自分のリラックス状態を引き出してくれるので歌い続けているのかなと。

――インストゥルメンタル「のこされた者のワルツ」にはある種「針の穴」とは対照的に嵐が過ぎ去ったあとの平穏が描かれているような印象を受けました。

折坂:当初は4曲入りの予定でしたが、どれもドラマチックな抑揚を持った歌がそろって。だからもっとフラットな生活のBGMのようなものを入れたくて、録音の直前に作った曲です。ドラマ自体も亡くなったお母さんを思いながら、のこされた人達が生活している様が描かれているので、そこと地続きのイメージでした。

活動初期と現在をつなぐ、「願う」という感覚

――ドラマに合わせて作った曲をしっかり自分の音楽として結実させるための本作ですが、この経験は今後の活動にどう活きてくると思いますか?

折坂:それですよね……正直まだ整理できてなくて。今は「朝顔」と「鶫」という曲を自分の中にようやく落とし込めた感覚です。ドラマが関わるからこそできる曲が作れたという達成感はあるけど、かなり苦労したし、デモを作っている最中はこのままだと自分の音楽を信じられなくなるかもしれないという気持ちにまでなった瞬間もありました。危なかった(笑)。表現者としてこの経験を活かしていきたいですが、どう活きるかわかってくるのはこれからですかね。

――大変な作業ですが確実に新しい扉を開けてくれる機会になったのではないでしょうか。

折坂:そうですね。「朝顔」を作っている時にドラマサイドともやりとりする中で、歌詞も何度か変わっていきましたが、変わる言葉も自分の中から出てくるものじゃないと意味がないと思っていて。それで自分の思いをてらいなくシンプルにそぎ落とした結果、出てきた言葉が「願う」だったんですよね。「こんなことを歌うようになるなんてなぁ」と思っていましたし。

――以前別のインタビューで最初の作品『あけぼの』(2014年)の頃から「『願い』みたいな感覚があったのかもしれない」とお話しされていました。ずっと根底にはあったけど、「朝顔」でようやく歌えるようになったような感覚ですか?

折坂:そもそも自分が音楽を始めた頃は、僕のおばあちゃんに聴かせて良いと言ってもらえるような歌を歌いたいと思っていたんです。つまり日常的に音楽を聴くことがない人、表現や芸術の分野から遠い人に対して、自分の音楽を届けたかった。遠いかもしれないけど、思想や感覚、文化の違いを飛び越えて、ある一部分だけで共有できるのが音楽の気がします。そこには「あなたがどういう人か僕は知らないけど、あなたの幸せを願っています」という前提があると思っていて。だから今、テレビの向こうの人にドラマを通じて「願う」と歌えたのはすごく良かった。自分が歌い始めた時に思い描いていた、自分のおばあちゃんに良いと思ってもらうことともリンクしているなと。

生々しさや揺らぎを見せるライブ

――もう1つ折坂さんの表現の新たな変化という視点で、昨年「FESTIVAL de FRUE」に出演された際のコメントで「自粛前と考え方が少し変わって、ライヴの現場においては音楽をパッケージ化するのをやめようと意識しました」と仰っていました。演奏についてどのような心境の変化があったのでしょうか?

折坂:自分のライヴ表現において何が強みなのかと考えた時に、生々しさやその場の揺らぎにフォーカスするほうが意義のあることじゃないかなと思ったんです。最近のClubhouseとかインスタライヴも確実なものを届けるのではなく、途中の揺らぎの部分に何かを見出すようなものですよね。自粛期間で人に会えなくなって、「何話したか覚えてないけど今日はこの人と出会って楽しかったな」みたいなことは減りましたし、誰かと確かじゃないことを話すような、言い淀んでいる声みたいなものも大事だったなと思えてきて。

昨年12月31日にオンラインで配信された『KEEP ON FUJI ROCKIN’ II〜On The Road To Naeba 2021〜』

――最近インスタライヴをしたり、SoundCloudに多重録音のトラックを上げたりされていますよね。

折坂:プロモーションの意味もありますが、今見てもらいたいのは自分が今生きている姿なんじゃないかなと。だからライヴ表現においては作品としてパッケージされたものではなく、今生きている記録として出していきたい。

――それは昨年ライヴ音源集『暁のわたし』をリリースしたことも影響しています?

折坂:あるかもしれませんね。本当はもっとうまくいった演奏はあったんですけど、あそこに入っている音源は試行錯誤しながらやっているとか、この時の自分がすごく高まってたとか、その場所の空気感が出ているものを重視して選びました。自分のこれまでの音楽の中で自分自身が聴きたいと思うものは、必ずしもバッキバキにうまくいった演奏ではないのかもしれない。

――制作方法もアウトプットの形態も増えていく中で、次のアルバムに向けた狙いは見つかっていますか?

折坂:なんとなくはあるんですけど、まだそれぞれの取り組みで固めてきたものを分解してまた並べなおす作業をするのだろうというくらいです。2019年から京都のミュージシャン達と「重奏」編成(yatchi、senoo ricky、宮田あずみ、山内弘太)をやっているんですが、最近僕がいない時に京都で重奏メンバーに、quaeruの若松ヨウジンさんが入って演奏することもあるんですよね。客観的に見ていてそれがすごくよくって、今このバンドにどんどん引かれていってます。まだ彼らと作品を作れていないので、彼らの良さを最大限に引き出しながら、自分を反映させるようなものをやりたいですね。

折坂悠太
平成元年、鳥取県生まれのシンガー・ソングライター。幼少期をロシアやイランで過ごし、帰国後は千葉県に移る。2013年からギターの弾き語りでライヴ活動を開始。2018年10月にリリースしたセカンド・アルバム『平成』が「CDショップ大賞」を受賞するなど各所で高い評価を得る。2019年7月クールのフジテレビ系月曜9時枠ドラマ「監察医 朝顔」主題歌としてシングル『朝顔』を発表し、2020年11月2日放映開始の続編でも引き続き主題歌を担当している。また、2020年11月20日公開の映画『泣く子はいねぇが』の主題歌・音楽も手掛けた。
https://orisakayuta.jp

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折坂悠太の新曲「春」MVが公開 映画『泣く子はいねぇが』スタッフが制作 https://tokion.jp/2020/11/18/yuta-orisaka-haru/ Wed, 18 Nov 2020 13:00:15 +0000 https://tokion.jp/?p=12187 映画と同じく秋田県・男鹿半島で撮り下ろした映像と、過去のホームビデオを掛け合わせて「巡ってきた季節とつないできた小さな幸せ」を描く。

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シンガー・ソングライターの折坂悠太が、11月18日に配信リリースした新曲「春」のMVを公開した。

「春」は11月20日公開の映画『泣く子はいねぇが』の主題歌で、MVは映画と同じく佐藤快磨(さとう・たくま)が監督を、月永雄太が撮影を担当。映画のロケ地である秋田県・男鹿半島で、主人公の実家として使用した、かつて製鉄所だった場所を借りて撮影された。さらに佐藤監督による「男鹿に吹く風のように歌が始まり、巡ってきた季節とつないできた小さな幸せを描きたい」という思いから、MV内のテレビと中盤から大きく映し出される映像には、約40年前に撮影された男鹿のホームビデオを使用している。

折坂は「春」を制作するにあたり、「この仕事をお受けする前に太賀(主演の仲野太賀)さんから『ラストシーンのその先を観客の皆さんに委ねる部分が多いので、何か一歩踏み出せるものを導いてもらいたい』というメッセージをもらい、そういうポジティブでもネガティブでもない感情を持っているのは母親なのかなと感じた。唯一物語の中で状況を俯瞰して観ている主人公の母親の気持ちで作ろうと思いました」と振り返る。

タイトルおよびテーマについては、「この曲を書いている時の世の中も、確かなことが何も言えない状況だったんです。確かじゃないことばかりだけど、もしかしたら春が待っているかもしれない、今の自分のありさまが春なのかもしれない、ということを映画を観た時に感じてあの一節(確かじゃないけど/春かもしれない)が生まれました」とコメントした。

MVと合わせて、映画の主演・仲野太賀と折坂による対談映像も公開された。かねて折坂のファンだったという仲野が「春」を聴いての感想を、折坂が楽曲制作に対する思いなどを語っている。

映画『泣く子はいねぇが』は佐藤が監督、脚本、編集を務め、企画として是枝裕和が、エグゼクティブプロデューサーとして河村光庸が参加している。佐藤監督が男鹿半島周辺の伝統行事「なまはげ」から「父親としての責任」「人としての道徳」というテーマを見出し、親になることからも、大人になることからも逃げてしまった主人公が、過去の過ちと向き合い、不器用ながらも⻘年から大人へ成⻑する姿を描いたオリジナル作品。9月にスペインで行われた「サン・セバスティアン国際映画祭」のオフィシャルコンペティション部門で最優秀撮影賞を受賞した。折坂は主題歌の他、劇伴も担当している。

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