Tokyo Wish List ―この1枚羽織ればOK! なインパクトアウター3選―

今の気分にフィットする、手に入れたいアイテムをTOKION視点でセレクトする「Tokyo Wish List」。シンプルになりがちな冬のスタイリングだけど、その日の気分次第ではスパイスの効いたコーディネートにもチャレンジしたいところ。そこでおすすめしたいのが、デザインや素材などで遊びの効いたアウター。寒い季節は、個性派アウターをスタイルに取り入れて、軽やかに、そしてプレイフルに乗り越えてみては。

sacai

三位一体のトランスフォーマー

これは、MA-1ジャケット? それともデニムジャケット? いや、よく見てみるとトレンチコート!? まさに秋冬の人気アウターのデザインが3 in 1になったような「サカイ(sacai)」のブルゾン。異なるアイテムのデザインやパーツをつなぎ合わせることで、新しいデザインを再構築する「サカイ」らしく、そのボディはデニムジャケット、袖口や裾のリブ部分はミリタリーのMA-1ジャケット、そしてアシンメトリーな襟が印象的な首元は、トレンチコートのカラーからインスパイアされている。
いくつものアウターのアイデンティティが1着に落とし込まれながら、それぞれが不思議とラフに調和し、新たな個性を放つ別のアイテムとしてトランスフォームしている。後ろ身頃は、前よりも少し長めになっていて、ギャザーを寄せてふわりとさせた、これまた「サカイ」らしいアイコニックなバックスタイルも健在。気骨あふれるメンズライクなディテールの中に、エレガントさを忍ばせている。

サカイ 03-6418-5977

mister it.

着こなし方はあなた次第

TOKIONでインタビューを行った「メゾン マルジェラ」出身の日本人デザイナー、砂川卓也が手掛ける「ミスターイット(mister it.)」。今季リリースされている新作コートは、着方次第でその表情をいく通りにも変化させることができる1着だ。
まず目を引くのは、少し朱がかかった、落ち着きのある赤の色合いに、リラックス感のあるコクーンシルエット。一見ダッフルコートのようにも見えるけど、内側のボタンを留めるとウエスト周りが絞られたような形になったり、フードが半分だけ絞れるようになっていたり、装飾に長めのベルトがついていたり、とにかくひと筋縄ではいかない。そう、これでもかというほどに遊びが効いた構築的なデザインとなっている。さらにリバーシブルで着ることもできて、裏返すと白のパイピングと縫い目がアクセントになって、また違った表情を見せてくれる。その日の気分に合わせて、着こなし方はあなた次第。この冬の、“同一アウター七変化”にトライしてみては? なお、ブランド名が入ったハンガーカバーとハンガーはアイテムを購入するとセットで付属するグッズとなっている。

ミスターイット contact@misterit.jp

FORSOMEONE × MIYAGIHIDETAKA

徹底した完璧な1点主義

2018年にコスチュームプロデューサーの小川哲史によりスタートした「フォーサムワン(FORSOMEONE)」。同ブランドが、ヴィンテージ感やリメイクした雰囲気のアイテムが国内外で人気を集めるブランド「ミヤギヒデタカ(MIYAGIHIDETAKA)」とコラボレーションしたアウターが登場した。本作は、裁ち切りのムートンがワイルドな魅力を感じさせる1着。上質なシープムートンファーを使用しており、さらにディテールには余分なパーツを使わずに仕立てていて、その見かけとは裏腹に驚くほど軽い。そして注目すべきところは、ボタンにあたる留め具の部分までもすべてムートン素材で仕上げるという徹底ぶり。スムースなスウェード素材の襟元やポケット口、パーツのつなぎ目の部分から顔をのぞかせるモコモコとしたボア素材もキュートだ。その素材を生かしミニマリズムを極めてそぎ落とされたデザインは、主役級の存在感を放っている。

エドストローム オフィス 03-6427-5901

Photography Erina Takahashi
Styling Norie Kurakata
Text Eri Imamura

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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