永遠のベーシックであり、2022年のトレンド。デニムアイテム3選――連載「Tokyo Wish List」

今の気分にフィットする、手に入れたいアイテムをTOKION視点でピックアップする「Tokyo Wish List」。いつの時代もひとびとを魅了する定番と言えば、デニム。今年はトレンドとしても注目されており、さまざまなスタイルに進化した個性派デニムがバリエーション豊富にラインアップされている。ベーシックから大胆な遊びを効かせたデニムまで、今の気分にフィットする1着を見つけてみては。

Maison MIHARA YASUHIRO

不安定な中に見出す美しさ

パリコレで活躍するなど、日本を代表するブランド、「メゾン ミハラヤスヒロ(Maison MIHARA YASUHIRO)」。ここ数年は新型コロナウイルスのパンデミックの影響もあって、オンラインにて参加しているが、、そんな彼の旅への憧憬を表現するかのように、空港のターミナルを舞台にしたムービー形式で発表された2022年春夏のコレクション。プレゼンテーションの中で登場したのは、数々の個性的なデニムスタイルだ。ヴィンテージのムードを漂わせているのはもちろん、シルエットや構造を再解釈して、2つのパーツを1つのアイテムに落とし込むことで、アンバランスで不完全、まるで作業の途中であるかのような不安定な美しさを放っていた。
今回ピックアップしたアイテムは、2つのデニムスカートを解体して、1つのデニムスカートに仕立てたような構造が特徴的。風合いの異なるデニムをつなぎ合わせたり、縫い合わせずにそのままにしているパーツがあったりと、レイヤードしているかのような奥行きと立体感がおもしろい。バックダグにはQRコードがついていて、スマホをかざしてみると読み込むことができる。どのサイトに飛ぶのかは、自身で試してほしい。デニムという永遠の定番アイテムに、思う存分遊び心を反映させたアイコニックな1作だ。

メゾン ミハラヤスヒロ 03-5770-3291

JOHN LAWRENCE SULLIVAN

大胆なアティチュードをシルエットに込めて

“屈強なエレガンス”と評される「ジョン ローレンス サリバン(JOHN LAWRENCE SULLIVAN)」。美しいテーラードスタイルなど、凛とした女性の美しさを引き出すマニッシュなアイテムが特徴的だ。そんなボトムスのシルエットの美しさにも定評のある同ブランドから登場したのは、太もも部分を大胆にカットアウトした挑発的なデニムパンツ。マニッシュで美しいシルエットラインの、太もも部分を大胆にカットすることで、センシュアルなムードを醸し出している。そんなカットアウト部分からのぞく肌感は、定番のデニムスタイルにエッジィさをプラスしてくれる。インナーにボディスーツ、柄のあるレギンスやタイツを合わせて、柄を見せるようにコーディネートするのもおすすめ。ウォッシュのかかったデニムの風合いが、どこか1980年代をほうふつさせてくれる。カジュアルスタイルの定番に、フェティッシュなムードをたたえたニュースタイルを、大胆に穿きこなしてほしい。

ジョン ローレンス サリバン 03-5428-0068

TANAKA

いつも、誰にでも寄り添うデニムジャケット

ニューヨーク在住の日本人デザイナー、タナカサヨリが手掛ける2018年にデビューした「タナカ(TANAKA)」。ヴィンテージにも造詣の深いデザイナーが、海外をベースにしながらもプロダクトの生産拠点を日本にもこだわるなど、日本の技術の高さを世界に向けて発信している。“これまでの100年とこれからの100年を紡ぐ衣服”をコンセプトに、サステナビリティや多様性にも軸足を置きながら、普遍的で日々の暮らしにフィットする服を提案している。
そんな「タナカ」を象徴するアイテムでもあるニュークラシックジーンジャケットは、広島県福山市に拠点を置き、1893年に手織正藍染絣を製造する機屋として創業した老舗デニムメーカーで、昨今では世界の高級メゾンからも人気のクオリティの高いデニムを製造する「カイハラ(KAIHARA)」と共同開発をしたデニムを使用している。ヴィンテージのデニムジャケットの仕様をベースにしており、フロントにタックを寄せ、リベットをあしらった特徴的なデザインとなっている。すっきりとしたボックスシルエットで、丈感も短くコンパクト。タイムレスでありながら、シームレスで、ジェンダーレス。デザイナーにとってもなくてはならないものというデニムへの深い愛情と、着る人に寄り添う姿勢が美しい。

タナカ https://www.tanakanytyo.com

Photography Erina Takahashi
Styling Norie Kurakata
Text Eri Imamura

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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