「ルイ・ヴィトン」が1854年に初めて店を構えたパリのカプシーヌ通りにちなんで命名されたバッグ<カプシーヌ>。2019年に現代アーティストが独自の視点で<カプシーヌ>を再解釈した“アーティーカプシーヌ コレクション”を発表した。今回は、第2弾として、新たにベアトリス・ミリャーゼス、ジャン=ミシェル・オトニエル、ジョシュ・スミス、ヘンリー・テイラー、リウ・ウェイ、ザオ・ザオら6人の現代アーティストが手掛けた作品を発表する。各モデルは全世界200個限定で10月30日に発売。
同ラインは「ルイ・ヴィトン」のニュークラシックなバッグ<カプシーヌ>をキャンバスにして、各アーティストの世界観を表現する。今回、選ばれた世界的に活躍する著名なアーティストは、べアトリス・ミリャーゼス、ジャン=ミ シェル・オトニエル、ジョシュ・スミス、ヘンリー・テイラー、リウ・ウェイ、ザオ・ザオ。彼らがアイコンバッグである<カプシーヌ>を繊細かつ洗練されたかたちで再解釈する。メゾンのユニークかつ革新的なエスプリとクラフツマンシップを生かし、 アーティスト達のアイデアを存分に実現できる状況をサポートする。
べアトリス・ミリャーゼス
べアトリス・ミリャーゼスが“アーティーカプシーヌ コレクション”のために特別制作した作品がべースになっていて、彼女のユニークなアート技法と「ルイ・ヴィトン」の高度な職人技がクロスオーバーする。18種類のレザーを同じ厚さに加工し、寄木細工の技法を用いてラムスキンレザーの“カプシーヌ”バッグに落とし込んだ。多種多様な質感と万華鏡のように美しい仕上がりが特徴の “カプシーヌ”には、シリコンジェルが注入された金箔と浅浮き彫りのピースサインが2つ施されている。LVロゴにはエナメル象眼とジェルを用いている。
ジャン=ミシェル・オトニエル
まるで優美で楽しげなオブジェのようなジャン=ミシェル・オトニエルによる“アーティーカプシーヌ コレクション”。バッグの素材は複雑に手織りされたラフィアヤシで、上部のエッジには、オートクチュールで使用されるブラックサテンシルクの手刺しゅうによる縁飾りがあしらわれている。モダンなタッチが印象的なハンドルは、オトニエルの代表作でもある、パリの地下鉄駅出入口の作品『夢遊病者のキオスク』を連想させる黒の樹脂ビーズで作られている。印象的な3つの樹脂ビーズのチャームがアクセント。
ジョシュ・スミス
ニューヨーク在住のアーティスト、ジョシュ・スミスは、シグネチャーである自らの名前を描いた「ネーム」ペインティングを用いた。作品を再現するために、バッグの素材となるコットンキャンバスの外側に白いステッチで刺しゅうを施し、筆致を忠実に表現することで奥行きを生み出した。次に、生地とステッチに入念にプリントしてから、自分の名前を“カプシーヌ”全体に刺しゅうした。<カプシーヌ>の LV シグネチャーは、ウッド素材がはめ込まれたメタルを使用。一方、ハンドルは無垢のペアウッド。ライニングのシルクには、目を惹く鮮やかな色彩の作品「Palm #3」がプリントされている。
ヘンリー・テイラー
カリフォルニア出身のアーティスト、ヘンリー・テイラーは、2017 年に発表した作品「A young master」に、最先端のレーザープリントと伝統的な寄木細工の技術を組み合わせた。表 情豊かなポートレートのモデルは、アメリカ人アーティストで、LAの「アンダーグラウンドミュージアム」の設立者であるノア・デイヴィス。この作品をレザーの上に忠実に再現した。さまざまなテクスチャーも正確に表現するために2D および 3Dプリンティングのあらゆる方法が要求され、その実験は 100 回以上にも及んだ。その後、バッグのトリヨンレザーの背景が「空白のキャンバス」として使用され、正確さと高度なテクニックが要求される寄木細工の技法を用いて、立体感のある肖像画がはめ込まれている。結果、浅浮き彫りで表現したポートレートが完成した。
リウ・ウェイ
北京在住のアーティスト、リウ・ウェイは、さまざまな媒体で発表している、挑発的かつ分類不能な作品で知られている。彼がデザインした<カプシーヌ>は、2019ヴェネツィア・ビエンナーレで展示された大規模インスタレーション 『Microworld(微視世界)』に基づいている。それぞれサイズが異なるアルミニウムの花びらの正確な形状と角度を綿密に計算しながら、5 種類の銀色のレザーを用いることで、作品を再現。花びらは<カプシーヌ>の外側に直接はめ込み、「LOUIS VUITTON」と刻印されたリべットで取り付けた。ハンドルはブラックのプレキシグラス製。レトロフューチャリスティックなタッチで金属製の球体で装飾されたリングで固定されている。1つひとつ取り付けられた球体は、オリジナルのインスタレーション同様に、それぞれが異なる仕上がりになっている。
ザオ・ザオ
中国人アーティストのザオ・ザオは、2018年に制作した彫刻「In Extremis No.3」から着想を得た。作品を完成させるための金属片はバッグの制作において、レザーに変換され、1 つのバッグに対して、5 種類のレザーをレーザーカットすることで353枚の小さなパッチを作り上げた。この大量のパッチは、手刺しゅうや機械刺しゅうなど7つの異なるパターンでプリント、レリーフに加工される。その後精密なデザインレイアウトに従って、パッチを組み合わせ、単一のパネルに丁寧に縫い合わせた。完成したパッチワークのパターンは、バッグの表面を覆い、まるでザオ・ザオのオリジナル作品が“カプシーヌ”全体にぴったりとフィットするように作られているかのような印象を受ける。