「ザ・サルベージズ」の美学が宿る、音楽・映画のコラージュ 新コレクション“Hybrid Creatures”にまつわる作品への思い入れを創設者にきく

「TOKiON the STORE」で2月4日に発売した、「ザ・サルベージズ」の新コレクション“Hybrid Creatures”では、創設者のアーン・チェンとデザイナーのニコレット・イップが影響を受けた音楽や映画のモチーフを再構築したTシャツとスウェットを展開している。英ゴシック・ロック・バンドのジャケットの目にフォーカスしたアートワーク、“HEAD”という単語をもとにした米音楽と映画のコラージュ、1970年代ニューヨークのギャングカルチャーとジャマイカのレゲエ隆盛を描いた映画の掛け合わせなど、そのコラージュの妙には2人が数々の作品群に触れてきた経験と「ザ・サルベージズ」の美学が表れている。発売に合わせて@fuckingshunが撮影した、モデルのHIMAWARIとALIのCesarのフォトビジュアルも公開した。今回のコレクションについて「僕はこれらのアルバムジャケット、音楽、映画に触れながら育ったよ。僕とニコレットの中では、これらの美的センスやグラフィック、言葉などが共通してあると感じている。そして、すべてがどことなく結びついているように思う。そこで僕達はそれらを紡ぎ合わせることにしたんだ」と語るアーンに、それぞれのバンドや映画について、思い入れを語ってもらった。

スージー・アンド・ザ・バンシーズ


ボーカルのスージー・スーは僕たちの時代の最高にアイコニックな女性であり、ニコレットが好きな女性アイコンの1人だよ。スージーは確固たるスタイルを持っていて、実に優美だ。僕は1988年にスージー・アンド・ザ・バンシーズのライヴを見に行ったんだけど、彼らのパフォーマンスに強い衝撃を受けたよ。それにこの目のグラフィックは、ピーター・マーフィー(バウハウスのフロントマン)の目にとても似ているんだよね。

バウハウス


僕はバウハウスにはかなり影響を受けているよ。バウハウスが全盛期の時、僕はまだ幼かったけど、その後ラヴ・アンド・ロケッツ(バウハウス解散後にピーター・マーフィーを除いたメンバーで結成された)やソロのピーター・マーフィーを見ることができた。10代の頃、バウハウスをよく聴いていたし、彼らのMVもよく見ていた。彼らもまたスージー・アンド・ザ・バンシーズのように、完璧なスタイルとアティチュードを持っている。今回採用した目のプリントは、このバンドの最もアイコニックなTシャツだ。

ディス・モータル・コイル『フィリグリー・アンド・シャドウ』


僕はコクトー・ツインズやデッド・カン・ダンス、ピクシーズなどが所属する4ADのファンだよ。とりわけ、このレーベルのスーパーグループ、ディス・モータル・コイルが好きなんだ。『フィリグリー・アンド・シャドウ』は彼らの2枚目のアルバム。もちろん、アルバムジャケットの目のグラフィックも気になってる。

トーキング・ヘッズ『リメイン・イン・ライト』


トーキング・ヘッズの『リメイン・イン・ライト』は僕のお気に入りのアルバムの1つ。プロデューサーはブライアン・イーノだよ。デヴィッド・バーンとデヴィッド・リンチの組み合わせはなんとも絶妙。そう思わないかい?

『イレイザーヘッド』


1980年代、僕が10代前半の頃、バウハウスのメンバーのデヴィッド・Jが『イレイザーヘッド』のTシャツを着ている写真を目にしたんだけど、あとでそれがデヴィッド・リンチの名作カルト映画であることを知ったんだ。

『ウォリアーズ』


この映画を見たのは、僕がまだ10歳になったばかりの頃だ。当時はすごくイケている映画だと思ったよ。最近、改めて見たんだけど、今でもとてもかっこいいと感じた。時代を問わないクラシック作品だよね。

『ロッカーズ』


僕はこのジャマイカの映画のファッション、音楽、カルチャー含めすべてが好きなんだ。中でも一番良いのはリチャード“ダーティ・ハリー”ホールがDJブースを乗っ取るシーンだね。

Translation Ai Kaneda

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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