weberが和製ポップアートの先駆け、タイガー立石のTシャツを発売 『タイガー・ゲルニカ』モチーフの2型

“店舗を持たないノマドな古着屋”のweberは、アーティストのタイガー立石とのコラボTシャツ2型を発売する。weberのオンラインストアでは7月18日12時から19日23時59分まで先行予約を受け付けるほか、7月20日から「千葉市美術館」と「青森県立美術館」で販売する。

今回のコラボは、weberが回顧展「大・タイガー立石展 POP-ARTの魔術師」を「千葉市美術館」で見て感銘を受けたことがきっかけとなり、今月20日から「青森県立美術館」で同展が開催されることを記念して実現した。実際に美術館へ足を運んでほしいという思いから、販売店も限定している。

モチーフは、パブロ・ピカソを敬愛していたタイガー立石が『Mao’s Dimension』(1970年)というコマ割りの油彩画の下部に描き、同年に板絵の別作品として制作した『タイガー・ゲルニカ』。作品をシンプルにプリントしたTシャツ(¥6,000)は、古着市場で高騰しているピカソによる『ゲルニカ』のTシャツへのオマージュとして、グラフィックのサイズや場所、コピーライトの文言を忠実に再現した。タイガー立石の特徴であるカラーリングを活かすために、4色分解と特色3版のハイメッシュシルクスクリーンでプリントしている。

もう1型(¥5,000)は、『タイガー・ゲルニカ』の中から毛沢東が語ったとされる造反有理(反逆には道理があるという意)の順番を入れ替えたグラフィックを抜き出してプリント。作品の色合いを調整した上で、4版のシルクスクリーンで仕上げた。また、バックにweberのロゴを入れ、カラフルさを演出した。どちらのTシャツにもタイガー立石のコピーライトが入る。

タイガー立石(本名は立石紘一)は、1941年生まれのアーティスト。時代や社会を象徴する人物、イメージなどを引用した作品を数多く制作して和製ポップアートの先駆けとして注目を集め、一方で新聞でのナンセンス漫画の連載も持っていた。1969年にはイタリアのミラノに移住し、漫画からヒントを得たコマ割り絵画を精力的に制作しながら、デザイナーや建築家と協業して数多くのイラストやデザイン、宣伝広告なども手掛けた。1982年に帰国し、1990年以降は絵画や陶彫作品を立石大河亞、漫画や絵本をタイガー立石の名義で発表した。1998年に逝去したが、今年4月から「千葉市美術館」を皮切りに、約250点の作品や資料を展示する巡回展が開催されている。

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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