Tokyo Wish List ―ファッションで楽しむ音楽と芸術―

今の気分にフィットする、手に入れたいアイテムをTOKION視点でピックアップする「Tokyo Wish List」。今回は、芸術の秋にちなんで、音楽やアートを取り入れたファッションアイテムにフォーカスする。音楽は聴くもの、芸術は観るもの、と決めつけずに着るという行為を通すことで、また違った発見もあるはず。

Adult Oriented Robes × Hiroshi Nagai

自分だけの“音楽”をダウンロードできるウェア

今回ピックアップしたジャケットとパンツそれぞれには、購入者のみがダウンロードができる楽曲が用意されているという、まさに“音楽”を聴き、着ることができる斬新なアイテム。具体的にどういったことかというと、各アイテムにはタグが付いていて、そのタグに記されたコードを入力すると音楽アプリ(Bandcamp)から、曲がダウンロードできる仕組みとなっている。
そのような画期的なテクノロジーを搭載したウェアを提案するのは、東京・代々木上原にあるレコードショップ兼レコードレーベル「アダルト オリエンテッド レコーズ」で、“Sound Clothes”をテーマにユニセックスウェアを手掛けている。
そして、音楽を聴くことができるだけではなく、各アイテムにはショップと深い関係を持つ、人気イラストレーターの永井博の作品が落とし込まれており、視覚的にも楽しめるようになっているのも魅力的だ。もちろん、生地にもこだわっており着心地もよいので、これからの季節に重宝したい。

イルイマジン ランドスケープ 03-5738-2045

soe

作家と写真家のエッセンスが落とし込まれたロングシャツ

東京を拠点に、東京的手法をもって、東京的リアルクローズを提案する「ソーイ(soe)」から、写真家の猪原悠の作品を落とし込んだシャツがリリースされている。まず今季の「ソーイ」は、コロナ禍においてまた再び注目を集めている、ジョージ・オーウェルの『1984』から着想を得たコレクションを展開しており、本アイテムもそのコレクションの一部。写真家の猪原悠によるトルコ中央部でのロードトリップ作品集『Kangal』に収録されている作品の一部をバックに大きく配し、ジョージ・オーウェルの『1984』の一節をプリントするなど、アート性の高いデザインが魅力的だ。
フライトジャケットのディテールを随所に落とし込むなど、独創的なシルエットも申し分なし。これからの季節のメインやアクセントにも使える1着となっている。

M.I.U. 03-5457-2166

ALMOSTBLACK

抽象画家、白髪一雄の作品と融合した芸術的ウェア

以前、TOKIONでもインタビューを行ったデザイナーの中嶋峻太が手掛ける「オールモストブラック(ALMOSTBLACK)」は、“日本の美意識”と世界中の美術や音楽といったカルチャーを融合させたコレクションを展開するブランドだ。そんな現代の日本らしさを追求する「オールモストブラック」が今季提案しているのは、世界的にも高い評価を得ている抽象画家の白髪一雄とのコラボレーション。白髪とその妻の富士子の作品をモチーフとして取り込み、コレクション全体で表現している。
その中で今回ピックアップするのは、ゆったりとしたシルエットのニット。フロントに落とし込まれた作品はもちろんのこと、生地にカッティング加工を施すことで2人の作風を表現していたりと、随所にそのエッセンスが注ぎ込まれている。ファッションを通じて、アートに触れてみるのも、また新しい発見や気付きがあるのでは。

オールモストブラック info@almostblack.jp

Photography Erina Takahashi
Styling Takuya Raita

author:

TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

この記事を共有