1889年生まれの映画監督カール・テオドア・ドライヤーの特集上映が開催 『裁かるゝジャンヌ』や『奇跡』など4作品

デンマーク出身の映画監督カール・テオドア・ドライヤーの特集上映「奇跡の映画 カール・テオドア・ドライヤー セレクション」が開催。作品は、12月25日から東京・渋谷の「シアター・イメージフォーラム」をはじめとした全国の映画館で順次公開する。

カール・テオドア・ドライヤーは、1889年にデンマーク・コペンハーゲンで生まれ、79年の生涯で長編14作品を発表。人間、特に女性の心の本質を見つめ続けた作品は、ジャン=リュック・ゴダールやアルノー・デプレシャンら、さまざまな映画監督に影響を与えている。

今回の「奇跡の映画 カール・テオドア・ドライヤー セレクション」では、ジャンヌ・ダルクを描いた無声映画の金字塔『裁かるゝジャンヌ』、魔女狩りが横行した混沌の時代を映し出した『怒りの日』、家族の葛藤と信仰の真髄を問い、「ヴェネチア国際映画祭」の金獅子賞を受賞した代表作『奇跡』、愛を探し求め続けた1人の女性の姿を捉えた遺作にして集大成の『ゲアトルーズ』の4作品を上映。いずれもデジタルリマスタリングされている。ポスタービジュアルは、『裁かるゝジャンヌ』の主人公を演じたルネ・ファルコネッティの物憂げな表情を5色のグラデーションで彩ったものになっている。

特集上映にあわせて、 映画評論家の蓮實重彦が、「古典的であることが奇跡のように前衛性に通じてしまうドライヤーの作品は、どれもこれもが傑作である。あえて1本というなら『奇跡』を挙げようが、彼のすべての作品を見ていなければ、映画について語る資格はないと断言したい」とコメントを寄せている。

author:

TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

この記事を共有