「ボッテガ・ヴェネタ」がアフリカ系移民の創造や対話を広げるカルチャーマガジン『エール・アフリック』を刊行

「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」は、アフリカ系移民たちの創造性や対話を生むための新しいプラットフォームとして、カルチャーマガジン『エール・アフリック(Air Afrique)』をパリのポンピドゥー・センターで行われたイベントで発表した。

パリを拠点に活躍する若手クリエイター達のアイデアから生まれたこのマガジンは、航空会社「エール・アフリック」にちなんで名付けられた。航空会社「エール・アフリック」は1961〜2002年に、セネガル、中央アフリカ共和国、カメルーン、コートジボワール、ガボン、ベナン、ブルキナファソ、モーリタニア、ニジェール、コンゴ、チャドといったアフリカの国々が共同で運航していた。独立して間もない国々や、パン=アフリカニズム的な理想を象徴していたこの航空会社は、国境を行き来する交通手段でありながら、アートやカルチャーにおいて主要なパトロンでもあった。

「ボッテガ・ヴェネタ」は「エール・アフリック」とパートナーシップを結び、マガジンの創刊をサポートする他、読者参加型コミュニティの構築とつながりを支援するためのプラットフォームやイベントを提供する。紙媒体メディアとの取り組みは2022年にクィアカルチャー雑誌『BUTT』の復刊を支援したことから始まった。

カルチャーマガジンの『エール・アフリック』は、これまでに航空会社が行ってきた文化支援の記録と、フランス人やフレンチ・カリビアン、アフリカ人等さまざまな国にルーツを持つアーティストによる現代的なアプローチのコンテンツを掲載する。同誌は、航空業界の文化的ヴィジョンやアフリカ大陸の文化的、歴史的な多様性にフォーカスした機内誌「バラフォン(Balafon)」を踏襲しており、フランス語と英語の2か国語で発行する。アフリカの精神と激しさを内包しつつも確かな美学を融合させたマガジンは、アフリカの文化的遺産を伝え、国境を越えた創造性や意見交換のきっかけを作り出す。

クリエイター集団「エール・アフリック」の創設者兼クリエイティブ・ディレクターのLamine Diaouneは、「『エール・アフリック(航空会社) 』が体現していたアフリカの優れた文化を再生したいのです。私達の使命はアフリカの伝統を守り、『エール・アフリック』を文化交流の場に再び登場させ、文化を伝えていくための足掛かりを作ることです。」と語る。共同創設者のDjiby Kebeはこれに続けて、「『エール・アフリック』が歩んできた記録を共有し、黒人に対する意識や行動が変わる瞬間を捉え、これからの私達自身の記録も残していきたいです。」と話す。

さらに、マガジンの発売を記念して、「ボッテガ・ヴェネタ」のフランス系スーダン人デザイナーであるAbdel El Tayebが特別にデザインしたブランケットも数量限定で販売する。このブランケットは、「ボッテガ・ヴェネタ」のアーカイヴコレクションから最高品質のウール、シルバーレザー、シアリングを使用しており、仕上がりが1つ1つ異なる。「エール・アフリック」のアフロ・フューチャリズムを思わせるブランケットのデザインは、El Tayebの母親が着ていたスーダンの伝統衣装“トーブ”の色鮮やかなパターンからインスピレーションを得ている。

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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