渋谷ポップ・カルチャーの源流「NYLON 100%」を再興する音楽イベント「Lost New Wave 100% Vol.1」が開催

1978年にオープンしたニューウェイヴのカフェバー「NYLON 100%」に集ったアーティスト等によるイベント「Lost New Wave 100% Vol.1」が、12月1日に代官山の「SPACE ODD」で開催する。

「Lost New Wave 100% Vol.1」には8 1/2 (ハッカニブンノイチ)とPhew(フュー)、ヒカシュー、SHE TALKS SILENNCE、高木完が出演し、「VIVA Strange Boutique」とのコラボグッズも揃える。

同イベントは10代の終わりと20代の始まりを「NYLON 100%」で過ごしていたDJ・プロデューサーの高木完が発案したことをきっかけに始動。「NYLON 100%」の初代店長・中村直也が昨年亡くなり、その追悼と8 1/2の上野耕路と久保田慎吾から再結成を聞いたことをきっかけにイベントの開催を決めた。

中村はBGMにブライアン・イーノ(Brian Eno)やクラフトワーク(KRAFTWERK)といった環境音楽からジャーマン・ロック、ニュー・ウェイヴを流し、当時他店がヒット・チャートの音楽やオールディーズが主流だった時代に、「NYLON 100%」は完全オルタナティブな姿勢を貫いた。店でのライブも企画し、メジャーデビュー前のプラスチックスをはじめ、東京ブラボー、ゲルニカはデビューギグを行なっている。

8 1/2は1970年代末に千葉で結成。解散後のメンバーの活動は多岐に渡るが、バンドとしては1979年にビクターからリリースされた「東京ニューウェーブ 79」でのライヴ音源とインディーズでリリースされたソノシート、ミニ・アルバムでしか聞くことができない。藤原ヒロシも当時からファンを公言している他、日本でメジャーでデビューしたバンドとしては最古とされているパンク・バンドのアナーキーもデビュー前に聞いた彼等からの影響を認めている。現在のメンバーは映画等の音楽を主軸に活動する上野耕路(キーボード)、久保田慎吾(ヴォーカル)、泉水敏郎(ドラムス)にサポートのベーシストを加えたギターレスの4人組で、1970年代末のビクターのライブ音源と同じ編成だ。

Phewは1979年結成のバンド、AUNT SALLYで活動を始める。1980年、坂本龍一のプロデュースでソロデビュー。その後、ドイツでコニー・プランク、ホルガー・シューカイ等とアルバムを制作。以後も多くのアルバムをリリースし、世界で高い評価を受ける。現在もモジュラーシンセを駆使したソロプロジェクトで日本国内、ヨーロッパで活動を展開している。

ヒカシューは1978年に結成。フリー・ミュージック・シーンでも知られるバンド。メンバーは巻上公一(ヴォーカル)と三田超人(ギター)を中心に現在は坂出雅海(ベース)、清水一登(キーボード)、佐藤正治(ドラムス)。即興と歌が共存する唯一無二の表現を続ける。

■Lost New Wave 100% Vol.1
日程:12月1日
会場:Daikanyama SPACE ODD
住所:東京都渋谷区猿楽町 2-11 氷川ビル B1、2
時間:19:00(オープン)、19:30(スタート)
入場料:前売 ¥5,500円、当日 ¥6,000円(特製バッジ付き)※ドリンク代別途
チケット:イープラスローソンチケットぴあ

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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