連載:Soya Itoの「Boylife in EU」Vol.2 デュッセルドルフのクラブ事情

第2回はベルリン在住のフォトグラファーTaro Logicとの対談です。昨年末ベルリンで過ごした年越しの様子と初めてのベルリンのテクノクラブ体験を回想して、他にも印象的だった出来事を振り返ります。

年末のベルリンで初めてのクラブ体験

Soya Ito(以下、Soya):じゃ、まず自己紹介から。

Taro Logic(以下、Taro):えー、これどっちで言おうか。一応2つあるじゃん?  Taro Logicと本名で。

Soya:まぁ好きな方で(笑)。

Taro:タカヤマユウゴです。

Soya:それで良いの?

Taro:え、ユウゴ タカヤマ? えーじゃあ Taro Logic にしとくか。

Soya:何してる人ですか?

Taro:普段はフォトグラファー、ベルリンではアーティストとして活動してます。

Soya:ベルリンはいつからいるんだっけ?

Taro:2022年の11月かな。

Soya:一昨年の年末に俺がベルリンに留学して、そのタイミングで東京の友達が結構ベルリンに来てたから、みんなでご飯食べようってなって。その時に集合したみたいな。

Taro:そうだね、東京でもSoyaとは会ってたけど、クラブ以外でちゃんと落ち着いて話したのは初めてだった。

Soya:で、年越しのタイミングで俺とユウゴともう1人の友達でクラブに行ったよね、あれがベルリンで初めてのクラブ体験だった。どこだったっけ?

Taro:OXIじゃない? あんま覚えてないけどOXI主催のニューイヤーみたいな感じだった。

Soya:俺もあんま覚えてない、ユウゴがバーカンでクレカ失くしたとこがピークだった(笑)。音楽はどんな感じだったっけ? 地に足ついてるけど若干トランスっぽい上メロあるみたいな感じだったかも?

Taro:結構トランシーな感じじゃなかった? あとその時、こっちの DJ ってクラシックだって話したよね、客がその時求めてる音とかバイブをしっかり提供するというか。DJ Fuckoff(ベルリンのユースに人気を誇るベルリン在住の DJ)とかは本当そうな気がする。東京にもそういうプロい人達いるけど、レベルが違った感じがした。

Soya:あと空間も良かったね。

Taro:そうそう。広めのラウンジスペースがあって、そこでみんなでゆっくりできる感じの。

Soya:神宮前のボノボの 2 階のノリを感じたね。OXI自体はフロアが3つあって、メインフロアとサブ、それにそのラウンジがあって、そこでもDJがBGMみたいな感じで音楽かけてて、みんなのコミュニケーションの場になってた。

Taro:あと日本との違いで言うとキュー(列)の⻑さってのがあるよね。

Soya:それは本当に違うね、並ぶことができないからキツかった。ベルグハイン(Berghain)も5時間とかザラに並ぶっていうし。その日は大晦日の23時くらいに着いたんだけど、列が⻑すぎてそのままその列の中で年越したね。

Taro:逆に外で年越せて良かったかも? 花火も見れたし。

Soya:OXIってベルリンのクラブの格付け的にはどんなポジションなんだろう? ベルグハインとかトレゾワ(Tresor/ベルグハインに次ぐ、ベルリンの老舗テクノクラブ)とかの名門クラブと、SameheadsとかPunkeとかのローカルアンダーグラウンドの中間って感じがするけど。他と比べると客層とか音はライトってか普通な感じだし、ポジ的には中間テックハウスなのかな。

Taro:東京でいったらContactみたいな感じかな?

アンビエントリスニングバー「Kwia」

Soya:イベントとか規模感的にはそうかも。年始の滞在の時は他に何したっけ? HOR のオフィスに凸ったのは覚えてる。

Taro:あれ、今考えると結構、おかしなムーブだったと思う(笑)。

Soya:HORっていうDJのオンラインストリーミングプラットフォームがあって、⻩緑のバスルームが特徴なんだけど、当時それに出たくて。メールで自分のミックスとか送りつけたりしてたんだけど、一向に返信が来ないからムカついて、そのままオフィスに1人で凸って交渉しに行った。結局そこには配信担当の人しかいなくて、その人にいろいろ説明してメール見るように言ったんだけど、「配信担当だからブッキングはわかんない」とか言われて。相手にしてもらえなかった(笑)。

Taro:なんか凸る前からキレてたし。あたかも「ブッキングされてたのに蹴られた」みたいなスタンスだったから俺びっくりした(笑)。

Soya:結局それは功を奏さなかったけど(笑)。

Taro:そうだね。あとそれでいうとKwiaも行ったじゃん!

Soya:そうそう、Kwiaっていうアンビエントリスニングバーがベルリンにあって。箱とバーの中間みたいなベニューなんだけど、そこではDJが流す音楽に指定があって、例えばテクノ禁止とか、うるさい音楽は流しちゃダメとか。箱自体もおもしろくて、入り口でみんな靴脱いで、フローリングのフロアとかソファとか椅子に座ったりする。ドリンクもお酒以外にめっちゃうまいお茶とか竹ベースのジュースがあって超チルなの。音楽も主にアンビエントとかエクスペリメンタルとかがかかるんだけど、1 月頭に初めて遊びに行った日はSpecial Guest DJがオールナイトでDJしてて。Shyて名前なんだけど、Shyは確かその1週間前くらいまで日本でツアーしてたらしくて、共通の友達も何人かいたと思う。オールナイトで朝までShyが1人で回すって聞いてたから、内心しめしめと思って、その夜自分のUSBも持って遊びに行った(笑)。で、3時間くらい経ったタイミングでShyに話しかけて、東京から来たこととアンビエントのDJしたいっていう気持ちを伝えたら、急遽その場で1時間やらせてくれることになって。だいぶ無作法だし失礼なのもわかってたけど、数ヵ月DJしてなかったから、フラストレーションで飛び入りしちゃった。

Taro:東京いる時からあんだけDJしてて、ドイツ来てから半年くらい1回もDJしてなかったじゃん。純粋に半年ぶりに機材触れて楽しかったでしょ? あと、後々仲良くなった人であの現場にいたのも何人かいて、みんなその時のこと覚えてるよね。

Soya:ん。やっぱ久しぶりにDJできてシンプルに楽しかった。あの時のベルリン滞在はこのくらいかな。

author:

Soya Ito

東京育ち。2021年からSoya Ito, dj woahhausとして活動する。東京を拠点に置くイベントコミュニティManaファウンダー。エモとスワッグ。

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