サステナビリティ Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/サステナビリティ/ Sat, 18 Jun 2022 08:32:43 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.3.4 https://image.tokion.jp/wp-content/uploads/2020/06/cropped-logo-square-nb-32x32.png サステナビリティ Archives - TOKION https://tokion.jp/tag/サステナビリティ/ 32 32 「アクネ ストゥディオズ」が余剰素材を使用したコレクション「リパーパスド」の第4弾を発表 https://tokion.jp/2021/06/08/acne-studios-repurposed/ Tue, 08 Jun 2021 10:15:06 +0000 https://tokion.jp/?p=37323 花柄やチェックの他に、しわ加工を施したレッド、ラベンダーオフホワイトの生地、2色のラベンダー、ライトブルーのデニムなどを再利用。

The post 「アクネ ストゥディオズ」が余剰素材を使用したコレクション「リパーパスド」の第4弾を発表 appeared first on TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報.

]]>
「アクネ ストゥディオズ」は、余剰素材を使用したカプセルコレクション「リパーパスド」の第4弾を発表した。第4弾では、前シーズンで使用したソフトなシフォンやプリントされたキュプラ、クレープ、ビスコース、淡色のエコウォッシュデニムを採用した。

ウィメンズウェアは、花柄、チェック、しわ加工を施したレッド、ラベンダー、オフホワイト、ブルーの生地の他、2色のラベンダー、ライトブルー、ミッドブルーのデニムを再利用。裾と縫い目がアシンメトリーになった夏らしいパッチワークドレス、パッチワークの長袖シャツと半袖トップス、ツートーンのオーバーサイズデニムジャケット、パッチをあしらったストレートレッグジーンズとスリムジーンズなどが登場した。

The post 「アクネ ストゥディオズ」が余剰素材を使用したコレクション「リパーパスド」の第4弾を発表 appeared first on TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報.

]]>
ジャパニーズトリップホップの現在形を奏でるUKICO――音楽で放つサステナブルな「愛」のメッセージ https://tokion.jp/2021/05/01/ukico/ Sat, 01 May 2021 01:00:40 +0000 https://tokion.jp/?p=31473 パリ、NY、日本を横断し、シンガーソングライティングからエンジニアリングまでをも手掛け、自らの音楽を表現するUKICOが本格始動。

The post ジャパニーズトリップホップの現在形を奏でるUKICO――音楽で放つサステナブルな「愛」のメッセージ appeared first on TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報.

]]>

フランス人の父と日本人の母を持つパリ生まれのUKICOは、これまでに資生堂の広告やファッション誌『InRed』の専属モデルとして活躍してきた。しかし、自己表現の場を求め、音楽エンジニアリングを学ぶためニューヨークへ。その後エンジニアとして、ウータン・クランのゴーストフェイス・ キラーの作品や、グラミー賞を受賞した アフロ・ラテン・ジャズ・オーケストラのライヴミックスを手掛けてきた。

そして自身のさらなる表現の高みを目指し、ここ数年間で日本を拠点にミュージシャン&クリエイターとして、本格的に創作活動を加速させてきた。

女性であること、生きること、愛すること。自らの経験・体験・メッセージを、音や言葉やビジュアルで紡ぎ、5年の歳月をかけて完成させた発売したばかりの最新アルバム『ASCENSION』。この作品を通じて、UKICOがイメージする持続可能で豊かな未来の姿を表現する。

ただ歌うだけではなく、ストーリーを描いて誰かを感動させるという目的を持って

――以前はモデルをメインに活動されていましたが、なぜ音楽で自己表現をしようと思ったのですか?

UKICO:小さい頃から歌うのが好きで、最初はミュージカルに出演したかったのですが、とてもシャイなので諦めていました。そしてパリの大学を卒業した後、日本でモデル活動をするチャンスがあったので、日本に引っ越して4年間活動していました。ただ、自分らしさ、自分のクリエイティビティが出し切れず、自己表現ができる活動を始めたいと思いました。

――具体的なきっかけはあったのでしょうか?

UKICO:ちょうどその時、フランスにいた祖母が亡くなり、初めて彼女のために詩を書いたんです。そこでフランス人の父が感動して涙を流して。その時に音楽をやろう! と決めました。ただ歌うだけではなく、ストーリーを描いて誰かを感動させるという目的を持って。

――影響を受けたアーティストはいますか?

UKICO:世界観が強いアーティストが好きです。例えば、ビョークはビジュアルとストーリー性が深く存在し、ライヴのコンセプトやコスチューム、もちろんアルバムも素晴らしい。彼女みたいにコンプリートなアーティストになることが目標です。他には、FKAツイッグスセヴダリザロードラナ・デル・レイも好きですね。

――ということは、自分の世界観を表現するためにシンガーソングライターの道を選んだということですか?

UKICO:ただ、本格的に音楽をやるためには、モデルを辞めて勉強しないといけないと思って、音楽エンジニアリングを勉強するためにニューヨークに引っ越しました。なので、現在の職業はクリエイターということになるのかもしれませんね。

――いろいろな専門分野がある中で、なぜエンジニアの勉強をしようと思ったのですか?

UKICO:ニューヨークで音楽スクールを探していたら、たまたまエンジニアスクールの1日体験の案内を見つけたんです。実際に行ってみたら、そこにあった機材に魅了されて、そういった感覚を持つ自分自身にビックリしました。すぐに夢中になり、成績は全学校の2位、卒業式にAPOLLOシアターでスピーチもしました。女性がほとんどいない世界で大変なこともありましたが、本当に楽しかったです。

音楽エンジニア的には、トリップホップ界の神である、マッシヴ・アタックに一番影響を受けました。脆弱性がすてきと思えたのは、ベス・ギボンズの声が初めてでしたね。一番聴いたアルバムは『Mezzanine』です。

――膨大な音楽がある中で、なぜ1990年代のトリップホップ、しかもマッシヴ・アタックに引かれたのですか?

UKICO:音源のミックスを勉強していくうちに耳が良くなり、より深くマッシヴ・アタックの良さに気付きました。彼らのミックスの質、ディテール、そしてサウンドの美しさは世界的にベストだと思います。初めてコンサートに行った時も、音に引き込まれ過ぎて、目を閉じて音の素晴らしさを味わいました。1つ1つの音のチョイス、細かさ、そしてヒプノティックな感じが本当に大好き。それら要素を、自分の音楽にも取り入れています。

――ちなみに、どういうプロセスで音楽を作っているのでしょうか?

UKICO:楽曲はトラックから作ることが多いのですが、その時点から好きなサウンドを組んで、ミックスしながら作っていきます。というのも、私にとっては雰囲気が一番大事だからです。それはトリップホップの作り方でもあるかと思います。自分の感情をまずは音で表現して、その後に曲のストラクチャーを作り、メロディを乗せて歌詞を書きます。

――すべての作業を自分自身でやるのはなぜでしょう?

UKICO:自分の思う通りになるからだと思います。一番好きなのは歌詞を書くことかもしれませんが、とても孤独で悩むこともあるし、本当に時間がかかります。ただ、アルバムの曲などは、信頼できるミックスエンジニアに頼んでいます。ミックスにはすごくこだわりがあるので細かい指示を出すのですが、自分もエンジニアなので、かなりややこしいやりとりになりますが……(笑)。

――しかも「Kiseki Record」という自分のレーベルも作りましたよね。

UKICO:自分らしさを一番出せる方法を考えた上で、レーベルを立ち上げることにしました。日本ではオルタナティヴな音楽はそこまで人気がなく、日本で活動するためには音楽性を変えたほうがいいんじゃない? ってよく言われました。けれど、私にとっては自分を否定して自分らしさを隠すことになります。もちろん自分のレーベルを作るのには勇気が必要でした。なので、奇跡を起こそうと気合いを入れて「Kiseki Record」と名づけました。私達はマジカルな世界に生きていると信じてるので。

自分が描いているのは、自分の世界、人生の見え方

――今は日本を拠点に活動していますよね。パリやニューヨークという選択肢もあったと思いますが、なぜ日本を選んだのですか?

UKICO:子どもの頃から自分のルーツをもっと知りたいと思っていました。今は日本の住み心地の良さ、カルチャー、人の優しさ、ピュアさが主な理由です。家族はフランスにいるので恋しいですが、日本のエネルギーに癒されています。

――パリと日本、それぞれの魅力はどんなところにありますか?

UKICO:フランスは感情表現が豊かな国で会話も大好き。ときどきドラマチックになりますが、素直に自分の気持ちと向き合っているところが魅力です。だからこそ、暗い歌詞でも、恥ずかしがらず書けるのかもしれないです。

日本は自分の気持ちを押し殺すカルチャーでもあり、そのつらい思いをしている日本人を見てサポートしたくもなります。というのも、そういう部分に自分自身を照らし合わせていることもあって。でも、日本人に対して尊敬しているのは、自己を強く出さなくても、人のために何かできること。その優しさにいつも感動しています。

――そういった環境で生まれ育った中で、アーティストとして活動する上で掲げているテーマやコンセプトはどういうものですか?

UKICO:自分が描いているのは、自分の世界、人生の見え方です。私達人間はとてもパワフルで、思考を実現させる能力を持っていると思います。でもその思考やパターンは、自分の家族、育ち方、カルチャー、トラウマなどに影響を受けている。あるシチュエーションや人物を繰り返し、引き寄せているように思います。

そして、生まれ変わってもそれが続くこともあります。そこでいろいろな疑問が浮かんで、答えを探していく。そのおかげで、自分をもっと知ることができるし、自分と向き合って成長できます。そういうことが作品につながっていると思います。

――そういった思考になったのは、UKICOさん自身の体験や経験が影響しているのでしょうか?

UKICO:そうですね。ちょうど曲作りを始めた頃は、自分探しをしていて、とても苦しんでいた時期でした。自分の中で「人生とはなんだろう?」という疑問がたくさんあって。失恋したこともあり、人との関係や自分自身のことを、ヨガ、瞑想、本、コーチング、スピリチュアリティなどを通じて見つめていたんです。

そのヒーリングのプロセスが、曲作りのプロセスでもありました。日記に近いというか。気持ちを素直に表現し、光の曲も暗闇の曲も、そのすべてが自分自身であり人生だということを理解できたんです。

――生きている経験を作品としてアウトプットしていく。

UKICO:はい。私にとっては「生きる=成長」です。そして、ここ5年に及ぶ私の心の旅を、最新アルバム『ASCENSION』として完成させました。この言葉にはいろいろな意味が含まれていますが、私にとっては「目覚める」ということ。やっと披露できて嬉しいです。

音楽をやることが、私の癒しのプロセス

――アルバム『ASCENSION』に収録された数曲は、すでにシングルとしても発表されています。まず、「Denial」で伝えたかったことを教えてください。

UKICO:人生でもっとも大きな傷心を経験した時に、ヒーリングプロセスに入り、いったん心の痛みが落ち着いた時に書いた曲です。すると「Hiding from a new romance」という歌詞とメロディが浮かびました。自分の心を開くことの怖さに気付き、何も感じないよう努力をしていました。でもこの曲が、自分と向き合うきっかけになりました。

――和楽器が使われていますよね?

UKICO:曲を書くために、ジャスティン・ピルブロウ(ザ・ネイバーフッドホールジーEエレメノPなどを手掛けるプロデューサー)とロサンゼルスに行きました。そして、日本に戻ってきて、自分らしさをもっと出したいと思い、運命的な出会いで尺八の奏者を紹介してもらい録音しました。

――「Hostage」でも、和のテイストが持ち込まれていますよね。

UKICO:この曲は、私が昔よく聴いていた1990年代のオルタナティブ・ロック、オーディオスレイヴやサウンドガーデンの影響が出ていると思います。そして、友人でもある津軽三味線奏者の久保田裕司さんに参加してもらいました。

テーマは、誰かに夢中になり執着して心が縛られると、まるで人質のようになるということ。それは、心の隙間を埋めるための行動、自分の不安や悩みから逃げるための言い訳でもある、と。

――「MIRAGE」のテーマもスピリチュアルなことでしょうか?

UKICO:そうですね。私達が五感で知覚する世界は、現実の世界ではなく、幻想や自己解釈であるという概念に基づいています。それはまるで、蜃気楼のような目の錯覚。つまり、真実が見えないことで生まれるフラストレーションです。五感は素晴らしくもあり、フラストレーションを生むものでもある、そのパラドックスを表現したものです。

「MIRAGE」

――「DESERTED」は初期の頃に書かれたそうですが。

UKICO:アーティストの出発地点となったスペシャルな曲です。この曲も、人生でもっとも大きな傷心を経験した時に、ヒーリングプロセスとして書きました。当時はニューヨークに住んでいて、愛と憎しみ、怒りと悲しみ、それによって生まれる強烈な痛みを受け入れる前に感じるむなしさ、そのような感情を行き来していました。でも、この曲を書くこと=音楽をやることが、私の癒しのプロセスになったんです。

――各曲のMVにも、UKICOさんのメッセージが強く表れているように思います。

UKICO:「Denial」と「Hostage」、そしてアルバムと同時に発表する「Temporary Amnesia」の3曲のMVで、ひとつのストーリーを描いています。それは、日本の古事記に出てくる、イザナミとイザナギの神話を自分なりに描いたもの。この神話に引かれたのは、私の祖父が出雲出身ということも関係しています。

「DENIAL」

「HOSTAGE」

――日本の代表的な神話ですよね。

UKICO:最初の神様であるイザナギとイザナミが愛し合い、2人はさまざまな神を生んで日本を作りました。けれど、イザナミが火の神様を生んだ時にやけどで死んでしまい、黄泉の国へ去ってしまいます。ここまでは「Denial」のMVで描いています。

「Hostage」では、黄泉の国へ行ったイザナミが、食べ物、エネルギーの影響で暗闇にとらわれていく様子を描いています。一番深い暗闇に落ちた瞬間に解放され、天使のような存在に生まれ変わる。

そして「Temporary Amnesia」のMVは、その続きとなります。イザナミが生まれ変わった現在の設定です。

――日本の神話の魅力は、どういうところにあると思いますか?

UKICO:人生をもっと客観的に見るためと、理解を深める教え、メッセージだと思います。

日本におけるメンタルヘルスの状況を少しでも変えたくて

「Rain on me」 All FOUR ONE PROJECT

――UKICOとして活動する一方で、クリスタル・ケイすみれティガラ、UKICOの4人で、メンタルヘルスをサポートする「All FOUR ONE PROJECT」を立ち上げました。その目的を教えてください。

UKICO:2020年にコロナ感染が始まり、3月から世界がロックダウンになりました。私は1人で東京の小さなアパートに住んでいましたが、体調を崩して不安やストレスを抱えてかなり落ち込みました。その後、日本でも自分と同じ気持ちになった人はたくさんいると思い、何かサポートできたらという気持ちから始めました。

中でも、自殺は大きな問題になっていますよね。日本はもともと自殺者が多いのに、メンタルヘルスのサポートも少なく、周りの人に批判されやすい。その状況を少しでも変えたくて、3人に連絡をしてプロジェクトを立ち上げました。

――第1弾作品として、レディー・ガガアリアナ・グランデのヒット曲、「Rain on me」をカバーしましたが、この楽曲を選んだ理由を教えてください。

UKICO:すみれちゃんがよく聴いていた曲だったからですね。ラップ担当のティガラちゃんが、4人の想いを込めたすてきな歌詞を書いてくれました。

――ちなみに、4人に共通している価値観とはなんですか?

UKICO:愛ですね。愛情をみんなと分かち合いたい、人のためになりたい気持ちだと思います。カルチャー、考え方、活動、国など、個性が違う4人でも、一体化して動くと果てしない力と愛情を発揮できる。日本のみなさんも、自分や他人にあまり厳しくならずサポートし合えたら、自殺もなくなるはず。みんな同じ人間ですからね。

――「All FOUR ONE PROJECT」で、これから実現したいことはありますか?

UKICO:メンタルヘルスについて、ネガティブな印象を取り外したいです。恥ずかしくない、落ち込む、心がダウンになる時はサポートを求めましょう、というメッセージを日本中のみなさんに伝えたい。気楽に話せる場を作るのも目的です。そして“あなたは1人じゃない”とメッセージも込めて。

――コロナに限らず環境や人権問題などがある中で、サステナブルな社会を実現するために、今、課題はなんだと思います?

UKICO:社会に関しては、女性の存在ですね。特に日本では。私の場合、ほぼ男性しかいない音楽エンジニアやプロデユーサーの世界で、女性がリスペクトされるのは難しい状況ですから。

全体的には、不平等社会、貧富の差なども変えていかないといけません。そしてゴミの量や消費社会も変える必要があります。私達人間はこんなにもモノは必要ではない。本当の幸せを見直して、もう少しシンプルな生き方に目覚めることです。もちろん、私自身も含めて。他にもありますが、今私達ができる身近なことから始めたいですね。

――その課題を解決するために、アーティスト活動を通じてやるべきことは?

UKICO:メッセージを通して認識を高めることと、ムーヴメントを起こすことだと信じています。自分の本当のパワーに目覚めたら、地球が変わると思います。人間はみんな神であることを思い出してほしいですね。それに加え、他のチャリティもサポートしていきたい。現在、オーシャン・アンバサダーとして国際環境NGOグリーンピースともつながっていますが、今後はもっと具体的にアクションを起こしたいと思っています。

――UKICOさんがイメージしている、豊かな未来とはどういう世界だと考えていますか?

UKICO:ワンネスのコンセプトで「みんなは自分、自分はみんな」ということ。愛情を分かち合うよりも、愛そのものになる。それは、地球と一体化して生きること。そして、みんなそれぞれ自分のパワーに目覚めることですね。

――最後に、これからのビジョンを教えてください。

UKICO:まず、4月28日リリースした最新アルバム『ASCENSION』を楽しんでほしいです。5年かけて作った大切なもので、アーティストとしての第一歩、自分の成長の源になりました。みんなに届けられるのが嬉しいし怖いし、とても楽しみです。

今後は、ライヴにも力を入れていきたい。普通のライヴではなく、五感を使うヒーリングスペースでもありアクティベーションスペースでもあり、細胞やDNAを目覚めさせる体験ができる場所にしたいです。次のEPやコラボレーションも計画しているので、とてもクリエティブな1年になりそうです。

UKICO
シンガー、プロデューサー。フランス生まれパリ育ち。フランス人の父親と日本人の母親を持つ。18 歳の頃より、日本を行き来しモデル業を開始。21歳の頃に資生堂広告、23歳の頃にはファッション誌『InRed』専属モデルとしてデビュー。27歳までの5年間専属モデルとしてさまざまな広告CMで活躍。その後、以前より興味のあった音楽に目覚め、2012年にニューヨークに移り、マンハッタンの「Institute of Audio Research」にてエンジニアリングを体得し首席卒業。ブルックリンの「Strange Weather Recording Studio」のアシスタントエンジニアとして、ゴーストフェイス・キラーをはじめ多数のアーティストの作品に関わり、さらにグラミー賞を受賞したアフロ・ラテン・ジャズ・オーケストラのライヴミックスを手掛けるなど裏方として活躍。それらの仕事と並行し、作詞作曲から歌唱、アレンジ、ミキシングなどをすべて自らが行い創作活動も続けている。
https://www.ukico-official.com/
Instagram:@ukicomusic
Twitter:@ukicomusic

Photography Tetsuya Yamakawa
Text Analog Assasin

TOKION MUSICの最新記事

The post ジャパニーズトリップホップの現在形を奏でるUKICO――音楽で放つサステナブルな「愛」のメッセージ appeared first on TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報.

]]>
「ハッピーでなければ続かない」 ヴィーガンコスメ「アンナチュラリーナチュラル」が目指すブランドの形 https://tokion.jp/2021/03/22/vegan-cosmetic-brand-unnaturally-natural/ Mon, 22 Mar 2021 11:00:52 +0000 https://tokion.jp/?p=23884 日本発の新鋭コスメクリエイターを紹介する連載。第1回はファッションブランド「セルフ ポートレート」の創業メンバーである平野ジェマ愛が登場。2020年にスタートしたヴィーガンコスメ「アンナチュラリーナチュラル」の立ち上げから、そこに込めた想いまで。

The post 「ハッピーでなければ続かない」 ヴィーガンコスメ「アンナチュラリーナチュラル」が目指すブランドの形 appeared first on TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報.

]]>

「アンナチュラリーナチュラル」は、ファッションンブランド「セルフ ポートレート」の創業メンバーである平野ジェマ愛がスタートしたスキンケアブランドだ。平野の華麗な経歴と、製品が100%ヴィーガン対応かつ環境配慮もなされたクリーンビューティブランドである点が注目を浴び、国内でも多数のメディアで取り上げられた。しかし、実際にブランドが発信したいメッセージは少し異なるところにある。

健やかな肌に導く“アンナチュラルな成分

平野は15歳でイギリスに留学。物心ついた頃から夢だったデザイナーの夢を追いかけ、高校、大学とイギリスで過ごした。スキンケア製品を作りたいと思ったのは「セルフ ポートレート」立ち上げよりずっと前、学生時代に自身の友人に貸した化粧水がきっかけだったという。

「友人が敏感肌で化粧水が肌に合わず、肌荒れを引き起こしてしまったんです。その経験がショックで、肌にやさしいスキンケア製品を作りたいと考えるようになりました」。

そうして肌にやさしいスキンケアを追い求めるうちにたどり着いたのがヴィーガンだった。ヴィーガンは動物性を含まないものや、動物から搾取しないあり方を指すものだ。「もともとイギリスに住んでいたこともあり、ヴィーガンは身近なものでしたが、実際に私がヴィーガンを取り入れたのは、20代後半の時。乳製品が体に合わなくなり、避けるようになって、その時にヴィーガン食に変えたんです。実際に自分で実践してみて、ヴィーガンは安全性が高く、肌にもやさしいのではないかと気が付きました」。

2019年3月には自身の会社ポートフォリオスを設立。効果のある“アンナチュラル”な成分と、ヴィーガンでクルエルティフリー、アルコールやグルテン、サルフェート不使用という“ナチュラル”な処方を兼ね備えたヴィーガンコスメブランド「アンナチュラリーナチュラル」を立ち上げた。

「自然由来成分がすべて肌にやさしく、そうでない成分が肌に悪いわけではない。肌の健康をサポートする原料を使用した高機能なスキンケアであることを最優先に考えています」。

製品には世界中から選りすぐった成分が使用される。ビタミンCなど栄養素を豊富に含むキウイシードオイル、古い角質を分解し毛穴を目立たなくするパンプキン発酵エキスなどの珍しい成分も多い。また香料に関しても、「抽出時に使用されるアルコールの数値はキャリーオーバーの数値を含め厳しく管理。また、香料自体の組み合わせも弊社の不使用成分リストとクリーンフィロソフィーに則って厳しく作っています」と徹底してこだわっている。

現在は3製品(化粧水、美容液、クリーム)を展開するが、今後はパーツケアなど新製品の投入も決まっている。

ヴィーガンは特別なものではない

グランドビューリサーチの調査によると、全世界のヴィーガンコスメ市場規模は2019年には144億ドル(約1兆5699億円)、2025年には208億ドル(約2兆2676億円)まで成長し、全コスメ市場の30%を占めると予測される。

「アンナチュラリーナチュラル」はヴィーガン製品である証明として、外箱にイギリスのヴィーガン協会「ヴィーガン・ソサエティ」と、アメリカの動物愛護団体「PETA(People for the Ethical Treatment of Animals)」の認証マークが並ぶ。欧米や韓国などヴィーガンコスメが既に一般的な地域では珍しくないが、日本ではめったに見かけない。それだけまだ市場は成長段階にあるということだ。

そのため、ブランド立ち上げ当初は「本当に日本でもヴィーガン市場は伸びるのか」という声もあったという。

「そもそも日本はヴィーガンという言葉が身近ではないこともあって、難しく捉えたり、言葉自体にネガティブな印象や厳格なイメージを抱いたりする人もいます。そのため、徹底しなければヴィーガンと名乗ってはいけないとか、徹底できないからヴィーガンにはなれないと思う人が少なからずいます。ただ近年ヴィーガンに対する認識や活動が少し柔軟になっていて、身近にできることから始める人も増えていますね。海外では決められた期間だけ、今日の1食だけヴィーガンを選択するという柔軟な考え方をしていたりもしていて、どんな取り入れ方、始め方でもいいと思います」。

例えばミートフリーマンデーは「月曜日だけ動物性の食事をやめてみる」、ヴィーガニュアリーはヴィーガン+1月(January)を足した造語で「1月は1ヵ月ヴィーガン生活をしてみる」といった運動だ。またヴィーガンのように動物性食品を一切摂取しない人だけでなく、魚介類は口にするペスカタリアンなど、選択は人によりさまざまだ。

「ヴィーガンブランドと書くと、ヴィーガンの人しか使ってはいけないように思われるかもしれない。だから『アンナチュラリーナチュラル』では“ヴィーガン対応”という発信の仕方をしています。ヴィーガン対応にすることで、より多くの人に使ってもらいやすくなると思いますし、誰にでも手に取ってもらいたいんです」。

環境、動物愛護、社会問題…配慮すべきなのは誰か

さらに平野はこうも話す。「ヴィーガンだから、環境に配慮されているから買うという人がいるのは嬉しいことですが、普通に手に取りたくなるかわいいパッケージや使用感で選んでいる化粧品が、実はヴィーガンやサステイナブルなど社会や環境に貢献できている製品だったらより良いですよね。そうしたヴィーガンやサステイナブルが前提であることが化粧品業界のスタンダードになっていけばいいなと思います」。

平野は、そもそも消費者が環境配慮や社会問題を考えながら商品を選ばずとも良い方向に進むべきだと考える。「そういったことはメーカーが達成すべき目標で、消費者はいい商品かどうかで選べるようにならなければいけないと思います。棚のどの商品を取っても配慮がなされた商品になるのが理想的ですよね」。

「アンナチュラリーナチュラル」の製品はヴィーガンであるだけでなく、さまざまな環境配慮を行う。明るいピンク色のプラスチック製ボトルもサステナブルな観点から選ばれた。「環境に配慮してガラスボトルを使うブランドもあるけれど、海外発送が多くなることを考えて、あえて軽くて輸送の二酸化炭素排出や割れなどの負担が低いプラスチックを選びました。ボトルに関しては正解が一つではないと思います」。また売り上げの一部をMake A WishやUN Women(国連女性機関)など、女性や子供達を支援する団体に寄付するなど、社会的課題に多面的に取り組む。

こういった考え方や姿勢は平野にとっては自然なことだという。「もともと社会に貢献できることをしたいと考えていた。イギリスでは『ラッシュ』や『ザ・ボディショップ』のようにクリーンな価値観の企業が当たり前のようにある。そういった環境の影響も受けているかもしれません」。

ストーリーの共感者を生む“ブランド”作り

「アンナチュラリーナチュラル」のように成分がクリーンなコスメは「クリーンビューティ」とカテゴライズされ、この数年、欧米を中心に注目されている。海外では市場が拡大しており、「アンナチュラリーナチュラル」もアメリカでの販売を目指すという。

「なぜ市場ができている欧米でブランドを立ち上げないのかと聞かれることは多かった。けれど私はアジアにもヴィーガン、クリーンビューティ市場はあると思っています」と平野は語る。既にタイやシンガポールに顧客がおり、海外配送することも多いそうだ。

もちろん日本国内にも求める人達はいるが、日本市場は5年、10年先を目標にしているという。「今の中学生、高校生が大人になる頃を目指し、アメリカから逆輸入できるよう成長したいと考えています。今の若い世代はグローバルの情報にもSNSを通して接しているから、非常にフラットな考えを持っていて、ヴィーガンへの偏見も少ない。自分の意見をしっかり持ち、ブランドのコアの部分を見る人も多い。そういった人達に選ばれるブランドになりたい」。

海外ではインディーズブランドが続々登場しており、特にクリーンビューティでは資生堂が買収した「ドランクエレファント」を筆頭に成長著しい。一方、海外で売られる日本発の製品は大手メーカーのブランドが目立つ。その差はどこにあるのかと問うと、やはりブランドのコアだという。

「あくまで私見ですが、日本では“ブランド”とは安心感につながるものを指し、大手メーカーがブランドになっています。けれど海外では、ストーリーに当てはまる商品を作ることがブランド。1シーズンごとのコンセプトではなく、長い期間でどうなりたいのかを発信するのがブランドではないでしょうか」。

ブランドに対する捉え方が違えば表現も異なる。大手メーカーなどは機能性に関する訴求が強くなりがちで、そのためにブランド全体のコンセプトがわかりにくくなっている。ここ数年は日本国内でもD2Cブランドが続々と登場しており、ブランドストーリーを軸にした見せ方、作り方を行うブランドも増えた。今後はグローバルで戦う日本ブランドが増えるかもしれない。

「アンナチュラリーナチュラル」の場合、伝えたいブランドストーリーは肌にやさしい、ヴィーガン対応であるという点だけではない。「ナチュラルなブランドだけど、アプローチブルなブランドにしたかったんです。そのためデザイン性も重要視してポップでかわいくしています。見た目も価格帯も含め、ハッピーでなければ選ばれないし、続かない。サステナブルであるためには無理なく続けられることが大事なんです」。肌にも社会にも、そしてユーザーの気持ちにも寄り添うあり方こそが、ブランド最大の強みだ。

平野ジェマ愛
15歳でイギリスに留学。セントラル・セント・マーチンズでファッションデザインを学び、在学中に出会ったデザイナーのハン・チョンを含む3人で、2013年にファッションブランド「セルフ ポートレート」を設立。帰国後、2019年3月には自身の会社ポートフォリオスを設立。2020年からヴィーガン対応コスメブランド「アンナチュラリーナチュラル」をスタートする。
https://unnaturally-natural.com

TOKION BEAUTYの最新記事

The post 「ハッピーでなければ続かない」 ヴィーガンコスメ「アンナチュラリーナチュラル」が目指すブランドの形 appeared first on TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報.

]]>
ヘアメイク白石理絵が選ぶ、サステナブルでときめく6つのコスメ https://tokion.jp/2021/03/03/six-sustainable-cosmetics-rie-shiraishi/ Wed, 03 Mar 2021 06:00:47 +0000 https://tokion.jp/?p=20991 人気ヘア&メイクアップアーティスト・白石理絵のお気に入りのサステナブルコスメを紹介。さらに、どうしてサステナブルな思考になったかも合わせて語ってもらった。

The post ヘアメイク白石理絵が選ぶ、サステナブルでときめく6つのコスメ appeared first on TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報.

]]>
ヘア&メイクアップアーティストの白石理絵

2020年はSDGsがより広く認識された年だったが、今年はさらにサステナブルな発想が発展していきそうだ。メイクアップ業界も例外ではなく、多くのファッション誌で活躍するヘア&メイクアップアーティストの白石理絵も影響を受けているという。

「温暖化などの気候変動は、もはや考えずとも意識せざるを得ない状況にあります。急にすべてを変えることはできないけれど、できることから始めたいと、コスメ選びを考えるようになりました」と白石。

化粧品業界が環境に与える影響を考慮して、大手化粧品会社が続々と新パッケージや処方の開発を行っている。また最近では環境だけでなく、人権は守られているか、アニマルウェルフェア(動物福祉)に配慮されているかなども、消費者が注目するポイントになった。

見てときめき、使って楽しいサステナブルコスメ

ヘアメイクアップアーティストの白石がサステナビリティを意識し始めたのは、この1年ほどのこと。

「ヴィーガン食を選択し始めた人がいたり、ファッションでもヴィーガンレザーの存在が当たり前になってきました。メディアもこの1年、サステナブルやSDGsに関する企画を打ち出すようになり、撮影現場にも変化があったと思います」。

さらに影響が大きかったのが、周囲の友人達だ。「フェミニズムの考えを発信するアクティビストだったり、地方に移住して必要なものだけで生活を営む人だったり、そういった人達と、今何を考え、どう行動しているかという精神性を語り合うことで、自分も『社会の一員として何ができるのか』と考えるきっかけになりました」。

その中で自然とサステナブルなコスメも選択するようになった。選ぶアイテムは使い心地や発色の良さといったコスメとしての機能性はもちろん、それと同じくらいブランドのコンセプトや原材料の調達方法、環境に配慮されたパッケージなども重要な要素だ。愛用品の中でもお気に入りの6つのサステナブルコスメを紹介してもらった。

愛用する6つのアイテム

「ラ ブーシュ ルージュ」の「リップ」と「ブロンザー」 

サステナブルな視点でコスメを選ぶきっかけになったという、「ラ ブーシュ ルージュ」のリップスティック。高級感あふれるレザーのケースは詰め替え式で、リユース可能な仕組みだ。「廃材となるはずのベジタブルタニングレザーを使用したケースや、リップスティックそのものの発色など質の高さに感激しました。また私は“リップフリーク”なので、その分多くのリップを食べて体内に成分を取り込むことが心配。なので、マイクロプラスチックフリーは嬉しいポイントでした」。

重厚なヴィーガンケースに入ったブロンザーは、一番明るいカラーをチョイス。「なめらかで伸びが良く、使いやすい。顔まわりにささっとつけて使用することで、引き締まった印象を作れます」。

「ゲラン」の「アベイユ ロイヤル フォーティファイング ローション」

「ゲラン アベイユ ロイヤル フォーティファイング ローション」(150mL)¥8,500

ミツバチは花粉を運び、果物や野菜、ナッツ、さらには綿花などの受粉を行う。しかしその数は年々減少しており、このままでは人々の生活に直結した影響をもたらすのも時間の問題だ。「ゲラン」はそういったミツバチの生み出すハチミツやローヤルゼリーを採取しているが、その採取方法には注意を払っている。

「『ゲラン』はこの『アベイユ ロイヤル』で使用しているハチミツ“ウェッサンハニー”を生み出す稀少な黒ミツバチの保護活動を行っています。さらにユネスコとのパートナーシップでは世界中の養蜂家の育成・支援をはじめとしたさまざまな活動を開始していて、今後10年間でミツバチを10億匹復活させることが目標だそうです。いただいた分、還元するのは素晴らしいなと思います。アイテムもしっとり、もっちりとした肌に導いてくれます」。

「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー」の「クレンジングウォーター」と「ハンドクリーム」

「サステナブルで環境に配慮された製品が当たり前、というスタンスのブランド。サステナブルなアイテムだけなら今までもあったが、クリエイティビティが融合され、手に取るワクワク感も感じられるアイテムが好き」という。「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー」のアイテムは重厚な瓶の容器に入り、タイムレスなデザインのラベルが見た目にも楽しい。

クレンジングウォーターは夜、スキンケアの始めにふきとり化粧水として使用する。「さっぱりしたテクスチャーだけど、しっとりとした肌に」。さらに植物由来のヒアルロン酸パウダーをクレンジングウォーターに混ぜて一晩置くと、テクスチャーが変わりジェル状ローションに変身。パウダーはオイルなどと混ぜて使用することでゴマージュやマスクとしても使用できる、アイデアアイテムだ。

また自宅で愛用するのが、シアバターとミツロウを配合したハンドクリーム。自分の体のいろいろな箇所を触る手に塗布するものは、人体に悪影響のない成分を選びたいのだという。「ヘアメイクという職業柄、手を洗うことや消毒液をつけることが多く、手が乾燥しがちになります。こっくりとしたテクスチャーのクリームは、朝や夜のケアにぴったり」。

「バウム」の「モイスチャライジング オイル

「バウム モイスチャライジング オイル」(60mL)¥8,000

オイル層とエッセンス層の2層を混ぜて使用するアイテム。パラベン、シリコーン、合成着色料フリーで、自然由来指数99.3%となっている。「これ1本でもみずみずしい肌に導いてくれます。使用感に加え、インテリアになりそうなパッケージと、循環型のものづくりが一貫していて素晴らしいと感じるブランド」

「バウム」は環境配慮を徹底しており、売り上げの一部を森林の保全活動に還元するほか、パッケージの木枠で用いるオーク(なら)の木の苗木を店頭で育てて植樹するなど、保全活動に力を入れる。さらには一部プラスチック容器にはバイオPET(植物由来のPETを配合)を、ガラス容器にはリサイクルガラスを採用した。さらに「カリモク家具」とのコラボにより、家具製造の過程で出る端材を再利用。「他業種を入れてアップサイクルするという取り組みも珍しく、感銘を受けました」。

白石理絵
ヘア&メイクアップアーティスト。建築のデザインを学んだ後、美容業界に興味を持ち2011年から現キャリアをスタート。国内外の雑誌やキャンペーン、広告のヘアメイクを手掛ける。
Instagram:@rieshiraishi1220

Photography Kazuo Yoshida

TOKION BEAUTYの最新記事

The post ヘアメイク白石理絵が選ぶ、サステナブルでときめく6つのコスメ appeared first on TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報.

]]>
サステナコスメ「ラ ブーシュ ルージュ」の創業者が語る日本とフランスの共通点とは? https://tokion.jp/2021/02/07/la-bouche-rouge-talks-about/ Sun, 07 Feb 2021 06:00:23 +0000 https://tokion.jp/?p=18807 サステナブルにこだわったコスメブランド「ラ ブーシュ ルージュ」の創業者であるニコラス・ジェルリエが語るブランドのこだわり。そして、日本とフランスの共通点。

The post サステナコスメ「ラ ブーシュ ルージュ」の創業者が語る日本とフランスの共通点とは? appeared first on TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報.

]]>

2017年にロレアル出身のニコラス・ジェルリエがスタートしたコスメブランド「ラ ブーシュ ルージュ」。2019年に日本に上陸。当初はリップのみの展開だったが、2020年12月に日本でもメイクアップアイテムが発売された。

同ブランドの最大の特徴はサステイナブルなモノ作り。リップは一般的に用いられるマイクロプラスチックや防腐剤、パラベン、パラフィン、動物性脂肪を含まない。ケースもプラスチックを使用しておらず、レザーケースにリップ本体を詰め替えるスタイルで、そのレザーケースも高級バッグの生産過程で出た切れ端を使っている。そうしたモノ作りへの姿勢が日本でも多くの支持を得ている。

2020年12月に発売されたのは、「リップケアセット」(9300円)、「アイライナー」(3600円)、「マスカラ」(5100円)、「マスカラレザーケース」(6300円)、「ブロンザー」(3700円)、「ハイライター」(3700円)、「パウダーケース」(8400円)。3月上旬にはアイシャドウの販売も予定しており、さらにラインアップの拡充を図る。美容業界でも、ますます「サステナブル」がキーワードとなる中、創業者であるニコラスにメールインタビューを行った。

職人技へのこだわりはフランスも日本も共通している

——ここ数年で「サステナビリティ」を意識したコスメのブランドが増えていますが、「ラ ブーシュ ルージュ」ならではの強みを教えてください?

ニコラス・ジェルリエ(以下、ニコラ):フランスの美容は技術面で歴史的に高く評価されており、今日では世界中の美容業界の70%をけん引しています。「ラ ブーシュ ルージュ」は、「あなたと地球に良い美しさを創造すること」を理念としており、フランスの専門知識と職人技に根ざしていることに加えて、製造過程の最初から最後までプラスチックの使用を一切避けることを決定した最初のブランドです。

私達が考えるブルービューティ(海洋に安全な成分、安全で持続可能な原料、再利用・リサイク可能なパッケージを使用するグリーンビューティに続く新しいムーブメント)は、クリーンな原料を使用するだけではなく、詰め替え可能なパッケージを用いているのも特徴です。

——2019年11月に「ラ ブーシュ ルージュ」は日本に進出しましたが、業績的にはどうですか?

ニコラス:具体的な数字をここで提示することはできませんが、伊勢丹新宿店本館1階でのコーナー拡大の他、さらなる交渉も進めています。

——ニコラスさんが思う、日本の消費者の特徴は? フランスとの違いは感じますか?

ニコラス:フランスと日本は、相異点よりも共通点の方が多い。中でも重要な共通点の一つは、職人技に焦点を当てていること。フランスも日本も、遺産と技術に情熱を持っており、それを使って未来を創造することに注力している。日本の消費者は、製品の背後にある魂と愛に敏感だからこそ、職人技に夢中なのだと思う。日本のデザインは、高精度な文化に基づいているため、お客さまは「ラ ブーシュ ルージュ」のシンプルでミニマリストな美学を愛してくれているのだろう。私達はブランドとして、日本が持つ“改善し続ける伝統”に共感し、継続的に改良を行い進歩するという思想が大好きです。「ラ ブーシュ ルージュ」のコレクションでもフランス以外の製品は、日本製のブラシだけなんです。

——これまでは、日本ではリップのみの展開でしたが、今回新たにリップケアセット、アイライナー、マスカラ、ハイライター、ブロンザーが発売されました。マイクロプラスチック不使用以外で製品的な特徴はどういった点になりますか?

ニコラス:業界初となる100%リサイクル可能なガラス瓶マスカラ「ル・セラム・ノアール」は、美しくサステナブルであることに加えて、原材料は99%天然由来成分で構成されています。

詰め替え可能なレザーケース付きメタルコンパクトケース「パウダーケース」は、ブロンザーやハイライター、アイシャドウの3種を詰め替え可能で、プラスチックを使用せず、100%リサイクル可能な金属合金で構成されているため、炭素排出量はほとんどありません。

フェイスパウダーにはスキンケア成分を配合し、タルクやシリコンを含まない最大95%の天然由来成分で作られています。潤いを与えるヒアルロン酸、米粉、雲母で強化することができました。

リップペンシルは全て杉の木でできており、リサイクル可能な金属製のキャップが付いています。ヒマシ油、スクワレン、ビタミンE、ビサボロールで作られた88〜99%の天然原材料によって、唇を滑らかにし、簡単に塗ることができます。

近々グリーンキャビアセラム(美容液)配合のアイブロウライナーも発売する予定です。アイブロウジェル、アイブロウペンシル、アイブロウブラシを含む素晴らしいセットはブランドを象徴する製品になると思います。

——ケースにもこだわっていますが、そのこだわりのポイントを教えてください。

ニコラス:リップケースは詰め替え可能であり、全てのケースとリフィルを詰め替えて使用できます。フランスの革工場の名門「デュピュイ」で破棄される細かい革の端切れを使用して、伝統的な職人技を駆使して高級レザーケースを手作業で製造しています。これらにより、私たちは無駄をなくし、耐久性のある製品を制作することができます。

——新型コロナによって、人々の美容に対する考え方は変化したと思いますか? もし変化したなら、それはどのように変化したと思いますか?

ニコラス:新型コロナは地球がどれほど小さいか、そして私たち全員がどれほど相互に関連しているかをますます意識させてくれました。5000 km離れた場所で発生した何かが、直接あなたに影響を与える可能性だってあります。さらに私達が以前のように消費、生産、旅行することができないことも明らかにしました。

美容業界はプラスチック汚染に加担してきた一方、美容は世界中の人々の日常のルーティンの不可欠な要素となっている。しかし、世界がニューノーマルへとシフトしていくことが良い変化の力となり、そうしたプラスチック汚染の削減に役立つことができる。新型コロナは、相互接続性についての理解を深めてくれ、ある意味おいて世界は1つになった。私達はコミュニティとして相互に協力しなければならないし、自然を尊重しなければならないと気付かせてくれました。

——最後に今後の新製品について、決まっているものがあれば教えてください。

ニコラス:これについては年内に、新しいニュースを共有できると思うので、楽しみにしていてください。

Translation Elie Inoue

TOKION BEAUTYの最新記事

The post サステナコスメ「ラ ブーシュ ルージュ」の創業者が語る日本とフランスの共通点とは? appeared first on TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報.

]]>
出発点に立つ「ファッション協定」 初年度の各ブランドの成果とアジアに当てられる焦点 https://tokion.jp/2020/11/30/the-fashion-pact-biggest-issue-in-asia/ Mon, 30 Nov 2020 06:00:30 +0000 https://tokion.jp/?p=12902 2019年に結成された「ファッション協定」から1年が経った。得られた成果と今後の課題を各ブランドの事例とともに考える

The post 出発点に立つ「ファッション協定」 初年度の各ブランドの成果とアジアに当てられる焦点 appeared first on TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報.

]]>
ファッション業界は今、環境に与える影響を削減するため、企業の垣根を越えて共通の目標に取り組んでいる。2019年8月26日、南フランス・ビアリッツで開催されたG7サミットでケリンググループのフランソワ=アンリ・ピノー会長兼CEO率いる、ファッション業界のCEOらによって結成された委員会は「ファッション協定」を発表した。

「ファッション協定」は地球温暖化の阻止、生物多様性の復元、海洋の保護という3つの分野において、実践的な目標を協力して達成することを表明。1年後となる今年10月12日、オンライン・プラットフォームを通じて行われたコペンハーゲン・ファッション・サミットでプロジェクトの進捗報告を共有し、初期評価が議論された。同サミットに参加したのは「ファッション協定」の主要メンバーであるPVH会長兼CEOのマニー・キリコ、「シャネル」ファッション部門兼シャネルSASプレジデントのブルーノ・パブロフスキー、米「ギャップ」CEOのソニア・シンガル、「ユニリーバ」グローバルCEOのポール・ポルマン。現在「ファッション協定」に参加する企業はファッションおよびテキスタイル業界の60社以上、約250ブランドで、世界のファッション業界の3分の1を占める。ケリンググループや「シャネル」、「エルメス」、H&Mグループ、「ナイキ」、「バーバリー」といったグローバルの主要企業が参加しているが、日本企業の名前はない。

「ファッション協定」に参加すると何が変わるのか、具体的な取り組み内容はこの1年目のレポートで少し明確になったと言える。「気候変動対策と科学に基づく目標に関する定款は、温室効果ガス排出量を有意義に削減するための最も重要な枠組みである。イニシアチブに基づいて構築することにより、『ファッション協定』は協力精神を高め、信頼できる影響と行動を保証する」と「プーマ」会長兼CEOビョルン・ガルデンは語った。実際に、メンバーの80%が同プロジェクトに参加する企業内のサステナブルへの取り組みが加速したとの報告がある。

業界全体の士気が上がり、そのことが実際に数字にも表れた。「ファッション協定」発足以来、温室効果ガス排出量は350,000〜450,000トン削減した。 メンバーが消費する全てのエネルギーの40〜45%が(店舗、工場、オフィスなど所有施設内の)再生可能エネルギー源からのものである。さらに2025年までに50%に増加すると推定されており、 2030年までに100%を目指す。さらに著名者の70%が不要で有害なプラスチック包装を削減したと報告した。環境をより尊重する輸送方法を優先することによってカーボン・フットプリントを削減するためのサプライチェーンの改善が見られた。

持続可能な原材料の使用については多くのブランドが変革を開始した。「プラダ」は2021年末までにバージンナイロンをリサイクル可能な再生ナイロン繊維エコニール(ECONYL®)へと転換するRe-Nylonプロジェクトを始動。エコニールは、海から集められたプラスチック廃棄物、漁網、繊維廃棄物を浄化、再利用して作られる。解重合と再重合のプロセスによって、エコニールの糸は、品質を損なうことなく無限にリサイクルできる。現在までに、1万トンのエコニール繊維の使用により約1120万リットルの石油が節約でき、CO2排出量が65,100トンと大幅に削減された。また、Re-Nylonカプセルコレクションの売り上げの一部は、環境の持続可能性に関連するプロジェクトに寄付される。

2001年の創設当初からクルーエルティフリー(動物を犠牲にしない)のブランド精神を貫いてきた「ステラ・マッカートニー」。2020年秋冬コレクションで新たに2つの素材を採用した。1つはバイオファーフリー素材KOBAだ。素材の37%が植物由来のため、従来の合成繊維に比べエネルギー消費量は最大30%、温室効果ガスの排出量を最大65%減少させることに成功したという。原材料には再生ポリエステルが含まれており、長い寿命を終えた後、廃棄することなくリサイクルが可能。もう1つは、100%植物繊維から作られた史上初のストレッチデニム生地COREVA。天然ゴムの芯にオーガニックコットンを巻き付けて作られており、生地にはプラスチックやマイクロプラスチックは一切使われていないにもかかわらず、この生分解性のストレッチデニムは伸びの良さも保っているという。

製品やパッケージに限らず、ファッションショーのセットも再資源化が進められている。豪華なセットで見る者を圧倒する「シャネル」は、過去に制作されたロケットやクルーズ船、エッフェル塔などはリサイクル素材で作られていると説明し、セット全体が再資源化もしくは再利用されている。また、同ブランドは2015年に採択された気候変動に対する国際的な枠組みであるパリ協定の目標「世界の平均気温の上昇を1.5度未満に抑える努力をする」という条項に基づいて、今年3月にChanel Misson 1.5を立ち上げた。具体的には、販売するアイテム1点当たりの排出量を66%減らすこと、もしくは販売するアイテム1点当たりのサプライチェーンでの排出量を2018年との比較で40%減らすこと、事業全体での二酸化炭素排出量を50%減らすという目標を掲げる。それに加えて森林の保護や再生などに関するプロジェクトに投資して排出分を相殺する。地球温暖化の影響を最も受けやすい小規模な農場や起業家を支援するプロジェクトに、今後5年間で2500万ユーロ(約29億円)投資する決定を下したほか、原料やパッケージング開発における新技術やスタートアップ、気候変動の科学的調査などにも投資し、リスク耐性の高い原料サプライチェーンを構築する。

「ファッション協定」の3つの柱の中で、生物多様性の復元に関しては比較的最近の問題である。レポートではメンバーの30%のみが「サプライヤーと綿密な計画を練った」と報告した。例えば破壊的な原材料(約150億円の損失の原因となるセルロースなど)を他の環境に優しい資源に変換する計画や、絶滅の危機に瀕している動物種の保護と森林破壊との闘いにおいて改善の余地が検討された。PVH会長兼CEOのマニー・キリコは「重要なのは透明性」だと述べた。「これらは単なる広報活動ではない。業界は成長を続けているが、今こそシステムを変える時であり、失う時間ではないことを『ファッション協定』が示している。地球に代替手段がないため、設定された目標を達成することを約束する」と付け加えた。現在「ファッション協定」の委員会は外部アドバイザーとともに、業界を改善するための措置の概要、進捗状況を集計し表示するデジタル・ダッシュボードを開発中だという。最後は「ユニリーバ」グローバルCEOのポール・ポルマンが締めくくった。「『ファッション協定』は業界全体を変革するために、自然とビジネスの調和の取れた共存の未来に私達を導くことができると証明している。まだ参加していない人々がしなければならないのは、私達に加わることだけ」。

1年で素晴らしい成果が見られた一方で、これらは最終目標の出発点にすぎないことも提起された。懸念点は、サプライチェーンの排出量の測定が輸出量ではなく輸出額によることだ。輸出額ではヨーロッパ諸国が上位を占めるが、輸出量においてはバングラデシュ、中国、次いでヨーロッパの順である。つまり、バングラデシュや中国での生産の相対的な環境への影響は、ヨーロッパよりもはるかに大きい可能性がある。アジア諸国の縫製労働者は貧困率が高いうえに、廃水や気候災害による有害な職場環境にさらされている。「ファッション協定」が地球規模の問題に取り組んでいる以上、最大の問題領域であるアジアでの取り組みに焦点を合わせる必要がありそうだ。

The post 出発点に立つ「ファッション協定」 初年度の各ブランドの成果とアジアに当てられる焦点 appeared first on TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報.

]]>