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「ZOZOVILLA」復活、なぜ今ZOZOがラグジュアリーファッションなのか?

人々の接触が制限され、オンライン化が一気に加速しているポストコロナ時代において、これまで対面接客が基本とされたアパレル業界が大きな変革を迫られていることは自明だろう。特に、コレクションの発表や展示会・店頭接客と、対面でのコミュニケーションに重きを置いてきたラグジュアリーファッションの分野はなおさらだ。

高単価で顧客商売、アナログでなければ伝わらない繊細な素材や質感などは、どれもデジタルに向いているとは言えなかったこともあり、これまで多くのラグジュアリーブランドがECでの販売を避けてきたわけだが、この1年間で驚くほどの数のブランドがECを立ち上げ、モールでの販売も始めるなど、デジタル化を推進し始めた。

そんな中、ファッションECの長とも言える「ZOZOTOWN」が3月18日、ラグジュアリー&デザイナーズに特化した専門チャネルとして「ZOZOVILLA(ゾゾヴィラ)」を立ち上げた。「ロエベ」や「クロエ」、「ドリス ヴァン ノッテン」など、国内外の約90ブランド(立ち上げ時)が集まる。「ZOZOVILLA」と言えば、知る人ぞ知るサイトで、実は2010年に一度ローンチされ、“VILLA”のように新規ブランドの島がどんどんと生まれていくサイトは当時大きな話題となった。今回は満を持しての復活だ。

なぜ今ラグジュアリーECモールなのか?

(2021年1月末時点で)900万人を超える年間購入者を抱え、1,400を超えるショップが入る国内最大手「ZOZOTOWN」がなぜ今、ラグジュアリー分野に進出するのだろうか。事業を統括する畠中一樹・「ZOZOVILLA」クリエイティブディレクターは、あくまでコロナの流れの中で生まれたサイトではないことを強調する。

「立ち上げの話はコロナ以前に始まっています。ZOZOはそもそもメンズのストリートブランドを中心にファンを拡大し、セレクトショップや大手ブランドの出店と、着実に歩みを進めてきました。本当にたくさんの方にご利用いただく中で、さらにコアなファッション好きに向けたジャンルが足りていないと感じていたため、僕達は“MORE FASHION×FASHION TECH”というZOZOの新たなメッセージにもぴったりな『ZOZOVILLA』をやるべきだと社内提案したんです」。

「ZOZOTOWN」の利用者は7割が女性。「ZOZOVILLA」では男性の利用客も増えると予想する。新生「ZOZOVILLA」の目的は「ZOZOTOWN」で足りない部分を補完しつつ、相乗効果を生むことにある。事実、すでに「ZOZOTOWN」に出店しているラグジュアリーブランドの1つは、利用者のほとんどが「ZOZOTOWN」の既存利用者だったという。「ZOZOTOWN」の眠っているニーズに応えていくためのポジションとなるわけだ。

「『ZOZOTOWN』では多くの方に届けるためにバナー広告やセールをしてきましたが、『ZOZOVILLA』ではひとまずそういった機能は使わない。純粋なセレクトショップのように、顧客にワクワクを届けていきたいんです」。

立ち上げを進める中で襲ったコロナウイルスの脅威。アパレル業界は店舗を閉めざるを得なくなり、必然的にEC化が進んだ。「デジタル化の追い風は感じています。これまでラグジュアリーブランドに声かけをしても、なかなか進まないことが多かったが、今は違います。まず話を聞いてくれる」と畠中氏。最初の時点では約90ブランドが参加を表明しているが、すでに秋以降に向けて数十ブランドの参加が決定しており、その数はさらに増えていきそうだという。時代の流れもあり、「ZOZOVILLA」は確実にラグジュアリーブランドの心をつかんでいる。

圧倒的な潜在顧客と安心感

ファッションECに関して言えば、ラグジュアリー分野では「MATCHESFASHION」「SSENSE」などの海外サービスが日本でもすでに認知を得ている。そんな中で「ZOZOVILLA」の強みを挙げるとすれば主に次の2つだろう。1つがすでに「ZOZOTOWN」の抱える潜在顧客。もう1つがサイトが提供する安心感だ。

潜在顧客に関しては言わずもがな、特にZ世代以降からも強い支持を得ている「ZOZOTOWN」だからこそ、ブランドにとっては出店が大きな魅力になる。安心感についても説明は不要だろうが、国内ECモールとして圧倒的な数量の商品をブランドと直接の取引をしていることがまず何よりの安心感だと畠中氏は言う。二次流通や海外からの輸入も当たり前になった時代だからこそ、その安心感は計り知れない。

加えて、これまで「ZOZOTOWN」が培ってきた写真のクオリティーや、サイズやカラーといった独自スペック表示などの細かい技術レベルがさらなる安心感を与えてくれる。Z世代からすれば「高単価だからこそ、お店で試着を」ではなく「高単価だからこそ、信頼のおけるECで」なのだ。

もちろん、テクノロジーやコンテンツ力という点でも「ZOZOVILLA」は強い。サイト上にはつねにトップページに旬な特集を置き、定期的に更新をしていく他、将来的には読み物コンテンツの充実や梱包方法などにもこだわっていく。テクノロジーについて言えば、AIを活用した需要予測、ターゲティングのような仕組みはもちろんのこと、ブランドの世界観を維持できるような検索システムや、購入時の体験をテクノロジーで付加していくようなことも計画する(実際にこれまでも「ロエベ」で独自に構築したAI予測モデルを用いたマーケティングコミュニケーション施策を実施したことがあるそうだ)。

テクノロジーをZOZOが持つカードとして活用していくというよりも、「ZOZOVILLA」というデジタル上に存在する1つの「ショップ」として、リアルな対面でなくともいかに感動できる体験を生み出すか。それこそがZOZOがテクノロジーの力で目指す次のステージだ。その思想は機能性よりも世界観を大切にするラグジュアリーブランドとも重なる。

カテゴリーを越境した熱のある場所に

もう1つおもしろいのが、アートなど、ファッションにとどまらない(というか分野を溶かしていくかのような)サイトの捉え方である。「ZOZOVILLA」のキービジュアルを手掛けたのは現代美術家の井田幸昌氏。その理由を畠中氏はこう語る。「戦略的にアートを使っていくとか、そういうことではありません。ファッションに関心のある人は、当然アートにも注目をしている。僕達自身もファッション同様アートに対してワクワクしている。自分達がやりたいことを考えると、アートを取り入れるのは必然でした」。

井田氏にオファーをしたのも、彼等が大好きなアーティストだったから。「告白のような依頼」をしたところ、快諾を頂き、率先して今回のための作品を描き下ろしてくれたのだという。

今後も「ZOZOVILLA」で扱うカテゴリーはファッションやアートにとどまらない。その延長で、彼等の琴線に触れるものならインテリアだってライフスタイルだって取り入れる。「数字の中で証明できるものしか取り扱わないのではつまらない。どんなファッションとの掛け合わせでどんなシナジーを生むかというよりも、まずは自分達が好きなものをきちんと厳選しつつ、ファッションという垣根を越えて紹介していくつもりです」。

ここはやはりECモールというよりも癖のあるセレクトショップという気がしてくる。思い返せば「ZOZOTOWN」だって立ち上げ時には個性の強さが最大の売りだった。今また当時のような新しい熱量のショップが生まれるということなのかもしれない。だから、ブランドに関しても、加速的に増やすわけではなく、きちんとこだわりを持って選んでいく。「こういう機会を頂けたことはうれしい、だからこそ『まずはスピードよりも質で』と澤田(宏太郎・社長)には伝えています」。

ポストコロナ時代の試金石となるか?

ラグジュアリーブランドのデジタル化が進む中で再び生まれた「ZOZOVILLA」。百貨店やセレクトショップのような実店舗を持つところを除けば、国内ではまだラグジュアリー&デザイナーズに特化したサイトはほとんどない。そもそも、百貨店やセレクトショップも取り扱いブランド数には限りがあったり、店頭との在庫配分などいろいろな課題がある。

これまで積み上げた堅実なノウハウと最新のテクノロジーを使いつつも、熱量のある場所を目指すというのは消費者に取っても出店ブランドにとっても心強い。ECでの販路を広げるラグジュアリーブランドにとっては、自社ECでは決してできないであろうミックスコーディネートなどの自由度が高い取り組みができるのもZOZOならではで(「WEAR」との連動も楽しみだ)、「ZOZOVILLA」の示す道がポストコロナ時代のラグジュアリーブランドのデジタルにおける1つの試金石となることは間違いなさそうだ。

Text Takahiro Sumita

問い合わせ先
ZOZOVILLA
https://zozo.jp/_help/help_faq_info.html

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREとRAYARD MIYASHITA PARKのコンセプトストア「TOKiON the STORE」で、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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