キネティック・アートの巨匠、ジュリオ・ル・パルクの日本初の個展「ル・パルクの色 遊びと企て」が銀座エルメスで開催する。会期は8月13日〜11月30日を予定している。
©Atelier Le Parc
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同展はル・パルクの70年を超える活動の中で、常に鮮明な印象をもたらしてきた「色」がテーマ。ル・パルクは1959年から黒と白のグラデーションを起点に、自ら構想した14色のみを用いた作品を発表しており、色を幾何学的なフォルムや可変性のメタファーとして捉え、シリーズごとに配色を設定し、回転や反復、分割などの方法で探求し続けてきた。諧調や変容のメカニズムを見極めながら色を自在に扱うことは、ル・パルクにとって色の可能性を探る試みであり、光や動きをとりこむモビールなどと並行して継続する重要なシリーズでもある。
作品は初期のモノクロの絵画や色彩探求のドローイングから、代表作である「ロング・ウォーク(La Longue Marche)」や「反射ブレード(Lames réfléchissantes)」、またGRAV(視覚芸術探究グループ)の時代から展開してきたモビールの新作までを展示する。
©Atelier Le Parc
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また、7月29日から銀座エルメスのビルのファサードやウィンドウ・ディスプレイ、エレベーターなどにも作品が展示される。
ジュリオ・ル・パルクは1928年アルゼンチン生まれで、1958年にフランスを拠点として制作を続けている。1960年にパリで発足したGRAV(視覚芸術探究グループ)の創立メンバー。1966年に第33回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展絵画部門大賞を受賞。主な個展として、パレ・ド・トーキョー(2013年、パリ)、カーサ・ダロス(2013年、リオデジャネイロ)サーペンタイン・サックラー・ ギャラリー(2014年、ロンドン)、メット・ブロイヤー(2018年、ニューヨーク)などがある。