「マーク ジェイコブス」が手掛けるブックストア「ブックマーク」は、写真家の山谷佑介の1st写真集『Tsugi no yoru e』の限定復刊を記念して写真展を開催する。会期は8月27日から9月8日まで。会場では写真集の先行販売を行うほか、eメール限定応募のみで、「WASTED YOUTH × Yusuke Yamatani」による Tシャツ付特装版の抽選販売も行う。価格は『Tsugi no yoru e』が¥7,700、Tシャツ付き特装版『Tsugi no yoru e』が¥14,300となっている。
「Tsugi no yoru e」は2013年に限定150部で山谷が自費出版した最初の写真集。小部数ということもあって、中古市場でもなかなか目にすることがなかったが、今回1st editionと同じく特徴的な布のツギハギで作られた装丁のもと、限定数で再版する。
「時々、自分がどの時代に生きているのか、わからなくなることがある。僕は2000年代に思春期を過ごし大人になったけれど、好きなものの多くは過去の時代のものだった。だからこそ、写真には場所を超えた何かを見つけたいと思っているし、時間を超えた強度のあるものに惹かれる。
22歳の時、それまでやっていたパンクバンドを辞め、ひょんなきっかけから写真を撮り始めた。それから、自分にとっての写真を学ぶために海外や日本を旅したけれど、物珍しさに反応してシャッターを押している自分に何か違和感を覚えていた。
2010年、僕はカメラを片手に、ライブハウスやその周辺に戻ってみたいと思った。なぜなら、そこに集う彼らも過去と現在の狭間を浮遊しているような存在に思えたからだ。まずは自分がどこからやってきたのかをはっきりさせたかった。
顔馴染みの多い東京ではなく、ほとんど知り合いがいない大阪に住むことに決め、旧友の家に転がり込んだ。毎晩路上に繰り出し、週末はライブハウスへ。新たに出来た友人たちと朝まで遊んでいたけれど、心の底から満足するような夜は一日もなく、いつも何か満たされないもどかしさを感じていた。短絡的に、ずっと何かと出会えることを期待していた。でも別にそんなものは現れなかった。
それが、この写真集『Tsugi no yoru e』です」(山谷佑介)