音楽家・渋谷慶一郎が12月開催ドバイ万博の「ジャパンデー」にて新作パフォーマンスを発表

去る8 月21日、22日に、東京・新国立劇場で新作オペラ作品「Super Angels」の世界初演を成功させた音楽家・渋谷慶一郎が、2021 年 12 月 11 日(土)、2020 年ドバイ国際博覧会(以下、ドバイ万博)のメインステージで新作のパフォーマンスを行うことが発表された。

ドバイ万博は、コロナ禍から一年の延期を経て 2021 年 10 月 1 日~ 2022 年 3 月 31 日を新たな会期と して開催される中東およびアフリカ地域初の登録博。世界 192 カ国が参加し、約 2500 万人の来場者 を見込んだ大規模な万博として UAE のドバイで華々しく開かれる。  

渋谷のパフォーマンスは、ドバイ万博において日本館や関係団体が日本を紹介する文化イベントを会場内の各所で実施する12 月 11 日の「ジャパンデー」の催事として行われる。この新作パフォーマンスには、アンドロイド・オペラ『Scary Beauty』や 8 月末に東京・新国立 劇場で世界初演を終えたばかりの新作オペラ作品 『Super Angels』にも出演したアンドロイド「オルタ 3」が歌手及び指揮者として出演。さらに、2019年に世界最大級のメディアアートの祭典「アルスエレクトロニカ・フェスティバル 2019」にて発表した『Heavy Requiem』で共演した仏教の伝統音楽である高野山・声明の演奏家・藤原栄善をはじめとする南山進流声明の演奏家5名が参加。また、オーケストラには 2020 年 1 月に UAE・シャルジャ での『Scary Beauty』公演で共演した、UAE 現地の NSO Symphony Orchestraを迎え再共演を果たす。

「Connecting Minds, Creating the Future(心をつなぎ、未来を創る)」というドバイ万博のテーマにも通じるものであると同時に、渋谷が近年展開してきた活動の集大成的な内容にもなっている新作パフォーマンス。未来志向で国際色豊かな中東ドバイの地ではたしてどのようなサウンドが鳴り響くことになるのか、楽しみでならない。

渋谷慶一郎
東京藝術大学作曲科卒業、2002 年に音楽レーベル ATAK を設立。作品は先鋭的な電子音楽作品からピアノソロ 、オペラ、映画音楽 、サウンド・インスタレーションまで多岐にわたる。
2012 年、初音ミク主演による人間不在のボーカロイド・オペラ『THE END』を発表。同作品はパリ・シャトレ座公演を皮切りに世界中で公演が行なわれている。2018 年にはAI を搭載した人型アンドロイドがオーケストラを指揮しながら歌うアンドロイド・オペラ『Scary Beauty』を発表、日本、ヨーロッパ、UAE で公演を行なう。2019 年9 月にはアルス・エレクトロニカ(オーストリア)で仏教音楽・声明とエレクトロ
二クスによる新作『Heavy Requiem』を披露。人間とテクノロジー、生と死の境界領域を作品を通して問いかけている。
2020 年9 月には草彅剛主演映画『ミッドナイトスワン』の音楽を担当。本作で第75 回毎日映画コンクール音楽賞、第30 回日本映画批評家大賞、映画音楽賞をダブル受賞。2021 年8 月、東京・新国立劇場にて新作オペラ作品『Super Angels スーパーエンジェル』を世界初演。
http://atak.jp

Photography Ronald Stoops

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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