小田原文化財団は、2019年からスタートした現代アートプロジェクトの第2弾としてアーティストのクリスチャン・マークレーのサウンドパフォーマンス「Found in Odawara」を江之浦測候所で開催する。会期は11月27、28日の2日間。
視覚と聴覚の交差点から作品を発表してきたマークレーは、1970年代末にターンテーブルとレコードを楽器として用いた音楽作品を作り出す、ターンテーブル奏者として前衛的な音楽活動を行う一方で、1980年代以降は、視覚的な情報としての音や、現代社会における音の物質化や商品化に着目した、現代美術と音楽との結びつきを探る作品を生み出してきた。近年では、身近なものが作り出す音を用いたプロジェクトをイタリアのヴェニスやイギリスのハダースフィールドで開催している。
「Found in Odawara」は、小田原の江之浦測候所で音楽家の大友良英、巻上公一、サウンドアーティストの鈴木昭男、アーティストの山川冬樹、美術家の山崎阿弥の5人とともにマークレーが即興音楽を披露する。
4.巻上公一
5.鈴木昭男 Photography Meike Boeschemeyer
6.山川冬樹
7.山崎阿弥
マークレーはパフォーマンスに関して「2012年以降、私はレコードとターンテーブルからしばし離れ、身の回りのものが生み出すアコースティックな音に焦点を当てるようになった。これは、楽音が増幅され媒介となることの多い、私達を取り巻く環境に対するリアクションである。私は何も持たずに日本へ行き、小田原で見つけたありふれたものを用いて、日本の音楽家やパフォーマーとともに音楽を作り、披露する。5名のうち大友良英や巻上公一とはこれまでも長年にわたり共演してきており、鈴木昭男、山崎阿弥、山川冬樹とは今回が初めてのコラボレーションとなる。杉本博司が構想した素晴らしい江之浦測候所という場所にふさわしい自由形式のパフォーマンスを彼らとともに創り上げることになる」とコメントしている。
9.冬至光遥拝隧道
10.夏至光遥拝100メートルギャラリー
11.光学硝子舞台と古代ローマ円形劇場写し観客席
12.石舞台
13.円形石舞台
©小田原文化財団