今の気分にフィットする、手に入れたいアイテムをTOKION視点でセレクトする「Tokyo Wish List」。冬は何かとダークトーンやシンプルなアイテムを選びがちだけど、気分やスタイルによってはスパイスの効いたコーディネートにもチャレンジしたいところ。そこでおすすめしたいのが、デザインや素材などで遊びを取り入れたアウター。見る人にインパクトを。着る人に温かみを。この1着さえ押さえておけば、今年の冬は問題なし。
visvim
奄美大島の伝統工芸、泥染め仕上げのダウンジャケット
2000年の創業以来、伝統技法とテクノロジーを織り交ぜたプロダクトで世界基準のものづくりを展開する「ビズビム(visvim)」。同ブランドから今シーズンリリースされたチェック柄のダウンジャケットは、奄美大島で古来受け継がれている伝統技法、泥染めを取り入れた1着。まさに日本の魂も込められた本作は、特殊なナイロン糸を使用しているので、合繊の光沢感を抑えたシルクのような生地感も特徴の1つ。加えてシルエットは、肩をドロップさせ、全体的にボリュームを持たせている。さらにフードは脱着が可能で、センターのジップを開閉することでセーラーカラーに変化可能。そして、ウエストと裾はひもでサイズ調整することができるので、また違った表情を楽しめる。何度もウォッシュを繰り返したような独特の風合いを醸し出す作品は、もはや芸術の域に達していると言ってもいいだろう。
F.I.L. TOKYO 03-5725-9568
UNDERCOVER
さまざまな着こなしを楽しむことができるドッキングコート
今季は「エヴァンゲリオン」とのコラボレーションで大きな話題を集めている「アンダーカバー(UNDERCOVER)」。同ブランドの魅力と言えば、デザイナーの高橋盾が作り出す唯一無二の世界観と反骨精神の宿るアイテム群。そこで今回フォーカスするのは、ミリタリー品番の1つであるドッキングコート。「アルファ インダストリーズ」のMA-1ジャケットをベースに、ジップでさまざまなパーツをドッキングしたオリジナリティにあふれた一作だ。そのまま羽織るもよし、パーツを外してMA-1としても着るもよし、スタイリングはあなたの自由自在だ。ファッションとは自分自身で楽しむものという、忘れてしまいがちなメッセージを思い出させてくれる、まさにファッションの真髄がこもったミリタリーアウター。
アンダーカバー 03-5778-4805
sacai
「サカイ」を象徴するコート
東京から新しいスタンダードを発信する阿部千登勢によるブランド「サカイ(sacai)」にとって、ミリタリーというキーワードは、コレクションには欠かせない存在ではないだろうか。事実、今シーズンもさまざまなミリタリーアイテムが展開されている。中でも今回ピックアップするのは、メンズラインでリリースされているウール素材のメルトンコート。まるでナイロンジャケットを重ね着したかのように見えるギミックがおもしろい。サイドは大きく開かれており、手を入れるとナイロン生地のポケットが隠れている仕掛けが。スパイスが効いたアウターだけれども、大人でも上品に着られる仕立てはさすがなデザイン。アウターの特徴を生かしてシンプルに着てもよいし、インナーに色を入れて楽しむこともできる万能な1着だ。
サカイ 03-6418-5977
Photography Erina Takahashi
Styling Takuya Raita