これまでに巨大なビニールシートで家屋全体を包んだり、人間を布団圧縮機でパックし、撮影するといった独特な作風で知られる写真家のPHOTOGRAPHERHALが、写真展「Ayarl」を6月3日から6月25日まで、東京・中野にあるギャラリー「冬青」で開催する。
PHOTOGRAPHERHALのキャリアは、カップルを布団圧縮機でパックした作品からスタートしていて、これまでに被写体を洗濯機に入れてみたり、家族をまるごと包みその家族が暮らす自宅や庭木、車をも包んだりと、さまざまなヒト・モノを包み写真を収めてきた。その作品のテーマは一貫して“愛”を表現している。
新作個展では、結婚し新しい命を授かった経験から、自身の妻と子を被写体にした作品27点が展示される。
開催にあたりPHOTOGRAPHERHALは、「“森羅万象”の中でも人間の誕生ほど神秘に包まれたものはないと思う。母体の中に宿る子は、宇宙空間にを漂っているようだと語られている。その宇宙空間から新たな星が2022年1月に生まれた。YOKOと私にとって第1子の誕生である。宇宙は今なお成長拡大していると言われている。洋子は星を海や森のように優しく包み込み、心身は変化していった。その神々しさに魅了された。私は“森羅万象”の世界感にYOKOを宇宙と合体させることを試みた。人々を等しく“聖母マリア”のごとく輝く、その輝きの時を逃すまいとレンズを向け続けた。私はその姿を光の像として世界に引き延ばすことにした。その姿はまるで人間と森羅万象が融合した私にとっての新たな“聖母マリア”像なのかも知れない」と話す。
さまざまな“愛”の形と向き合ってきたPHOTOGRAPHERHALが写し出す新たな“愛”のメッセージを感じてほしい。