ヴァージル・アブローの対話集『ダイアローグ』が発売 トム・サックスやレム・コールハースとの対談を収録

アダチプレスは、2021年11月28日に41歳で急逝したヴァージル・アブローが遺した2016年から2021年までの主要なインタビュー、対談、座談会9本を厳選収録した日本オリジナルの対話集『ダイアローグ』を7月15日に発売する。

ヴァージルのアイデア、仕事術、思想、生き方、黒人としてのアイデンティティが、あますところなく語られている。現代美術家トム・サックスとのスタジオトークや、2019年にシカゴ現代美術館で開催された大規模個展”Figures of Speech”のカタログに収録された建築家レム・コールハースとの対談、『新潮』2022年3月号で紹介されたヴァージル生前最後のロングインタビューなどを掲載する。

ヴァージル・アブローは、1980年9月30日、ガーナ移民の両親のもとシカゴ近郊のロックフォードで生まれる。ウィスコンシン大学マディソン校で土木工学を、イリノイ工科大学大学院の修士課程で建築を学んだのち、カニエ・ウェストとの仕事を経て、2012年に自身のプロジェクト「Pyrex Vision」を発表。2014年にはファッションブランド「オフホワイト c/o ヴァージル アブロー」を設立。自身のブランドと並行して、「ナイキ」や「イケア」とのコラボレーションなど数々の作品を生み出す。2018年、「ルイ・ヴィトン」のメンズ・アーティスティック・ディレクターに就任。2019年、シカゴ現代美術館で回顧展「Virgil Abloh: “Figures of Speech”」を開催し、同名の書籍を刊行。2020年、黒人学生の教育ための財団「Virgil Abloh™ “Post-Modern” Scholarship Fund」を設立。2021年11月28日、心臓血管肉腫のため41歳で急逝。

翻訳は平岩壮悟が担当。平岩は1990年、岐阜県高山市生まれ。『i-D Japan』編集部に在籍したのち独立。フリーランス編集/ライターとして文芸誌、カルチャー誌、ファッション誌に寄稿するほか、オクテイヴィア・E・バトラー『血を分けた子ども』(藤井光訳、河出書房新社)、ケイト・ザンブレノ『ヒロインズ』(西山敦子、C.I.P.Books)をはじめとした書籍の企画・編集に携わる。また本書が初めての翻訳書となる。

版元は、ヴァージルがハーバード大学デザイン大学院で行なった公開講義を採録した『“複雑なタイトルをここに”』も出版しているアダチプレス。装丁は、『STUDIO VOICE』『PARTNERS magazine』などの雑誌のアートディレクションを手がけるデザイナー/アートディレクターの坂脇慶が担当した。

【目次】
クールとはなにか?――トム・サックスとの対話
デュシャンは私の弁護士――トム・ベットリッジとの対話
Tシャツだから苦い薬も飲み込める――ハンス・ウルリッヒ・オブリストとの対話
物をもたない時代の消費主義――レム・コールハースとの対話
観光客と純粋主義者のあいだ――ジョナサン・ウィングフィールドとの対話
権力を溶解させる――ジャック・セルフとの対話
建築のあとで――レム・コールハース、サミール・バンタルとの対話
100パーセント――アンニャ・A・クロンバーグとの対話
黒人の正典を定義する――アンニャ・A・クロンバーグとの対話
訳者あとがき
ヴァージル・アブロー略年譜

■『ダイアローグ』
著者:ヴァージル・アブロー 
訳者:平岩壮悟
版元:アダチプレス
発売日:2022年7月15日
価格:¥1,900
仕様:A5変型判、並製、200ページ
https://adachipress.jp/dialogues/

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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