
今夏は大小さまざまな音楽フェスが開催された。依然続くコロナ禍は規模の縮小や出演者の直前キャンセルなどに影響しているものの、軒並み中止となった一昨年、なんとか開催されながらもイレギュラーなことばかりだった昨年と比べると、多くの人がエンターテインメントが徐々に戻りつつあることを肌で感じたのではないだろうか。
「フジロックフェスティバル ’22」も例外ではなく、”いつものフジロック”を掲げ、3年ぶりに海外ミュージシャンも迎え、昨年は取りやめたアルコール販売も再開するなど、完全復活への第一歩を踏み出した。
同時に、コロナ禍におけるフェスは開催することへの意義が以前にも増して問われるとともに、時に多様な意見が入り混じる議題にもなってきた。年々音楽と社会との結びつきは強固になる一方で、あまりにもステートメントが前面に出ると、イベントや音楽本来の魅力を忘れてしまうような瞬間もあるように思える。
今回、音楽やファッション業界で幅広く活躍する写真家のトヤマタクロウに、彼の目線を通して音楽と自然が融合した「フジロック」を撮影してもらった。美しい情景や躍動感あるライヴ写真を通して、今夏を振り返るとともに、来年の「フジロック」に思いを馳せる一助となれば幸いだ。






























トヤマタクロウ
1988年生まれ。写真を用いた作品制作を中心に活動。2021年に作品集『DEVENIR』を刊行し、個展「DEVENIR 2021/11/20 – 12/05」(es quart, 2021)、「DEVENIR 2022/2/15-27」(Utrecht, 2022)を開催。
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Instagram:@takurohtoyama
Photography Takuroh Toyama