「ロエベ」の秋冬キャンペーンがローンチ アンダース・エドストロームが新作“ハンモックコンパクト”を撮り下ろす

「ロエベ(LOEWE)」のアイコンバッグ“ハンモック”から、サイズを小さくした新作“ハンモックコンパクト”が登場。同モデルは多様化するライフスタイルに対応するために、これまでの“ハンモックバッグ”を軽量でアクティヴに過ごすように再解釈したモデルだ。複数の折り畳み構造やサイドのファスナーといったオプションで形状が変化する独創的なデザインというアイデンティティーを引き継ぎながら、装飾を削ぎ落とした大胆なカラーでアイコニックなシェイプを際立たせた新たな試みが光る。カラーはボディから金具までを大胆に彩るソリッドカラーで、アクアマリン、ヌード、ビンテージカーキ、プラムローズ、オレンジの5色を展開する。

9月14日にローンチされた「継ぐは、非凡」と題された「ロエベ」秋冬キャンペーンのムービーとヴィジュアルを手掛けたのは写真家・映像作家のアンダース・エドストロームだ。ヒロインには女優の安藤サクラを迎え、スタイリストはアンダースと旧知でありながらも今回の撮影が初となる北村道子が担当。日常的なシーンや風景を通した、さながら1本の映画のような世界観を表現した。

「継ぐは、非凡」と題された「ロエベ」秋冬ハンモックキャンペーンのムービー

アンダースはヴィジュアルのストーリーを「1本の映画を作るように組み立てていった」という。これまで多くのブランドのキーヴィジュアルを手掛けてきたが、今回はコロナ禍での撮影。さまざまな厳しい条件下でアンダースは「当初は何も考えていなかった。そんなことはこれまでなかった。ただ、背景に沿った写真を撮るにはどうしたらいいかを考え始めた。“何か”を見いだすまでには、いつも長い時間がかかる。そして、どうやって作品を作るかを想像するためには、ロケ地を実際に見てみることがとても重要だった」とストーリーまでの導線を語る。

完成したヴィジュアルはいずれも日常的な光景を捉えたある種のスナップ写真のようだが、それらをつなぎ合わせたシーンの断続的な関係性を追うと映画のような動きさえ感じられる。 撮影は京都市内の南禅寺、京都郊外の舞鶴にある小橋海岸、大阪の天津橋橋歴碑付近の3カ所で行われた。ストーリーの組み立てに不可欠なのが「ロケ地を実際に見ること」と語るアンダースは「この映画には、テーマに沿った3つの要素が必要だった。その要素は都会と緑と海。京都近辺で撮影することが決まった後は、大阪と南禅寺と舞鶴に決めた。(安藤)サクラさんは撮影中に汚れたりすることにも抵抗がなかったし、表現に制限をかけない姿勢も素晴らしかった。北村さんと一緒に仕事をしたのは初めてだったが、作品に対してとても情熱的で最高の時間だった」と撮影を振り返った。

親子の競演で完成したヴィジュアル

今回のキャンペーンにはアンダースの息子であるニルスも参加した。12歳のときに初めて本格的なアシスタントとして参加して以来、アンダースのアシスタントとしてスチールや動画の撮影、編集やレタッチなどの業務を担当している。「ニルスは私の仕事をよく知っているので良いアイデアを持っている。彼は私の写真すべてが素晴らしいとは言わないので、とても信用している。スランプに陥りそうなときには励ましてくれて、解決策を見つける手助けをしてくれる。私たちは毎回の撮影でお互いができる限りのことを吸収するために現場にいると思っている。一緒に遊んだり旅行をしたりするような関係も、自分の知識を伝えられることも楽しい」とアンダースが語る一方で、幼少期から興味の赴くままに現場で父の仕事を見ていて、自身も写真家として活動するニルス・エドストロームは「父と一緒に仕事ができることは、とても光栄なこと。一緒にいると楽しいので、できるだけ多くの撮影に参加するようにしている。その中で父とはある意味、とても親しい間柄になった。彼のメンタリティーが自分の仕事に反映されることもある。実際は一つひとつの業務を丹念に仕上げている。常に互いを刺激し合い、最後までベストを尽くしている。私自身は、いつも一緒に行動しているだけで、何も変わっていない」。

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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