Tシャツは年中無休、何枚あってもいい。秋はパーカやライトアウターの下にお気に入りのTシャツを合わせたい。TOKION視点で紹介する連載「Tokyo Wish List」では、写真家の作品が落とし込まれたフォトTシャツをセレクトする。
メッセージが込められた写真、写真家やブランドのルーツを写すものなど、フォトTシャツもさまざまで、トップスの下に着用していても存在感は抜群でコーディネートの主役になるアイテム。好きな写真とカルチャーを着て秋もファッションを楽しもう。
TANGTANG


多方面で活躍する3人のクリエイターによる不定期プロジェクト
デザイナー、丹野真人が2011年にスタートしたブランド「タンタン(TANGTANG)」は、Tシャツを中心に展開し、さまざまなアーティストとのコラボレーションアイテムもリリースしている。本作は、写真家の佐内正史とスタイリストの伊賀大介と、デザイナーの丹野真人のコラボレーションシリーズとしてこれまでも不定期でリリースされてきた「ガサタン(GA SA TANG)」の新作フォトTシャツだ。
佐内による写真が両面にフォトプリントされている点が本作の特徴。フォトTシャツといえば、どちらか片面にフォトがプリントされているものが一般的だが、「ガサタン」はフロントとバックの両面にフォトが入った存在感の強いデザイン。今回紹介するのは、昔懐かしい水撒きホースと、ひまわりを写した夏を感じさせるような写真の2アイテムで、水撒きホースやひまわりのカラーを落とし込んだデザイン性の高さも見逃せない
スクール https://shop.skool-komazawa.com
Hideo Haga × KEIMEN

日本の“農”と“伝統”を写した民俗写真をウェアに落とし込む
モデルとして活躍し、畑オタクとして自ら農作業にも没頭している岡田章吾(Shogo)が、2020年に立ち上げた「カイメン(KEIMEN)」。カイメンとは、ドイツ語で発芽を意味する言葉で、畑オタクのためのブランドとして農作業での着用を意識したデザインのアイテムを展開している。
その「カイメン」が、民俗写真家の芳賀日出男の写真をプリントしたフォトTシャツを制作。芳賀は1989年に紫綬褒章を受賞するなど長きにわたって活躍し、100歳を超える大ベテラン。本作は、芳賀の息子で同じく写真家の芳賀日向との出会いがきっかけで実現したコラボレーション。芳賀がこれまでのキャリアの中で撮影してきた日本の“農”と“伝統”にまつわる民俗写真の中から、「榊鬼(さかきおに)」(愛知県北設楽郡東栄町月、1972年撮影)や「山屋(やまや)の田植え踊り」(岩手県紫波町、1965年撮影)などが使われており、迫力満点の1枚に仕上がっている。
カイメン keimenproducts@gmail.com
Tetsuo Kashiwada × Mile

アメリカのモーテルで撮影した旅写真をTシャツに
「マイル(Mile)」は、雑誌・広告などで広く活躍し、ファッションブランドのルックなども撮影、その傍らでロードトリップをしながら写真を撮影する写真家、柏田テツヲがこれまで撮りためてきた写真をプリントしたフォトTシャツを多数リリースしているブランドだ。
紹介するフォトTシャツは、柏田が以前、アメリカを旅した時にモーテルやモーテルに関わるひとびとを被写体にした写真をプリントしている。前身頃全体に大きくプリントされていて存在感が強く、Tシャツのボディに溶け込むようにプリントされているのも特徴的だ。
ボディにはアメリカを代表する無地Tシャツメーカーの1つ、「プロクラブ」のヘビーウエイト生地が使われている。タフな作りのボディなのでガシガシ着倒せるのも嬉しい。紹介する2着以外にも、TシャツやロングスリーブTシャツ、パーカなどが複数ラインアップされている。気軽に現地へ行くことができない今だからこそ、フォトTシャツで雰囲気を少しでも味わいたい。
にしのや 03-6434-0983
Photography Erina Takahashi
Styling Takuya Raita
Text Kango Shimoda