現代芸術家・ナカヤマン。と「茶美会文化研究所」二代主宰・伊住禮次朗が共同で茶懐石を元にしたパフォーマンスアートを発表

現代アーティストのナカヤマン。が、「茶美会文化研究所」のクリエイティブディレクターに就任した。それに伴い、二代主宰の伊住禮次朗と共に、「茶の湯」文化の持続的な発展を見据えた複数のアートプロジェクトを開始した。

今回のプロジェクト「黒節分」は、茶懐石にフォーカスしたパフォーマンスアートで、ナカヤマン。の新作『年ごとに 人はやらへど目に見えぬ 心の鬼はゆく方もなし WHITE-TO-BLACK』でも表現している。「出し手が設定するコンセプトを、受け手が読み取る行為である」という点に現代アートと茶の湯の共通項を見出し、茶懐石の本質をパフォーマンスアートに落とし込んだ。「茶美会(さびえ)」は参加型のアートプロジェクト「黒節分」を毎年節分の日に完全招待制で開催する。

「茶美会」は、裏千家15代鵬雲斎二男・伊住政和が1992年に創設した団体で、伊住政和の二男・禮次朗を二代主宰とし、現代社会において求めるべき「本質の探究」を『茶の湯』を通して志向している。「茶美会」という言葉は、伊住政和が「茶道」や「茶会」という言葉の与える固定的なイメージを打破するために、「茶の美に出合う」というコンセプトを持つ言葉として提唱した造語だ。

1980年代後半から1990年代にかけて「茶美会」が開催した展覧会には、グラフィックデザイナーの田中一光や建築家・プロダクトデザイナーの黒川雅之、インテリアデザイナーの内田繁、ファッションデザイナーの三宅一生、コシノジュンコ、いけばな草月流三代家元・勅使河原宏、戦後イタリアのデザイン界を牽引したエットレ・ソットサスなど、多くのクリエイターらが集結し、現代と伝統の融合をデザインの視点から考えるムーブメントを作り出した。今回のプロジェクトは、第二世代の「茶美会」としての再始動となる。

author:

TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

この記事を共有