坂本龍一の関連作品を上映するオールナイトイベントが4月21〜22日に開催 音響監修を務めた「109シネマズプレミアム新宿」で

4月14日に開業を予定の「東急歌舞伎町タワー」内の「109シネマズプレミアム新宿」では、開業を記念し、同館の音響監修を務めた坂本龍一が音楽制作を担当した映画やライブ映像をオールナイトで上映するイベント『Ryuichi Sakamoto Premium Collection All Night』を4月21〜22日の2日間開催する。同イベントでは、坂本監修による独自の音響システム「SAION -SR EDITION-」を使用した映像作品上映に加え、両日共にゲストを迎えたトークショーを行う。

第1夜(21日)は、『トニー滝谷』と『戦場のメリークリスマス』の35mmフィルム版、坂本にとって最後のステージとなった『Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022 +』、『天命の城』を上映する。さらに、坂本が才能を高く評価した映画監督の山中瑶子と、俳優やアーティストとして活躍する佐藤緋美(HIMI)を迎えたトークショーも開催する。

第2夜(22日)は、『Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022 +』『戦場のメリークリスマス』『坂本龍一PERFORMANCE IN NEW YORK : async』『シェルタリング・スカイ』の4作品を上映する。2日目のトークショーには、電子音楽家の牛尾憲輔(agraph)と、スタジオ・RITTOR BASEのディレクターである國崎晋が登壇する。

初日の4月21日には、“教授からのプレゼント”として30歳以下を対象に無料招待を行う抽選企画「Ryuichi Sakamoto Premium Collection All Night. U30限定- Gift from Ryuichi Sakamoto -」を行う。参加対象は18〜30歳の109シネマズシネマポイント会員で、抽選申し込みは4月9日23:59まで応募フォームにて受け付けている。2日目の料金は全席一律¥8,000(18歳以上)で、チケットはイープラスで販売している。

また、今回のオールナイトイベント以外にも、同館では坂本龍一関連の映画やライブ映像を上映するイベント『Ryuichi Sakamoto Premium Collection』を4月14日〜5月18日の約1カ月間開催する。

3月28日に亡くなった坂本龍一は、生前、同館の音楽監修について、下記のようにコメントしていた。

映画館やミラノ座・新宿への思い
「1960年代後半、僕は新宿の高校に通っていたので入学した当初から大きな好奇心をもって新宿を隈なく徘徊しました。入学した4月には新宿中のJazz喫茶を訪ね歩いてお気に入りの店をいくつか決めて早速出入りし始める、制服制帽のまま。次に新宿中の映画館をチェックし、その上映傾向を調べる。人生であれほど映画をたくさん観たのもやはりこの高校生活の期間でした。新宿で学んだものは僕を根本的に変えたと思います。60年代末は音楽、演劇、映画、文学、学問など、あらゆるものが劇的に変革された時期であり、その中心が新宿だったのです」。

本プロジェクトに参画した理由
「僕が信頼する音響システムを提供する会社を運営する友人からこのプロジェクトに声をかけられました。彼等と一緒なら本当にクオリティーの高い音を提供する映画館にできるだろうと思い、監修者として参加することにしたのです。
また、常に最高の音響作りを目指す彼らを指名した109シネマズさんの姿勢にも共感しました。音響システムはスクリーンの後ろにスピーカーを組んでいますが、高性能サウンドシステムと高度なチューニング技術により、スクリーンの存在を感じない、「曇りのない音」を目指し設計されています。スピーカーはもちろん、オーディオケーブルやアンプなど細部にこだわり、最上の音響を楽しめる劇場ができたと自負しています」。

映画文化・フィルム映写機への思い
「109シネマズのみなさんと意見交換をした際に、『日本ではフィルムの上映ができる映画館がほとんどなくなっている、いまこそ、改めてフィルム上映のできる映画館をつくってほしい』と提案したことを真剣に受け止めていただき、チームのみなさんはすぐに35mm映写機を調達してくれました。
フィルム映画の文化を継承するためにフィルム上映も可能なシアターがここに用意されています。本物の映画愛にあふれた方々が作り上げた劇場です」。

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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