マスクメイカー/ソフトスカルプターの村山伸の展示「Poetry in Losing」が8月5日から開催

「エンダースキーマ(Hender Scheme)」による「物々交換」をコンセプトとしたオルタナティブスペース「隙間」は、村山伸の展示「Poetry in Losing」を8月5日から開催する。会期は8月13日まで。

村山は1977年生まれのマスクメイカー/ソフトスカルプター。ニューヨークを拠点に自身の作品制作と並行して、ケンドリック・ラマーやエイサップ・ロッキー、マヒトゥ・ザ・ピーポー、小沢健二などのアーティストへの作品提供、ファッションブランドとのコラボレーションなど、多岐にわたる活動を行ってきた。服飾の背景と技術が交わる村山のアートピースは、ソフトスカルプチャーと名付けられ、作家の身の回りにあるマテリアルを用いて、マスクをはじめとするモチーフをつくり出す作風で知られている。

同展は、15年住み続けたニューヨークを離れ、今年日本に拠点を移す選択と密接に結びついている。村山のアーカイブ・ピースと共に、「エンダースキーマ」のシューズを用いたマスクを含む、同展のため制作された新作を発表する。

あわせて村山は展覧会の開催にあたり、下記のステートメントを発表した。

それなりに長く暮らしたニューヨークを離れることを決めた頃、こんな言葉を耳にした。 
ニューヨークのストリートカルチャーはサバイバルカルチャー。アーティストがそこで生き残ろうとする態度。 
古くからいた人たちはほとんど全員日本に帰ってしまった。才能のある人たちもいたのに、残念ながら力尽きて帰ってしまった。 
そう語る彼らによれば、僕の帰国はどうやら「負け」を意味するらしかった。
 

僕はジョン・マッケンローの言葉を思い出す。 
“There is a beautiful poetry in losing.” 
マッケンローが、キャリアの中で1番良いプレイができたと振り返る試合がある。しかしその試合で彼は負けた

勝ち負けについて考えるなんて、長い間してこなかった。 
人と比べたり比べられたりすることとは無縁の圏外にいつもいたし、そもそも僕は、勝利や1番になることへの執着が弱いのだ

では誰かに負けを告げられた場合はどうだろう。 
敗北?とされたこの僕の個人的な体験から、マッケンローのそれのような美しい詩は生まれるだろうか。 

問いの答えがこの展示にあるかは僕にはわからない。 
僕はただ、迷いながら手探りで作り続けてきただけだから

■村山伸「Poetry in Losing」
会期:2023年8月5〜13日 
会場:隙間 9.0
住所:東京都台東区蔵前3-11-2 1F
時間:12:00~19:00

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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