フランスの現代アーティスト、ジャン=ミシェル・オトニエルが日本で初のギャラリー展 夢の世界、菊の花が咲く閉ざされた禁断の園を表現

フランス人の現代アーティスト、ジャン=ミシェル・オトニエルが、東京・六本木のペロタン東京で新作の個展「«夢路» DREAM ROAD」を開催する。会期は9月16日〜10月24日。

2000年にパリのパレ・ロワイヤル=ミュゼ・デュ・ルーヴル駅のエントランスを飾った「夢遊病者のキオスク(Le Kiosque des Noctambules)」の発表以降、名実共にフランスを代表するアーティストとして認められてきたオトニエル。2011年にポンピドゥー・センターで開催した回顧展では3カ月の会期で20 万人という記録的人数を動員。日本では六本木ヒルズ毛利庭園内にある「Kin no Kokoro」や「シャネル」銀座店3階の吹き抜け部分に設置されたオブジェなどを制作。最近ではフレグランスブランド「ディプティック」とのコラボレーションでも話題になった。

オトニエルは静観的なアプローチで自然の探求を続けており、新作のインスタレーション「Kiku」は日本の古典文化における菊の象徴がインスピレーション源となっている。ギャラリー内には自身が“夢路”と名付けた、菊の花が咲く閉ざされた禁断の園を表現する。“夢路”は900年代の日本で編さんされた「古今和歌集」や「後撰和歌集」に登場する言葉で“夢を見る”“愛する人と夢で逢う”という意味が含まれる。

今回の個展は日本で初のギャラリー展で、新シリーズである立体作品は、1990年代後半から代表的な素材として用いているガラスやビーズで結晶化された菊を制作。大型のキャンバスを用いた絵画作品は、白金箔の層の上に黒インクで抽象的なイメージを描き、明暗の感覚で遊んでいて、作家活動を始めた頃から作品の中核とし続けるドローイングへの愛情を示している。メインスペースに設置された台座に展示される優雅な彫刻作品は、オトニエルが何度も訪れた「文京菊まつり」で見た圧倒的な展示を想起させる。別室では、金箔に描かれた絵画作品3点を展示する。


■ジャン=ミシェル・オトニエル「«夢路» DREAM ROAD」
会期:9月16日〜10月24日
時間:11:00~19:00 ※アポイントメント制
会場:ペロタン東京
住所:東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル1階
休日:日曜、月曜、祝日

author:

TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

この記事を共有