彫刻家の名和晃平が、東京・表参道のジャイルギャラリーで個展「Oracle」を開催する。会期は10月23日〜2021年1月31日まで。
名和は、今年で10周年を迎えた京都・伏見のスタジオ「SANDWICH」を拠点に活動を続けていて、今回の個展では、鎌倉時代の「春日神鹿舎利厨子」へのオマージュとして、木彫漆箔仕上げの「Trans-Sacred Deer (g/p_cloud_agyo)」(通称:雲鹿)を発表する。近年名和が取り組んでいる、京都の伝統工芸復興プロジェクトから生まれたもの。海外渡航が難しくなった今、自分自身がスタジオで過ごす時間が増えたことで、多くの実験的な試みを継続的に行ってきた。
その中から今回は、複数のメディウムや塗料・オイル・油絵具などを混合し、複雑な物質性とテクスチャーを生み出すペインティングの他、霧や UVレーザーを用いた新作を展示する。
個展の開催と同時期に明治神宮鎮座百年大祭が開催される。明治神宮ミュージアム前には「White Deer (Meiji Jingu)」、本殿手前の南神門に雲鹿と同じ木彫漆箔仕上げの鳳凰「Ho / Oh」が展示される。表参道から本殿をつなぎ未来への希望を描き出す一連の彫刻作品が楽しめる仕掛けとなっている。