アーティスト・Haroshiが個展を開催 使い終わったスケートボードのモザイク絵画など3シリーズを展示

スケートボードの廃材を使った作品で知られるアーティストのHaroshiは、今年6月にオープンした渋谷・神宮前のギャラリー「NANZUKA UNDERGROUND」で個展「I versus I」を開催する。会期は7月10日〜8月8日で、入場は無料。

「I versus I」のテーマは“己との戦い”で、3シリーズに分けて作品を展示する。1つ目は使い終わったスケートデッキを刻んで平らに並べ、1人ひとりの個人史とスケートボードカルチャーの総体を表現したモザイク絵画作品「Mosh Pit」、2つ目はスケートボードとそのカルチャーを愛する人達の守り神として制作した「GUZO」、3つ目は古いプラスチックおよびビニール製のフィギュアを再構築した作品群となっている。本展を記念して、Haroshiの2003年から現在までの作品を掲載した全520ページのカタログを発売する。

展示作品についてHaroshiは、「『Mosh Pit』は、役目を終えたスケートボードの傷ついた美しい姿にフォーカスした作品です。スケートボードのグラフィックは、スケーターが繰り出すトリックによって各々の形に傷ついて(ペインティングされて)、その美しさは完成形に向かうと同時に、終局にも向かっていきます。まるで“Mosh Pit”のようにスケーターのぶつかり合うようなパッションを、その結晶でもあるスケートボードによってそのまま作品に閉じ込めました。『GUZO』はスケーターを支えてきたスケートボード自体の自己犠牲の精神を尊いものとし、それを神格化した神像です。スケートボードの傷ついていく様は、まるで“the passion of the skateboard”といってもいいような、ドラマチックなもので、僕等の代わりに傷ついていくスケートボードを神様として復活させなくてはと思いました。ソフビのシリーズは、子どもの頃に僕らの手によって砂場やお風呂場で繰り広げられた激しい死闘の末、傷だらけになり破損したソフビ人形達を、大人になった僕等が今、またコンクリート上で激しい死闘を繰り広げ、深手を負わせたスケートボードによって修復し、傷ついた両者がお互いの足りない部分を補いながら、新たな形に進化していく物語です」と語っている。

トイやストリートブランド「ハフ」ともコラボレーションし、プロスケーターによるトーナメント戦「BATB」のトロフィーなども手掛けている。現在は海外を中心に活動しており、2018年にはアートフェア「アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ」の「ノヴァ」セクションで個展を開催したほか、2019年から2020年にかけてニューヨークとロサンゼルスの「ジェフリー・ダイチ・ギャラリー」で開催された「Tokyo Pop Underground」では、5m四方のインスタレーションを発表。昨年は「天童木工」とともに製作したスケートボードを「TOKION」で販売した。

■「I versus I」
会期:7月10日〜8月8日
会場:NANZUKA UNDERGROUND
住所:東京都渋谷区神宮前3-30-10
時間:11:00~19:00
休日:月曜
入場料:無料

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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