写真家・小見山峻(こみやま・しゅん)の写真展「風が応える」が渋谷パルコで開催される。同展は、「SHIBUYA PARCO ART WEEK」の一環で、会期は9月17〜20日。渋谷パルコ10階の「ComMunE」および屋上スペースで行われる。
本展は、屋上スペースという会場を活かし、空間演出を含め、自身にとってはかつてないほどの大規模で、さらに初となるポートレートを本軸に据えた展示となっている。生地にプリントされた写真をさまざまな手法で設置し、屋上を吹き抜けてゆく風によって写真にもう1度「動き」を吹き込む。それは、本来「思い出」としての機能を持つ写真を、改めて見返した時に起こる心の動き、感傷に通じるという。
展示を開催するにあたり、小見山は「風が応える」と題したコメント寄せる。
誰かが言っていた。
忘れることは生きてゆく為の機能だと。
しかし僕らはそれを恐れ、抗うようにシャッターを切る。
目の前の出来事を、屈託のない視界を、そしてあなたのいる世界を。
残すために。
それでも、積み上げた記録はしだいに、非力な僕らの手から零れ落ちてゆく。
抱えきれない思い出たちは何処へやればいいのだろうか
きっと風が応えてくれるだろう。
この心地良い場所で。
きっと風が運んでくれるのだろう。遠くへ。
小見山 峻