小橋賢児が代表を務めるThe Human Miracleは、新しい才能をプロデュースするプロジェクトART BASE ZEROを発足。第1弾アーティストとして秘密のベールに包まれた現代アーティストENAの個展「f_a_c_e」を開催する。会場は六本木の「ANB Tokyo」3階で、会期は10月23〜30日。
先日の渋谷パルコのグループ展で発表した作品が即日ソールドアウトになった現代アーティストのENA。美術専攻で高校を卒業後、油彩画、アクリル画、コラージュ、立体造形、写真、映像、音響、インスタレーションなど、固定概念や枠にとらわれず、社会や文化にフォーカスし様々な手法で自身のアイデンティティを表現。また、色彩論ではなく、独自の構想や捉え方で”色”にアプローチし、作詞家や作曲家の様に、色彩での表現行う”作色家”として作品作りを行なっている。
「f_a_c_e」では、舞台俳優をイメージしたポートレートに、アクリル絵具をマーブリングして描かれた、絵画シリーズを発表。自身が舞台などで活動した経験から人格(ペルソナ)に関心を持つENAは、本展覧会において、SNSの時代における人格形成をテーマに作品を制作した。
展示に関してENAは、「2020年新型コロナの流行により、展示や近い予定さえもなくなり、呆然としてアトリエにいた時、5年前に制作したこのポートレートシリーズの作品と目があった。溢れかえる情報、混乱する心情、SNSのみのコミュニケーション。顔を覆い保護する人々にリンクし、そこからこのシリーズを再スタートさせた。視覚では、見えていない色がある。視覚という、究極なる感覚器官を持ってしても、見えていない事象があるからこそ、私達は想像力で、対象物への認識を補っている。視覚と想像力、その両方で、他者を『見る』瞬間を、作品によって切り取りたいと考えています」とコメントを発表する。